牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

和牛経営に挑む

2010-02-16 18:48:08 | 繁殖関係



「牛飼いはなかなか難しいです」
脱サラから数年、農家の跡取りとなった60歳間近の子牛生産者の言葉である。
親の牛飼いを見よう見まねで和牛の繁殖を行っていると言うことであった。
年老いた親が飼っていたという10数頭の母牛が飼われており、母牛の栄養状態は、太り過ぎず痩せ過ぎず、適当な状態で飼われていた。
数頭飼いなら素人でも周囲の先輩などのアドバイスで牛飼いは出来ようが、多頭飼育ともなれば、牛は何故草を食うかなどの特性や飼料給与法、牛の発育など成長の特徴、発情・人工授精・妊娠から分娩などの繁殖に関することなど牛の基本的な知識の有無が効率的な経営を遂行する上では、重要となってくる。
聞くところによると、周囲から生後3ヶ月経ったら親と話して、子牛用の餌に慣らすようにと言われたが、どのような乾草をどれくらい、育成飼料をどれくらいでどのように増やしていったらいいのか、子牛が良く下痢をすることがあるが、それは何故だろうかなどとも聞かれた。
そこで、牛飼いの手ほどきについて、地元経済連や獣医師などにわからないことは積極的に問いかけて理解されることや手っ取り早いところでは、子牛市場名簿などに「淡路和牛飼養管理マニュアル」などと子牛の発育に沿った飼料給与などが掲載されているケースがあるので、それらも注視して参考にするのも現実的な対応であり、技術が備わればオリジナルな飼い方を実践してはどうだろうかと勧めた次第である。
一方、高校卒業後海自で5年間入隊生活を経て除隊して、将来和牛の繁殖経営を行いたいとして、この4月から農業大学校で2年間学ぶという青年にあった。
人生色々あるだろうが、このような青年に会えて、和牛関係者として頼もしく感じた次第である。
農大卒業後の彼の実践力を見極めたいと思っているところである。
志を持って農業大学校などで基礎知識を学び、それらを習得した若者達がその知識を活かして成果を挙げているケースが多くなりつつある。
話を戻すが、脱サラで牛飼いに苦慮している彼には、中央畜産会または畜産技術協会などが、発行している牛飼いの手引き書があるので入手するようにアドバイスした次第である。
~和牛子牛を上手に育てるために~ など