koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

9/22 Attiny13aの内蔵オシレータキャリブレーション

2020-09-22 | PIC・電子工作
さてこの4連休、Attiny13aをつついて遊んでいます。
安くて便利なこのAttiny13aですが、内蔵RCオシレータの誤差が、カタログスペックで±10%となっています。
マイコンを赤外線リモコンの送信機等で使う場合、38kHzの変調波を作る必要があります。
一般的に使われてる赤外線受光素子は、外乱を受けない様に(代表的には)38kHzの信号のみを受信するように作られていますが、その周波数の必要精度はどのくらいでしょう?

データシートになかなか載ってないのですが、いつもお世話になってる大泉さんから型番(PL-IRM2121-A538)を教えて頂いて、周波数-感度のグラフをゲットしました。

これによると、38kHzから±10%外れると、感度半減です!これでは、操作可能距離に大きく影響すると思われます。
±5%ズレても70%。38kHz変調波の周波数誤差は、3%以内ぐらいに抑えたいです。
それなのに、使用するマイコンのオシレータ誤差が±10%もあったのでは話になりませんw。
(まああくまでも「保証値」なので、10%はないと思いますが。)

Attiny13aは、内蔵オシレータの精度を工場出荷時より上げたい場合には、自分で校正したOSCCALを指定してやる必要がありますが、Attiny13aにはクロック出力の機能が無いので、プログラムで何らか出力してやって、その周波数を測定する必要があります。
Attiny13aの内蔵オシレータキャリブレーションは、ネット上にいくつかありますが、参考にさせて貰いながら自分で作ってみます。

要件としては、
・インラインアセンブルできっちりサイクル数えて、ポートにパルスを出す。(結果、クロックの16分の1のパルスを出す事になった)
・PB3(PIN2)をLにするとOSCCAL値がインクリメントする。
・PB4(PIN3)をLにするとOSCCAL値がデクリメントする。
・目標の周波数になったら、PB1(PIN6)をLにするとOSCCAL値をeepromの0番地に書き込む。
とします。

プログラムはこうなりました。

/*
PB0(PIN5)に周波数カウンタ(又はオシロスコープ)を繋ぐ。
クロックの1/16がPB0出力に出力される→9.6MHzなら600kHzが目標。
PB3(PIN2)をLにするとOSCCAL値をインクリメントする。
PB4(PIN3)をLにするとOSCCAL値をデクリメントする。
目標の周波数になったら、PB1(PIN6)をLにするとOSCCAL値をeepromの0番地に書き込む。
*/ 

/*ヒューズ設定*/
// 7A FC

#define F_CPU 9600000 // 9.6MHz

#include <avr/io.h>
#include <avr/eeprom.h>
#include <util/delay.h>

int main(void)
{

    while (1) 
    {
	//ポート初期設定
		DDRB = 0x01;	//PB0を出力に
		PORTB = 0b00011110;	//PB1~4はプルアップ

	//信号出力
	      asm volatile(
			"ldi  r16, 0b00011110"    "\n\t"	// L出力用データ
			"ldi  r17, 0b00011111"    "\n\t"	// H出力用データ
			"ldi  r18, 0b00011110"    "\n\t"	// SW検出用マスク
			"LABEL1:"                 "\n\t"
			"out  0x18, r17"          "\n\t"	// H出力			CPU 1 cycle
			"in   r19,0x16"           "\n\t"	// ポート入力		CPU 1 cycle
			"com  r19"                "\n\t"	// 入力結果反転		CPU 1 cycle
			"and  r19, r18"           "\n\t"	// SWポートマスク	CPU 1 cycle
			"brne LABEL2"             "\n\t"	// 0でなければループ抜ける	CPU 1 cycle
			"nop"                     "\n\t"	//					CPU 1 cycle
			"nop"                     "\n\t"	//					CPU 1 cycle
			"nop"                     "\n\t"	//					CPU 1 cycle

