koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

1/21 リユース出張開院

2023-02-15 | おもちゃ
いつもの宇部市子ども用品リユース会場での出張開院です。
写真・画像が23枚も、長い記事になりそうです。直らなかった物もありますが、写真が多いという事はそれだけ苦労したって事でしょう。

1件目、直らなかったヒーロー物の何かですw。(調べる気も無いw)

「左のボタン(A)は効くけど、右のボタン(B)の方だけ効かない」との事。分解して確認すると導電ゴムスイッチでしたが、基板側を短絡してもやっぱり効かない。断線も無い。

写真右側が「A」の方のボタンで同じ構造ですが、そちらはスイッチにV+が掛かってるのに、不作動の「B」の方は電圧掛かってない。念のためメイン基板側で外部プルアップ取ってみましたが、やはり不作動。どうもCOB側でどこにも繋がってないっぽい。COBのボンディングワイヤー断線と思われ、「COB不良により修理不能」の判断となりました。

2件目、知育おもちゃです。

電源が入らないようで、分解するのですが…裏がネジ止めじゃなくてたくさんの爪で止まってます…。

2箇所に2本ドライバー突っ込んで、手が足りないので頭も使ったりして、何とか分解。
スイッチ不良と思われるけど、足も多くて外すのが大変…。

接点復活剤吹いてしつこくパチパチしたらなんとか復活したので、とりあえずこれでヨシとさせて貰おう。

ここからは主に入院で3件目、子ども用デジカメ。

「充電用のコネクタが中に落ち込んで充電できなくなった」との事。ナースさん曰く「接着剤かなんかでちょちょっと固定するぐらいの簡単な修理でしょう?」と言ってたとの事…。とんでもない、「人間(人手作業の)の限界」ですけど…。

分解すると、当然この状態。

去年の11月にも同じ修理がありました、「マイクロB」のUSBコネクタの脱落ですが…足5本の内、真ん中はパターンがモゲてますね…。
会場にてなんとかハンダ付けしようとしたのですが、うまく付かず…。入院としました。

「マイクロB」のUSBコネクタ、寸法を調べると、

足は0.65mmピッチ、SSOP相当の1/4ピッチですね…。前も苦労したことがあるのですが、肉眼では厳しい。買ったけどほとんど使ってない「デジタル顕微鏡」の登場っす。

これで確認すると、コネクタの取り付け足をがんばって調整したんだけど、どうしても基板パターンと足が少しズレてる…。なんとかハンダごてを当てるけど、くっつきそうにない…。
しょうがない、前回の11月と同じく、端だけでもなんとかしよう。

ハンダ足して、なんとかV+とGNDの両端だけはハンダ付けした。ビニール線の芯線をハンダ付けして5本全部繋げないかと思ったけど、とてもじゃないけど無理だった…。前も苦労したけど、手ハンダはせいぜいSOP相当=1/2ピッチ=1.27mmぐらいじゃないと出来ませんね…。

これで、コネクタ刺したら多分「充電中」のLEDが点灯するようになったので、充電は出来るようになったでしょう。パソコンに直接繋いで写真のダウンロードは出来ませんが、電話で聞くとパソコンに繋いだ事は無く、メモカ外してパソコンに移せればいいようなので、「完治」にさせてもらおう。

4件目、クリスマスチックな電子オルゴールです。

音楽はちゃんとなる。「LEDがもっとあちこち点くはずなのだが、1か所しか点かない」との事。裏はなんかガバガバと外れてる。裏を見ると、線が…

なんか、よく切れるペンチの様な物でビニール線をバッサリ切ってる様に見える…。なんだコレ…。
基板にたくさん穴がある。線が繋がってるべきなのだろうか…と、ホットボンドでべったり固定されてる基板を剥してみたら、パターンも一部剥げてしまった…。

右下の方、危ない、何とかリカバリーはできそう。LEDの点灯は結局、抵抗を変えて3回路あるだけでした。
配線のビニールテープでくくってあるのを外してみると、

なんじゃこれw、ビニール線の途中を切ってをよじってとめてあるだけ。
ここを外して単独でLEDの点灯を確認すると、LEDは概ね生きてた。よじって止めてあるだけの配線の導通不良だったようです。街灯のLEDはどうもダメっぽかったので、φ3mmの白色LEDに取替。よじり部をしっかりハンダ付けして、多分全部ちゃんと点くようになりました。

5件目、なまえずかんです。

全く音が出ないのでスピーカだろうと分解して確認しましたが、スピーカは悪くない…。イメージセンサーのコネクタを確認すると、

あ~、よくあるやつですね、コネクタの足が切れてるっぽいです。手前から8・6・4番が切れて様です。これは厳しいので、前もやった、コネクタ撤去してビニール線で接続にします。

このコネクタ部は、ハンダ付けのヤニが付くと信号がなまって不良になるので、基板清掃は念入りにしないといけない。しかし、コネクタの足が残ってるとゴシゴシしにくいので、足は全部撤去したい。切ってのけた足の残骸を除去するのに、かなり苦労しました…。
8本全部繋ぐのは大変ですが、このイメージセンサーペンはネット上に情報がたくさんある、1・3と2・4・6の5本だけ繋げばあとはNCなので、5本だけ繋ぎます。
これでゴニョゴニョとケースにつめて完治です。

6件目、苦労したけど「完治不能」のラジコンヘリコプターです。(正確に言えば「赤外リモコン」ですが)

箱が…かなり古臭い…。「フリマで『ちゃんと動きます』と言われて買ったのだけど、全く動かない」との事。「それはお店に苦情を言うべきでは?」と思いつつも、フリマってその日限りが多いし、基本「ノークレム・ノーリターン」だよね…。

