今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。
今回の話は、3日目です。
民宿→ゴロタ岬→鉄府→澄海岬→西上泊→レブンアツモリソウ群生地→浜中→船泊→スコトン岬→民宿までのお話です。
今回はこれでもかと画像を張り付けました。重たくてごめんなさい。
6月15日朝6時30分。
北海道礼文町須古頓。
kumazzzo「久しぶりにゆっくり寝たなー」
朝ごはんの時間です。
談話室の大きな窓から見える空は、曇。
先ほどちょっと外に出てみたら、昨日よりはましになりましたが
風があり、まだまだ寒い。
ご飯も「利尻盛り」でたっぷりと食べます。
なんどもおかわりしていたら、最後まで食べているのは、どうやら自分だけのようです。
kumazzzo「俺、波照間でも朝飯最後まで食ってお昼のおにぎりまで作っていたくらいなんですよ。
どうぞ、(部屋に)先に戻っていていいですよ」
宿泊者A 「すごいですねーあの飯食べた後、ちょっと無理でした。」
日本最南端の波照間のネタは、
判ってくれる人も多く、結構ありがたい!
とはいえ、食事は、いい加減切り上げて、荷物をまとめ、出発の支度をします。
離島ということもあって、礼文は天候が変わりやすく、
雨も降りやすいのだとか。
レインウェアを用意してきたのですが、雨ではなく、この寒さで、
今回は有効活用できました。
カメラや山岳地図、タオルなどをバッグに詰めて持って、再び、談話室に集合です。
宿泊客B「くまぞーさん、今日帰るんですか??すごく大きなバッグで!」
kumazzzo「いや、小さいザック持ってくる余裕がなかったんですよー。」
海外旅行や本格的な登山で使うような大型のバックパック
ご主人「それでは、今日の行動の確認をします。」
宿泊客をどこまで送迎するのか確認しがてら、点呼していきます。
今日は、4時間コース。島北部の見どころを、同じコースを回る宿泊者と一緒に歩きます。
ご主人「kumazzzoさんたちは?」
宿泊者C「4時間コースです。ここから出発します!」
kumazzzo「俺は、最後にラーメン食べて帰ってきます。」
そんなわけで、今日フェリーで帰る宿泊客や、フェリーターミナルなどから歩く宿泊客などを
見送ってから、自分たちも出発です。
…てくてくてく。
宿泊者C「さっそくカメラ撮りだしましたね」
kumazzzo「歩いているだけで、なんか撮りたくなるんですよね。」
民宿を出てからすぐに花が咲いているので、まずはパチリと。
↓チシマフウロかな。
トド島展望台を経て。ゴロタ岬へ。
地図を見ながら、方向を確認しながら進みます。
↓ハクサンチドリだと思うけど。
↓センダイハギかしら??
程なくして舗装道路から、未舗装の山道へ。
一気に息切れしていきました。
kumazzzo「あーなんか自分歩くの、のろいんで、先に行ってていいですよ!」
宿泊客C「気にしないでいいですよー」
ゴロタ岬を目指しているのですが、その実際は、標高180mのゴロタ山という山頂。
岬の先頭や海岸線は、とても人が立ち入れるような場所じゃないくらい険しいです。
西側に突き出た岬の山頂へは、稜線上の狭い道を歩いていきます。
あーなんてところに来てしまったんだろう!
そんな思いがつい過ります。
海側はかなりの急斜面!その上、前日までの雨で道はぬかるみ、風が強い!
風や足元をとられて、バランスを崩して転がらないように、
慎重に登っていきます。
kumazzzo「やっと着いた!」
振り返ると、随分と高いところまできたことにびっくり!
