koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

1/24 プレイルームおもちゃ修理1件

2021-01-24 | おもちゃ
またもやすくすくプラザプレイルームからの修理依頼です。(つくづくおもちゃの修理ばかりしてますw。)
乗用のベンツ、写真撮り忘れたのでネットから拝借。

「以前に相談した乗用の車ですけど」と連絡があり、「そんな相談は受けてませんけど」と冷たくあしらってしまいましたが、そういえばちょっと前に定期開院に来てたかも。他の修理をしてる間に他の人が応対して、遠目に聞こえた話では、「バッテリーがダメ。ネットで同じヤツ探して取り替えるだけよ」と説明して、預からずに帰してたような気がする。

「宇部おもちゃ病院の定期開院で色よい返事がもらえなかった物をプレイルームの方に持ってきたって、結局宇部おもちゃ病院に行くんだから同じでしょ?」と、ちょっと不機嫌…。
しかし「ネットで探して買うだけよ」というのは不親切な対応と思う…。中あけて仕様調べて同じバッテリーを探して取り替えるのは、完全な素人にはハードルの高い作業。たしかに「修理」とは言えない、おもちゃドクターじゃなくてもできる程度の事なんだけど、ぼくならちゃんと引き受けるがなぁ…。
ただ「おもちゃ病院に持って行ったら断られたけど、プレイルームの方なら引き受けてもらえる」なんて事になったら、困るんだけどね…。

またもや前置きが長くなりましたw。車が小さい&家が狭いので、できれば持って帰りたくないw。プレイルームに行ってその場でバッテリー外して、バッテリーと充電器だけ持って帰りました。
予想していたより小さい6V4.5Ahのバッテリーでした。
端子間電圧0Vで、可変電源で12Vまで掛けてみましたが全く充電電流流れず、完全に死んでます。(充電用のACアダプターが、無負荷で11V出てたので、もう一声の12Vまで掛けてみました。)

秋月でLONG社のバッテリー:WP4.5-6が、700円+送料500円。密林と中国もざっくり見ましたが、秋月が一番安そうでした。

月曜日に連絡あって、木曜日たまたま休み取ってたのでバッテリー引き取りに行って、すぐ調べて発注して、日曜の午前中には届きました。日本の宅急便は異常なほど早いですね。
せっかくなので日曜の午後にプレイルームに行って乗せ替えしました。

バッテリー確認・引き取り時に、不具合はバッテリーだけかどうか、手持ちの可変電源で6V掛けてみたのですが、床に置いた状態では走らせられませんでした。
しかし今回、充電済バッテリーでもよく分かりませんでした。
ぼくの可変電源は電流も表示されるのですが、繋いでアクセルを踏むと、最初は1Aぐらいしか流れません。ここで車体を持ち上げるとじわっと回転が上がって、電流も3Aぐらいまで上がります。
直流モータは停止→起動時が一番電流を食うはずで、アクセルは単なるスイッチではなく、アクセルを踏んでもモータに電圧が直結されず、徐々に出力を掛けてく回路になってると思われます。回転数も見てるかもしれません。
画像撮るために検索したら、多分同じヤツ、まだ自分で運転できない小さい子様に「ラジコン機能」もついてるようで、一番安くても19,800円、高い所では28,000円ぐらいで出てました。制御系も凝ってるかもしれませんね。
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1/24 リユースおもちゃ修理6個

2021-01-24 | おもちゃ
ちょっと暇があったので、急がないリユースからの預かり品の修理をしました。
これは、リユースの譲渡会での開院ではなく、譲渡されるリサイクル品の修理です。

宇部おもちゃ病院は、宇部市がやっている「子ども用品リユース活動」に参加しています。
この宇部市の「子ども用品リユース活動」は、不要なおもちゃを引き取って、欲しい人に無料で譲渡する取り組みで、引き取りは各地のふれあいセンター等で常時受け付け、貰う方は年数回の譲渡会?で貰えます。

