小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)8月21日(火)より転載】
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厚田57(8/21)
十月五日、山本伸一は予定通り、札幌に行き、諸行事を終えると、翌六日午後には、厚田の戸田記念墓地公園に向かった。
その途次、札幌市西区にある花田会館を訪れた。
花田会館は、花田洵弥・光枝夫妻が提供してくれている個人会館である。
この年の三月、静岡の牧口園で行われた会場提供者の集いに参加した花田洵弥に、伸一は、「北海道を訪問した折には、必ず花田さんの個人会館にお伺いします」と約束していたのである。
花田夫妻は、会場を提供する一方、大ブロック(現在の地区)幹部として、地道に、懸命に、学会活動に励んできた。
“本当にありがたい。
こうした方々がいらしてこそ、広宣流布の前進がある。
大切な、大切な創価の宝の人たちだ!”
そう痛感していた伸一は、せめてもの御礼にと、自ら「妙」と認めた書を掛け軸にして持参した。
どこまでも妙法広布に生き抜き、幸せに満ち満ちた人生を歩んでほしいとの祈りを込めて、揮毫したものである。
彼は、仏を仰ぐ思いで、夫妻を讃えつつ、励ましの対話を交わした。
伸一は、田原薫に語ったように、七日には、厚田の戸田講堂での記念勤行会に出席した。
ここでは、広宣流布の総仕上げの、三つの指針を示した。
「第一に、あくまでも自身の人間革命を活動の根本としていくことです。
自身を磨き、人格を輝かせていくことが、信仰の最大の実証となるからです。
第二には、地域を大事にし、近隣との深い信頼関係を結ぶ、友好活動の継続です。
友好、信頼の拡大は、仏縁の拡大になります。
第三には、一家の信心継承です。
子に、孫に、甥や姪にと、信心が受け継がれていってこそ、広宣流布の永遠の流れがつくられ、一族の永続的な繁栄もあります。
これらがなされていくならば、必ずや北海道広布の盤石な総仕上げがなされると、私は声を大にして訴えておきたいのであります」
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【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)8月21日(火)より転載】
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厚田57(8/21)
十月五日、山本伸一は予定通り、札幌に行き、諸行事を終えると、翌六日午後には、厚田の戸田記念墓地公園に向かった。
その途次、札幌市西区にある花田会館を訪れた。
花田会館は、花田洵弥・光枝夫妻が提供してくれている個人会館である。
この年の三月、静岡の牧口園で行われた会場提供者の集いに参加した花田洵弥に、伸一は、「北海道を訪問した折には、必ず花田さんの個人会館にお伺いします」と約束していたのである。
花田夫妻は、会場を提供する一方、大ブロック(現在の地区)幹部として、地道に、懸命に、学会活動に励んできた。
“本当にありがたい。
こうした方々がいらしてこそ、広宣流布の前進がある。
大切な、大切な創価の宝の人たちだ!”
そう痛感していた伸一は、せめてもの御礼にと、自ら「妙」と認めた書を掛け軸にして持参した。
どこまでも妙法広布に生き抜き、幸せに満ち満ちた人生を歩んでほしいとの祈りを込めて、揮毫したものである。
彼は、仏を仰ぐ思いで、夫妻を讃えつつ、励ましの対話を交わした。
伸一は、田原薫に語ったように、七日には、厚田の戸田講堂での記念勤行会に出席した。
ここでは、広宣流布の総仕上げの、三つの指針を示した。
「第一に、あくまでも自身の人間革命を活動の根本としていくことです。
自身を磨き、人格を輝かせていくことが、信仰の最大の実証となるからです。
第二には、地域を大事にし、近隣との深い信頼関係を結ぶ、友好活動の継続です。
友好、信頼の拡大は、仏縁の拡大になります。
第三には、一家の信心継承です。
子に、孫に、甥や姪にと、信心が受け継がれていってこそ、広宣流布の永遠の流れがつくられ、一族の永続的な繁栄もあります。
これらがなされていくならば、必ずや北海道広布の盤石な総仕上げがなされると、私は声を大にして訴えておきたいのであります」
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