鮑古丹(あわびこたん)の集落もぐっと小さく見えます。
同行している宿泊客さんは、余裕の表情。
でも自分は、さっそくペットボトルを取り出し、お茶をゴクリ。
さて、ここからエゾカンゾウなど高山植物の群生地を眺めながら、
下っていきます。
登りよりは緩やかですが、登山道は、かなりドロドロ。
滑らないよう、慎重に下りていきます。
振り返ると、あんなところに上ったんだと、ちょっとビックリ。
降り切ったあとは、ゴロタノ浜という海岸線を通って、鉄府の集落へ。
先ほどすれ違った女性3人組が、立ち止まってます。どうやら何か発見したようです。
女性「レブンアツモリソウが咲いているみたいですよ。」
宿泊客C「変なところに監視カメラがついていたんだけれどあそこかな?。」
kumazzzo「俺、全然わからないです!どこどこ??」
レブンアツモリソウは、礼文島固有のラン科の希少植物です。
園芸店で高値で取引されるため、盗掘が多く、
今では、群生地で24時間体制で管理されています。
ここは群生地として有名になっているところではないですが、
監視カメラがあるということは、ちゃんと管理されている場所なのでしょう。
鉄府の集落を歩いていると、道端やあちこちの民家の庭先に、
ミヤマオダマキがきれいに咲いています。
エロ詩吟ではないですが、吟じたくなります。
kumazzzo「他人の家の庭先の方がきれいな気がする~」
宿泊客C「あるとおもいます!」
↓庭先のバイキンマンたちも歓迎してくれています。
鉄府の港までやってきたら、再び、山越えです。
kumazzzo「おっ、きれいだなあー」
カモメが飛んでます。渡辺真知子じゃないけれど、あなたはひとりで生きられそうです。
透明度の高い、入り江。澄海岬という岬の近くなのですが、
ここで中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」という曲のプロモーションビデオが撮影されています。
改めてYoutubeでPVをみると、レブンキンバイやチシマフロウなど、
礼文島で見られ植物もたくさん映っているし、
カモメの飛ぶ姿や集落の様子、地形の様子もばっちり映っていて、
ある意味、礼文島のPRビデオみたいなものですね。
この山を越えると、再び舗装道路です。
舗装道路へ出ると、狭い道を大型観光バスが続々と西上泊に向かって走っていきます。
澄海岬の展望台に近い、この西上泊は、休憩所やお土産物やが並んでいます。
kumazzzo「風強い!それにしてもいい眺めですね!」
宿泊客C「このあたりでご飯にしましょうかー」
西上泊の近くにある小さな神社を風よけにして、ご飯を食べます。
このあたりの神社は、風雪をよけるためか、防災倉庫みたいな建物と、
その前に鳥居がぽつりと建っています。
きっと防災倉庫の中には、ちゃんとしたご神体が格納されているのでしょう。
ここからは、西海岸から別れを告げて、島の北側の湾へ。
ここは道路が舗装されていて、一見歩きやすそうに見えますが…。
kumazzzo「道は楽ですけれど、風景は単調でちょっとつまらないですねー」
宿泊者C「いや舗装道路の方が足に負担になるんだよ」
kumazzzo「あっ、いま、スカイラインのクーペが通りましたよ。しかも山梨ナンバー!」
宿泊客C「似合わないなあー」
遠くに観光バスが泊っている場所が見えてきました。レブンアツモリソウの群生地
のようです。
無料なのですが、厳重に管理されている敷地内は、遊歩道が整備されています。
毎年、何株あるのかをちゃんとカウントしているのだとか。
昨夜の宿のミーティングでも話が出ていたとおり、ほとんど終わっていましたが
一部できれいに咲いているところが残っています。
kumazzzo「何度か往復してもぜんぜんオーケーですよ。」
宿泊者C「一番手前がきれいに咲いているね!。」
kumazzzo「この場所からなら、遊歩道閉鎖されても、全然関係ないっすね」
宿泊者C「夜のミーティングで報告できるね」
一緒に歩いていた、宿泊客さんは、今回の一番の目的は、
レブンアツモリソウを見ることだったとか。
みんな、いろんな目的や楽しみをもって、礼文にやってくるのでしょう。
しばらくすると、大型バスのお客さんがぞろぞろやってきます。
多くのお客さんに場所を譲るように、また歩き出します。
しばらくすると、浜中の集落へ。フェリーターミナルから延びている街道に到着です。
この街道沿いには、赤いアツモリソウが咲いているのだとか。
正式名称は…忘れてしまいました。こちらもかなり貴重なのですが、
礼文島の固有のレブンアツモリソウと混じってしまうのを防ぐために
種をつける前に、花を採ってしまうらしいです。
宿泊者C「じゃ、ここで別れましょうかー」
kumazzzo「ラーメン食べてきます!」
昨日の夜のミーティングで、船泊においしいラーメン屋があるとか、ないとか。
雨の中わざわざ出かける価値があるほどおいしいらしく、
気になっていました。
…てくてくてく。
kumazzzo「足…ちょっと痛いかも。」
そんなに頑張ったつもりはなかったのですが、急に足に痛みを感じ始めました。
浜中から船泊まで約2km…よく考えたら、場所をちゃんと聞いてこなかったことに
気づきました。
久種湖(くしゅこ)のキャンプ場を通り過ぎ、船泊小学校まで歩いてきましたが、
どうやら、店がありそうな気配がありません。
足の痛みもあり、不安になってきたので、残念ですが、折り返してきました。
ここから、最北端のストコン岬を目指すのですが、ここからが長い!
