牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛房の縦柵はトラブルの因となる

2009-10-15 23:37:41 | 畜舎



角のある家畜は、写真のような縦柵の中で飼育するのは好ましくない。
写真の子牛らは、生後月齢が7ヵ月未満で角がまだ伸びていないから、このような牛房に入れている。
角が伸びれば、柵の間から頭部を出すが、柵から頭部を引き抜くことが出来なくなるケースが良くある。
中には、チンパンジーのアイのように、日常行動に知恵をこらす賢い牛がいて、角が伸びても、両角を左右に動かしながら旨く柵から抜け出す。しかし、大方の牛は、柵から頭部を抜こうとして、旨くいかなかった場合は、その瞬間から両角を柵に掛けたまま、ひたすら後すざりするのみで大パニックとなる。
こうなれば、牛は前や左右に機転を利かすこともなく、おまけに人を巻き込んでの大騒ぎとなる。
牛房の縦柵は、この様にパニックから事故を伴うケースもあるために好ましくない。
写真の子牛らは、幼く体格が小さいため、通常の育成房に入れても容易に脱柵するために、およそ2ヶ月間にわたり予備房としている状態である。
だから、肥育センターで写真のような情景を見かけることは稀である。



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1 コメント

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縦柵 (河野道治)
2009-10-16 15:07:45
驚いた拍子に後ずさりし,角の角質が根本からとれて,中身の白いところが見える牛を,一度だけ見ました。可哀想でした。
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