何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

発電機(小型DCモーター)の出力を調べてみた

2016-07-12 16:23:10 | エンジン工作


2016/07/11(月曜日) 晴れ


オイらが工作したスチームエンジンのパワーは発電機(小型DCモーター)を回して
電気を発電してそれを負荷抵抗器で消費してその電力を計って判断している。
そのパワーは現在のところ大体1W前後だ。
これを2Wにパワーアップしたいと頑張っているところだが、工作精度が低くて
なかなか実現できずにいる。
ところが先日、御用済みとなって物置の隅で眠っていたV型2気筒エンジンを引っ張りだして
久しぶりに回してみたら何と、2.6Wもの出力を記録した。
こりゃー大したものだと、喜んだのもつかの間、データーをよく調べたらその回転数では
こんな大パワーが出るはずがないことが判った。
うーん、何でこの時だけハイパワーが出たのかよく判らないが、使用していたテスターや
周波数カウンター(回転計)には問題はなかった。
多分、発電機が狂った(良い方に)んだろう。

この発電機(小型DCモーター)は乾電池式ドライバーに使われていたもので
銘板にはDC6V 12100rpmと書いてある。
電機子は3極でちょっと太めのコイルが巻いてある。
使われている界磁用マグネットはかなり強力なようで、軸をつまんで回そうとしても
電機子が引き付けられて簡単には回らないほどだ。

このモーターを電動ボートの動力に使ったところ、単三型ニッケル水素電池4本を電源にして
スクリューを空転状態で回した時、2Aの電流が流れ、水中で回した時には8Aも流れた。
端子電圧は3Vほどだったから24Wもの電力を消費している勘定だ。

そんなわけでこのモーターなら大きな電力を発電してくれるだろうと思ってずーっと使い続けてきた。
長い間、回してきたのでもう寿命が来たのかもしれない。
たまたま同じようなモーターが他に2つある。(形が似てるから同じメーカーのものかもしれない。)
他の動力で回してその特性を調べてみた。 
(「特性を調べる」なんていうほど大げさなチェックではありません。)


発電機を回すのにはそれなりにパワーが出るものでなくてはならない。
手持ちのミニグラインダーは「0~10000rpm」で回せるらしい。
それに「リューター(ルーター?)」も取り付けられるので都合がいい。





ただ、負荷が軽いと「0」回転にはできない。 最低でもかなりの回転数で回ってしまう。
そこで、回転砥石に板切れを押し当ててブレーキをかけて調節することにしたが・・・・
ところがこれがなかなか難しい。 こんなブレーキでは一定の回転数は保持できない。




ともあれ、テスト接続は完了した。 今日はノートPCで「発電波形」も観測するので大ごとだ。



急ぎ作り上げたテストベンチ。


何度かテストの前のテスト・・・(ややこしいです)を繰り返していよいよ本番チェックに入った。


先ず初めにいつも使っているモーターAから始めた。



グラインダーの砥石に板切れを押し当てて回転数を調節しながら徐々に回転数を上げていった。
発電電圧も上がっていくが、100回転/秒あたりから上昇は鈍くなり、110回転以降は上昇しなくなってしまう。
そこから低下してしまうこともあった。
回転数が120/秒(7200rpm)にもなるとものすごい音がする。
なんだか怖くなるぐらいだ。 これ以上上げるのは勇気がいるよ。


そんな様子を動画でご覧ください。







モーターA、B,Cについて調べた結果を表にまとめてみた。




これをグラフにするのも面白い。


モーターAのチェック結果。
110回転/秒あたりから出力は上がらなくなる。 1回目のチェックでは逆に低下してしまった。



モーターBとCは回転数とともに出力電圧も上昇していく。





モーターA、B、Cの結果を一つのグラフにまとめてみた。
やっぱりモーターAは問題がありそうだ。





モーターの出力電圧の波形を見てみた。


先ず、モーターBの波形から。
回転数123回/秒(7,380rpm)と高速回転であるが波形は一様で乱れはない。
出力電圧も2V以上出している。
このときには1Ω抵抗に供給している電力は4W以上に達していることになる。 




