salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・リアル☆アラフォー

2009-03-09 00:09:56 | 本・雑誌
最近読んだ本の中から、一冊。

『薄闇シルエット』(角田光代・著 角川書店)

主人公は、いわゆる「アラフォー」。

それも、青臭くて、未来は明るいと信じていた、
浮かれポンチなハタチ前後に、バブルを経験したと思われる世代。

どっかそれを引きずり、好きなこと(ここでは仕事)に夢中で
恋愛でゴタゴタしてる、10代の青春真っ只中みたいな女の子。

そう、女の子。みたいなのです。

女の人でも女性でも女でも女子でもない、
ましてやおばさんでもなく、女の子。

世のオジサンたちが言う「オンナノコ」ではない
正義感や理想を忘れていない、女の子。
でもどこか危なっかしくて。

野心、野望、理想、馬力、から元気、自負、
そしてときに見せる卑屈ささえも、
どれも女の子たちが持つものばかり。
それを持っていさえすれば、永遠に女の子のような。
それを手放したとき、女の子とは呼ばれなくなるのかも。
ある意味、落ち着き、ある種のあきらめ。

結婚するしないで迷走し、失い、平凡さを嫌ったり、
自分の理解を超えたものに対し悪態ついたり、
意地とプライドで、日々を複雑にしていったり。

そんな人たちが登場します。


しんとした闇に取り残されたとき、見えるもの。

つるんでいた仲間がひとりふたりと抜け
祭りの後みたいにものさみしく
気づけば夢は消え、明け方の空を見上げて途方に暮れる気持ち。

それはきっと、あなたにも私にもあの人にもある気持ち。
未婚でも既婚でもフリーでも恋人ありでも
働きマンでも主婦でも、この年代だから感じること。

何も失ったことのない人なんて、いない。

がんばろう、女の子!