まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

七重八重花は咲けども

2016年04月12日 | 日記

ソメイヨシノはあらかた散って
自宅マンション前の「桜街道」は八重桜が満開となりました。
いかにも「豪奢」という言葉が似合う桜ですねえ。



バイトはお休みでしたが
朝から体調が優れずにベッドで寝てばかりいました。
風邪のひき始めのような症状ですが
年のせいか日頃の疲れがドッと出たような倦怠感があります。
ブログも何となく書く気がしなくて・・・



ブログの写真もないので
仕方なく昼過ぎに一階に下りて八重桜をパチリ。
出来るだけ「風情」のありそうなのを選んでみましたが
八重桜はイマイチです。(笑)



溜まった新聞を読んでいたら「ひと」欄に目が止まりました。
福島県の南相馬市の上野敬幸さん・43歳。
東日本大震災の津波で両親と長女(8歳)長男(3歳)を失いました。
原発事故の影響で警察も自衛隊もいない中で
消防団仲間と捜索を続け母と長女を含めた40人以上の遺体を見つけましたが
震災から5年経った今も父と長男は見つからないままです。
上野さんは勤めていた農協を辞め、瓦礫撤去などのアルバイトをしながら
捜索ボランティアの仲間とともに遺体を探し続けています。
津波による行方不明者が今なお2500人以上もいるという事実も衝撃なら
それを今も探し続けてい人がいるという事実が驚きです。
しかも、それは国や自治体ではなくボランティアの民間人という事実。
もちろん際限なく捜索を続ける訳にはいかず
その努力も今となってはほとんど無駄骨なのかも知れませんが
そうせざるを得ない「人の思いの強さ」を感じます。
いみじくも上野さんが言うように
安倍首相はどこを見て「復興は着実に進んでいる」と胸を張るのでしょうか。



八重桜を見ると決まってあの古歌を思い出します。
確か太田道灌の逸話だったと思うのですが・・・

  七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに 無きぞ悲しき

もちろんこれは八重桜ではなく
八重咲きのヤマブキの花を詠んだものです。
道灌が山中での狩りの途中に雨にあって村娘に雨具を請うたところ
娘は山吹の花を差し出し「実の」と「蓑(みの)をかけて
こう答えたと言うのですが・・・



七重八重と花は豪華に咲いても
実のない花は何の役にも立たないという意味でしょうが
政治も同じではないでしょうかねえ。
どれだけ口触りはよくても「情のない」政治は人の心に届きません。
そんなことをボヤいていたら・・・
ああ、また体調が悪くなって来ました。(笑)