海沿いの単調な舗装道路を約7kmほど歩きます。
kumazzzo「足…痛いなあ。」
だんだん辛くなってきました。24時間テレビのマラソンランナーの気持ちがちょっぴりシンクロします。
この礼文島には、島を24時間かけて一周するコースもあります。
もちろん一人での挑戦は無理だし、民宿の他の宿泊者のサポートもあって出来るのですが、
疲れない歩き方を習得している上級者は、72kmを、
24時間かけずに戻ってくることができるらしいです。
風とカモメ。
廃車。
海岸沿いの風景に目がとまりますが、足は、だんだん引きずり気味に。
地図を見ながら、あとどのくらいなのか、気にしながら歩きます。
街道沿いは、観光バスが何台も通り過ぎます。歩いているのは、自分くらいです。
白浜から坂を上り、須古頓(スコトン)へ。丘の上は風が強く、寒くてたまりません。
廃校になった小学校の脇を通り、岬の一番先へ。
お土産物屋と駐車場が見えてきました。
土産物屋の兄ちゃん「お疲れ様です!ずっと歩いてきたんですか??」
kumazzzo 「はい、船泊からずっと歩きっぱないなんですけど、もー寒くて寒くてたまりません!!」
土産物屋の兄ちゃん「軍手ありますけれど…100円ですが、どうでしょう?」
kumazzzo 「あとで寄ります。絶対に買います!」
まずは、岬の一番先に。
天気の良い日は、サハリンも見えるとか。
日本最北端の宗谷岬より若干緯度が低いので、ここは最北端ではないのですが、
僕の心の中では十分に「最北端」。たどり着いた達成感の余韻にずっと浸っていたいのですが、
限界まで浸ってから先ほどの土産物屋に戻ります。
kumazzzo「軍手ください!」
お客さんを呼び寄せる為に店の外にも商品を並べ、声を出しながら立っているのですが、
寒いので、お客さんはみんな店内に入って行ってしまうのだとか。
でも店の外に立っているのと誰も立っていないのでは、きっと売上も違うはずです。
土産物屋の兄ちゃん「今日は、これからどこまで帰るんですか?」
kumazzzo「星観荘に泊っているんで、ここからもう歩いてすぐなんですよ。やっとゆっくりできます。」
中には礼文島オリジナルの海産物を使った土産物がたくさん。
あんなに寒かったのに、疲れ果ててしまったので、店内でソフトクリームを食べます。
ちょっとお買い物して、先ほどの土産物屋の兄ちゃんに挨拶してから、
民宿へ戻ります。
……
民宿には、先ほどまで一緒だった宿泊客が、談話室で、くつろいでいました。
kumazzzo「帰ってきました~帰り道、すごくつまらなくなかったですか?」
宿泊客C「そーだね。ラーメンはどうだった?」
kumazzzo「実は場所がよくわからなくて食べられなかったんですよー」
気がつけば、風呂に入れる時間帯。
他の宿泊客が帰ってくる前に、風呂に入って、足の痛みを和らげます。
ちょっと横になって寝ていたら、ずいぶん楽になりました。
……
食事が終わり、夜のミーティングでは、コースの状況の他にも、ラーメンの話題で盛り上がります。
kumazzzo「星観荘スタートの4時間コースで浜中から船泊でラーメン食べずじまいで須古頓岬まで行って帰ってきました。」
ご主人 「エル君、なんで場所聞かなかったの?」
kumazzzo「聞ける人がいなかったんですよ…」
いや、実は、いなかったのではなく、僕は聞かなかったのかもしれません。
自分は、道に迷っても、道を人に尋ねたりしません。
ほら、都会で人に声をかけられるのって、嫌じゃないですか?
