セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

今日の日経「経済教室」から

2008-12-01 23:40:17 | 社会経済
昨日家の鍵を受け取った。前から新しい家もでき、月も替われば、これからは勉強に精を出そうと、毎日日本経済新聞の「経済教室」の要旨とメモとコメントを書いていけたら経済の勉強になるかなと思っていた。しかし空調や家財の引越しなどまだまだやることはいっぱいある。しかし初日からサボるとずっとできないかもしれないので、短いコメントだけ書いて第1日とする。

タイトル:抜本的税制改革 可能性は?
筆者:土居丈朗(慶応大学准教授)
 土居教授は、年内に予想される「中期プログラム」の消費税の増税とそれとセットの政治的配慮の低所得者の税負担軽減にための所得税など改革を念頭において先進国の税制改革の流れと学説を紹介する。
しかし釈然としない点があった。先進主要6カ国の税の内訳を示しながら、「欧米諸国では、法人所得課税の割合が低く、消費課税の割合が高い(図)。」と書いてある。たしかにそのとおりだが、もう一つ重要なことがあるのに、述べていない。たしかに法人所得課税は低いが、消費課税と同程度に個人所得課税も高いのである。たとえば図から判断すると、日本では、消費課税25%、個人所得課税32%、法人所得課税28%、資産課税等15%ぐらいだと思う。スウェーデンでは、消費課税36%、個人所得課税42%、法人所得課税11%、資産課税等11%。ドイツと英国も消費課税の割合が日本より多いが、個人所得課税の割合も日本より多い。地方税しか消費課税のない米国を除くと、フランスだけが消費課税がおおくて、個人所得課税が日本より少しだけ少ないが、そのかわり資産課税等が22%と突出して多い。
つまり、消費課税の増税は、個人所得課税の増税及び法人所得課税の減税と結びついているのだ。したがって日本で消費課税の増税とゼットで個人所得税の減税が行われても、それは定着せず、消費税増税以前より重い個人所得課税になる必然性があるのではないのか?
なおこれは、いい悪いといっているのではない。著者の言うようにグローバル化により企業の利益や金融所得の課税ベースが容易に国境を越え、課税権が主権国家の枠組みを超越することの反映かもしれない。とすると、消費税課税強化は高齢化の社会給付費の要請という口実より、本当は経済のグローバル化が影の車なのか?

なお以上はふと思った僕の感想で、土居教授の文章の主たる論点から外れている。時間が取れれば文章本来の趣旨の解明も書いていきたい。