さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

歩け、礼文の道。その4「ご飯はたくさんおかわりしてもいいですか?」

2009年06月30日 02時49分53秒 | 旅行


今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。


今回の話は、2日目後半です。
香深港(礼文島)→民宿までのお話です。


船を下りると、待っていてくれるであろう民宿のご主人を探します。

ターミナルへ向かって歩いていると、扉の近くで、
民宿の名前の入った旗を持った人が一人立っていました。




旗「FIELD INN 星観荘」
kumazzzo「今日宿泊予定を入れていたくまぞーです」
ご主人「今、待っている人を呼んできますので待っていてください」

この日の稚内は雨で、最高気温8.3度。礼文島も相当寒かったはずです。
ターミナルビルで暖かくして待っていた同じ民宿のお客さん3人と一緒に、
民宿の送迎用のバンに乗り込みます。

バンに乗っている宿泊者4人の中で、
同じフェリーでやってきたのは、俺を含め2人だけのようです。
運転しながら、新しく来た僕ら2人を紹介してくれます。

ご主人「くまぞーさんはどちらからいらっしゃいましたか?」
kumazzzo「東京からです」
ご主人「発熱やせきはありませんか?」
kumazzzo「大丈夫です」
ご主人「それでは宿泊オーケーです!」

新型インフルエンザネタで、笑いを取りながら、
僕らを和ませてくれます。

kumazzzo「今日はどちらに行っていたんですか?」
宿泊者A「ハイジの谷に行っていました。」
kumazzzo「今日みたいな日は、みなさんどうされるんですかねー」
宿泊者B「部屋でごろごろしている人もいるし、強行して歩く人もいるし、いろいろですよ」

礼文島は、南北に長く、島の東側に幹線道路があり、島の西側は急峻な地形で、
道路でつながっていない集落もあります。
フェリーが到着する香深は島の南部にあり、島の中心部。
島の北部の船泊には、礼文空港があるのですが、現在は就航していません。
送迎のバンは、香深から北上し、船泊を経て、港から約25km離れた島の最北端のスコトン岬を目指します。

宿泊者C「すごく揺れましたよね。波もすごく高くて船が被ってましたよね」
kumazzzo「酔いそうだったんで寝ていましたよ」
宿泊者B「白波がすごく立っていたからね」

その海を右手に見ながら、いよいよ車は、スコトン岬へ。
海岸線に別れを告げ、丘へと車が登っていきます。
スコトン岬のちょっと手前、歩いて、あと五分。
集落のはずれにある、その民宿に、到着です。



ご主人「お疲れ様でした。今日到着したお二人は説明があるので、フロントでお待ちください」

今回泊ったFIELD INN 星観荘は、礼文でも個人客を受け入れてくれる数少ない宿。
昔のユースホステル形式を維持していて、男女別の相部屋ですが、
家族連れにも対応してくれます。
また北海道中心ですが「とほ宿」という低料金でドミトリーをもつ
民宿の集まったネットワークにも入っています。
自分も、沖縄県の波照間で、この礼文の「とほ宿」の話を聞いたのが、
きっかけの一つでした。

フロントで一通り説明を聞いて、部屋を指定されます。
二人とも同じ部屋のようです。
部屋に入ると、二段ベットが設えてあって、8名が泊れる設計。
相部屋の経験はありますが、沖縄・波照間で自分がよく泊まる某民宿は、
畳の部屋に川の字になって寝るスタイル。

浴室、トイレはもちろん共用ですが、とっても清潔で、
あちこち旅してたどり着いた旅人にとっては、まさにオアシスです。
空いている場所に陣取り、荷解きします。

館内放送「夕食は6時20分ごろから始めます。ブラックホールに集まりください。」

ブラックホールと呼ばれる談話室は、食堂を兼ねていて、
みんなで一緒に御飯を食べます。
疲れた自分は、しばらくベッドで眠ります。
うとうととしていたら、また館内放送。
そろそろご飯のようです。


館内放送「うに丼を食べたい方、フロントでお集まりください。
     本日はミニうに丼です。先に料金をお支払い下さい」

どうやら、海が荒れていて、うにが揚がらないようで、
うにのストックも本日でなくなってしまったそうです。
このうに丼、この日を最後に、自分は食べることができませんでしたが、
自分が旅立つ朝には、久しぶりにウニ漁が出来て、船が一斉に出漁していました。

どうやら、全員の宿泊客がうに丼を注文したようです。
食堂に全員が集合したのを確認して、ご主人が料理の説明を始めます。
壁に張られた本日のおしながき…素朴ですが、礼文の食材や手作りにこだわった
一つ一つの料理に対するこだわりは、
おもてなしの気持ちが伝わってきます。
ちなみに、4日間宿泊して、朝・夕の食事で揚げもの料理がなく、
和食中心の体にもとても優しいお料理です。



