牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

高校生頑張る

2011-01-14 23:50:17 | 牛の管理

今月1月10日夜、NHKBS熱中スタジアム「牛が碁盤に」を拝見した。
同番組の内容は、岡山県新見高等学校生物調査部畜産斑か和牛の碁盤乗りを伝承するためのクラブ活動を紹介したものであった。
今では牛の碁盤乗りを実施しているケースは滅多に見られなくなったが、それを千屋牛で知られる新見市の高校生が部活としてその技術を習得しながら、学園祭などで披露し地元民から拍手喝采を受けるなど、和牛の伝統的な技を地域一帯となって継承している様子に感銘を受けた次第である。
「調教は、わが国の貴重な農耕文化の一つである。しかし、現在では、本格的に調教された牛は、国内でも十指に入る程度ではないだろうか。インターネットによると、岡山県立新見北高等学校では、地元に伝わる伝統芸能牛の「碁盤乗り」を学校の特色作りにと、1996年から教諭と生徒たちが放課後と休日返上で連日懸命にとり組んだ結果、その翌年秋には、見事に「碁盤乗り」を復活させ、伝承しているとのことである。パソコン相手に、思わず拍手喝采した。」
この記事は、05年に肉牛ジャーナル誌に掲載した記事であるが、同校は、その後合併により新見高校となっている。
和牛産地の高校生による部活が、地域産業に関連しておよそ15年間脈々と継承されていることに、関係の指導者および学生諸氏に敬意を表する次第である。

筆者は59年、島根県にある国の施設において、和牛の基本的な調教を習ったが、その経験から、テレビ画面に紹介された高校生の部活で、賢明に碁盤乗りを成功させる若者たちの姿を拝見していて実に頼もしげに思えた次第である。
素晴らしい彼らの活躍に、水を差すようで恐縮であるが、碁盤乗りは手綱一本で操る調教の究極的な技術であるが、同校の場合は、手綱一本での調教を基本的としては居なく、牛とのコミュニケーションを深めながらの手法による碁盤乗りの成功であった。
本来碁盤乗りや橋渡りなどの技術は、基本的な調教の技術から生まれたものであった。
農耕牛を繰って鍬や荷車を動かすために欠かすことの出来なかったのが調教であるが、その理念を伝統文化の継承には、是非取り入れて貰いたいが筆者の願いでもある。
そこから生まれた碁盤乗りは、さらに美しさが加味され、見るものの心を打つはずである。
写真は、石原盛衛著「実用和牛百科」による。


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