牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

枝肉の瑕疵とトラック移送

2010-03-31 23:58:42 | 枝肉
全身シミ(多発性筋出血)の枝肉が出た。
通常シミが出るケースとしては、出荷のためのトラック移送中の過激なストレスによる体力消耗が原因になることが知られている。
また、と殺直前に暴走や牛同士の突き合いなど、過激な行動をした場合、筋肉内のグリコーゲンが減少することも知られており、この減少の影響は、通常と殺後には筋肉のPH値が下がるが、このケースでは下がりにくく、シミになると言われている。
その他、と畜場に繋留中に放れたり、肥育中は大人しく、動きの鈍い牛が、トラックに積み込まれたため、異常な恐怖感などによる興奮が基となるストレスのために、グリコーゲンの蓄積低下を来すケースや、と殺までに長時間絶食状態のため同様なケースになることも考えられる。

これらのことを念頭に、今回発生したシミの原因を検討中であるが、大まかにこれらの原因が一つ或いは複雑に拘わったものと判断している。冬季や猛暑など厳しい移送環境での肥育牛のトラック移送では、積載したまま長時間駐車するなどは、係る瑕疵などに繋がる可能性がある。積載されている車中の牛たちは、他牛を警戒し絶えず四肢を突っ張りあえいでおり、ドライバーのテクニックの良し悪しに左右されている。


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2 コメント

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上級肉の行方 (ユッティー)
2010-04-03 13:46:00
黒毛和牛の上級肉が売れずにダブついている。引き合いがあり売れているのは、2・3等級ばかりらしい。生産者が苦労して、牛にV/Aレベルのストレスを掛け結果として売れなく、ストレスの影響で瑕疵・シミなど発生させていたら何をやっているのか解らなくなる。産肉技術はニーズに合った体制を考えて行かなければならないと思う。聞いた話ですが、最近の若い人達はサシの多い肉は量が食べられないのでサシが少ない2・3等級を好んで食べるらしい。健康志向を考えれば下級肉がいいのかもしれない。経済が回復しても上級肉が売れなければ本当にニーズに合った肉を生産しなければならない。
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枝肉の瑕疵原因 (素人)
2010-04-03 19:26:06
瑕疵には原因があると思いますが、経済動物ゆえ原因追求まで至らない。後は飼い主が思い当たる事を考えるだけ。体質か外因かいずれにしろ負荷がかかって瑕疵になったと思います。折角大事に肥育して出荷したのに全身シミとかズルとか残念ですね。
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