写真は15産した黒毛和種のベテラン雌牛である。
筆者の頭髪はそろそろ霜降り状態だが、この牛は睫毛が白くなっていた。
(社)全国和牛登録協会では、15産を果たした牛を表彰している。
しかし、鹿児島県では、10数年前からこの表彰を辞退している。
産次が進むほど、その産子の経済能力が低下することから、母牛の早期更新を促す狙いや、
早期更新することで、雌子牛の繁殖牛としての供用率が高くなることなどが考慮にあった。
そのこと事態が、和牛繁殖経営にプラスなのかの結論には辿りかねないが、多産することで低コスト生産に繋がることだけは疑う余地はない。
健康で何時までも多産可能な繁殖雌牛であれば、その能力を完全燃焼させることが、畜主の果たすべき姿ではないだろうか。
改めて、写真にあるベテラン牛の功績を讃えたくなる。