牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

複数回給餌が肉質を良くする

2009-10-14 22:39:15 | 肥育



肥育センターにより、配合飼料の与え方は一定していないようである。
それらは飼養規模など物理的な問題や、少数精鋭など給与回数を小刻みにしたり、自動化したり様々である。
約500頭規模のあるセンターでは、早朝から深夜12時に掛けて、日に6回給与することで、肥育前半から摂取量が増加し、その分増体量が増えて、枝肉量と良好な肉質をものにしているという。
数千頭規模の場合は、完全自動給餌装置により、日に2回給餌のケースが多いようである。
前者は、良く聞くことであるが、牛の顔色を見ながら適量を与える業師的な牛飼いである。
後者は、規模が大きく、省力化優先で、マニュアル通りの給餌法を取らざる得ない。
当然、前者の方は手作り的な肥育法であり、その結果増体速度も速く、やや大きめの枝肉量が確保できて腿抜け効果もある様である。
日に1回給餌でも、複数回給餌と同様の摂取量であれば、増体量も多くなるはずであるが、1回給餌ではなかなか摂取量が上がらない。
摂取量が上がらないから、給餌回数を多くして、摂取量を伸ばそうと言うことになる。
毎日5~6回も給餌していては、労力的にも大変な負担である。
その様な場合は、自動給餌装置によるケースが多いようである。
給餌回数は、多いほど摂取量も増える傾向にあり、体重が順調に増加することで、体脂肪の蓄積も多く、その効果により、サシも潜在能力を伸ばすことになる。
ちなみに、配合飼料の固定式自動給餌装置は、40m牛舎4列(40マス)で、約270~280万円程度のようである。



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3 コメント

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牛への接し方 (南の牧童)
2009-10-15 06:43:40
牛舎に居る時間を長くすれば牛の状態・肉質成績が良くなる事は解っていますが、プライベートな事が疎かになり牛を飼っているのか?牛に飼われているのか?解らなくなります。如何に、合理的に飼養し少ない設備投資で成績を上げるかが牛飼いのセンスだと思います。段々と、手作りの肉作りがなくなり肥育名人がいなくなっている気がします。
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Unknown (牛好き)
2009-10-15 21:12:25
確かにそう思う時はありますね。
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複数回給餌 (河野道治)
2009-10-16 15:20:12
自然条件下では好きなときに食っているんだから,動物福祉上も好ましいと思います。一回給餌では後ほど出てくる鳥獣による害の中の糞や何時までも餌が残っていれば,食害時にうつる病気の危険も増えます。労力との兼ね合いでしょう。
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