玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

「フルスイング」第二話

2008年01月27日 | テレビ鑑賞記
以下は私信です。
HALTANさん、「フルスイング」ご覧いただきありがとうございます。

ワサビより効く「フルスイング」 - 玄倉川の岸辺

『フルスイング』って面白いのですか? - 躁うつ病高齢ニートの映画・TV・床屋政談日誌
『フルスイング』第2話「逃げない」 - 躁うつ病高齢ニートの映画・TV・床屋政談日誌

「なんであそこまで誉めるのか全く分からない」とおっしゃいますか。
酷いです。
傷つきました。
HALTANさんは血も涙もないおかしな人です。
謝ってください!


…と、責めたりはしません。
私も第二話を見ましたが正直言って特に感動しませんでした。よくできてましたが普通です。
涙の降水量を比べれば第一話は200ミリ、第二話は5ミリ、といったところです。土砂降りとにわか雨くらい違います。
それでも個人的には充分に楽しみました。剣道着のフッキー(吹石一恵)は凛々しかったし、田辺さん(徳永えり)は素朴でかわいかった。ピンで留めた前髪とちょっと太目の脚がいい感じです。

私が「今年最高のドラマ」と感激したのは、第一話があまりにも、異常に出来がよかったからです。
いえ、こういう言い方をすると実際にご覧になったときがっかりさせるかもしれません。出来がよかったというより私の「ツボにはまった」と言うほうが正しい。

第一話の中心は森君でした。クラスの後ろのほうの席に座っている長髪で暗い感じの男子生徒です。
ストーリーについては申しませんが、ありきたりの・ベタな・何十回も見たような学園ドラマの定番です。それでも手放しに感激したのは、森君の姿を見て「こいつは俺だ」と思ってしまったから。うかうかと感情移入してドラマ製作者に首根っこを捕まれました。あとは思うまま振り回されるだけです。
森君はある事情で心を閉ざし会話を断って自ら孤独を選びました。だがそんな自分に満足しているわけじゃない。自らを責め、運命を恨み、太陽の光を避けて日陰で過ごす。森君のいじけた表情に嫌悪を感じながら、どうしようもなく「こいつは昔の俺であり今の自分だ」と思いました。なぜそう思ったのかは書きません。痛いから。
「フルスイング」第一話では高さん(高林先生)が森君の心を暖め、こわばりを癒す姿が描かれました。まるで上手なマッサージ師が客の体を揉みほぐすように、です。見ている自分も心のツボを押されてヒイヒイ叫んでしまいました。とても人さまにお見せできる姿ではありません。バーチャルマッサージで凝りが取れるはずもないのですが、見終わったあとカタルシスを感じたのは確かです。

2ちゃん情報によれば、第一話をどこぞの動画サイトで見ることができるとかできないとか。
番組掲示板にはたくさん反響が寄せられてますから、遠からず再放送もされるでしょう。もし気が向いたらご覧いただき「あいつはこんなベタなドラマを見て泣くのか」と呆れてください。
私は山田太一ドラマと阿久悠の歌謡曲で育ったベタベタに通俗的な人間なのです。公言するのは恥ずかしいですが今さら変えられません。山田太一と阿久悠の影響を否定することは私の人生を否定することです!

…そこまで大げさに言うことじゃありませんね。駄文失礼しました。


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