聞かなくても、標識や地図があちこちあるし、携帯でも調べられる。
場所が分からない時に、「人に聞く」という選択肢が、もともとなかった。
ごくごく当たり前の至極当然な行為が、自分ができなかったことに、
ちょっと恥ずかしかったのでした。
ミーティングの後の飲み会は
自分も2泊目ということで、昨晩より、さらに盛り上がります。
波照間島の民宿たましろアネックスの話。
僕が泊ってみたかった黒島の伝説(?)の民宿「イリムティア」の話。
山岳ガイドという職業の話。
礼文島にかつてあった牧場の話。
礼文の名物ユースホステル「桃岩荘」の体験談…
旅の話って、なんてこんなに楽しいのだろう。
就寝の時間まで、あっという間。
僕も礼文という島の魅力に、いつの間にか、包まれていたのでした。
しばらく、旅行記にお付き合いください。
今回の話は、3日目です。
民宿→ゴロタ岬→鉄府→澄海岬→西上泊→レブンアツモリソウ群生地→浜中→船泊→スコトン岬→民宿までのお話です。
今回はこれでもかと画像を張り付けました。重たくてごめんなさい。
6月15日朝6時30分。
北海道礼文町須古頓。
kumazzzo「久しぶりにゆっくり寝たなー」
朝ごはんの時間です。
談話室の大きな窓から見える空は、曇。
先ほどちょっと外に出てみたら、昨日よりはましになりましたが
風があり、まだまだ寒い。
ご飯も「利尻盛り」でたっぷりと食べます。
なんどもおかわりしていたら、最後まで食べているのは、どうやら自分だけのようです。
kumazzzo「俺、波照間でも朝飯最後まで食ってお昼のおにぎりまで作っていたくらいなんですよ。
どうぞ、(部屋に)先に戻っていていいですよ」
宿泊者A 「すごいですねーあの飯食べた後、ちょっと無理でした。」
日本最南端の波照間のネタは、
判ってくれる人も多く、結構ありがたい!
とはいえ、食事は、いい加減切り上げて、荷物をまとめ、出発の支度をします。
離島ということもあって、礼文は天候が変わりやすく、
雨も降りやすいのだとか。
レインウェアを用意してきたのですが、雨ではなく、この寒さで、
今回は有効活用できました。
カメラや山岳地図、タオルなどをバッグに詰めて持って、再び、談話室に集合です。
宿泊客B「くまぞーさん、今日帰るんですか??すごく大きなバッグで!」
kumazzzo「いや、小さいザック持ってくる余裕がなかったんですよー。」
海外旅行や本格的な登山で使うような大型のバックパック
ご主人「それでは、今日の行動の確認をします。」
宿泊客をどこまで送迎するのか確認しがてら、点呼していきます。
今日は、4時間コース。島北部の見どころを、同じコースを回る宿泊者と一緒に歩きます。
ご主人「kumazzzoさんたちは?」
宿泊者C「4時間コースです。ここから出発します!」
kumazzzo「俺は、最後にラーメン食べて帰ってきます。」
そんなわけで、今日フェリーで帰る宿泊客や、フェリーターミナルなどから歩く宿泊客などを
見送ってから、自分たちも出発です。
…てくてくてく。
宿泊者C「さっそくカメラ撮りだしましたね」
kumazzzo「歩いているだけで、なんか撮りたくなるんですよね。」
民宿を出てからすぐに花が咲いているので、まずはパチリと。
↓チシマフウロかな。
トド島展望台を経て。ゴロタ岬へ。
地図を見ながら、方向を確認しながら進みます。
↓ハクサンチドリだと思うけど。
↓センダイハギかしら??
