これは 私の所属する日本習字の中学生2,3生のお手本の表紙です。
「感謝する心」について 上の筆文字は 創設者原田観峰先生が書かれたものです。
正しく美しい文字を指導することは ひいてはひとづくり を目指されたおられた創始者の
言葉です。
いまどきの中学生が 熟読してくれているかどうかは わかりませんが、
表紙ですから 目にとめていてくれていると信じております。
先日 生徒部の8段試験を北伊予教室で実施いたしました。 中1で臨む岡田君を
ご紹介いたします。教室開設から15年が経ちました。中学1年生で8段試験を受験するのは
岡田君が初めてです。
作文によれば、 小学一年生の時 学校に掲示されていた筆文字を見て
感動して 習いたくて 私の教室に通よいはじめたそうです。
それはそれは どの生徒さんよりも 熱心で 素直で 小学3年生の頃には
お手本を重ねたり、 ここができなかったとか 研究熱心で 書をみる目も自然に
養われていきました。 学校のクラブ活動もお習字を選んでくれて 友達から
「お習字おたく?」なんて 言われておりました。 教室でも 納得するまで 20枚以上
書き続けて たくさん書いたことを喜んでいました。 お母さんも「好きなことを習わせて
良かった」と言って下さいました。
その彼はスポーツも好きで 今は野球をしています。
ですから 中学生になってからは 教室に通う回数も減って 私も寂しく思っていました。
でも8段試験を目標に頑張ってくれました。
作文を読んでいて 思わず うるうる涙ぐんでしまいました。
私のことを・・・熱心に教えて下さり、 たくさんほめてくださいました。 だから僕は文字を書くのが
大好きになりました。将来 子供たちに習字を教えたいと思っています。
僕のように習字が大好きだと思える子供を育てたいと思っています。 と むすんでくれました。
15年間 多くの生徒さんを指導させていただきました。
このことばどおり 教えることは習うことである・・・・・
8段課題を楷書体で5枚書いてくれました。
教室で岡田君と二人きり、 しーと静まり返った教室に 彼の課題に向きあう
素直で真摯な姿勢に また作品に感動しました。 そして 作文を読み返して
お習字に対する彼の気持ちを知って とても嬉しくなりました。 私はなんて 幸せ者だろう・・・
好きな仕事を続けて こんな感動や喜びを味わえるなんてと 目の前の彼に心から
感謝しました。
そして 彼の作品が 私の恩師、 今は亡き丹下先生に とてもよく似ていることに
気が付きました。 書は人なりですね。
教会所にいなければ 字が上手になりたいと思わなかったです。 私の原点は
やっぱり 宗忠さまです。