蒲田耕二の発言

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集中バッシング

2014-09-12 | 新聞
近ごろトシのせいか、昔のことをよく思い出す。オレが高校生だったころのことだから、もう半世紀以上前のことだ。通っていたのは、大正時代に設立された都心の高校だった。

生徒会長の選挙があった。全員が講堂に集まり、立候補者がそれぞれ所信表明(というと大げさだが)をした。中に同級生のAがいて、ざっくばらんな口調で生徒たちに語りかけた。「あのヨー、オレさあー、会長になったらさあー」

当時の高校生が普段、プライベートな会話で使っていた口調である。

その後、質疑応答になり、同じく同級生のBが質問に立った。「A君は会長になっても、自分のことをオレとか言うんですか。そういう乱暴で品のない言葉遣いが、伝統あるわが××高校の生徒会長にふさわしいと思いますか」

会場が騒然となった。それまでの和やかな空気が険悪モードに一変した。客席の生徒たちが我先に立ち上がり、壇上のAに指を突きつけて難詰を始めた。「オマエは学校の恥だ」

文字どおりの集中砲火だった。

正直言うと、オレもそのときBの言うことはもっともだと思った。Aは普段おっちょこちょいなところがあり、Bは優等生だったからだ。いま思えば、ホントに恥ずかしい。オレを含めて、ここを先途とAを非難した生徒たちの「正義感」が恥ずかしい。

いまの日本、あのときの生徒会を連想させるんだよね。誤報の朝日に指を突きつけて「オマエは日本の恥だ」。そういう世間の「正義感」が気持ち悪い。

エラそうに。

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