トミカの「ハイパー グランナー」です。(全景写真撮りそこなったので、画像拝借です。)
「LEDは光るけど、音が出ない」という症状です。
本体部分には電気が行っておらず、コックピット部分のみ電池で作動ですが、
コックピットのくるくる回せる赤い透明ランプ部分にネジがあり、透明部分を取らないと
ネジが回せないのに、透明部分がどうしても取れず、分解に苦労しました。
(結局、「あまり目立たないだろう」と、透明部分に穴をあけて、強引に分解しました。)
コックピット部分解時の状況です。
Φ27mmスピーカーの、コーン剥離で音が出なかったようです。
同じ径のスピーカーは持っていましたが、厚みが入らなかったので、
ちょっとカッターで削ってはめ込み。無事修理完了です。
久しぶりのおもちゃ病院です。4月度の宇部定期開院です。
1件目は、ラジコンの消防車です。
まだ来院者が少なかったので、他のベテランドクターが修理するのを
横から手伝いで対応しました。
お母さんがリモコン踏んづけて、操作レバーが2本折れてしまっただけで、
ラジコン機能自体は問題なかったので、レバー修理の外科治療のみでしたが、
接着剤の付きにくい材質の様で、瞬間接着剤が効かず、
ピン&エポキシで固定しました。
何とか付きましたが、子どもの扱いだと、またポッキリいきそうで心配ですね...
2件目は、電池で動く犬のぬいぐるみです。
「歩きながら鳴く」ところが、「鳴かなくなった。歩きもぎこちない」という症状。
「鳴く」のはスピーカーかと思いきや、鳴き笛でした。(頭をおすと、音がでました。)
分解前の症状から、左前足の骨折(or脱臼)・鳴き笛駆動部の骨折と思われますが、
頭部の分解も必要なので、身ぐるみ全部はがす必要があり、入院での対応としました。
ぬいぐるみ全部はがした状態及び、外骨格取り外しの状態です。
(ぬいぐるみ部は、ホットメルトでつけてあるだけで、ほどかずに分解できましたが、
ちょっと苦労しました。)
分解してみると、しっぽも折れてました。(本来、しっぽもフリフリするんですね。)
鳴き笛の駆動(頭を動かす)は、やはり折れてました。左前足は脱臼(軸から外れ)のみでした。
頭の駆動部は、瞬間接着剤で付けた後、プラリペアで肉盛り。
しっぽも瞬間接着剤+プラリペアで一旦つけたのですが、ぬいぐるみをつけるときに
外れてしまい(PP等、プラリペアで溶けない材質だった様子)、当て板した上に、
Φ0.8mmの切り穴4つ開けて、0.55mmのSUS番線で縫って、エポキシで固めました。
なお、脱がす時はしっぽが折れてたおかげか、ほどかずにぬがせたんですが、
着せる時はしっぽを折らずに着せれそうになく、
しっぽは一旦駆動部分から外して、しっぽ部分を一回ほどいて、
着せてからしっぽを取り付けて、縫い戻して治しました。
歩く→停止してしっぽ振る→いざりながら鳴く、という結構複雑なシーケンス動作をするので、
てっきり電子部品が入ってて切り替えや間欠動作をしてるのだろうと思いましたが、
電子部品は全く無く、モーターは連続運転で、ギアのみで動作を切り替えている様です。
非常に複雑かつよくできた駆動部です。(駆動部の分解はしたくないですね~)
動かなくても、とてもかわいい子ですが、動かすと、一生懸命しっぽを振って、
とてもかわいいです。
「しっぽが折れて」という依頼は受けなかったのですが、苦労してしっぽまで直して良かったです。
動いてるときに子どもが押さえたりすると、また壊れてしまいそうな予感もするのですが、
また直しますので、末永くかわいがってあげて下さい。