koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

3/20 ポータブルスピーカー(MP3再生機)修理

2016-03-21 | 家電
(※宇部おもちゃ病院では、おもちゃ以外:家電等の修理は、基本的には受け付けておりません。)
グリーンハウス製のポータブルスピーカー:GH-SPM210SRPの修理依頼を受けました。

会社で受けてる英会話の先生からの依頼ですが、2年前にも同じ型の違うヤツを修理しました。
そっちは、液晶が割れてて復活できなかったのですが、再生はできるようになったので、娘さんが使ってる、便利がいいのでもう1台買った、との事。その新しい方が、また落として電源が入らなくなった、との事です。

先生曰く「ちょっとした断線ぐらいじゃないか」との事ですが、開けてみて思い出しました…。

配線は全部コネクタで、落として断線するような作りじゃありません…。今回も大苦労でした。

まず、メインSWを疑いました。
表側のメインSWのつまみが邪魔でメインSWのついてる基盤が外れないので、表からコネたら、基板取り付けのスライドSW、破損してしまいました…。トホホ…。
替えはないので分解。なんとか針金立てて復旧の目途は立てたのですが、OFF側接点が常に導通になってます…。これでは切り優先になって電源が入らないのでは?SWの復旧ミスだろうか…。
コネクタ外して、基板側でONの方を短絡しても、やっぱり電源は入らず…。SWの組み戻しでミスがあったのだろうか…、とりあえず、SWは外してみよう。

スルーホールの基板取り付け、苦労して外してみたらば、SWは問題なく、多分基板側でOFF側は常に導通で短絡してあったみたい。無駄作業をしてしまいました…。

アダプタ繋いだり外したりごそごそしてたら、液晶のバックライトが点いて、「Welcome」のメッセージが出ました!しかし、それから先に進みません…。内臓のリチウム電池を外した状態でアダプタを繋ぐと、バックライトON&メッセージが出ることが分かりましたが、何故そこで止まるのかさっぱり分かりません。

拡大鏡使って、あちこち再ハンダ付け、しても復活せず。
写真左側の、シャント抵抗でしょうか、大きめの抵抗とその周りの表面実装部品の再ハンダ→直らず。
メインICも再ハンダ付け→直らず。

もう出口が見えずに頭かかえてました。
右側の大き目抵抗は、そばの電解コンデンサが邪魔で再ハンダ付けしてなかったのですが、もうすることがなくなったので、右側抵抗とその周辺も再ハンダ付け→電源入った!ちゃんと起動した!!!It's miracle~!

さて、壊れたメインSW、本体が直らないならもうSW直さず返そうかと思ってましたが、本体が直ってしまったので、SWも直さないと…。
針金立てた仮補修の状態のまま、スルーホールをなんとか元の位置にハンダ付け。ところが、基盤が傷んで、ON側でショートして、SWが切れない状態になっちゃいました…。
なんとかつついてショートを解消しようと試みるも、なんともならない…。一旦1mm程抜いてみたところ、今度はONしなくなった…。もうドツボ…。

もはや諦めて、手持ちのスライドSWに取り替えることにしました。
ケースに穴をあけてスライドSWをネジ止め。基板の干渉するところを金ノコで切断。苦労の末、SW取替も終了しました。

いや~、苦労しました。そもそも、壊れても直せるものじゃない気がします。直ったのはほぼ奇跡。
まあ「駄目元」で、これからもがんばろう~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/13 おもちゃ修理(2件)

2016-03-21 | おもちゃ
1件目、リモコンのドクターイエローです。

地味なおもちゃですが、結構よく見ます。つい最近(11月)にもやりました。
その時に買った、100円ショップのイヤホンコードを使って、配線取り替えました。

試運転すると、ちょっと力が足りず、手でつついてやらないと動かないことがある。ギアに不具合でもあるのかと、ギアボックス分解してみましたが、特に不具合もない…。
イヤホンコード線が細すぎて、起動電流が流せないのかもしれません。
やっぱり、もうちょっと芯線数の多い2線ペアビニール線が欲しいなぁ…。

2件目、アンパンマンのボイスレコーダーです。

全く動かないようですが、どうも、左手のSWを押さないと動き始めないらしい。
マントのけて、背中の上~頭の途中までの手縫い部分ほどいて確認→やはりSWへの配線の断線でした。(写真は、配線継ぎ足し後。)

SWの箱が開かずに、結局半分無理やりこじ開けました。

取りあえず起動するようになったのですが、さっきは「ピョン、ピョン」みたいな感じで足が動いてた所が、なんか動きが悪くなってます…。

本体分解してみると、足を固定してる支点が1ヶ所、折れてしまってました。足の方を確認するのに、ちょっと力が掛かってしまったかもしれません…。

どうしようか悩んだのですが、他のドクターが「ハンダコテで溶着がいい」との事で、つけてくれました。(そこそこ丈夫についた感じです。接着剤と違って、固まるの待たなくていいし、結構いいかもしれません。)

