この日は、恒例になってます、町なかエコ:子ども用品リユースでの出張開院です。
どんどん来ます。手あたり次第やっていきます。
簡単そうな物から、まず1件目。マイクです。
見た事あります。多分、アンパンマンのキーボードのマイクあたりではないでしょうか?
マイク側付け根でみるからに断線してるので、切り縮め。動作確認できませんが、多分OKでしょう。
2件目、プラレール。
モーター渋りと思います。分解して電圧掛けたら回りました。
3件目、Engine Soulと書いてあります。
音がするはず、との事。見た事・聞いた事あります。戦隊ヒーローもののどれかです。
後日ネットで確認、炎神戦隊ゴーオンジャーのおもちゃの一部です。
開けたら、電池マイナス線が断線。状態悪かったので取り替えてハンダ付けでOK。
4件目、プラレールの絵本。
入ってた電池は不良でしたが、電池端子がサビてたので、リューターで磨いて終了。
5件目、トーマス。
動力は無しで、音が出るだけの様です。
分解して基板確認。COBのIC1つと、外付け部品はごくわずか。触るとこほとんどなくて、しかたなく電源平滑と思われる電解コンデンサを外してみたら、音が鳴り始めました。
コンデンサ不良かと思いきや、特に悪くない。ちょっと悩みましたが、結局コンデンサはつけなおしたけど、ちゃんと動きます。
どこが悪かったのかよく分からないのですが、一応鳴るようになったので終了。
6件目、スーパーオート トミカビルです。
左側のエレベーターが昇らなくなった。お父さんが分解したら、部品が余った、といった話。
分解すると、中身はこんな感じ。
ギアボックス分解、10Tピニオン亀裂で取替。
組み戻して回してみると、噛み合いが悪いところがあって、ガリガリと空回りする。
ここで「部品が余った」を思い出す。長い軸の先にピニオンがついてて、SW入れると動いて、エレベーター下部のギアと噛み合うのですが、長軸なので押さえてやらないとしっかり噛みません。「余った」という部品がちょうどギアの下にはまる形状だったので、はめて組み戻したら、ちゃんと回る様になりました。
7件目、よく来るSEGA TOYSの「くるくるアンパンマン」です。
かなり何回もやってるので手慣れたもの。下の結束バンドを切って中身を分解。電池からのマイナス線が断線してたので復旧。短くなった結束バンドを丈夫な釣り用の糸でつないで延長して、仕戻して終了。
ここから、持ち帰って入院対応。8件目、アンパンマンの知育おもちゃです。
電池BOXフタを止めてるネジがさび付いて開かない、との事。ドライバで気合を入れてみましたが、中のナットが供廻りしてる様です。
分解して中身確認。ネジは、CRC吹いて、押さえのプラスチックごとペンチでくわえてドライバで回したら、すぐ解けました。CRC吹いてあればそこそこの様なので、取り替えはしないことにしました。
電池入れて確認→全く鳴らない。φ27mmスピーカ不良で取替。ちょっと当たったら、電池プラス線が取れちゃって、例によって傷んでハンダも乗らないので取替→ちゃんと鳴る様になりました。
9件目、カラオケマシーン。
曲は鳴るけど、マイクが使えなくなってる、との事。
別のイベントの時に、手すきのドクターに診断をお願い。マイクを分解してみたり、予備のコンデンサマイクに取り替えてみたりしたけど、復活せず。
曲かけて、マイクのSWを切ったままだと採点しないが、マイクSWを入れて曲が終わると、採点できる。という事は、マイクを認識はしてる様子。マイクの信号がICまではちゃんと入ってるのでは?
中の基板はこんな感じ。
後は家に帰って、再チャレンジ。結構な部品数です。回路を起こそうかと思ったのですが、ちょっと手に余りそう…。とりあえず、メクラで再ハンダ付けをやってみる事に。
まず低周波部分と思われる、右側を再ハンダ付け→復活せず。ど真ん中は7セグLEDの表示関係の様なのであまり手を付けず、中央部分を再ハンダ付け→復活せず。
しかたないので、左側のCOB周辺を再ハンダ付け→マイク復活した!
「エコーあり/なし」のSWがあります。アナログ的にエコーをつけるのは、結構困難です。多分、A/D変換で一旦デジタルで取り込んで、プログラムで加工してる可能性が高いと思います。
ICからの出力系統でハンダ付け不良が起きてたのかもしれません。
回路を起こしたい気持ちもあったのですが、直ったので終了とします。
10件目、またもや登場、IWAYAのぬいぐるみです。
左後ろ足の骨折と、鳴かなくなった、との事。
会場で試運転してみたら、「歩く→立ち止まって1回ゆっくり頭が動く→トコトコ高速で歩く→立ち止まって3回ほどゆっくり頭が動く」というシーケンスで、いつもの犬と全然違います。まるで、鳴くと歩くのシーケンスが入れ替わったみたいな感じ…。
少なくとも骨折修理は必要なので、分解。足は、関節で折れたのではなく、途中で折れてたので、エポキシで繋ぎました。
さて、シーケンスがおかしいのか?ギアボックスをみてみますが…
いつもの犬と全然違う構造です。
まず、しっぽが糸で駆動になってます。いつもの犬は左右にしっぽを振るのですが、これは糸を引っ張って前後にしっぽが動きます。
頭の駆動は、いつもは右側面にリンケージが組んでありますが、これはしっぽと連動で左側に駆動があります。
ギアボックスは同じ物を転用してるようで、穴がたくさん余ってます。前回「ここが壊れると修理困難」と解説した、クランク軸を固定する凸型の軸もありますが、何もついていません。
生地が、とにかく毛の抜ける生地で、あちこち毛だらけなので、そのせいでどっか引っかかってシーケンスがおかしいのかもしれない。ギアボックス分解して毛を取って試運転するも、シーケンスは変わらず。
各ギアも不具合は見当たらない。シーケンス切り替えもよ~く見てみるけど、特におかしいようにも見えない。
鳴き笛は特に異常なし。いつもよりちょっと音程が高い気がする…。
ここで、カルテを見てみると、「猫」と書いてあるのに気づく。確かにトラ猫ちゃんである。
鳴き笛を、いつもの犬と同じ速さで押すと、「キュンキュンキュン」と鳴って、猫みたいにならない。ゆっくり押すと、「キュ~~~ン」となって、猫が鳴いたみたいな音になる。
…という事で、これはあくまでも「猫」で、いつもの犬とは構造・シーケンスが違って当然なんですね~。
定位置に注意深く鳴き笛をセットして組み戻し。ぬいぐるみも着せて試運転。
鳴き声はちょっと小さいですが、そんなものと思う事にします。結局は、左後ろ脚の骨折修理のみでした。
この日の「町なかエコ」では、まだちゃちゃっと片づけたものがいくつかと、とりあえず確認したけど特に悪いとこが無くてそのまま返したものと、「無理」という判断で返したものとかがありますが、もはや「きりが無い状態」なので、このぐらいの記事にしときます。
相変わらず、ちょっと忙しすぎるなぁ…。貰ってるスペースも限られてるのですが、もう一人ぐらいドクターがいた方がいいなぁ~