			"out  0x18, r16"          "\n\t"	// L出力			CPU 1 cycle
			"in   r19,0x16"           "\n\t"	// ポート入力		CPU 1 cycle
			"com  r19"                "\n\t"	// 入力結果反転		CPU 1 cycle
			"and  r19, r18"           "\n\t"	// SWポートマスク	CPU 1 cycle
			"brne LABEL2"             "\n\t"	// 0でなければループ抜ける	CPU 1 cycle
			"nop"                     "\n\t"	//					CPU 1 cycle
			"rjmp LABEL1"             "\n\t"	// 先頭に戻る	CPU 2 cycle
			"LABEL2:"                 "\n\t"
			"nop"                     "\n\t"
	    :::"r16", "r17", "r18", "r19"
	    );

		if(!(PINB&0x08))		//PB3がLのときは
		{
			OSCCAL+=1;		// 校正値をインクリメントする
			_delay_ms(500);
			while(!(PINB&0x08));	//PB3がHになるまで待つ
			_delay_ms(500);
		}
		if(!(PINB&0x10))		//PB4がLのときは
		{
			OSCCAL-=1;		// 校正値をデクリメントする
			_delay_ms(500);
			while(!(PINB&0x10));	//PB4がHになるまで待つ
			_delay_ms(500);
		}
		if(!(PINB&0x02))		//PB1がLのときは
		{
			eeprom_busy_wait();	// キャリブレーション値をEEPRONの0番地に書込む
			eeprom_write_byte(0x0000,OSCCAL);
			_delay_ms(500);
			while(!(PINB&0x02));	//PB1がHになるまで待つ
			_delay_ms(500);
		}
		
    }
}

(あいかわらず<>を倍角で書き換えているので、コピペする場合はご注意願います。)

「メインルーチンをCで書いて、時間が重要な部分をインラインアセンブラで書く」のが普通なところ、逆にメインがアセンブラの様なプログラムになってしまいましたが、一応動きましたw。(C側の変数をインラインアセンブラ側で使う方法とか、まだまだ勉強が必要ですが、今回は「インラインアセンブラを初めて使ってみた!」という事でご勘弁をw。)

出力される周波数は、秋月のカウンターキットとオシロとで測定。(水晶発振の確認の為に買ったカウンターですが、アンプ通さないと測定できなくて、未だにちゃんと使えてない…。)

写真はほぼ600kHz(=9.6MHz)に校正後(OSCCALの1上げ下げで、5kHzぐらい変わるので、このくらいがほぼベスト)。SOP8のAttiny13aは、SOP8→DIP8の変換基板を使って作ったアダプターを使用して、ブレッドボードで仮組みです。

オシロでの測定状況。

使ったAttiny13aの「校正値バイト」は、"56 5A"でした。
それに対して、校正後のOSCCALは56→59で、校正前後で約3%の誤差でした。やはり、周囲とのやり取りで周波数やクロックが重要な場合には、校正が必要でしょう。

さて、以上は9.6MHz内蔵クロックの話ですが、4.8MHzを使う場合はどうなるのでしょう?
データシートによると、

17.3 校正バイト
Attiny13の識票エリアには、内蔵オシレータ用の2バイトの校正値が格納されている。校正データのアドレス0x00番地の上位バイトは、9.6MHz動作時のオシレータ設定に使用される。オシレータの正確な周波数を保証する為に、リセット時にこのバイトが自動的にOSCCALに書き込まれる。

4.8MHz動作時用に別個の校正バイトがあるが、そのデータは自動的には読み込まれない。ハードウェアはリセット中に、常に9.6MHz用の校正データを読み込む様になっている。4.8MHz動作時にこの別個の校正データを使うには、ファームウェアでOSCCALを更新する必要がある。4.8MHz動作時の校正データは、識票エリアのアドレス0x01番地の上位バイトに格納してある。

と書いてあるようです。
つまり、今回使用したAttiny13aの校正バイトは"56 5A"で、"56"の方が9.6MHz用の工場校正値で、これが自動的に読み込まれてOSCCALのデフォルトになる。"5A"の方は4.8MHz用の校正値だが、これは、せっかくあるのに使われない!
という事になりますね…。(なんでせっかく設定してるのに使わないんだ??)

先ほどの校正用プログラムを4.8MHzで動かしたときの状況です。

目標:300kHzに比べて、随分低くなってます。そりゃそうだよね、工場校正で「5Aがいいですよ」っていうのに、OSCCALは"56"になってるのですから。(実際、eepromに書き込んで確認しました。)
これを300kHzにするのに、OSCCALプラス8が必要でした。9.6MHz→4.8MHzで工場校正値の差が+4、9.6MHzの時の校正値が工場校正値より+3だったので、ちょうどそんなところでしょう。

つまり、Attiny13aを4.8MHzで使う際は、やっぱり校正した方がいいけど、せめて校正値バイトを読んでその2バイト目に書いてある数字でOSCCALを更新するべき!
という結論になりましたw。
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9/21 LEDのI-V特性などなどの続き~Attiny13aでのQステア送信機検討