この活動は、宇部市が実施する団体を募集して、会場&入院品の受け渡しでお世話になってるNPO「青空」(市民活動センター)が応募して、宇部市に採用されて実施してます。
その応募をする際に、「青空の登録団体である宇部おもちゃ病院と連携して、譲渡会時におもちゃ病院を開いておもちゃの修理をするとともに、引き取ったおもちゃで壊れたものがあれば、おもちゃ病院で修理してから譲渡できます!」というのを売りにして、宇部市に採用されたと記憶しております。

開始当初はセンターの人から「これ直して下さい」と、リユースのおもちゃがぽちぽち来てた気がするのですが、最近修理しておらず、気づくと「壊れてます」と書かれたまま譲渡に回ってた様で、それじゃ貰い手がなかなか出ないので、みんなで分担してばっさり持って帰りました。
預かったのが大雪の日で、自転車で行ってた都合大きいものは持って帰れなかったので、プラレールを6個持って帰ってました。

前置きが長くなりましたが1個目、SLです。

モータ渋りでした。モータ端子が外から当てれたので、3V掛けて隙間からピニオンをちょっとつついてあげたら復活しました。動輪ゴム、片方がカチカチに硬化&変形してたので、新品に取り替えました。

2個目、つばさです。

これもモータ渋りだけでした。プラレールの最も標準のギアBOX、モータ端子の上に蓋がしてあるヤツでしたが、接着があまりべったりじゃなかったので、カッターでちょっとつついたら外せました。そこから3V掛けたらすぐ復活。動輪ゴムは片方が紛失、片方が硬化してたので、両方新品を取り付け。連結器が無かったのでこれも取付。

3個目、パーシー。

これもモータ渋りでしたが、モータ端子が外に出てないタイプだったので、分解して電圧掛け。

各ギア清掃・グリスアップ実施。車輪駆動軸の12Tギアが割れて空回りだったので取替。

4個目、ディーゼル。(トーマスキャラクターの「ディーゼル」という名前らしいです。手抜きな名前だなぁw。)

これもモータ渋り。電圧掛けて復活。

5個目、アニー。(初めて見たかも。客車なので普通は動力ないはずなのですが…w。)

これは、電池端子に青いアルカリ電池の液漏れ跡が見られるだけでなく、スイッチ部分にも青い結晶が見えます…。相当な液漏れを食らってる感じです。

分解すると、後ろの錘にまで液漏れがしみ込んでました。端子類は全部水洗いしておきました。
手回ししながらグリスアップしてると、途中で引っ掛かるところが…。モータの10Tピニオン割れで取り替えました。

これも駆動軸の12Tギアが割れて空回りで、これも取り替えました。

さて最後6個目、ゴードン。めんどうなヤツなので、最後にしましたw。

前の駆動車と後ろの電池車間の配線断線です。ただの断線復旧なのですが、作業数が多くて結構面倒なんですw。

すき間から見えるギアにだいぶほこりが付いてたので、分解整備しておきます。

各ギア掃除してグリスアップ実施。次いで配線の復旧です。

普通は連結器の所に黒いカバーが付いててその中に配線を通すのですが、多分除去されてました。チューブに通した上で連結器の穴に通しました。

これで終了かと思いきや、またもや駆動軸が空回りしてる様子…。こやつは、駆動軸の駆動ギアにクラッチがついてるタイプでした。

左側の幅の狭い方は、バネで押し付けられてるフリーのギアで、これが前段のギアと噛んでるようです。右半分の幅の広い方が固定のギアですが、これが割れて空回りしてるようです。
同じクラッチ付きでは取り替えられないので、12Tの固定ギアに取り替えました。(クラッチはさほど重要じゃ無いと思われますので。過負荷や巻き込まれ・ケガ防止というよりも、電池無しなのにSWオンの状態で手押しした時の空回り用と思われます。)

さて、思ったよりも時間掛かりました。6個で3~4時間ぐらい掛かったかな…。まあ、いい土日の暇つぶしでしたw。
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1/16 おもちゃ修理6件

