低温日など寒暖の差が大きさは、牛たちにとって暖房機器がないために厳しいストレスとなっているようである。
朝一に給餌した稲ワラを食った仕上げ期に至った去勢牛が、午前11時前に急死した。
診療歴のない牛であっただけに、狐につままれたような驚きであった。
一般的には急性心不全と言うことになろうが、死因不明のままでは今後の対処法にも参考にならないために急遽、管轄する家畜保健衛生所に解剖による死因調査(剖検)を依頼した。
その結果、腎臓上部における大動脈破裂による大量出血が直接の死因であった。
しかし、斃死牛特有の心臓や肺や肝臓など循環器や消化器官等は実に綺麗であって異常は全く認められず、何故動脈が破裂したかは確定していない。
このような症状は初めての疾患であり、悔しい出来事であったが貴重な症例であった。
早期発見早期治療をモットーとしているが、この症例の場合、早期に発見したとしても既に間に合わない疾患であろうことが伺えた。
作夏7月以来の肥育牛の事故であった。