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山中教授、ノーベル賞逃す・・・。

イグ・ノーベル賞の話ではない。

 

本家本元のノーベル賞の話。

昨日、医学・生理学賞の発表があった。

事前予測では、iPS細胞を発見した山中京都大学教授が最有力候補であった。

スウェーデンの大手新聞社DN(ダーゲンス・ニヘテール)も、山中教授と予想していた。

でも

でも

昨日受賞が発表されたのは、

体外受精技術を開発したエドワーズ教授。

すでに400万人が体外受精で生まれているそうな。

 

選考基準で難しいのは、体外受精のようにヒトに実用化されて多くの実績を残しているケースと、

山中教授の研究のように、ヒトへの実用化はまだだが(再生医療への応用が強く期待されているが)、世界中の研究者が、山中教授の発見をベースに研究を行い、それぞれの分野で実用化を目指しているケースでは、

比較が困難だと言うこと。

 

実績を取るか、宇宙的規模の可能性を取るかという究極の選択となる。

 

選考の次元がそもそもことなるのだから、

2人同時に受賞という、粋な計らいを

カロリンスカ医科大にはしてほしかったなあ。

 

まあ、山中教授は現役バリバリの研究リーダーであるので、

ノーベル賞を受賞すれば、マスコミに引っ張りだことなり、奥様も

引っ張り出され、大変なことになる。

大好きな研究が停滞するというストレスを抱えることにもなる。

 

まあ、65歳ぐらいになって、研究の第一線から退き、第二線に入る頃に、受賞した方が、結果的にはプラスなのかもしれない。

 

山中教授は、今、生命倫理上のアポリアに直面している。

iPS細胞を、当該個人という一人の生命体の中の閉じたシステムとして利用する場合には問題が生じなかった。

ヒト社会という閉じたシステムの中で、利用する場合には問題が生じなかった。

ここにきて、動物とのインターフェイスまで検討しなければならないほど

進化発展を遂げている。

我々ヒトがブタとの関係の中で、このiPS細胞を活用すると言う段階まで来てしまうと、どこまで<やってしまっていいものか>倫理上の問題が生じてしまう。

研究者としてどこでブレーキをかけるのか、あるいは国が率先してブレーキをかけるガイドラインを設定するのか・・・

今山中教授の頭の中は、このアポリアでぎっしり。

このタイミングで受賞しても、イマイチ完全には弾けられないかもしれない。

ということで、来年、再来年、

ずっといって高齢者デビューまで、受賞を楽しみにしていたいと思う。

 

 

 

 

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