2020-09-21 | PIC・電子工作
昨日アップした記事ですが、検討した回路に不具合(?不都合)がありました…。

大泉さんより、
「PB5(RESET)は駆動能力が低い。PB0とPB1が強力だが、ADC入力できない。PB2、3、4を使った方が良い。(ADCの分解能に十分余裕があるので、分圧抵抗値は今より下げる)」
という助言を貰いました。

「そんなポートの出力に差があるなんて、データシート(日本語版)の18.1絶対定格にも18.2DC特性にも書いてない…」と思ったのですが、
・19.8出力駆動部能力(低能力ピン):PB4,3,2
・19.9出力駆動部能力(通常ピン):PB1,0
・図19-40I/OとしてのRESETピン出力電圧 対 ソース電流(Vcc=3V)
にこっそり書いてありました…。不親切だなぁ…。I/Oの所とかに一覧表にして書いてくれればいいのに…。(ここのグラフ以外に「低能力ピン/通常ピン」なんて表現はどこにもない?!)

よって、「プルアップ抵抗が高めのPB5を使おう!」と思ってましたが、LEDの直接駆動には向かない(というか、ほぼ無理w)。操作可能距離に響くので、LEDには15mAぐらいは流したい。PB2,3,4なら15mAぐらいまでは流せそうだけど、分圧抵抗をいまより下げると、そちらに流れる電流が増えて、ポートがますます厳しくなる…
といった事で、いろいろと制約が増えてきました…。
こうなると、素直に14PINの16F1503で作るか、8PINにするなら12F1501なりを使う方がいい気がしてくる…。

しかし、次善の策として「ターボSWとチャンネルセレクトを兼ねる」という作戦も考えてた事を思い出しました。回路にするとこんな感じです。

機能・プログラムとしては、
・ターボSWだけは正論理にして、ピン変化割り込みから外す(ターボSW単独押しではWake-upしない)
・Wake-upしたら、プルアップONしてADCを読んで、チャンネルを設定する。
・万が一Wake-up時にADC読み込み結果=ほぼVccだったら、ターボSWが押されていると判断して、sleep前のチャンネル設定を踏襲する。

ちなみにこれで、プルダウン変化時の電圧はこうなります。

昨日の記事の回路より、こっちの方が断然簡単な気がしてきましたww。

操作上の不都合としては、「電源入れて最初(orチャンネルセレクトSWを変更して最初)に、先にターボを押しながら前進を押す様な操作をすると、チャンネル設定がちゃんとできない」だけかと思いますが、「あれ?操作できない」となっても、多分次に何か操作してみたら動いた、ぐらいの事で済みそうに思われます。
さてこれで、Attiny13aで実際に作ってみるかみないかは…私次第ですw。
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9/20 LEDのI-V特性などなど

2020-09-20 | PIC・電子工作
さて、楽しい4連休。ですが、おもちゃの入院品も無い。その他やりたい事を消化して、有意義に過ごそう~!
(注:ピンポイントでマニアック過ぎる記事なので、関心のない方は読み飛ばして下さいw。)

ちょっと前に「Qステアのクローン送信機」を作ってみましたが、元プログラム設計者の大泉さんとのメールのやりとりの中で、「LED出力端子に抵抗分圧でチャンネルセレクトさせて、8PINのAttiny13aで作るのがいい!」という提案がありました。
(チャンネル設定読み込み時だけ内部プルアップを掛けて、ADCで電圧を読む。それ以外の時は、内部プルアップを切ってデジタル出力にしてLED点灯に使う。)
スペースも厳しいので、8PINで済むならそれに越したことはない、検討してみました。

実機のSW構造を考慮して、大泉さんとのやりとりの結果、回路はこんな感じを考えました。

実機の回路は、ch-A選択時は、多分接点がどこにも繋がってないと思われます。そこに接点を追加するのはちょっと面倒なので、ch-A選択時にどこにも繋がらずに段階的プルダウンを実現するために、こんな並列抵抗の回路となりました。

まずLT-SPICEで検証してみました。
回路図には繋がってない抵抗が書いてありますが、ベースとなるR5の抵抗値をステップ応答で変化させて、電圧・電流を計算させます。

