6月度 宇部定期開院

今日は6月度の宇部おもちゃ病院　定期開院です。

1件目は、音楽の鳴るサンタのぬいぐるみです。

左手の先に入っているスイッチを押すと音楽が鳴るところが、
押しても鳴らなくなった、との事です。

プリモプエルの様に、「カチッ」とスイッチを押す感触が無く、良く分らなかったのですが、
とりあえず左腕の側面からほどいて、スイッチの確認です。

電卓やリモコンと同じ作りの、導電性ゴムスイッチでした。
短絡するとちゃんと音楽が鳴るので、導電性ゴムスイッチの導通不良という事で、
ばらして基板側の清掃と、ゴム側はいつものアルミ箔貼り付けとし、
キレイに縫い戻ししました。

2件目はプーサン「ハニー」（はちみつツボ？）といったものでした。

「電源が入らない」との事ですが、電池のマイナス端子が1ヶ所、緑青が浮いていたので、
ペーパーで軽く磨いたところ、すぐ電源入りました。

どうやらボールを入れて遊ぶらしいのですが、ボールを持っていらしてなかったので、
フルの動作確認ができませんでした。
ボールを数える機能がついている様子なのですが、ボールが通過するところにある「ポッチ」を押しても、別に変化無く、これでちゃんと治ってるのか大変疑問だったのですが、これ以上分解はせずに、一応修理完了としました。
家で遊んでみて不具合なら、もう一度持ってきてもらうようにお願いしておきました。

3件目は「おやすみクマのぬいぐるみ」です。

左手の先に入っているスイッチを押すと、「クー、クー」と寝息を立てながら、
お腹が膨らんだり戻ったりする、のが全く動かなくなった、との事です。

毛足が長くて縫い目が非常に分りにくかったのですが、やはり左手の側面からほどいて確認したところ、配線が2本とも、スイッチの付け根で断線してました。
スイッチは1件目のサンタさんと同じく導電性ゴムスイッチで、
反応イマイチっぽかったので、ばらして清掃もしました。

また、単3×2本の電池ボックスが、劣化でバラバラになっていたので、
手持ちの電池ボックスと交換しました。（交換は他のドクターが実施。）

こういった、しかけアリのぬいぐるみは、断線が付きものです．．．
お返ししたところ、小さな女の子が、左手をぶら～んと持って受け取ったので、
思わず、「あ～．．．こういう持ち方すると切れやすいんですぅ．．．」とお母さんに言ってしまいましたが、
小さい子に言ってもしょうがない事です．．．
お母さんには「また切れるかもしれませんが、何度でも直せますから。」とお伝えしておきました。

「お気に入り」との事で、だいぶくたびれてました。
できれば完全分解して、洗濯してあげたいところですが、
お腹の駆動部も含めて完全分解するのは、なかなか困難ですね．．．
でも、だいじにかわいがって欲しいので、要望があるなら、
がんばってみたい所でもあります。

4件目は、5月にも来院した「メリー アンド ジム」です。

「音楽は鳴るけど、回らなくなった」との事でしたが、
終了時間間際に持ってこられたので、入院となりました。

が、結論は、単なる電池切れでした。

単3電池×3本の、一番奥の1本のみが、回転の駆動用で、
手前の2本が音楽用、と分かれていて、
回転用の1本のみがすっからかんになってました。

電池を外すと、電池ボックスの底にさりげな～く、その旨書いてあったのですが、
分解してモーターの電圧をチェックしたりしてるうちに、やっと気付きました。
（取り説には書いてあったかもしれませんね。）

まあ、電池が切れたという事は、しっかり使ったって事ですね。
自分が修理したおもちゃを、ちゃんと使ってもらってるという事は、うれしい事ですね。
ＩＣで音楽を鳴らすこういったおもちゃは、ＩＣがダメになると、もう修理不能になってしまいますが、
単なる断線やスピーカーの故障も多いので、
また壊れても、また持っていらして、長く使ってもらいたいと思います。


今日は、かなり忙しかったです。
ドクター9人で、全部で来院は12件だったので、ぼくが4件も見んでも、などとも思いますが、
まあ単に、短時間で済むものを担当しただけ、とも言えるかも？
いずれにせよ、機械・電気系を得意とするドクターが多い中で、
皆さんあまりぬいぐるみはやりたくないようで、
縫い物に自信があるぼくが率先してぬいぐるみを引き受けたので、
こうなったのかも知れません。

1日で2件もぬいぐるみ手術したので、だいぶめんどくささも消えて、
自信が付きました。（振り返ると、ぬいぐるみ続いてますね～。）
来たれ！ぬいぐるみ！