早朝、実家へと車を走らせた。真夜中、亡き母の夢を見て胸騒ぎがした。
夢の中で、私は「母さんが元気でいてくれたら・・・」と何度もつぶやいて、
「母さんー」と叫んでいるところで目が覚めた。もしかしたら、もう実家が取り壊されているかもしれないとの思いがよぎった。
私の実家は、事情があって立ち退きを迫られていた。立ち退いて家を取り壊し
更地にして、戻せというのが相手方の要求だった。
今年はじめから、私たち姉妹は決断を迫られていた。法律的なこと、これから先のことなどなど、何度も話し合い、ようやく相手方と折り合いがついた。
先日、実家を整理した。そして、家を明け渡した。
三人でお墓参りをして亡き父と母に報告した。
父が「そうか。面倒をかけてすまんかったんなあ。」といっているような気がした。
父は終戦後、祖母を連れて引き上げてきて、この小さな家を買った。
その後、なんども増築、改築を繰り返して、現在の実家となった。
私たちは、それぞれに忘れられない思い出がいっぱいある。
感傷的になってしまうのも、当然の感情・・・
しかし、これも時の流れ・・・ 実家のそばには、泉がある。
子供の頃、よく遊んだものだ。かに、こい、めだか、ミズシマシ、ふな等が
いっぱいいた。泉の水はとてもきれいに澄んでいて、冷たかった。
この周辺を整地して、憩いの公園にする計画が持ち上がり、今回の運びとなった。
丁度、両親がなくなって、時期がめぐってきたのだろう。
亡き母の御霊が心配して、悲しんで私のところにきたのだろう・・・
それは、夢とも母の気配ともいい難い空気だった。
大丈夫、まだ実家は建っていた。しかし、其の姿をたもっているのも
あと少しだ。寂しいけど、これも神様の御計らい・・・
そういうことなのだ。・・・
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