それなりの ノタリ

地域活動がそれなりにやることがあって、かと言って、多忙というほどでもなく、ノタリの生活。

中高年の登山

2006年10月22日 | 読書

新田次郎の『剣岳 <点の記>』と『八甲田山 死の彷徨』を読んだ。

前者は明治40年の北アルプス・立山連峰が舞台で、後者は明治35年の青森県が舞台である。ちょうど、日露戦争を挟んでのノンフィクションである。

また、いずれも陸軍に所属する者が主役である。前者は陸軍・陸地測量部(現・国土地理院)で、後者は陸軍・第9師団の第5連隊(青森市)と第31連隊(弘前市)である。

いずれも当時の歴史背景をもとに、気象庁に長年、勤務した作者の緻密な取材と資料分析により、完成した長編である。

本の内容については避ける(↑ 1行目の本のタイトルをクリック)が、自分にとっては「山の恐ろしさ」を疑似体験するため、何度も何度も読んだ本である。そうして、山に入るときは臆病なくらい、慎重を旨にするようになった。無理しない、十分すぎる装備で望む、天気が悪かったら絶対近づかないetc.である。

いくら山歩きが楽しくても、また身体に良くても、命を懸けるほどの重大性はないのだ。
最近の中高年登山ブーム。~~遭難ニュースを耳にするたびに、遭難者が中高年ということが多い。我々の世代、遭難と言えば、大学生が正月休みにというのが常識だった。「若さゆえの暴挙」と思ったりしたが、今や逆だ。元気な中高年はいくらでもいる。それが各々の自分に対する過信になってはいまいか?

中高年の健康ブーム&登山ブーム。自分も含めて、決して悪いこととは思えない。しかし、年年歳歳、体力と気力は知らず知らずのうちに衰える。これが天の道理であることを知る必要がある。

天気さえ良ければ、まだこんな色もある。


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6 コメント

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八甲田山 (利麿)
2006-10-22 15:12:18
映画で見ました。高倉健が主演?だったかな。。

30年位前の記憶なのでチト、どうも、ハイ。。



新田次郎氏の作品ではこの「山岳」物のほかに歴史物もたくさんあります。



こちらを語らせたら、ボクも語るんですが、残念ながら

趣味が合わないというか、気が合わないというか、・・無念と言うしか。。です。ハイ。
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気をつけます (ikuni)
2006-10-22 20:07:20
18日に東京日帰りしたとき、快晴で地球岬、恵山、函館山、八甲田山、十和田湖がよーくみえました。とにもかくにも慎重に行きたいものです。

私はいつも1人なので、熊スプレーがお守りです。

札幌周辺の紅葉も終わり、いよいよ夏山登山も

おしまいと思うと、寂しい限りです。
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私も見ました 八甲田山 (ねこのおやぶん)
2006-10-22 22:05:53
映画「八甲田山」の映像は強烈すぎてまだ頭の中に

 残っています

 ねこ・も山が好きで五頭山にはよく行きます

 若いときは南アルプスとかにも行きました

 しかしシンさんのいうとおり もっと謙虚に

 そして用心深く 山に対して畏敬の念をもたなくては

 と感じています

 そんなんで軽く見ている人達が 特に中高年の人達が

 遭難しているのでは・?・・・

 
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利麿どん (シン)
2006-10-23 10:22:33
仰るとおり、新田次郎氏は「山もの」と「歴史もの」を書いてますねぇ。

なんでかな?



この人の「山もの」はいつも「手に汗もの」で、ハラハラします。



>趣味が合わないというか、気が合わないというか、

ホントだねぇ。

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ikuniさん (シン)
2006-10-23 10:27:29
コメントありがとうございます。



ikuniさんは、一人登山ですね。

私も若い頃は一人でした。でも今はなかなか、その勇気がありません。



熊スプレーご持参ですか。

あれって、昔、買ったことありますが、1万円くらいしました。

効き目はどうなんでしょうかね?



冬は藻岩山だけですね。装備もないし、命懸けてまで行きたいとは思いませんので。
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ねこのおやぶんさん (シン)
2006-10-23 10:34:31
五頭山は阿賀野市でしたね。

確か、出湯温泉の方から登るんでしたね。

懐かしい名前の山です。

普段は忘れていました。



中高年の人の遭難。

聞くたびに、虚しくなります。

死ぬほどの覚悟で山に行くんでしょうかね?

何もそこまでしなくても、と思うんです。
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