モーターCについても同様な波形だ。




ところが問題のモーターAの出力電圧はこのような波形をしている。
回転数は119回転/秒(7,140rpm)ぐらいだ。
何だか飛び飛びにピークがでている。
電圧も1Vばかりだ。





回転数を下げてみると飛び飛びピークは無くなる。
当然電圧は低くなる。

回転数45回転/秒(2,700rpm) 電圧0.5Vばかり。



高速回転になると出力電圧が低下したり、波形が乱れたりするのは多分、整流子とブラシの
接触が不安定になってしまうのだろう。
整流子の面が荒れていてブラシが飛び跳ねるのかもしれない。
今度はこのモーターを分解してみよう。

先日の大パワー記録の原因はわからないけど、モーターAはもう寿命だということが判った。
新しいモーター(発電機)にすれば今までの測定値より良い結果がでるだろう。
(本当かねぇ・・・ また「がっかりモード」にならなければ良いけどねぇ・・・)


 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大型V2スチームエンジンを回してみた

2016-07-09 11:25:52 | エンジン工作


2016/07/04(月曜日) 晴れ


今、ボート搭載用の小型ボイラーで手持ちのいろいろなスチームエンジンを回して
無負荷回転数や発電電力をチェックしている。
今日は2013年9月に工作したV型2気筒複動式スチームエンジンを回してみた。
このV型エンジンはボア18mm、ストロークは20mmの大型エンジンだ。

工作を始めたころは技術も未熟で小さな部品は作れずエンジンはどうしても大型に
なってしまった。
そのエンジンを駆動するためにボイラーも大型化していったが、船体は最初に作った
ボートだけ・・・これに搭載するパワープラントの大きさには限度があり、
次に向かったのはエンジンの小型化(小排気量化)だった。
縦型2気筒複動式やら小型のエンジンを作ってみた。
そして行きついたのが現在のV型4気筒単動式スチームエンジンだった。
このエンジンは工作友人が(ウェブ・サイトにアップして)見せてくれたメーカー製の
V4エンジンを参考にして作ったもので小型ボイラーと組合せて運用している。

大型V2エンジンは以後出番はなくなり、物置の隅で眠っていたが、果たして今日は
どんな動きを見せてくれるだろうか・・・・・・


ボア18mm、ストローク20mmの複動式2気筒エンジン。 オイらが初めて作ったV型エンジンだ。





小型ボイラーにつないで回してみた。




無負荷高速回転チェック。 蒸気圧0.7気圧、最高回転数は25.6回転/秒(1536rpm)あまり。



発電電力チェック。 プーリー増速比は3倍。  



発電電力チェックでは蒸気圧は0.8気圧ばかり。
エンジン回転数は15.8回転/秒で発電機回転数は47.4回転/秒(2844rpm)だ。
しかし、発電機と1Ω負荷を流れる電流は1.63Aを示した。
負荷で消費している電力は2.66Wにもなる。

    参考 P=I(A)の二乗 × 負荷抵抗(Ω)  1.63×1.63×1≒2.66(W)

これはちょっと意外だった。
しかし、よく考えてみればわずか秒15.8回転(2,800rpm)の回転でこんなにパワーが
出るはずがない。
どうしたんだろう?
回転数を計る周波数カウンタが狂ったのか?
それとも発電機(小型DCモーター)の効率が良くなって低い回転数でも大きな電力を発電できたのか?

