ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

神話探偵団86 「石の宝殿」は「石の方殿」

2010-05-19 15:41:02 | 歴史小説
四角形の平面の方殿

「私は、宝殿の宝は、元々は宝ではなく、四方の方を使った方殿であったと思います」
「なるほど、東西南北の四方を平らげた大国主と少彦名が即位する方殿、その方が筋が通っている」
カントクは女性意見には、直ちに同調する。
「そう言えば、天皇が霊(ひ)継ぎの儀式を行う高御座(たかみくら)は、正方形の方壇の上に、八角形の屋形が乗っているなあ」
長老も納得したようだ。
「方形の基壇と八角形の屋形というのは、どういう意味を持っているのかしら?」
マルちゃんが聞いた。
「四角形は、東西南北の地上を、八角形は八方を支配する王を表している。聖徳太子ゆかりの法隆寺の夢殿や舒明・天智・天武天皇などの八角墳に八方は使われている」
長老の説明は淀みがない。
「そう言えば、最近、前方後円墳の形状について、中国・インドの天円地方の思想に基づき、前方は地上を表し、後円は天を表している、という説を読んだことがある。後円部に葬られ、天に昇った先帝の霊(ひ)を後方部の方壇の上で、次の天皇が受け継ぐという、霊(ひ)継ぎの儀式が行われた、という説だったな」
カントクが大好きな宗教世界に入ってきた。
「天円地方思想に基づく石の方殿説か、魅力的な引き込まれるような説よね」
マルちゃんも賛同者になったようだ。
「後で説明する予定だったんですが、この伊保山の北側にある山の名前は高御位山(たかみくらやま)で、地元では単に『たかみくら』と言っています。天皇の即位儀式に使われる高御座(たかみくら)と同じ名前の山は、全国でここにしかありません」
ヒナちゃんの頭の中では、しっかりと1つの仮説が出来上がってきているようだ。

資料:日向勤著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)
姉妹編:「邪馬台国探偵団」(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)

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