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蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

粛清

2022-10-24 | 国際
中国共産党大会で前首席の胡錦濤が途中退席する映像ってのを今朝の朝日デジタルで見たが、あれは退席なんて生やさしいもんじゃないね。どう見ても、拉致。強制連行。

尖閣問題で当時の野田首相とやりあった頃とは別人のようにヨロヨロと足取りもおぼつかない、頭もすでに真っ白の胡錦濤が屈強な男たちに腕を取られて立ち上がり、男の持つ赤いクリアファイルに手を伸ばそうとするとサッとひったくられ、早く歩けと言わんばかりに前方へせっつかれる。

これ、どうしたって、かつて北朝鮮で金正恩が叔父の張成沢を情け容赦なく処刑したシーンを連想しちまうよね。あのときも、何かの大会の席からいきなり連行される張の写真が出回った。そして、そのあとすぐ銃殺された。

胡錦濤がこのあとどう遇されるのか知りようもないが、おそらくは消息不明になってオチだろう。公式発表はもちろん「体調不良」だが、こんなの信用する人、中国でも少ないだろうな。朝日の吉岡編集委員によると、党大会の茶番はトラックの運ちゃんでも知っているそうだ。

習近平が側近を気心の知れた連中で固めたのは、それだけ国内に敵が多く常に疑心暗鬼に駆られているからだろう。なんか、ますます21世紀のヒトラーになってきたね。彼がウイグルでやってることはホロコーストにほかならないし。ホントかウソか、ウイグル人は片っ端から不妊手術を施されているんだとか。

ナチス・ドイツは過去の歴史になったが、中国はいま、すぐそこにいる。やだねえ、こんな体制が一衣帯水の対岸で蠢いているなんて。

エリザベス女王

2022-09-10 | 国際
この人の訃報に、思い出したことがある。かなり話題になったエピソードなので誰か追悼文に書くかと思ったが、誰も書く様子がないので書く。別に、追悼文を読み漁ったわけではないが。

イギリスでサッチャーが首相を務めていたころ、バッキンガム宮殿にホームレスか何かの男が侵入した。するとエリザベス女王は慌てず騒がず、男の話し相手になって夜を明かしたそうだ。

男がいとも易々と宮殿に侵入したこと、女王が落ち着き払って対応したことが話題となり、以後、警備がぐんと厳しくなったと聞く。

このエピソードを、故サトウサンペイさんが当時朝日に連載していた四コマ漫画で取り上げた。あの漫画がなければ、事件はオレの記憶に残らなかったかもしれない。

漫画の初めの二コマは、女王が男に対応する様子。三コマ目では、サッチャーにそっくりの中年女性が窓を開け放ってベッドに寝ている。四コマ目は夜明け。中年女性が上体を起こして嘆息する。「ダメか!」

イキな漫画だったよなあ、「フジ三太郎」って。

反戦

2022-03-16 | 国際
これくらい大胆で的確でカッコいい反戦活動が、かつてあっただろうか。すでに世界中で話題の、テレビ生放送中の反戦プラカード掲示。実行した女性は当のテレビ局員で、そのテレビ局はロシア国営だというから、すごい。彼女は職を失うことはもちろん、それ以上の刑罰も覚悟していただろう。文字どおり、命懸けの訴えである。

その続報で、彼女の受ける刑がわずか3万強の罰金と報じられた。ああよかった、と胸をなで下ろして……いいのだろうか。

ロシア軍の空爆は軍事施設のみを狙っている、ザポロジエ原発の火災はウクライナ工作員の放火等々、ロシアの主要メディアがいかに政府寄りのフェイク・ニュースを垂れ流してきたか、いまさら言うまでもないだろう。プーチンのロシア政府が自分の利益のためにどれだけ汚い手を使ってきたか、反体制活動家のナワリヌイ氏の毒殺未遂を挙げるまでもないだろう。

あの勇敢な女性、マリーナ・オフシャンニコワさんの行動が世界中に知られてしまったため、ロシア政府は表向き軽微な罰金刑のみでケリをつける形にしたのだろう。そうして事態の沈静化を図る。しかしそれは、あくまで表向きだ。そもそも罰金刑のみ、という報道自体にどれだけ信憑性があるのか、分かったものではない。

これから彼女にはおそらく、世界の目から遮られたところで怖ろしい弾圧が加えられるのではないか。抵抗する手段も世界に訴える道も与えられずに。独裁国家とは、そういう社会だ。

降り注ぐ爆弾にウクライナの高齢者や子供たちが逃げ惑う一方で、極東の島国では河川敷に捨てられた猫の捜索に警官と機動隊員100人を動員。死体で見つかった猫の供養に、花束の山。

皮肉を言ってるんじゃありません。平和って、民主主義体制って、しみじみ、いい。

小国の一矢

2022-03-07 | 国際
アルバニアもシャレたことをするね。

首都ティラナの市長が6日、ウクライナ大使館の建つ通りの名を「自由ウクライナ」に改めると発表したそうだ。

この通りにはロシアの大使館もあって、だから今後は、市長曰く、ロシア大使館職員も「自由ウクライナの住所で働き、郵便物を受け取らなければならなくなる」。

最高ね。久しぶりに笑ってしまった。

プーチンにもこれくらい気の利いたウィットとセンスがあれば、力ずくの侵攻などという時代錯誤のバカげた考えに取り憑かれなかったのではなかろうか。

どっちにせよロシアが今後、1930年代初めに中国侵略を始めた日本同様に世界の孤児と化していく流れは止めようがないだろうが。

アカウント停止

2021-01-12 | 国際
ツイッターがトランプのアカウントを閉鎖したら、ドイツのメルケルが問題視してるんだって。ま、「表現の自由は基本的権利」てのは、理念としては賛同するけどね。

問題は、その先だよ。ドイツ政府の報道官いわく「(その制限は)民間企業が決めるべきではない」。隣国フランスの経済財務相も、規制は国家や司法が行うべきと言ってるそうな。

何を言ってるんだろうね。表現の自由を国家が規制したら、それこそ大問題ではないか。

これまでフランス大革命やアメリカの独立戦争や第2次大戦や天安門事件や現在の香港で人類が死に物狂いで戦ってきたのは、いまも戦っているのは、ある意味、国家の規制から言論の自由を守るためじゃないのか。

ツイッターやフェイスブックは、どれだけデカくてもしょせん私企業だ。いくら不合理な社是社則でも、私企業なら許される。一般市民が相手にしなければいいだけだ。

いや、ツイッターやFBは単なる私企業とは言えないほど巨大化してる? それは話のすり替え。

こういう問題が起きると、最近では常に陰謀論への誘導が行われる。曰く、NYタイムスもワシントン・ポストもCNNも朝日もNHKもすべて米軍産の手先だから、軍産と戦うトランプは悪者にされ、米民主党の選挙不正は隠され、ただの風邪のコロナは必要以上に恐怖を煽られる。

一昔前だったら物笑いのタネにしかならなかったようなバカげた主張。それがいま、ツイッターやFBその他のネットメディアを通じて一定の勢力を獲得し、根を下ろしてしまった。そのことの方がよっぽど怖ろしい問題ではないか。

トランプのアカウント停止は、こうした事態を招く一因になったツイッターが遅まきながら示した反省と見るべきだろう。