程なくして舗装道路から、未舗装の山道へ。
一気に息切れしていきました。
kumazzzo「あーなんか自分歩くの、のろいんで、先に行ってていいですよ!」
宿泊客C「気にしないでいいですよー」
ゴロタ岬を目指しているのですが、その実際は、標高180mのゴロタ山という山頂。
岬の先頭や海岸線は、とても人が立ち入れるような場所じゃないくらい険しいです。
西側に突き出た岬の山頂へは、稜線上の狭い道を歩いていきます。
あーなんてところに来てしまったんだろう!
そんな思いがつい過ります。
海側はかなりの急斜面!その上、前日までの雨で道はぬかるみ、風が強い!
風や足元をとられて、バランスを崩して転がらないように、
慎重に登っていきます。
kumazzzo「やっと着いた!」
振り返ると、随分と高いところまできたことにびっくり!
鮑古丹(あわびこたん)の集落もぐっと小さく見えます。
同行している宿泊客さんは、余裕の表情。
でも自分は、さっそくペットボトルを取り出し、お茶をゴクリ。
さて、ここからエゾカンゾウなど高山植物の群生地を眺めながら、
下っていきます。
登りよりは緩やかですが、登山道は、かなりドロドロ。
滑らないよう、慎重に下りていきます。
振り返ると、あんなところに上ったんだと、ちょっとビックリ。
降り切ったあとは、ゴロタノ浜という海岸線を通って、鉄府の集落へ。
先ほどすれ違った女性3人組が、立ち止まってます。どうやら何か発見したようです。
女性「レブンアツモリソウが咲いているみたいですよ。」
宿泊客C「変なところに監視カメラがついていたんだけれどあそこかな?。」
kumazzzo「俺、全然わからないです!どこどこ??」
レブンアツモリソウは、礼文島固有のラン科の希少植物です。
園芸店で高値で取引されるため、盗掘が多く、
今では、群生地で24時間体制で管理されています。
ここは群生地として有名になっているところではないですが、
監視カメラがあるということは、ちゃんと管理されている場所なのでしょう。
鉄府の集落を歩いていると、道端やあちこちの民家の庭先に、
ミヤマオダマキがきれいに咲いています。
エロ詩吟ではないですが、吟じたくなります。
kumazzzo「他人の家の庭先の方がきれいな気がする~」
宿泊客C「あるとおもいます!」
↓庭先のバイキンマンたちも歓迎してくれています。
鉄府の港までやってきたら、再び、山越えです。
kumazzzo「おっ、きれいだなあー」
カモメが飛んでます。渡辺真知子じゃないけれど、あなたはひとりで生きられそうです。
透明度の高い、入り江。澄海岬という岬の近くなのですが、
ここで中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」という曲のプロモーションビデオが撮影されています。
改めてYoutubeでPVをみると、レブンキンバイやチシマフロウなど、
礼文島で見られ植物もたくさん映っているし、
カモメの飛ぶ姿や集落の様子、地形の様子もばっちり映っていて、
ある意味、礼文島のPRビデオみたいなものですね。
この山を越えると、再び舗装道路です。
舗装道路へ出ると、狭い道を大型観光バスが続々と西上泊に向かって走っていきます。