2021-01-17 | おもちゃ
すくすくプラザプレイルームから修理依頼があったので、取りに行きました。簡単な修理ばかりでしたw。

1件目、木の車です。

上に尻もちでもついたでしょうか、車軸がぽっきり折れてます。木の棒買ってきて刺しなおそうかと思いましたが、頭の部分が差し込みじゃなくて一体物削り出しだったようなので、骨接ぎで直すことにしました。

両方に穴をあけて、M2×25mmの頭を落とした物を芯にして、木工用ボンドを塗って突っ込みました。再発は心配ですが、そこそこの強度になったと思います。

2件目、チャギントン。

音は鳴るけど、ヘッドライトが点灯しない、との事。

LEDへの配線がポロっと取れてました。製作時のハンダ付け不良と思われます。再ハンダ付けしてあっという間に終了w。

3件目、プラレールの「おしゃべりトーマスあちこちキョロキョロ」との事です。

「目がキョロキョロはするけど、音が鳴らない」との事。初めて見るおもちゃです。

試しにスイッチ入れてみると…ちゃんと音が鳴りました。起動時のセリフが鳴った後は、車輪を回すとセリフをしゃべる様です。しゃべりながら目が左右に動きます。(ちょっと気持ち悪いかもw。)
ゴムの付いた車輪が付いてるのですが、モータは入ってません。

念のためと後学のため、分解してみました。

小さなスイッチを出っ張りのある軸で蹴って、回転を検知してます。髪の毛が少し絡まってましたが、特に異常なし。
基板等はこんな感じでした。

目はソレノイドで動かす構造です。リモコンのチョロQと同じような作りですね。
大きなインダクタンスが乗ってます。回路は追ってませんが、単3電池1本=1.5Vでマイコン駆動は厳しいと思われるので、昇圧回路が入ってるかもしれませんね。
配線にも特に異常は見られず、スピーカチェッカで音も鳴りました。

で、組み直してスイッチ入れてみると…音が鳴らない…。
再度分解してよく見てみると、スピーカ線の基板側(片方)、ハンダに亀裂が入って浮いてました。

ハンダ足して再ハンダ付けで、ちゃんと鳴るようになりました。

4件目、ボイスレコード+足が動く「まねっこネコ」です。

ボイスレコードは動作してるようだが、歩かない、との事。

中身は足を突っ込んであるだけなので、足引っこ抜いて分解。

モータ線の断線でした。繋いだらすぐ動きました。楽勝ですw。
(しかし、ケーシングのネジ4カ所が、1カ所しか止まってないし、駆動部も固定されてませんでした…。駆動部の固定は、下側は取り付けが折損してなくなっててネジもない、上側は折損はしてないけどネジ止めされてない、という状態でした。怪しい…)

5件目、リモコン操作の犬です。

「おしっこ」のボタンが効くだけで、前後歩き・ふりむき・音楽等のボタンが効かない、との事。リモコン線の断線だろうと分解してみたのですが…、結論は電池消耗で、無駄に分解してしまいました…。

電池BOXを止めてる結束バンドを外して足を引っこ抜いて、下半身部分のケーシングを分解。基板はこんな感じ。

これで、断線チェックとリモコンのSW押してSW動作確認をしたのですが、どうもよく分からない…。しばしつついてみた後「もしやこれは電池…?」と、電池を測ってみたら、単3×3本の内、1本がすっからかんでした。その1本を取り替えたらちゃんと動きました。
今まで散々痛い目に会ってるのに、またやってしまいましたw。
ワイヤ式のリモコンで「SWが1カ所しか効かない」の状況から、勝手に断線と決めつけて作業開始してしまいましたが、やっぱり電池の確認は最初の最初にやらないといけませんね。

6件目、アンパンマンことばずかんDX。

音が鳴らないとの事。分解します。

三角ネジのタイプでした。スピーカは悪くない。つついてると時々音が鳴る。

分かりにくかったですが、手前のスピーカ線が、基板側の付け根で断線してました。(途中でホットボンドで固定されてたので分かりにくかった。)
先端のキャップを取るのが少々めんどうなので、すき間から再ハンダ付けして終了。

