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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

蒲形城 蒲形陣屋

2007-07-13 19:00:53 | 城郭・城下町

(下ノ郷城 愛知県蒲郡市本町)
 昭和54年に初めて訪れたとき、鬱蒼とした城跡に、陣屋時代の末裔が居住しており、城跡を案内していただいたことがある。当時は蒲形城跡と呼ばれていた。 そして27年後の平成18年5月に訪れたときも変わらぬ光景を見せていた。
 蒲形陣屋は、当初、蒲形城とみられていて、建久年間(1190‐99)三河守護安達範頼が築いたのが始まりとされ、その後、岩塚修理亮が住み、永正の頃には鵜殿長存が移住した、下ノ郷鵜殿氏から松平氏へと続く、城屋敷とされていた。
然し、平成18年夏季から行われた市道築造に伴う発掘調査で、検出した遺物から、中世の城郭ではないと判断し、慶長十七年(1612)に竹谷松平清昌によって構えられた陣屋跡と結論付け、市文化財指定も解除された。そして蒲形城跡は、陣屋跡北隣の蒲郡高校付近と変更された。
 然しながら、残存する陣屋跡土塁は、鵜殿氏時代からの城の一部を利用して構えられたものと考えることが自然ではないだろうか。土塁を保持するために、後の廃棄物を埋め立てることも多い。その土塁も市道築造により一部が崩され、辺りは開けた光景に変わった。
 文化十五年(1818)に建造された陣屋の門は、蒲郡市博物館敷地内に移築保存されている。
     (長存寺・鵜殿長存墓所1983年撮影)
(旧蒲形陣屋門 於蒲郡市博物館)

(関連記事:上ノ郷城 不相城 大宮神社

コメント (8)
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