ひととおり説明が終わり、
ご主人の号令(?)で、食事の開始です。
ご飯、汁物、お茶は、それぞれ自分で盛ります。




念願のうに丼!
磯の香りはもちろん、とろけて消えてしまいそうに繊細です。
もったいないので、うにを半分残して、ご飯をお代わりしに行きます。

宿泊者D「すごいねーご飯の量!利尻盛りですね」
kumazzzo「あっ、それいいですねー!あはは!」

礼文島の南には、利尻島が浮かんでいるのですが、火山によってできた島のため、
利尻富士との愛称でよばれる山があるんですね。
ヒマラヤ盛りなんて名前で大盛り御飯を出している店もありますよね。

kumazzzo「東京からずっと電車で来たんですよ。」
宿泊者E「前日はどこに泊ったんですか???」
kumazzzo「青森から寝台列車ですよ!」

そんな旅の話をしていると、飯もどんどん進みます。
…いや、もちろんお料理がうまいからです。
何回もご飯をお代わりして完食したら、食器を片づけ、最後にデザート。
就寝前に、ミーティングがあるので、まだ風呂に入っていない自分は風呂に入ります。
風呂の時間もいつでもいいわけでなく、時間内で順番に入らなくてはなりません。

着替えて、さっぱりして、また寝転がっていたら、すぐにミーティングの時間です。
先ほど食事をした談話室に集まります。

ここでのミーティングの目的は3つ。
まずは宿泊者の紹介。今日の行動の報告(花の開花状況とか道の状況とか)。
そして明日の行動の予定を決め、朝食やお弁当の注文を取っていきます。

ご主人「それではミーティングを始めます。」

宿泊者は全員集まります。今日は、15人くらいでしょうか。
今日から宿泊するお客さんを紹介していきます。
朝到着のフェリーで到着して一日歩いてまわっていた人や、
他の民宿に泊まっていたお客さんもいました。
礼文には個性的な民宿がいくつかあるので、
目的に応じて、分泊する人も多いようです。

ご主人「えー、東京からいらっしゃったくまぞーさんです。礼文は初めてですか?」
kumazzzo「はい、初めてです。」
ご主人「くまぞーさんは、なぜ礼文に?」

初めて礼文に来る人には、こうやって、紹介がてら、きっかけなど話をみんなの前で聞いていきます。

kumazzzo「自分は沖縄をよく旅行していて、ここに来るお客さんはご存知の方が多いかと思うんですけれど、
     最南端の波照間にある有名な民宿で、宿泊客と話していてたら、礼文をすごく勧められたんですよ。」
ご主人「あっ、あの民宿ですね。」

やはり、最南端の島にある名物民宿の名前は、最北端でも知れ渡っていました。
この日の宿泊客の中にも、やはり波照間ファンがいて、この後の楽しく話ができそうです。

自己紹介が終わり、今日のコースの状況を聞いていきます。
どうやら、この悪天候でも、みんなほとんど外を歩いていたようです。すごい!
どんなコースを歩いたのか、ファイルを見ながら、聞いていきます。

礼文島は、トレッキングのコースがいくつかあり、
観光客は、このコースのいずれかを歩きます。
ただ、宿のある位置によっては、コースの途中から歩いたり、
またリピーターで詳しい人の中には、いくつかのコースを組み合わせたり、
コース以外の普通の山道を歩く人もいるようです。
もちろん進入禁止になっている道もあるので、注意しなければなりません。

ご主人「それでは明日の予定を決めていきます。」


いろんなコースがあって迷いますが、
明日は宿のまわりの礼文島北部を見どころを回るのが一番無難のよう。
また「レブンアツモリソウ群生地」も、遊歩道が明日でしまってしまうとか。
もう大体決まっています。


ご主人「くまぞーさんは?」
kumazzzo「4時間コースで朝は和食、お弁当は…Lでお願いします!」
ご主人「おっ、L弁当だね。」

滞在中、大食いキャラが確立されていたので、
僕は、エル君というニックネームをつけてもらっていました。
会話も弾むし、ある意味、大変ありがたいことです。

明日の4時間コースは、今日、同じフェリーで到着した宿泊客さんと二人だけ。
ご一緒させてもらうことにしました。いきなりひとりで歩くのは、ちょっと心細いです。

ご主人「それではミーティングを終わります。この後、お酒も用意してありますので、
    飲みたい方は各自グラスを用意して、11時まで情報収集したり親睦を深めてください。
    最後に記念撮影をします!」