澄海岬の展望台に近い、この西上泊は、休憩所やお土産物やが並んでいます。
kumazzzo「風強い!それにしてもいい眺めですね!」
宿泊客C「このあたりでご飯にしましょうかー」
西上泊の近くにある小さな神社を風よけにして、ご飯を食べます。
このあたりの神社は、風雪をよけるためか、防災倉庫みたいな建物と、
その前に鳥居がぽつりと建っています。
きっと防災倉庫の中には、ちゃんとしたご神体が格納されているのでしょう。
ここからは、西海岸から別れを告げて、島の北側の湾へ。
ここは道路が舗装されていて、一見歩きやすそうに見えますが…。
kumazzzo「道は楽ですけれど、風景は単調でちょっとつまらないですねー」
宿泊者C「いや舗装道路の方が足に負担になるんだよ」
kumazzzo「あっ、いま、スカイラインのクーペが通りましたよ。しかも山梨ナンバー!」
宿泊客C「似合わないなあー」
遠くに観光バスが泊っている場所が見えてきました。レブンアツモリソウの群生地
のようです。
無料なのですが、厳重に管理されている敷地内は、遊歩道が整備されています。
毎年、何株あるのかをちゃんとカウントしているのだとか。
昨夜の宿のミーティングでも話が出ていたとおり、ほとんど終わっていましたが
一部できれいに咲いているところが残っています。
kumazzzo「何度か往復してもぜんぜんオーケーですよ。」
宿泊者C「一番手前がきれいに咲いているね!。」
kumazzzo「この場所からなら、遊歩道閉鎖されても、全然関係ないっすね」
宿泊者C「夜のミーティングで報告できるね」
一緒に歩いていた、宿泊客さんは、今回の一番の目的は、
レブンアツモリソウを見ることだったとか。
みんな、いろんな目的や楽しみをもって、礼文にやってくるのでしょう。
しばらくすると、大型バスのお客さんがぞろぞろやってきます。
多くのお客さんに場所を譲るように、また歩き出します。
しばらくすると、浜中の集落へ。フェリーターミナルから延びている街道に到着です。
この街道沿いには、赤いアツモリソウが咲いているのだとか。
正式名称は…忘れてしまいました。こちらもかなり貴重なのですが、
礼文島の固有のレブンアツモリソウと混じってしまうのを防ぐために
種をつける前に、花を採ってしまうらしいです。
宿泊者C「じゃ、ここで別れましょうかー」
kumazzzo「ラーメン食べてきます!」
昨日の夜のミーティングで、船泊においしいラーメン屋があるとか、ないとか。
雨の中わざわざ出かける価値があるほどおいしいらしく、
気になっていました。
…てくてくてく。
kumazzzo「足…ちょっと痛いかも。」
そんなに頑張ったつもりはなかったのですが、急に足に痛みを感じ始めました。
浜中から船泊まで約2km…よく考えたら、場所をちゃんと聞いてこなかったことに
気づきました。
久種湖(くしゅこ)のキャンプ場を通り過ぎ、船泊小学校まで歩いてきましたが、
どうやら、店がありそうな気配がありません。
足の痛みもあり、不安になってきたので、残念ですが、折り返してきました。
ここから、最北端のストコン岬を目指すのですが、ここからが長い!
