何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

このベローズ気圧計工作は失敗しました・・・

2019-10-23 16:21:16 | 電子工作


2019/10/22(火曜日) 雨


ベローズでリンクを動かして取り付けたシャッターで光量を絞ってCdSセンサーで電圧出力を得る・・・
なんて考えて気圧計を工作してきたがどうもうまくいかない。


工作を思い立ったのは9月中頃だった。
こんな気圧計を作ろうと思っていたが・・・




部品は手持ちのジャンク品で間に合わせるが、ベローズだけは何とかしなくてはならない。
たまたま電子部品屋で売っていた「超アナログお天気センサーキット」はベローズが使われていたので
これを購入してベローズだけを利用した。(このベローズが問題のベローズです。)

いろいろ試行錯誤を繰り返して何とか組み立てた。
またテストのためには気密ボックスを用意して気圧計をこの中に置いて加圧、減圧をしてみなくてはならない。
この工作も大変だった。

あれから1カ月以上かかって、やっと最近、何とかテストに漕ぎつけたが結果が思わしくない。

低気圧から高気圧に変化させたときのデータと高気圧から低気圧に変化させたときのデータが異なってしまうのだ。
気圧の変動によるベローズのわずかな変化(変形)を拡大するために何段かのリンク機構をかませているので
この部分の摩擦、重量が原因か、といろいろ手を打ったがダメだった。


最終的には最小の1段リンクでもヒステリシスが発生した。

このとき、ヒステリシスは低気圧→高気圧または高気圧→低気圧の変化で気圧の変化が大きい場合に発生し、
気圧の変化が小さい時にはほとんど認められないことが分かった。

もしかするとベローズが大きく変形すると元の状態に戻るのに長時間かかるのではないか、と疑った。
そこでもう一度、ベローズの変形と元に戻る様子を確認してみた。


リンクを目いっぱいの長さにしてベローズの動きを拡大して観察した。


気密ボックスに入れて、口から吹込む空気で加圧、空気を吸い出して減圧、を繰り返して目盛を注視した。

確かに加圧(減圧)を止めて元の気圧に戻したとき、指針の停止位置が0点からずれて停止する。
特に減圧から元の圧力(1気圧付近)に戻したときのずれが大きい。

そんなテストの様子を動画でご覧ください。





停止位置がずれているのがわからないので静止画でご確認ください。


平常気圧(ほぼ1気圧(1020hPa)のときの指針の停止位置。



加圧(1170hPa)したときの指針の位置。



加圧(1170hPa)から1気圧(1020hPa)に戻したときの指針の停止位置。 若干右にずれている。



減圧(980hPa)した時の指針の位置。



減圧(980hPa)から1気圧(1020hPa)に戻したときの指針の停止位置。 1mmほど左にずれている。



ヒステリシスが無ければ指針は“0”位置に停止するはずであるがこのようにずれが生じてしまう。
わずか1mmのずれではあるがCdSセンサーの出力は大きく変化するのだ。


やっぱりこのベローズは気圧の変化に素直に追従はしてくれない。
「超アナログお天気センサーキット」は今から何時間も後の、晴れるか曇るか雨が降るかを予報する程度の
気圧を測るだけのものなんだ。

本当のベローズは中身が真空のはずだ。
ところがこのベローズはどうも真空ではないようだ。
本当に真空ならベローズはぺちゃんこにつぶれているはずだ。
アネロイド気圧計はこのペちゃんこになるベローズを強力なバネで引っ張ってバランスを保っているんだ。

このベローズは言ってみれば「お菓子の入ったビニール袋」と同じようなものだろう。
麓(ふもと)で買ったビニール袋に入ったお菓子を持って高い山に登ったら頂上ではパンパンに膨らんでいた・・・
そのまま麓に降りてきたら元に戻っていた・・・・・ 

これで気圧計を作るのは無理だからあきらめよう。
まぁ、2か月間、工作を楽しめたんだから良しとしておこう。
(負け惜しみではありません・・・ホントですよっ。 って“ムキ”になるのがちょっと怪しいゾ)


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