今日宿泊した記念に、みんなで記念撮影です。カメラはそれぞれ持ち寄り。
自分も一眼レフで撮ってもらいました。はいチーズの代わりに、こんな掛け声で、
シャッターを押します。

ご主人「礼文で一番おいしいものは?」
全員 「うーにー!」
カメラ「パチリ!」

この日は初めてやってきた宿泊客さん達と焼酎を飲みながら、
旅行の話、北海道の話、波照間談議に花を咲かせ、夜11時で消灯。
疲れた体と酒が、ぐっすりと深い眠りにいざなうのでした。



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5 コメント

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半日,座敷トドツアーしてしました(笑 (Ikuno Hiroshi)
2009-06-30 10:24:25
 出た!星観荘の旗!
 ・・・僕は,バイクで自力到着しちゃったから,港でのお出迎えはなかったけど(苦笑)

 ここのご主人,気さくな人でしょ。話の合間にギターをポロロ~ンと奏でたりしてね。
 ・・・もう10年前だから,だいぶ老けちゃったかな?

 とほ宿,いくつも利用したけど,この星観荘が一番ユースホステルっぽかったなあ。
 たぶん,島南部のユース・桃○荘が「気○がいユース」とまで言われるほど個性的だからかな,と当時も宿泊者同士で言い合ってましたが(笑)

 北海道のとほ宿は,大体が2段ベッド形式ですね~。ユースっぽいのから,こじんまりアットホームなの,ビジネスっぽい雰囲気のまで個性も様々。で,基本,星観荘よりもうちょっとゆるいです(笑)
 kumazzzoさんとは対照的に人と触れ合う旅をしない人だけど,各地のとほ宿では例外的に積極的でしたね~。気に入って予定変更して連泊したところもあったし。
 また北海道を廻ることができたら,とほ宿メインで行きたいなあ・・・
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Unknown (DASS)
2009-07-01 00:44:05
とても貴重な体験をされたんですね~。
共同生活とはいいませんが、
その日泊まった方々と交流が深められて、
そして美味しい北の幸満載の食事があって。
うに丼、食べれてよかったですね~^^。
L君にはうけました☆
僕も行ってみたくなってしまいました。
返信する
Unknown (kumazzzo)
2009-07-01 02:47:23
>Ikunoさん

すごく気さくなご主人ですよね。ただ、最近はあまり歌っていなくて、
今回は一回も歌っているところは聴けませんでした。
初めて泊まったのに、
いきなり歌って見送ってくださいなんて、
ずうずうしいこと、まだまだ言えない男の子っす(笑)

星観荘に連泊できなくて、桃岩荘に泊ってからきたという方もいたそうですが、
話に聞くと、なんか面白そう!それでもたぶん、静観荘以外に浮気できないと思いますが、
礼文マニアになるには、一度は桃岩荘にも泊まってみたいなと
思いましたよ!


>DASS君

もし時間があったら、ぜひぜひ礼文行ってみてください!
歩いていると、景色も素晴らしいし
歩ききった達成感などいいものですよ。
次回以降のブログの更新はいよいよ礼文島メインの話!
お暇があったら見てみてくださいね。

集まった宿泊者さんたちも、楽しい人ばかりで、
毎日いろんな話聞けましたよ!
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へぇ・・・ (ponpoko)
2009-07-01 02:51:25
ここまで旅館の主人や宿泊客と
コミュニケーションをとるんすね。

こういう旅行したことないんで
じっくり読んだよ。


俺・・・無理だわ・・・汗

自己紹介や風呂の時間が決められてるので
アウトだすぅ。


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Unknown (kumazzzo)
2009-07-02 00:03:24
>ponpoko君

雰囲気は、ゆるい合宿って感じかな。
でも家族連れもいるし友達同士もいるよ。さすがに夜遅くまで飲んでいるのは一人旅のお客さん同士だけだけどね。
みんなトレッキングが目当てだから、
民宿もお客さんがどこかで事故があったら大変だから、
ちゃんと行き先を把握するのも仕事なんだけど
民宿のご主人は少しでもみんなが心に残る旅になるよう、計らってくれているんだ。
でもね、もちろんこういうスタイルが苦手な人もいるから、自分も最初予約入れた時に、
「ユースホステル形式だけど大丈夫ですか?」って
確認されたよ。
やはり知らなくて泊まっちゃう人もいるんじゃないかなー

波照間の民宿でも、ゆんたくで自己紹介があるんだけど、
若い女の子グループで困った顔してた人達もいたからなあ~


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