牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

がんばって欲しい京都産牛

2010-02-08 18:27:25 | 素牛


関西で和牛の肥育素牛を導入しているのは、兵庫県産と京都府産であるが、このうち京都産の素牛は、元もと但馬系であったが、現在ではその大部分の母体は鹿児島系である。
これまで、京都産は、月齢と体重は大きいけれど、肥育後の出荷時の体重は他産地のものより、小さいが定評であった。
九州系に換わってからは、増体型となり肥育中の発育や増体はかなり改善されてきている。
これまで、但馬系の特徴で有る発育難のために順調な仕上がりに辿り着くのに難儀してきた。
今では京都産も九州産との区別が付きかねないほど大きな口をして食欲旺盛な素牛に変わっている。
増体は改善されたが、但馬牛特有の小ザシで美しい枝肉は姿を消しそうな気配である。
今回出荷した京都産の牛に、偶々母牛が安平-糸秀に地元の但馬系菊幸を交配したのがいたが、美しい小ザシでA5の格付けであった。
生後29.5ヵ月であったが、さすがに小格で枝重が450kgで神戸肉ブランドに匹敵しそうな結果であった。
素牛価格を調べたら、08.6月市で導入したが、38万円であった。
これまで、この様な牛もいたが今では、影を潜めつつある。

兵庫県では素牛難が予測される中、本来の但馬系で辛抱しておれば、肉質系京都産素牛として関西の肥育関係者に珍重がられる未来があったはずである。
京都産牛の将来像が見えてこぬ中で、生産規模にも厳しい状況が見られるようになってきた。