玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

エウレカセブンに期待してみる

2005年04月20日 | テレビ鑑賞記
以前のエントリ“あれから10年、エヴァンゲリオン”で「巨大なブームを起こしたエヴァンゲリオンの誕生からもうすぐ10年。そろそろ何か新しいものが生まれそうな気がする。」と書いた私だが、具体的にどれかの作品を思い浮かべていたわけではなかった。エヴァ以来すっかりそちらの世界の情報には疎くなっており最近どんなアニメが流行っているのかさえ知らない有様である。なにかブームが来るとしたらよほど遅くなってから知ることになるだろうと半ばあきらめていたのだが。

偶然gooのトレンドランキングを見ると、正体不明のリンクが上位に並んでいた。
“交響詩篇 エウレカセブン”
何だこれは?クリックしてみた。
ふむふむ、新しいロボットアニメか。あ、メカデザインが河森正治、コンセプチュアルデザインが宮武一貴だって?昔懐かしいビッグネーム。他のスタッフの名前はよく知らないけど、設定やら何やら見るとかなり期待できそうだ。あれ、ストリーミングで第一話が無料で見られるのか。とりあえず見てみよう。

(視聴中)

…うーむ。これはかなり凄いんじゃないか?
けっこういいぞ。いや、TVシリーズとは思えないクォリティの高さだ。
作画については100点。文句なし。ウェブサイトで「色彩設計」のスタッフ名が大きくクレジットされていたが、たしかに色に厚みと調和がある。描線も柔らかくていい感じ。一切の手抜きが感じられない。背景も素晴らしい。
ストーリーについては始まったばかりなので評価しようがないが、魅力的な異世界を作っている。面白いガジェットをばら撒き、意味ありげな伏線を張りまくっているようで今後に期待できる。主人公の自意識過剰気味モノローグが鬱陶しいが、シンジ(エヴァンゲリオン)に比べたらマシ。
メカデザインは河森にしては…という意味でちょっと期待はずれだが、作画の力でLFOなる主役メカ(可変ロボット)を魅力的に見せている。空中戦の描き方は「マクロスプラス」を思い出させる迫力。
そしてキャラクターデザイン、今のところはこれに一番感心している。ちゃんと三次元の厚みと骨格を感じさせるキャラクターだ。ガンダムシードみたいに個性の感じられない薄っぺらな美形キャラとは違う。これなら大人が見ても恥ずかしくない。私にはよくわからないが、キャラクターたちのファッションもけっこう今風でイケているのではないか。
何といってもヒロインの「エウレカ」が可愛いのだ。ショートカットの似合うエキゾチックな美少女。パープルの瞳が神秘的。水色の髪の毛はシーラ・ラパーナ王女みたい。古すぎて誰も知らないか。昔好きだった女性にもちょっと似てる。念のために言っておくがロリコンではない、その人は20代なかばである。
ついでといっては何だが音楽も良い感じ。EDテーマの女性歌手の声が素朴で好きだ。もしかしたらCD買っちゃうかも。

というわけで、個人的には10年ぶりに現れた「積極的に見たいTVアニメ」である。
エウレカセブンがどれほど世間的に「来る」のかそれとも来ないのかはわからないが、お暇な方はどうかご覧になってください。