牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

採血

2009-08-26 18:20:47 | 肥育技術



7~8年前から、肥育牛から採血して生化学検査を実施している。
全頭ではなく、導入時に5頭程度の採血を行い、それから生後15ヵ月令、21ヵ月目、25ヵ月目、そして出荷直前の5回を追次して実施している。
これまでの同検査では、ビタミンAの血中濃度は、以前農水省の研究班が提示したビタミンAのコントロールモデルに、概ね添った数値で推移してきており、肥育法に変化がないため、この1年間実施していなかった。
ところが、ここ数ヶ月、肥育成績が微妙に低下したため、同検査を本日再開した。
検査結果が判るには数日間かかる。

この採血法が以前とはかなり便利になった。
以前は、ステンレス製の採血針を頚静脈に差して、試験管に受けていたものである。
採血針が血管内でかすれたりして途中で留まってしまうと、順調に採血できた場合では、検査値に若干の差が出たものである。
今では、人の採血キットと同様で、採血管が引圧状態となっており、採血キットを血管にさせば、たちどころに採血管に血液が溜まる。
複数の採血管が必要な場合は、20ccなどの注射筒で血液を抜き、採血管に針をさせば、そのままで血液を移せて、実に便利になっている。

採血する術者により頚静脈から取ったり、肛門に面した尾部の付け根当たりから取ったりする。
また、採血は牛の保定次第で、失敗の頻度はかなり異なりる。
頚静脈であれば、牛の頭部をしっかりと保定し、採血する反対側頸部を凹状にし、採血する側を凸状にすれば安易に採血できる。
これは、採血だけではなく、補液する時などでも同様である。

採血なしでも順調な肥育成果が出ることが、もっとも良好なことであるが、肥育法が目的と異なる方向にいたっていないかを見極めるには、やむを得ない方策としている。




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2 コメント

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A/Vレベル (Unknown)
2009-08-27 11:02:54
お尋ね致します。15カ月・21カ月・25カ月の推奨A/Vレベルはどの位ですか?23カ月以降にA補給されると思いますが、どのように補給されますか、教えて下さい。
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メール (Piyo)
2009-08-27 18:57:15

三 (/ ^^)/

昨日、
家保の職員の方から同じタイトルのメールが送信されてきました。
面白い偶然に一人で喜んでいます。
アルボウィルス抗体調査の採血の件。
本当は、
「刺さなくてよい注射針を子牛に…」との思いもあるのですが、
何かしら異常が見つかるかもしれないし、
積極的に協力する様にしています。
5月から2ヶ月おきに計4回の採血。
母牛は最初の一回だけでその結果を見ると異常産予防ワクチンの効果があった感じさせる抗体価の数値でひと安心。

人間は献血の後で野菜ジュースをもらって飲みますが、
牛には何が良いのか少し気になる今日この頃です…。

f^_^;
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