もう一度、確認しなくてはダメだな・・・・・
それに発電機の特性も正確に調べておかなくてはならないな・・・・
他にも3つばかりモーターがあるからそれらも確認してみよう。
あぁー、また宿題が増えたよー。(内心喜んでるのかもしれないよ。)

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水平型単気筒単動式スチームエンジンのパワーチェック

2016-07-05 15:18:15 | エンジン工作


2016/07/03(日曜日) 晴れ


水平型単気筒単動式スチームエンジンはシリンダーとピストンの隙間から漏れる
蒸気を減らす実験のために作ったもので、「棒状ピストン(プランジャ)」を
取り付けて動かしていた。
この実験ではピストンを長め(厚め)にすれば蒸気漏れに対してそれなりの効果が
あることがわかり、単動式V4エンジンに取り付けてみたが、棒状ピストンは重量が
大きくなることと、工作が大変なことなどで実用使用はしなかった。
その後は普通のピストンを20mm以上と長めに(厚めに)することで対応した。
そんなわけで実験後はこのエンジンは物置の隅で寝ていたのだが、今回は

「ハイパワーボイラー」と「小排気量エンジン」の組合せで出力はどうなるか?

の実験をしてみようということで久々のお出ましとなったわけでです。


先日の無負荷高速回転では60回転/秒(3600rpm)の新記録をだしたので
さぞかしハイパワーを出してくれるだろうと期待して実験を始めた。




プーリー増速を2段にしてエンジン回転数を4倍から5.8倍に増やして発電機を回す。(つもりでしたが・・・)



欲張って5.8倍から実験を始めた。
しかし、蒸気圧を2気圧以上かけてもエンジンは回転しない。
それではと3.9倍に落としたがそれでも回らない。
3.25倍に落としたが全然回らない。

その様子を動画でご覧ください。





2段プーリーは欲張り過ぎたんだな・・・それじゃ1段にしよう。

先ず3倍に。
これでもなかなか回りださない。
圧力が1気圧を超えてやっと回りだした。
エンジンの最大回転数は21.6回転/秒。 発電して負荷に流れる電流は1.02アンペア。
負荷抵抗は1Ωだから、消費電力は(電流の二乗×1Ω)で1.04Wだ。

増速比を2.4倍に落として回してみた。
エンジン回転数は上がった。
増速比を下げた分を上回れば発電電力はアップするはずだ・・・

以下2倍、1.2倍と変えてテストした。

その結果を表にまとめてみた。



増速比を2.4倍にして発電機を回した時の発電電力が一番大きかった。


この実験の様子を動画でご覧ください。




こんなことをしているとあっという間に時間が過ぎてしまう。
体中、汗びっしょりになりながら実験していると、

「たまには休憩して水でも飲みなさいっ、バカみたいに夢中になって・・・・
  熱中症になったらどうするの!」

とお代官が怒っている。

あー、暑い・・・ 急に暑さを感じた。 アイスキャンデーでもたべよーっと。



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

単気筒単動式スチームエンジン無負荷高速回転

2016-07-04 08:02:15 | エンジン工作


2016/07/03(日曜日) 晴れ(ちょっとの間だけ小雨がパラついた)


今日も天気は良い。
相変わらず蒸し暑くてじっとしていても汗が噴出してくる。
だけどこんなことで音をあげるほどヤワではない。
工作場の準備をして作業に取り掛かった。

今日は手持ちエンジンの中で一番単純な「単気筒単動式」のエンジンを回してみる。
このエンジンはシリンダーとピストンの隙間の漏れを少なくする実験で「棒状ピストン」
(プランジャ)を使ったエンジンとして作ったもので(2014年8月11日)その後
通常のピストンに換装したものだ。

当時、棒状ピストンでの動作テストでは秒50回転を記録している。
今回は通常ピストンに換装しての実験だ。


水平型単気筒単動式スチームエンジン(2014年8月作成)。 



ボア12mm。 ストローク15mm。 気筒容積は1.7ccだ。



ボート搭載用のボイラーにつないで課無負荷回転テストをしてみる。



単気筒エンジンなので自己起動はできない。
ボイラー圧力が上がったころを見計らって手で回してやる。
無負荷なので軽快に回転を始めた。
気筒容積は1.7ccで蒸気の消費も少ない。
ボイラー圧力は徐々に上昇。 回転数もアップしていく。
エンジンは唸りを上げて回転している。
もし分解したら部品が飛び散ってしまうだろうな・・・
何だか怖い感じだ。
すぐボイラーを消したいところだがもうちょっと、もうちょっとと回し続ける。
唸りが一段と高くなって回転数は60回転を超えた。
蒸気圧は2気圧を超えている・・・