とりあえず、電源入れても「動作中」のLEDも点かないし、ヘリに充電コード刺しても「充電中」の緑LEDも点かない。コントローラ側が全く動いてない感じ。電池は単3×6本で、端子や配線・スイッチ等は悪くなく、基板までは9Vちゃんと来てる。基板に不具合が無いか確認。まず裏から。

表:

これが…V+ラインがどうなってるのか分からない…。ICにV+が掛かってない…。電池からの配線を繋ぐ所が間違ってんじゃないかと思ったりするけど、基板に一応「V+」「V-」と書いてある所に繋がってるので、間違いはないと思う…。
結局、表写真の赤矢印、Q…3って書いてあるかな、TO-92パッケージの部品が三端子レギュレータの78L05で、その不良でした。TO-92全部、そんなに高さ制限厳しくないのに全部下向きに曲げてあってそのままだとmarkingが読めない。「Q」って書いてあるしさらに足に「E」「C」のプリントも書いてあるので、そりゃトランジスタと思って回路考えるでしょ?全く…。

「たしか1個持ってなかったっけ…」と、いつ買ったかも忘れた部品をあさくったら、やった!1個持ってた!
これを取り替えたら、電源入ってヘリに充電も出来るようになった。
「これでバッチリ直っただろう」と、充電して動かしてみると…ヘリは宙に浮かずに時計回りにクルクル回ってしまう、トリムをいくら押しても修正できない…。
「テールロータが反対」とか「効きが強すぎる」とかかと思って外してみたら、今度は反時計回りにゆっくり回る。どうも、メインロータの回転が弱いと思われる。

策が無くて悩んで、手でローターをクルクル回してみてたら、「カクっ」と引っ掛かりがある。モータピニオンに亀裂が。

「はは~ん、これが抵抗になってるんだな」と、m=0.3の7Tピニオンは手持ちがあるので即取替。これで試運転してみると…全く良くなってない…。

「じゃあモータが弱ってる?」と、前中国から買って取り替えた形状の近いドローン用のモータで取り替えてみる事にした。

右が元々付いてたモータ。外筒が錆びてていかにも怪しい。左が取り替えてみるモータだけど、径は同じだけど長さがちょっと長い…。けど取り替えてみた。
しかし、状態はちょっと悪くなったぐらいで、やっぱり浮かないし時計回りに回るばかり…。

「じゃあ、駆動のFETの特性劣化?ぐらいしかない」と、FETを取り替えてみる事にした。

多分上のFETがメインロータ用と思うので、これを手持ちのAO3400に取り替えてみたけど、これも状況変わらず…。(さらっと「取り替えてみた」と書くけど、結構大変…)

モータは結局元に戻して、なんだかんだやって、ヘリフル充電なら一応浮くようにはなったけど、レバー一番上までやってなんとか顔の高さぐらいまで浮く程度で、しかも安定せずに浮いたりまた落ちたりして、全然コントロールできない…。

そもそも古すぎると思う…。Li-PO電池が弱ってる可能性も捨てきれない。
箱が古い、基板の作りも古い。今時Li-PO電池の充電でコントローラに6本も電池使わないと思う。ICの電源が3.3Vじゃなくて78L05なのも古い。
取りに来てもらって「いろいろやってここまでは動くようになりましたが、これではちゃんと遊べないので、いらないなら引き取ります」と説明したけど、子どもさん(小学校高学年ぐらい)が諦めきれない様で持って帰られました。
(取り替えた78L05は、もう使わないなら外してまた使おうと、ハンダ付けした足を切ってなかったし、コントローラも組み戻してなかったのだけど、仕方なく足も切って組み戻して返却した。)

やっぱなが~い記事になったw。(最後まで読んでくれた人は、ありがとうございましたw。)
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2/6 (拡散希望!)宇部おもちゃ病院、取材が来ました

2023-02-06 | おもちゃ
1/14にあった宇部おもちゃ病院の1月度の定期開院、1/26付の記事にも書きましたが、地元ローカル局:KRY山口放送の夕方の情報番組「熱血テレビ」の取材を受けて、1/31の夕方に放送されました。
16:50からの放送だったので、会社の人とかに全然宣伝できなかったのだけど、YoutubeのKRY公式チャンネルに動画がアップされたので、許可得てないけどリンク貼っておきますw。

単5電池1個で走るトミカのモータの修理をしてたのですが、FA-130よりもだいぶ小さいモータのカシメが硬くて分解苦労したし、全てこまくて大変な作業だったけど、まあ「おもちゃドクターなら普通でしょ?」というブラシ手作りしただけなのですが、「打つ手なし…」と大げさな演出になってたのはちょっとこっぱずかしい…。しかし、一般の人向けにおもしろく演出してくれた、という事でしょうw。
モータ修理してる間、どうもべったりカメラが張り付いてると思ったら、「宇部おもちゃ病院特集~」というよりも、ボクの特集番組みたいになってて、恐縮の限りです。しかしまあ、「代表」だからいいでしょうw。

子どもじゃないので「やったー!テレビに映ったー!」なんてことは無いのですがw、普段メールのみでやりとりしてる皆さんに、「村上くん(kohei)って、こんな人だったんだ~」と伝わって、今後の対応が良くなる(もしくは悪くなるw?)かもしれないので、はりきって宣伝しておこうw。
(というか、KRYの動画、再生回数が少なすぎる…。あちこちで宣伝して再生回数上げて、TV局の人に「宇部おもちゃ病院、スゴ!」と思ってもらって、また取材に来てもらおうw。)
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