海沿いの単調な舗装道路を約7kmほど歩きます。
kumazzzo「足…痛いなあ。」
だんだん辛くなってきました。24時間テレビのマラソンランナーの気持ちがちょっぴりシンクロします。
この礼文島には、島を24時間かけて一周するコースもあります。
もちろん一人での挑戦は無理だし、民宿の他の宿泊者のサポートもあって出来るのですが、
疲れない歩き方を習得している上級者は、72kmを、
24時間かけずに戻ってくることができるらしいです。
風とカモメ。
廃車。
海岸沿いの風景に目がとまりますが、足は、だんだん引きずり気味に。
地図を見ながら、あとどのくらいなのか、気にしながら歩きます。
街道沿いは、観光バスが何台も通り過ぎます。歩いているのは、自分くらいです。
白浜から坂を上り、須古頓(スコトン)へ。丘の上は風が強く、寒くてたまりません。
廃校になった小学校の脇を通り、岬の一番先へ。
お土産物屋と駐車場が見えてきました。
土産物屋の兄ちゃん「お疲れ様です!ずっと歩いてきたんですか??」
kumazzzo 「はい、船泊からずっと歩きっぱないなんですけど、もー寒くて寒くてたまりません!!」
土産物屋の兄ちゃん「軍手ありますけれど…100円ですが、どうでしょう?」
kumazzzo 「あとで寄ります。絶対に買います!」
まずは、岬の一番先に。
天気の良い日は、サハリンも見えるとか。
日本最北端の宗谷岬より若干緯度が低いので、ここは最北端ではないのですが、
僕の心の中では十分に「最北端」。たどり着いた達成感の余韻にずっと浸っていたいのですが、
限界まで浸ってから先ほどの土産物屋に戻ります。
kumazzzo「軍手ください!」
お客さんを呼び寄せる為に店の外にも商品を並べ、声を出しながら立っているのですが、
寒いので、お客さんはみんな店内に入って行ってしまうのだとか。
でも店の外に立っているのと誰も立っていないのでは、きっと売上も違うはずです。
土産物屋の兄ちゃん「今日は、これからどこまで帰るんですか?」
kumazzzo「星観荘に泊っているんで、ここからもう歩いてすぐなんですよ。やっとゆっくりできます。」
中には礼文島オリジナルの海産物を使った土産物がたくさん。
あんなに寒かったのに、疲れ果ててしまったので、店内でソフトクリームを食べます。
ちょっとお買い物して、先ほどの土産物屋の兄ちゃんに挨拶してから、
民宿へ戻ります。
……
民宿には、先ほどまで一緒だった宿泊客が、談話室で、くつろいでいました。
kumazzzo「帰ってきました~帰り道、すごくつまらなくなかったですか?」
宿泊客C「そーだね。ラーメンはどうだった?」
kumazzzo「実は場所がよくわからなくて食べられなかったんですよー」
気がつけば、風呂に入れる時間帯。
他の宿泊客が帰ってくる前に、風呂に入って、足の痛みを和らげます。
ちょっと横になって寝ていたら、ずいぶん楽になりました。
……
食事が終わり、夜のミーティングでは、コースの状況の他にも、ラーメンの話題で盛り上がります。
kumazzzo「星観荘スタートの4時間コースで浜中から船泊でラーメン食べずじまいで須古頓岬まで行って帰ってきました。」
ご主人 「エル君、なんで場所聞かなかったの?」
kumazzzo「聞ける人がいなかったんですよ…」
いや、実は、いなかったのではなく、僕は聞かなかったのかもしれません。
自分は、道に迷っても、道を人に尋ねたりしません。
ほら、都会で人に声をかけられるのって、嫌じゃないですか?
聞かなくても、標識や地図があちこちあるし、携帯でも調べられる。
場所が分からない時に、「人に聞く」という選択肢が、もともとなかった。
ごくごく当たり前の至極当然な行為が、自分ができなかったことに、
ちょっと恥ずかしかったのでした。
ミーティングの後の飲み会は
自分も2泊目ということで、昨晩より、さらに盛り上がります。
波照間島の民宿たましろアネックスの話。
僕が泊ってみたかった黒島の伝説(?)の民宿「イリムティア」の話。
山岳ガイドという職業の話。
礼文島にかつてあった牧場の話。
礼文の名物ユースホステル「桃岩荘」の体験談…
旅の話って、なんてこんなに楽しいのだろう。
就寝の時間まで、あっという間。
僕も礼文という島の魅力に、いつの間にか、包まれていたのでした。
レブンアツモリソウっていうの、知らなかったけれどもとても可憐な花だね。
毎回の食事の画像が刺激的過ぎるなぁ。
今回の旅行記もとても楽しませてもらってます。くまぞ君は旅行記書かせたらやっぱり一番だね。
僕が行った時は,8月下旬でとっくの昔にレブンアツモリソウはおしまい。保護施設で株だけ鑑賞しちゃった(笑)
24時間コース,滞在中にやったグループがあったよ。
戻ってくる頃を見計らって,その時宿にいた皆でお出迎えしたけど。この時も,ご主人がギターを持ち出して歌ってたんだよね~。
キツイけど,楽しいらしい。3人とも顏が輝いてたもん。
バイクだったから,僕はあまり土の道には入り込めなかったんだけど・・・歩かないと本当には楽しめない島だよね。
ところでスコトンの土産物屋のお兄ちゃん,もしかしたら10年前に小学生だったそこの息子さんかも・・・?
