2016/07/27(水曜日) 曇り
去る7月4日に行ったV型2気筒複動式スチームエンジンの発電電力による
パワーチェックでは負荷抵抗1Ωに対して1.63Aもの電流を供給するという
強力なパワーを示した。
これは電力にすると2.7Wに相当する強大なものだ。
しかし、その時点のエンジン回転数は15.8回転/秒(発電機回転数は3倍の
47.4回転/秒)とかなりの低速でこんな大きな出力が出るわけがないのだが・・・
その時は嬉しさのあまり、大型V2エンジン(ボア18mm ストローク20mm)は
大したものだ、とぬか喜びをしてしまった。
どうしてこんな低速回転であんな大きなパワーを記録したのか原因を調べてみたが、
わからなかった。
その時の発電機(小型DCモーター)の動作状態はかなり劣化していたことがわかった
ばかりである。
(発電機としての回転数が高速になると出力が上昇しなくなり、逆に低下することもあった。
原因としては整流子が摩耗して表面が荒れてブラシが飛び跳ねて密着しなくなるのだろう。)
これは出力増加になるよりは逆に減少する要因のはずだ。
結局は、あのとき何であれほどのパワーを記録したかは不明のままだった。
ところが、今朝、食事中にふとこんな考えが浮かんだ。
「もしかすると、電流計に直列に入れたつもりの負荷抵抗がショートされて発電機の
短絡電流を測ったんではないだろうか?」
「ぼーっとして何を考えてるの? しっかり食事をしなさい!」とお代官。
「へーい、ガッテンだ!」
食事を早々に済ませて再実験のために工作場を準備した。
新しい発電機の取り付け。
今までの発電機(モーターA)は分解してしまったので今回からがモーターCを使うことうした。
(モーターBとCは全く同じものだった。)
整流子火花消去用に0.1μFのコンデンサを取り付けた。(効果のほどは不明)
プーリー軸との結合にはフレキシブルジョイントが必要だ。 (真っすぐに結合するのはとても難しい。)
自作のフレキシブルジョイントはガタが大きくて回転力のロスは多いだろうがスムーズに回ってくれる。
新しい発電機をテスト台に取り付けた。
ボイラーやテスターなどを取り付けてテストを始めた。
今回は負荷抵抗を短絡して電流を計るので(負荷抵抗値×電流値=電圧値)の方式は使えない。
テスターを1台増やして発電機の端子電圧を測定した。
エンジンの回転数をプーリーで3倍に増速して発電機を回した。
エンジンは蒸気圧0.04Mpa(0.4気圧)ばかりで回転を始めた。
発電機負荷は短絡(ショート)状態なのでエンジンは重そうに回転している。
回転数が徐々に上がり、発電電流も大きくなっていき、最大では
エンジン回転数:14.5回転/秒
(発電機回転数:43.5回転/秒)
供給蒸気圧:0.08Mpa(0.8気圧)
発電電流:3A
発電機端子電圧:286mV(0.28V)
*発電電力:0.84W
になった。
その時の様子を動画でご覧ください。
発電機の負荷が短絡状態では2、3Aの電流が計測されることがわかった。
先日のテスト時は1.6Aばかりだったが、これはその時に取り付けられていた
発電機が劣化していたためだろう。
1Ωの負荷に1.6Aが流れているとばかり思ったが、多分負荷をショートしたときの
電流を計っていたのだろう。
負荷がなぜショート状態になったかは分からないが、多分テスターの接続ミスだろう。
(オイらはそそっかしいからね・・・・・)
結局、この大型V2エンジンと小型ボイラーの組み合わせでは0.8Wがせいぜいだ
ということがわかった。
思えば工作を始めたばかりの頃は出力が0.5Wを超えたといって大喜びしていたもの
だが、最近は2Wを目指しているんだからずいぶんと進歩(?)したものだ。