これによると、LED端の順方向電圧が0.5VぐらいまではLED側にほとんど電流が流れず、電圧はプルダウン側が支配的で、プルアップ抵抗との分圧で直線的に電圧が上がっていく。
0.5Vを超えて0.56Vぐらいになると、今度はLED側が支配的になって、LEDの(低電流時の)順方向電圧でほぼ一定になって、プルダウン抵抗をそれ以上上げても電圧が変わらなくなる。
という計算結果となりました。

電圧の低い所を拡大するとこんな感じ。

黄色の線ぐらいの感じで電圧を設定すれば、チャンネル4つを識別できそうです。

しかし、LT-SPICEがLEDの低電流時のI-V特性を正確に模擬しているかどうか怪しいので(型番も指定してないしw)、次は、実物のLEDのI-V特性を測定してみます。
LEDは「電流の大小によらず、順方向電圧がほぼ一定」という説明が多いですが、それはあくまでもLEDが点灯するような2~40mAぐらいの電流範囲の事であって、それより低い電流域ではそうでもないよなぁ…、と思ってたので、この際で確認します。

普通にLEDに入れる電流制限抵抗をどんどん上げていって、低電流時のLED順方向電圧を測定しました。参考までに手持ちの赤外線、赤色、青色のLEDで測定。

横軸:電流を対数目盛にして、電流を流して発生する順方向電圧は、電流の対数にほぼ比例、という結果でした。ウチで測れる極小まで電流下げても、かなりの順方向電圧が残りますね。
LEDのカタログ上の公称スペック(一部は、袋に書いてあるスペック)は、
①赤外LED:aitendoのYSL-R531FR1C-F1、Vf=1.4~1.6V、If=50mA(Max)
②赤色LED:秋月のLTL2U7SEK-002A、Vf=2.25V、If=20mA
③青色LED:aitendoの5408BC-5MM-BLUE、Vf=3.0~3.4V
です。スペックと比べると、公称のVfより0.4Vほど下げておけば、LED側の影響を無視できそうです。

さらに、手持ちの中で、赤外LEDのVfの個体差も見てみましたが、結論は、同じ型番(の、多分同じロット)だと、個体差はほとんどない。型番の違うLEDだと多少差があるかな、といった感じ。
上述のaitendoの5mm赤外LEDは、手持ちが7個ありましたが、電流制限抵抗を50KΩ入れた状態で、どれも0.933Vでほぼプラマイなし。
もう1種類、秋月の3mm赤外、OSI5FU3A11C、Vf=1.35~1.6V:10個を測ってみたところ、どれも0.910Vでほぼプライマイなし。

最後に、LEDも付けた模擬回路で、マイコン想定側のプルアップ抵抗を30k、51k、81kに変えて、プルダウン側を変えたときの電圧を測定。

マイコンのプルアップ抵抗は、きっちり固定じゃなくて幅があります。Attiny13aのデータシートによると、

となっています。
プルダウン側の抵抗が小さくなると、LEDを点灯させたときにプルダウン側にも流れてロスになる電流が増えるのでおもしろくないので、プルアップ側の抵抗が大きい方が有利です。
Attiny13aの場合、RESETピンだけプルアップ抵抗が高い(より「弱い」プルアップ)ので、このピンを使った方がよさそう。公称で30k~80kΩという事になります。

上の表は、実測結果と、LED側を無視して単純な抵抗分圧で計算した「電圧理論値」を記載していますが、実測と計算値ほぼぴったり。0.7V以下程度であれば、LED側を無視して計算してよいという事になります。
(手持ちのリード型抵抗が1、2、5.1の刻みしかなかったので5.1k、10k、20kを使っていますが、実機組むときはもちょっと細かく刻んだSMD抵抗を使うので、もうちょっと間隔を均一化できると思います。)
Attiny13aのADC分解能は、10bitフルに使えば1024→Vcc3Vなら0.003Vなので、十分電圧差を検出できるでしょう。

これで、一番上の回路図でLED点灯とADCを兼用させたチャンネルセレクトができそうです。
問題は、Attinyの内部プルアップの個体差で判定電圧が変わる点ですが、次のような方法を考えました。
・回路を組んで一番最初に電源を入れる時に、必ずchA選択にしておいて、その時のADC測定電圧をリファレンス電圧としてeepromの#00,#01に書き込む。(電源入れたときにeepromの#00,#01を読み込んで、"FF"なら「リファレンス電圧未設定」と判断して、リファレンス電圧の測定・書込を行う。)
・以降は、そのリファレンス電圧に対する比で、チャンネルを判定する。
これなら、組む前に都度Attinyのプルアップ抵抗の実測をせずに済みます。