でも、旅で歩くのって大好きだよ~。
都会と違ってさ、人とぶつらないもんね。
「こんにちわー」って挨拶しあったりとかさ。
>場所が分からない時に、「人に聞く」という選択肢が、もともとなかった。
↑これ、すごい判る気がしたよ。
俺なんか上京したての頃は聞きまくってたもんなぁ。
東京の人は逃げるんだなぁ…って感じた事を思い出したよ(笑)
写真に写った風景は、
僕の暮らす島には無い風景だなぁ。
冬は厳しいだろうなぁ。
でもそこで、ちゃーんと生きてる人達がいるんだよね。
外は寒いから、家の中で春を待つ人達のココロは、暖かいのかもしんないなぁ。
なんだか、いいね^^
行く前は、
楽しいのは波照間が楽しいのは充分わかっていたから
礼文ってどんなとこだろうと、半信半疑でしたが
行ってみると、
こんなに野山を歩くのが楽しいことだとは
思いませんでしたよ。
でも礼文じゃなければ、こんなに歩くことができないだろうなあ。
レブンアツモリソウいいですよね。
食事も素朴だけど、すごくおいしい献立でした!
>Ikunoさん
宿においてあった
24時間コースの体験記みたいなアルバムを
読んだんですけれど、
なんか、感動的ですよね。
ご主人の歌、聞いてみたかったなあ。
バイクの旅行客は、少なかったですよ。
やはりバイク人口が昔より減少しているんでしょうね。
昔は北海道の駅前のあちこちで
バイクが止まっている様子が見られたみたいですね。
>おっちゃん
店の名前もちゃんと覚えてなかったから、
こんなこと聞いたら、変な人って思われるかなって
思って聞けなかったよ。
でも、後になって、
そう思っていた自分がちょっと恥ずかしかったよ。
沖縄の風景とは全然違うね。
冬は雪が積もらないくらい風が強いみたいだよ。
だから木も生えないのかも。
そんな厳しい環境でも写真に映っている、その家でも、
生活があり、家族がちゃんとあるんだね。
きっと人と人の絆があるから、
その厳しい環境でも生きていけるかもしれないね。
うちの相方がツーリングプランたてると、「あ、微妙に道が違う」とか、「Uターンかも(照)」が多くて、結局、他のライダー達に聞く事が多いです。
単車乗りって、頭の中が地図!!みたいな人が多いですから。
旅先で迷ったら、ライダー達に聞くといいかも(笑)
最近はバイクにもナビがついているけれど、
やはり道は頭の中で方向感覚を磨くのが
いいですよね。
単に目的地の方向聞くくらいなら、
もしかしたらできたかもしれないけれど、
具体的な店の場所っつーと、
ちょっと抵抗があったなあ。
生身の体をあのスピードにさらす勇気がないので、
バイカーは、その勇気に尊敬しますよ!
アベレージスピードが、新■線と同じ位出てたりするもんね(笑)
見ず知らずのライダー同士でも、知り合いかの様に話しかけるとか、車じゃありえないね(o^-’)b
だから単車って好き!!
おかげで島の様子が文章とともにとても伝わってきました!
さりげない花ひとつとっても印象深いです。
やはり、旅に行きたくなりました。
落ち着いたらどこか出かけよう!
そんなにスピード出るんですね。
すごいなあ。
自分は、原付乗るだけでも、いつもビビってますよ。
>DASS君
さりげない花とかもっとたくさんあったと思うんだけれど、
なかなか知識も、意識もないと見逃しちゃうんだよな。
旅行っていいよ。こうしてブログ書いていても、
まだ旅行が続いているみたいな気分だからね。