黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

残念な結果だが、しかし……、

2014-02-10 06:38:47 | 仕事
 昨日の東京都知事選、結果は投開票前から分かっていたこととは言え、形式的には「原発再稼働・原発輸出」を推進する自公連立政権が都民(国民)に認められたようなことになってしまって、至極残念である。
 しかし、前日の大雪のため、組織動員に関係ない人々が投票所まで足を運ばなかったということもあったのだと思うが、投票率が50パーセントにも満たない低投票率であったこと、またそんな低投票率の中でのやはり50%に満たない支持によって舛添要一が東京都の新たな顔になったということを、僕らはどう考えればいいのか。現在の安倍政権が、国民の4分の1以下の支持によって成立したことに象徴されるように、民主主義を実現するための基本的要件でもある「選挙」というものの摩訶不思議さ、投票率が50パーセント以下であったら「無効」→「やり直し」という決まりを作りたいぐらいの気持である
 それにしても、今度の50%を切った東京都知事選、雇用(経済格差)、年金、生活保護、等々の社会保障問題や東京オリンピックの開催など、そして「原発」問題という大きな政治的テーマがあったにもかかわらずのこの低投票率、どうやら国民(都民)にとって最早「政治」というものが自分たちとは関係ないものになってしまったことを意味している、つまり国民(都民)の多くは「絶望」していると言っていいのかも知れないが、もう一度「しかし」と言わせてもらえば、原発を容認する舛添要一と田母神俊雄の得票を合わせた数と、「脱原発・原発ゼロ」の宇都宮・細川候補の得票数を比べると、約280万と193万という数になり、決して「反原発」派が大敗したわけではない、ということがわかる。それに、あたらしい都知事になった舛添要一も、自民党の応援を得るために「脱原発」の施政を後ろに引っ込めたが、元々は「脱原発」を主張していたはずで、朝日新聞などのマスコミが都知事選の結果を踏まえて「これで、原発再稼働に拍車が掛かる」といった主旨の記事を載せているが、本当にそうか。投票した東京都民の5分の2が原発に反対している現実を無視して、果たして権力は原発の再稼働や原発輸出をごり押しできるかどうか、僕らはここで諦めることなく、「脱原発・原発ゼロ」の旗を掲げつつ、安倍政権に「異議申し立て」をし続けなくてはならない、と思う。
 とは言うものの、正直言って、現在は何だか「虚しさ」だけが周りに漂っているような感じで、どのような形で「異議申し立て」をしていけばよいのか、思案中である。
 ただ、一つだけ分かったことは、権力を持たないものは、「協同=共生」によってしか十分に力を発揮できないということである。そうしないと、少ない支持にもかかわらず一つ(複数)の政党が権力を縦にする、という民主主義の「悪弊」が何時までも続くことになる、ということである