という事で、事前準備は完了。あとは実際にプログラムを作ってみるかみないかは…私次第ですw。
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9/12 宇部定期開院

2020-09-13 | おもちゃ
まだ対面修理のできない状況ですが、9月度の宇部おもちゃ病院定期開院がありました。
天気悪かったせいか来院7件とあまり多くなかったですが、おっさんドクター5人と、社会人1年生のドクターが3人。加えて、宇部工業高校の1年生が4人と、中は盛況でしたw。

開院時間中は、まずたまごっちの液晶にちょこっと線が入る、というのをやってみてましたが、液晶フレキと基板のハンダ付け部の再ハンダ付けをしても改善せず…。(写真も撮ってないし、修理履歴に入れませんw。)
それから、アンパンマンのクレーンゲームが2台来たので、社会人1年生ドクター達と一緒に格闘しましたw。

「壊れたからもう1台買った(けどそれも壊れた)」との事で、全く同じヤツが2台でしたが、手を入れた形跡があって結構手こずりました。

時間内に終わった方は「走行(正面から見て左右)は動くけど横行(正面から見て奥・手前)は動かない」という症状で、横行時にモーター音がしないようなので配線と思ったのですが、いつもの3段重ねギアボックス分解してモーターぶらぶらの状態で試運転すると、どのモーターもちゃんと動く。ピニオンも悪くない。
苦労してそのまま組み戻して試運転すると、ちゃんと動きました。相当複雑なギアボックスなので、もし他の人が分解したのであれば、組み立てミスでギアが引っかかったりしてたのかもしれません…。

もう1台の方は「走行が引っかかって動かない、モーター音はする」といった状態。モーターピニオンが一番怪しいので、これもギアボックス分解。下段の2つのモーターの内の片方、ピニオン割れてはいないようでしたが手で抜けたので、緩いと判断して取替。
これでまた苦労して組み戻して試運転してみると…、走行するはするんだけど、引っかかって動かない…。行き(右方向)はそこそこ動くけど、戻ってくる方はガキガキ鳴って動かない。
ここで動作を見ながら、社会人1年生の子から「ギアがおかしい?」との気付きあり。

こちらが正常なギア。

「おかしい」という方のギアはこんな。

今回のクレーンゲームは「3段重箱ギアボックスタイプ」の新型。旧型との差は、走行のギアが四角軸になって割れ・滑りが起きにくい、外から手回しできるプーリーが追加された、巻き上げのストッパー付きギアの機構が廃止されて組み戻しやすくなった、等があります。
この走行用の四角軸のギアですが、奥側のギアが取り替えられている…。誰の仕事…?

正常なギアは、ボスの部分が灰色の枠にちょうどはまって軸受けとなるのだけど、取り替えられた方はボス部が無いので、軸が固定されない。そのせいで左右・上下に軸が逃げる。(開院時間中の判断では、左右にズレるせいで枠がセるのだろうと思ったけど、多分上に逃げるせいで噛み合いが悪かったと思われる。)
「こりゃぁどうしよう…」と入院にしました。

「四角軸にどうやってギアをはめたんだろう?」と見てみると、なんとホットボンドで留めてありました。

ギア部にちょっとはみ出してる様だったので、はみ出してる部分を切ってみたけど、改善はせず。よくみると、芯もかなりズレてる。
ボス部は絶対に必要なので、手持ちの材料をしばし考えた後、外径7mmのプラスチック製基板スペーサをドリルで咥えてヤスリ掛けて外径6.5mmぐらいに削って使った。
ギアは厚みがありすぎるので、ヤスリで2mm程削って薄くした。
四角軸は、対角が約4mm。スペーサの穴を3.5mmで広げたけどキツすぎて入らない。4mmで空けたらユルユルになってしまった…。致し方ない…w。
ギアのほぼセンターに瞬間接着剤で留めてから、内側にエポキシ塗って軸に差し込み。つなぎ部分にエポキシ盛り足して、こんな感じ。

(いまいち芯が…歯が軸に対して平行じゃないように見える…けど、このぐらいは遊びが吸収してくれると信じようw。)

これで1時間半ほど硬化待ちして組み戻し・試運転してみると…、めっちゃスムーズに動きました!
何回か試運転して、突っ張らない様に配線の調整をして、修理完です。(定期開院で1件対応だけじゃ困るなぁ…。また保育園案件等をじゃんじゃん受け付けなくっちゃw。)
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9/1 SWITCH修理