途中で無駄な分解をしてしまいましたが、6件で3時間はかからなかったかな。まあたまにはこんな楽勝な修理もいいでしょうw。
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1/9 宇部定期開院

2021-01-11 | おもちゃ
大雪の中、宇部おもちゃ病院定期開院でした。
いや~大雪でした。全国的にも記録更新の所があったようですが、宇部も30年に一度クラスの積雪でした。(まだ宇部に住んで30年は経ってませんけどw。)
自宅から会場まで3km程度、半分は自転車乗って、半分は押して行きました。

さすがにドクターもお客も少ないw。ドクターは4人、来院は1件でした。
その1件は、「超絶自動変形 大鉄人ワンセブン」です。

来た瞬間「oh!ワンセブン、懐かし~~~」と叫んでしまいました。小学校の頃見てた特撮ロボット物です。
番組としては約40年前のはずですが、依頼者さん曰く「おもちゃは20年前の物です」との事。箱を確認すると、確かに1999年製のようでした。

背中のスイッチを押すと腕を収納してしゃがんだ形態に変形する、もう一度背中のスイッチを押すと再び立ち上がって元に戻る、という動きらしいですが、腕が収納されない&立ち上がれない、といった状況の様です。複雑そうですが分解していきます。

ギアボックス分解の状況。

複雑な動きですが、1モータです。モータはギアードモータでした。電気的なリミットスイッチは2カ所に付いてます。基板にはCOBが乗ってますが、あまり複雑な制御はしておらず、シーケンスの切り替えは機械的と思われます。

立ち状態からしゃがみ状態への動きとしては、
①頭が下がる②腕が回転する③しゃがむ の3シーケンスです。
分解して概ね仕組みが分かりました。
蓋を外してる赤いケーシングの中、水色の円盤が見えてる部分、この中にギアードモータ出力軸のピニオンに噛む小径ギアがついていて、それが回転して、回りの3つの小径ギアのどれかと噛み合って、①②③のどれを駆動するかが変わります。
①動作の限界まで行くと、トルク増加でギアが次の位置に変わって②の動作になる、
②動作の限界まで行くと、またトルク増加でギアが次の位置に変わって③の動作になる、
③の動作はトルクオーバーでも止まらずに、リミットで検知して停止させる、
という構造です。

逆に立ち上がるときも、③→②→①まで行って、頭が上がったことを検知するリミットを蹴って終了となります。
箱に説明が書いてありました。

ふむふむ、推定通りと思われます。(普通、箱に機構の説明なんてしないのに、よっぽど自慢の構造だったんでしょう。こんな事書いたって普通の人には理解できないのにw。)

まず、上の分解写真の一番右、腕を回転させるための10Tピニオンが割れて、ピッチが開いてました。軸はローレット加工されてるので滑りはしませんでしたが、おそらく引っ掛かる程度にピッチが開いてたので、これは時間内に取り替えました。
これで腕は動くようになったっぽいのですが、立ち上がりの動きがいまいちで、手でアシストしてやらないと動かない…。そうこうしてるうちに、しゃがんだ状態から全く動かなくなってしまい、入院となりました。

家に持って帰って次の日、リミットを超えて動かしたせいで、過負荷でヒューズが切れたりしたかなぁ…と思いつつ再度分解しましたが、しゃがみ位置のリミットを蹴った状態で、そのまま立ち上がり切れずにギアが切り替わって頭上昇まで進んで、頭上昇位置のリミットも蹴ってしまうと、通常では起こりえない「上と下のリミットを両方蹴った状態」になってしまって動かなくなるんですね。どこも壊れてなくて良かったw。
外部電源でモータ直接動かして解除しました。

さて「立ち上がれない」問題ですが、ギアボックスの足の付け根を駆動する一連のギアの中で、左列の上から3番目のギアにちょっと亀裂があります。口は開いてない様ですが抵抗になってるかも…。

