goo

ブッタマゲーション!

スウェーデンの高齢者ケアを研究していて、時々<ぶったまげる>ことがある。

2月のスウェーデン出張でインタビューした内容をいまだにまとめられていない自分自身にも<ぶったまげる>が、今日はその話ではない。

スウェーデンの高齢者ケアは、在宅ケア(代表的なサービスが、ホームヘルプサービス)も施設ケア(ナーシングホームやグループホーム)をケアの責任を負っているコミューンが運営する場合と民間会社に委託する場合がある。

290コミューン全体でみると、前者が9、後者が1だったものが、前者が8.5、後者が1.5の比率になりつつある。

将来的には、8対2、7.5対2.5へと民間会社の運営比率が高まっていくであろう。

コミューンの中には、民間会社を信用せず(?)、コミューン直営を続けるコミューンもあれば、コミューンを信用せず(?)民間委託を積極的に進めるコミューンもある。

こうしたコミューンの考え方の違いの背景には、政党が関わっていると私は考える。つまり各コミューンの与党がどこかということと深く関係していると私は考える。

連載第26回は、このあたりの(どのあたりの?)議論をテーマに1本書き下ろそうと思っている。

現在と7、8年前とを比較する論文を書くためには、①在宅ケアに関して、スウェーデン全体でコミューンが運営している割合と実数、民間会社が運営している割合と実数が最も基本的な必須情報となる。

次には、本丸である<コミューンごとの情報>が必要となる。

②施設ケアに関しても、スウェーデン全体でコミューンが運営している割合と実数、民間会社が運営している割合と実数が最も基本的な必須情報となる。

次には、本丸である<コミューンごとの情報>が必要となる。

 

スウェーデン全体の情報は、最も基本的な情報なので、最悪でも数時間でお手軽に、スーイスーイと手に入ると思った。

が、大甘だった。

30時間かかった。。。それ以上かかったかもしれない。

ブッタマゲーション!

比較するということで、2000年と2008年のデータが必要になるのだが、この最も基本的な情報でさえ、<向かっていかなければ探せない>のだ。

日本では考えられないことが、スウェーデンでは起きている。

日本では、例えば、厚生労働白書(あるいは高齢白書)を見れば、基本的な情報は全て揃っており、<探さなくても必ずそこにある>。

スウェーデンは、社会庁の報告書をしらみつぶしに向かっていって探さないと、こんな基本情報さえゲットできない。

今回の基本情報に関しても、2000年データは、A報告書、2008年データは、B報告書に載っていた。しかもAとBは全く種類の異なる報告書でる。

小生が困るだけなら、まだいい。

スウェーデンの政治家や役所職員が政策立案したり将来計画を立てたりする時、スウェーデンの研究者が論文のイントロで紹介したい時、基本データ収集にすこぶる困るし、根気のない人ならば、心が折れてしまうと思うのだが。

やっぱりスウェーデンは、<不思議の国!>

 

 

 

 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする