チャチャヤン気分

《ヘリコニア談話室》後継ブログ

有意な偶然?

2023年02月13日 21時43分06秒 | 日記
別に理由はなかったのですが、ふと見た視線の先に『季刊文化87号』があったので、村上知子「通夜の夜――父・眉村卓と聴いた音楽のことなど」を読み返していました。
で、今回はその話――ではありません(>おい)。
当該エッセイの2つ前に、中西進「アイヌの王印」というエッセイが掲載されていて、その上をすべった私の視線が、ある文字列を捉えてしまったのです。
すなわち、「伊藤英人博士の「濊倭同系論」
おお、先日私が読んだ論文ではありませんか。(https://kodaimoji.her.jp/pdf15/yitou224.pdf
これ、三国史記に記載された(当時の)地名の読みから推定された「大陸倭語」が、「古代韓語」と、半島北部地域において混在していたことを示し、この大陸倭語は結局「濊語」であったとするもので、学術論文ですから、特殊(一般人には)なタームが説明なしに使われていて、そういう知識がなく著者の先行論文も未読の私は、タームの意味内容を推理しながら読むという、ある意味苦行だったのですが、ところが、それまでモヤモヤとした暗黒星雲に包まれていたのが、あるところまで来たら、ぱっと、視界が一瀉千里と晴れ渡るという、まさにセンス・オブ・ワンダーを体感しました。
いやびっくりしました。
本論文は言語学の論文ですから、濊族が列島にわたってきて倭人になったなんていう想像的なことは書かれていません。
しかし、豊田さんの『倭王の末裔』は、まさに濊族が列島にわたってきたお話でしたよね。
私自身は、日本語は百済語である、と考えたい派ですが(これも豊田さんが述べていたと思いますが)、いやわくわくしました\(^o^)/
一方、中西博士は、当該論文から敷衍し(と言うか想像力を働かせて)、漢委奴国王の印綬を、一般的に「漢の委の奴の国王」とよませる(つまり奴を奴国とする)のが一種の夜郎自大だと反発し、実際魏の皇帝というか中国人の意識は、漢の奴(「やっこ」とは書いてませんけど)の国王であったとします。
またその一方で、委奴は中国音でウェイヌであることから、ワタシ→アタシのように、ウェイヌ→アイヌと変化したとして、印綬の委奴国王はアイヌの王のことだとします。
これも楽しい\(^o^)/
村上エッセイを最初に読んだとき、中西エッセイも読んだはずですが、その当時はまだ「濊倭同系論」を私は読んでいませんでした。だから目がすべってしまっていたわけです。
とすれば、今回の「ふとした再読」は、まさにシンクロニシティ「有意な偶然」といえるかもしれませんなあ。(^^ゞ

コメント (1)
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