しかし、上の写真まで分解してひらめいた!
「過負荷」でどのようにギアが切り替わるのか? 回転するギアの方(水色の円盤部)に3カ所窪みがあります。赤い蓋には水色のポッチがついてます。この水色のポッチをバネで押して回転ギア部に押し付ける構造になってます。負荷が上がって、バネで窪みにストッパーを押し付けてる力を超えたら、ギアが次の位置に切り替わるんですね。
つまり、この「ポッチ」を押し付ける力を上げれば、切り替わる際のトルク閾値を上げることができるはずです。

この押さえのバネを少し引き延ばして再組立てしたら、思惑通り、ちゃんと立ち上がることが出来ました!
(これでダメなら、まず割れてるギアの取替と、足を分解して各部のグリスアップぐらいかぁ…と思ってました。)
腕を一回分解してギアの位置が変わっちゃってたので、再度分解して位置調整して、全体を組み戻して終了しました。
(ギアボックス分解の為には、一旦足を外す必要があるのですが、下部:底板や足を固定するあたりのプラスチックがすっかり劣化して、ポロポロ折れてしまいました。底板固定のネジが全てダメでしたが、まあ底板はドライバーでちょっとコネないと外れないぐらいなので、とりあえずネジ無しでご勘弁頂きたいと思います。)
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12/26 リユース出張開院

2021-01-10 | おもちゃ
1月になってカルテの確認・取り忘れ写真の撮影が終わって、やっとブログが書けます。
日にちが前後してますが、12/26に多世代ふれあいセンターであったリユースでの出張開院の報告です。

前回(11/14)程は多くありませんでした。ドクターが5人も来て、16件の受付でした。
電池消耗のみの3件は除いて6件を担当しました。
1件目、ドミノの車…との事です。(背中にドミノを乗せて走るらしいです。)

機能は分かりませんが、内部にマイクロスイッチが見えます。接着止めされていて、側面のネジを解いても分解できませんでした。下を無理やり広げて一部を外してなんとか補修。

マイクロSWの部分で断線してました。
接続が謎でしたが、メインのスライドSWとパラにマイクロSWが入れてあり、メインのスライドSWを切っても、中のレバーみたいな機構が端っこに行くまではモータが回り続ける構造でした。
指で広げながら何とかハンダ付けして、なんとか動くようになりました。

2件目、アンテナの折れたラジコンのコントローラ。

付け根の所で被覆が折れてます。被せて補強するのが楽そうな気がするのですが、依頼者さんが何故か「切り縮めて」という要望だったので、切り縮めてみます。

外して折れたところまでの被覆を剥いだ状態。アンテナの中はコイル状なので、このまま押し込めないかと思ったのですが、全く押し込めず。接着止めもしてあって金具がなかなか外れませんでしたが、なんとか外して切り縮めて、再度がんばって金具を突っ込んで、なんとか形になりました。

ここから入院で対応、3件目、アンパンマンのノートパソコン。

これは、時間内に他のドクターが対応していたものを預かった物。ごそごそしてる間に1回は起動してたようですが、「電源ON」のボタンが効かないとの事。時間内の確認で、電源SWのラインを直接短絡しても起動しない…。マトリックスシート以外にも不具合があるのでしょうか…。

電源SWラインのキーボード側には何もなくて、液晶側に直接行ってるようだったので、液晶側を(苦労して)分解してみたのですが、無駄でしたw。
液晶側に入ってるメイン基板に電池電圧が来てない。キーボード側に付いている抵抗型ヒューズが切れてました。(いつ切れたかは分かりません。ぼくが電源SWラインの直接短絡した際かもしれないし、それより前だったのかも…。)
ヒューズ短絡したら、すぐ起動しました。最初に電池を入れた時(or画面側にあるリセットボタンを押した時)は、電源SWを押さなくとも起動する様です。