その様子を動画でご覧ください。




回転数は60回転秒を記録した。
これは自作エンジンの最高記録だ。
次はこのエンジンのパワーをチェックしてみよう・・・・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久ぶりにエンジンを回してみた。

2016-07-02 19:38:13 | エンジン工作


2016/07/01(金曜日) 晴れ


梅雨の晴れ間か、今日は良い天気になった。
天気になると部屋の中でじっとしていることはできなくなる。
前から気になっていた小さなエンジンをボート搭載用ボイラーで回す実験をしてみた。


水平2気筒単動式スチームエンジン。
エキセントリック・アームの上下方向動作をリンク機構で横方向の動きに変換してピストンバルブを
駆動するエンジンをつくるための試作として工作したもので完成は2014年1月だった。
ボアは13mmと12mm(片方は修理のときに容積を少なくする目的でちょっと小さくした)。
ストロークは20mmとちょっと長めだ。
手持ちのエンジンの中では小型な方だ。
これを最新の船体搭載用ボイラーで動かしたらどうなるか、実験したかったのだ。







船体搭載用ボイラー。 今までの小型ボイラーを改良したものでバーナーを市販の卓上カセットコンロのものに
取り換えてある。 レギュレーターも付いているので安定した燃焼をする(と思っている。)



テストの様子。



先ず、無負荷で回してみた。
蒸気圧が上がって1気圧に近ずくとエンジンはものすごい勢いで回転する。
何だか壊れてしまいそうで怖いぐらいだった。

その様子を動画でご覧ください。




最高回転数は秒43.6回転。 2616rpmだ。
ストロークが20mmとちょっと長めだが高速で回転してくれた。
これならパワーもでるだろうと期待してテストを続けたのだが思ったほどパワーは出なかった。


先ず、エンジンと発電機を増速比1.25倍で結合。 発電電力をチェックした。
結果は発電電力0.56Wだった。

その様子を動画でご覧ください。






次は増速比を2倍にしてテスト。
これはちょっとアップして0.79W。

その様子を動画でご覧ください。







更に増速比を2.4倍にアップしてテストした。
これは0.53Wと逆にパワーダウンしてしまった。





次は増速比を2.8倍にアップしてテスト。
負荷が大きくなってきたのかエンジンの回転は重くなってきた。
蒸気圧も上がってきた。
出力は0.85Wに上昇した。

その様子を動画でご覧ください。





今度はプーリー組み合わせを2段にして増速比を4倍にしてみた。
負荷は相当大きくなったみたいで起動させるのにも1気圧近い圧力が必要になった。
そして運転中には2気圧オーバーの圧力がかかってシリコンチューブが吹き飛ぶという
アクシデントが発生した。

その様子をご覧ください。





2気圧近くの圧力がかかるとシリコンチューブは膨らんでくる。
それでパイプとの摩擦力が減少して圧力に負けて吹き飛んでしまうのだ。
やっぱりしっかりと締め付けておかないと事故のもとだ。
もういちどやり直した。





今度は0.94Wを発電した。
何だか増速比を上げていくとパワーもアップする感じだ。
その辺りを表に纏めてみた。
結局は発電機の回転数が大きい方がパワーが出ている。(当たり前かぁ・・・・)
このエンジンは増速比を上げて発電機を早く回すことができる。
ストロークが20mmもあるからかな?





でもこのエンジンでは1Wの出力が精いっぱいだろう。
以前の実験では2Wが出せたと思っていたが勘違いだったのか・・・・・
明日は別のエンジンをチェックしてみよう。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする