まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

古館伊知郎の卒業

2016年04月01日 | 日記

公園は花見真っ盛りである。
平日にも関わらず桜の下では飲めや歌えやの大騒ぎ。
こういう光景を見るたびにしみじみ日本は平和だなあと思ってしまう。



花見に浮かれている場合か!
などとケチをつける気は毛頭ないのであるが
日本人の「思考停止」を象徴する光景ではないかと思ってしまう。
あ、やっぱりケチをつけているか・・(笑)



報道ステーションの古館伊知郎が昨日で番組を卒業した。
彼の番組降板に当たっては「圧力」に関してさまざまなな憶測が流れたが
本人は明確に否定し「卒業」という便利な言葉に組した。
キャスターとしては毀誉褒貶が多い人だった。
明らかなミスリードもあったし「偏向」と突っ込まれかねない表現もあった。
ただ、前任の久米宏のプレッシャーと戦いながら
面白い報道番組を目指した「電波芸人」の役割は充分に果たしたのではないか。
ニュースであれドキュメンタリーであれ
テレビである以上、面白くなければ意味がないのだから。
もちろん何が面白いかは問題だが・・・



ネットでも話題になったドイツ取材は見ごたえがあった。
世界で最も民主的と言われたドイツの「ワイマール憲法」の統制下で
なぜナチスの独裁が生まれたかを詳細に検証していた。
ワイマール憲法48条における「国家緊急権」と
安倍内閣がすすめる憲法改正草案の中の「緊急事態条項」を徹底比較し
独裁はつねに拡大解釈から生まれることに警鐘を鳴らした。
安倍首相がヒトラーとは言わなかったが(笑)
実に分かりやすく明解なロジックで思わず感心してしまった。
イタチの最後っ屁という印象はあったものの
キャスター古館伊知郎の「矜持を見た」と言ったら言い過ぎだろうか。



彼が最後に言っていた言葉が印象に残った。

  つるんつるんの無難な言葉で固めた番組などちっとも面白くありません!
  人間がやってるんです。人間は少なからず偏ってます。
  だから情熱を持って番組を作れば多少は番組は偏るんです。

偏向報道に神経をとがらせる
政府の「放送法規制」の動きに対する精一杯の抗議だろうが
同時に、マスコミ内部に巣くう「事なかれ主義」への
彼なりのメッセージだったようにも思う。