ヒューズを復旧したら、電源SWラインの直接短絡で起動しました。不具合はマトリックスシートに確定。電源SWラインの2本のうちの片方が、すっかり変色して断線状態でした。

「パターン上に針金波縫い」で、基板との接続部は銅箔テープ貼り付けで復旧。これでちゃんと直りました。
(会場で分解時にキーをバラバラにされてしまったので、動作を確認して全部元通りに並べました。)

4件目、赤い汽車のおもちゃ。

これも屋根や煙突周りが接着止めで分解困難…。下を無理やり広げて、なんとか中身を引っ張り出して補修しました。

モータ線が切れてました。ギアも一応確認。

油っ気がなかったので、しっかりシリコングリスを足しておきました。

電池BOXのフタの部分が壊れてたので、ここも直しておきますが、苦労しました…。

なんという事でしょうw、木ネジが突っ込んであります。ナット側をペンチで押さえてなんとか外そうとしたのですが外れず、プラ側を破壊して取り外し。フタの側も割られてたので、プラリペアで塞いで、本体側も代りのナットを埋め込んでプラリペアで補修。これできれいに直せました。

5件目、トーマス。

どんなおもちゃか分かりませんが、とりあえず全く動かないので分解。

爪ではまってて、なかなか分解困難でした。後部(写真左側)の電源ONのスイッチは、鉄片リミットSWです。前方(写真右側)にも、常時ONの鉄片リミットが付いてます。前方のSWは、先端が障害物にぶつかると切れる作りで、このSWの導通不良でした。細かいペーパーで磨いて直しました。

6件目、これもトーマスですが…、どんなおもちゃか分かりません…。

水を入れて蒸気が出る様な作りと思われます。スイッチの所に何やら、手押しのマークとコントローラの様なマークがついてます。

(電池フタがなくなってました。写真はフタ作って取り付けた状態です。)
分解すると、中に赤外受光モジュールが付いてました。「じょうきがでるぞ!RCサウンドトーマス」というおもちゃでした。

全く動かないので分解していきます。

結構複雑な作りです。とりまえずまずSWを疑い。2回路3ポジションの複雑なスイッチでした。

接点で挟んで導通を取るタイプでしたが、接触面が若干変色してたので、ペーパーで磨き。仕戻しして電源SW入れるも、無反応…。しかし、ごそごそしてると時々「ポー」と汽笛の音がします。COB自体は動いてる様です。

SWを左にすると手押しで遊べるはずなのですが、ギアが噛んでて手押しできない。ギアボックス分解して確認します。

プラレールのギアボックスの様に、SW入れると軸が押されてギアが噛む、SW入れてないとギアが外れてフリーになる、という構造ですが、SW切りの状態でも写真の上の矢印の所で微妙にギアが噛んでしまってる様です。
位置調整して何度も組んでは動作確認するも、どうにもちゃんと外れてくれず…。結局、写真の左側の所にスペーサ入れての位置調整で、やっと外れてくれるようになりました。

車体の下に、車輪が回転すると定期的に蹴られるリミットがあって、ある程度のパルスでサウンドが起動する仕組みでした。ギアの修正で「手押しするとサウンドが鳴る」までは復活しました。
依頼者さんに確認しましたが、貰い物でリモコンは無いとの事。あとはリモコンをどうするか…。

回路の健全性を確認します。

部品面側はトランジスタが6個並んでます。ドライブが2SC1815で、ハイサイド側:S8550、ローサイド側S8050の6-Trフルブリッジモータドライブ回路です。

パターン面・表面実装面は、結構複雑です…。

とりあえず、2SC1815のベースに500Ω経由で電圧掛けると、正転も逆転もちゃんと回り、ブリッジ回路は生きています。ネットで調べると、以前にもリモコンであった、正転で前進、逆転で「その場ターン」というギアの作りになってます。(リモコンにはあと「蒸気を出す」のボタンがあるようです。)