2020-09-06 | おもちゃ
知り合いからNINTENDO SWITCHの修理を頼まれました。

一番の訴えは、「SDカードが折れ込んで抜けなくなった。本体メモリーがそろそろ一杯なので、SDカードが使えるようになって欲しい」というものだったけど、他にもいろいろと不具合あり。
順番に挙げてくと、
1.SDカード折れ込み
2.アナログスティックのゴムがなくなってる
3.Lボタン作動不良
4.JoyCon(認識)が切れやすい
5.コンソールスタンド紛失
順番に報告していきますw。

まずSDカード折れ込み。

とりあえず、外から見ても分からない。見えてるところはつついてみたけど、これは基板の一部でしたw。ケースを分解していきます。
分解の詳細は他の人のサイトに任せますが、一言だけw。
4隅のNINTENDOいつものY型ネジと、上下端面のプラスネジ3つ、SDカードのとこのプラスネジ、以上の明らかに見えてるネジを外しただけじゃ分解できない。

左右、JoyConレールの中にあるネジの中の真ん中のネジを外さないと、裏ブタが外れません。
裏ブタには配線も何も付いてないので、すぐ外れて、SDカードユニットが見えます。

まだ先端が見えてない。金属ケースの隙間からつついたら何とか先端が見えたので引っ張り出そうと試みるも、どうも右側で引っかかって出てこない…。
金属ケースのハンダ付けの出口側だけを左右とも溶かして、出口側のすきまをちょこっと広げたら、何とか引っ張り出せました。

左が出した欠片、右側が正常なSDカード。まさかこんなに短くなってるとはww。どうしたらこんなところで折れるのやらw。

次はアナログスティックのゴム。

「Amazonで自分で買い~や」とは言いましたが、他の部品と一緒に結局Amazonで、一番ベーシックな感じのヤツを注文。約400円あっという間に届いた、結構高かったw。
付けてみたらスポスポですぐ取れる。念のため両面テープで貼ってみたけど、それでもすぐ取れる…。これはまたすぐ失くしそう。

とりあえずこれで試運転。SDカードは手持ちの同型で確認して、ちゃんと認識・読み書きできたので、しばらく遊んでみると…、Lボタンが全く効かないっぽい。(聞いてみたら「そうえばそうだった~」との事。)
分解して、すき間を広げてみたら、バラバラになったSWが出てきた~w。

バラバラになっただけなら直せない事もないと思うのだけど、フレキ基板のパターンがはげて、フレキからハンダ付け部が取れてる。これは交換だな~。Amazonで約300円。これもあっという間に届いた。

バッテリーに一旦よけて貰って、矢印の3カ所のネジを外すと、バッテリー台の部分が外れる。

下に写ってるのが注文した交換部品。たしかアナログコントローラーは外さずに取替できたと思います。

これでまたしばらく遊んでみてると、かなり頻繁にJoyConの認識が切れて、再度L+Rを押してやらないといけなくなる様子。ネットを調べると「レールの一番下側に端子があって、接点復活剤を吹いてやったら良くなる」との事だが、どうなってるか分からない所に吹くのはイヤなので、分解して確認する。

相当汚れてた。接点復活剤をちょっと吹いた上、端子を曲げてしまわない様に精密ドライバーや爪楊枝でていねいにゴミを除去。(ここまで汚れてると本体側も心配だけど、とりあえず今回は放置としたw。)
右側(赤)の方も一応分解して掃除しておいた。

さて最後、コンソールスタンド兼SDカード挿入部カバー。
これもAmazonで注文。最安を頼むとかなり到着が遅くなるので、ちょい高い900円程のを注文。本体取り付け部の付いてないスタンド板だけのもあったけど、今回は取り付け部も付いたやつを注文。
Aliで届くのと同じねずみ色のビニール袋に入って、他のよりちょっと遅れて到着。

めっちゃ立派な箱に入って、分解・取替の説明書まで付いてた。そこまでしなくていいのにw。

本体側のネジ2つを外して、スタンド板を突っ込んで取り付け。5分ぐらいであっという間に取り替え終了。(ちょっと本体と色・質感が違うけど、まあこんなもんでしょう。)
ネットを見ると、バネが付いてる様な写真もあって、これで正規の状態か自信がないけど、とりあえず見た目的には直って、スタンド出して自立もできるようになって、今回の修理は全部終了~。
コメント (4)
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