以前に見た赤外リモコンで「前進/その場ターン/放水」の消防車の送信機はTX2だったので、赤外受光ユニットの信号ラインに、GR-SAKURAでちょいちょいっとTX2/RX2プロトコル信号を作って注入(念のため正論理/負論理両方)してみたのですが、残念動かず…。

せっかく生きてるモータドライブ回路やギアBOXの正逆機構を生かすため、検討の結果、リモコン側にスイッチを入れると、ブリッジに制御電圧を入れて強制的に走らせる、オルタネートのSW付けて、正転と逆転を切り替える、という計画にしました。

車体の屋根の中、スピーカの真上に付いてる赤外受光モジュール基板を外して、そこにオルタネートSWを設置。

裸のSWだけでは押しにくいので、道具箱の中あさくって、端材から押し釦を作りました。これで、屋根に穴をあけて押せる構造に。

高さ調整になかなか苦労しました。ボディを仮はめして確認するとうまくいくのに、ネジを全部締めるとオルタネートが切り替わらくなる。屋根に押されて切り替わりのストロークが確保できなくなるみたいで、取り付け側を何度か削って高さ調整が必要でした。なんとか、簡単に方向転換できる状態に漕ぎつけましたw。

これで返却しようと思ったのですが、「今日の午後、センターに持って行こう」という日の午前中に、蒸気が出ないのが気になってきました。(事前の確認で、タンクに水を入れても蒸気が出てくれないのは確認していた。)
単純な断線程度ならもったいないので、蒸気発生部の確認をしておきます。

基板の蒸気発生部への配線取付部には「PZ1/PZ2」と書いてある。これは…ピエゾ=圧電素子による、超音波蒸気発生器ですね。
分解してみると、棒にぐにゅっと押しつけられた状態で振動板がセットしてある。

振動板部分も分解。

やはり圧電センサとよく似た材質で、表・裏とも塗料状の圧電材料が塗ってあり、それにハンダ付けがされてます。とりあえずハンダが外れたりはしてませんでした。

圧電素子への印可電圧を確認。

130kHz程度で、15~20Vぐらいが印可されるようです。
ピークレベルにちょっと変化が見られますが、理由は不明…。回路の確認はしてませんが、一応ちゃんと発振電圧が印可されてるようなので、回路的にはOKと思われる。あとは圧電素子の性能劣化でしょうか…。
圧電素子の劣化だと厳しいので、蒸気発生はあきらめて返却とします。とりあえず「貰ってから動いてるところを一回も見た事ない」という状態からは、随分とよくなった、という事にしますw。
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12/27 おもちゃ修理2件

2021-01-02 | おもちゃ
日にちが前後しますが、年末にやった修理2件の報告をしておきます。

1件目、妻の職場の同僚からの依頼。「フェルティミシン」です。

おもちゃのミシンかと思いましたが、糸を使わずフェルトを「グサグサ」刺す機械でした。
無負荷だとちゃんと動くのですが、フェルトに刺すとロックして、中でモータが空回りする音が聞こえます。ギアの割れと思われます。

とりあえず「殻割り」。

上からと下からと両方から針を刺す作りです。ギアボックスも分解。

長いロッドで上下両方動かしてます。やはりモータピニオンが割れてました。

これは…m=0.6の8T、あまり売ってないヤツですが、以前に日本おもちゃ病院協会から分けて貰ったヤツがありました。(今はもう協会退会しちゃいましたがw。)
後は組み戻し。上下の位置をちゃんと確認せずに分解してしまったので、ちょっと苦労しました。
組み戻して試運転してみると…、ちょっと力不足…。付属のキットフェルトでも、すぐ引っ掛かってロックしてしまう。今度は空回り音はしませんが、ウィ~ンと鳴って動かせなくなってしまいますが、元々このぐらいの性能という事と思います…。電池がまっさら新品ならもう少し…と思いつつ、これで返却とします。

2件目…、これは実は、2019年11月のイベントでの入院品なのですが…、他のドクターが担当して「老朽化で修理不能」で依頼者さんに連絡してセンター(会場として使っている市民活動センター)に預けてあったものの、引き取りに来られてなかった物です。
年末にセンターに入院品を預けに行ったら、ウチの箱にポツンと置いてあって不憫だったので、どんな状況か見てみよう、と持って帰ってみました。(まあ、直ったんですけど…。)

おもちゃは「なかよしパラッパ」というおもちゃです。

なかなか複雑な設定のおもちゃです。
・電源を入れるとまず、ファンファーレが鳴る。
①「パラッパ!」と話しかけると、「はーい/なんだい」と返事をする。
②その後「遊ぼう」と話しかけると、「うん遊ぼう/遊ばなーい」と言う。
③その後「なにしてるの」と話しかけると、何か返事をする。
④寝かせると2秒後に「フー、ぼくねむくなっちゃった」と言って寝てしまう。
⑤起こすと「おはよう」と言って起きる。
⑥おなかのセンサに触ると「へへへ、くすぐったいよ」と言う。
といった動きらしいです。

基板を見てみる…。

ケーシング側、スピーカとコンデンサマイク。真ん中にSWみたいなものがあるけど、開けてみたら圧電センサでした。
基板右下、電池BOX・電源SWからの赤ビニール線が繋がってるランドが、どこにも繋がってない…。

基板の部品面側を見ると、FUSEと書いてある。明らかに、付いてたFUSEが無くなってる。
スライドSWも導通不良なので、FUSEの出口側に直接電圧掛けてみたらファンファーレが鳴って、他の機能もちゃんと動いた。壊れてないじゃないの…。(まあ壊れてるっちゃ壊れてるんですけど。)

とりあえず不良のスライドSWを整備。

液漏れが染みてでヒドい状態。取り替えた方が早そうだけど、細かいペーパーで丁寧に磨いて導通確保。FUSEは代りを付けずに、短絡して動作確認→上記全部の動作が確認できました。

元の状態が分かりません、かなりヒドい液漏れの形跡もあったので配線もかなりやられてたとは思いますが、持ち帰った状態からは簡単に治りました。
という事で直ったので、これで受け取り願えないか、再度連絡してみます。
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12/31 2020年を振り返って~修理実績集計

2021-01-01 | 集計

年末恒例の、2020年一年間の修理実績まとめです。
(12/31はwindowsの再インストールしたりして恒例のこの集計打つの忘れて、1/1に慌てて打ってるのは内緒w。)

コロナ影響で、おもちゃ病院も3~5月は休院。宇部まつり・新川市まつりやその他大型イベントも中止になって、「毎年100件」ペースの達成が危ぶまれましたが、休院中に勝手に受付・知り合いから直接受付や、後半のリユース開催ペースアップ等を精力的にこなして、奇跡的に100件達成しましたw。

件数 完治 修理不可 後遺症あり 治癒率
2012年(4ヶ月)
~2013年
65件 56 8 1 88%
2014年 81件 73 2 6 98%
2015年 104件 96 5 3 95%
2016年 119件 110 8 1 93%
2017年 94件 88 5 1 95%
2018年 98件 98 0 0 100%
2019年 106件 102 3 1 97%
2020年 103件 102 0 1 100%
770件 725 31 14 96%

(「後遺症あり」は治癒に含めて、治癒率にカウント)

「後遺症あり」は6/27のnew3DSLL、カメラが直りませんでしたが、本来ならマザーボード取替じゃないと直らない所を取替無しでなんとか復旧したので、まあ御の字でしょう。
今年は修理不能は無し!なかなか頑張ったんじゃないでしょうかw。

「修理実績一覧」を眺めてみると、もちろん反省もあるけど、「こりゃ厳しいなぁ…」といった故障を根性で治したような案件がいっぱいありましたw。

おもちゃドクターなら当たり前なのですが、壊れて不明でも元の配線を推定して復旧させる、元のままにできなくても創意工夫で元の機能を復旧させる。そんな当たり前の事のレベルがちょっと上がった気がしますw。来年も引き続き、諦める事無くがんばって行きたいと思います!

コメント (2)
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