これで何とか直りましたが、かなり時間掛かって、時間オーバーになってしまいました。
おもちゃとしては、録音時間がかなり短くて、あっという間に締め切られてしまいます。短い言葉を、音程を変えて繰り返し再生しながら、ピョンピョンする、といったおもちゃでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3/12 宇部定期開院

2016-03-21 | おもちゃ
3月度の宇部おもちゃ病院定期開院日です。

1件目、アンパンマン「カラーキッズタブレット」です。

「あ行の列と、下の録音等の列が効かない」との事。マトリックスの断線と思われます。

あけてみると、キーボード全部、透明フィルムに銀色の線がプリントされたフレキシブルフラットシートでした。パターンの何個所か、変色しててあやしいところがあります。(写真無しですみません。)
まず、テスターで「あ行」のラインを追ってみると、やはり変色の所で断線してました。
どうしたものか…、しばらく悩んだ後、ふと、ここのおもちゃ病院の備品で「コンダクティブ・ペン」があったのを思い出しました。銀含有の導電塗料の入ったペンですね。
「FFCパターンの補修は、これしかない!」と、使ってみる事にしたのですが、固まっててペン先から出てこない…。このコンダクティブ・ペン、かなり高価なものなのですが、相当前に買って以来、出番がなかったらしい。
「今日使わなければもうゴミに等しい!穴開けてでも使う!」と、ケツに穴開けて使うことにしました。

しかし、なかなか使いにくいですな。しっかりマスキングしないと、すぐ隣の線まで短絡してしまいます。
「あ行」のラインと、下の録音等のライン、どちらも補修→試運転→「か行」が鳴らなくなってる…。
「か行」のラインで、ちょっとはみ出たコンダクティブ・ペンを削るときに、配線がクロスしてるところで、断線させてしまったみたい…。
やむなくここは、セロテープで下をカバーしてから、上にアルミホイルで回路を引いて、両端をコンダクティブ・ペンを接着剤に使ってパターンに接続させて、なんとか復旧させました。

これでなんとか、全部のキーが使えるようになりました。
しかし、穴開けて使ったコンダクティブ・ペンは、次は使えない可能性が高いし、作業性もあまり良くない…。買っておいても、高価な割に日持ちがしない。よって、大量に買ってコストが下げれない…等、デメリットが多すぎます。
ネットで調査の結果、銅製の「導電性テープ」がよさげな感じなので、次回の出番に備えて入手しときたいと思います。

2件目から、同じ人のもってきたプラレール4台です。どれも年代物です。車輪の最終駆動が、ギアじゃなくてコロで摩擦伝動のタイプです。「お父さんのを復活させたい」との事。
確認して、いけそうなヤツから。まず1台目、新幹線。

これは、電池端子のサビ(酸化被膜)取りだけで復活しました。(モーター渋りはあったかも)
持参いただいた駆動輪のゴムを取り替えて終了。

2台目、EF58です。

これは、ギアボックスがブリキ製の一番古いタイプ。
3V掛けて手回しするも、モーター回りそうにありません。モーター外してブラシと整流子を磨きたいのですが、隙間不足で駆動のコロにプーラーが掛からず、分解できません…。
ここで、「後は入院で」と、依頼者さんにはお帰り頂きました。
その後、隣のドクターから「6V掛けよう」と声掛けられて、ちょっと抵抗あったのですが、6V掛けて手回ししたら、なんとか復活しました。
1.5Vでも一応動くようにはなったものの、いまいちスムーズじゃない…。後は家に帰って対応。

よく見てみると、モーターについてる金属製のピニオンが、削れて段ができてて、回転が悪い様な気がします。ちょっと位置を変えて当たりを変えてやりたいのですが、このままではプーラーが掛からず、結局分解しました。最終軸のプラ製ギアがけっこう緩く、手で押したらずれて、コロにプーラーを掛ける隙間ができました。
隙間からプーラー掛けて、ピニオンちょっとズラして、組み戻して注油して終了としました。

3台目、EF65です。(これ以降は、当日は状況を見るだけ見てから、入院で対応。)

モーターは渋りのみで、手回しで復活しましたが、スイッチと電極板を止めているハトメが切れてます。

M2のビスがちょうどだったので、M2ボルトナットで止めました。
スイッチ動かす部分なので、ホームセンターでネジ止め剤買ってきて使いました。

4台目、新幹線(0系?)です。

これは、当日に隣のドクターが「手伝おっか?」と、電池マイナス端子のサビをリューターで落としてると、ポッキリ折れてしまったとの事。SW接点も相当サビてて、一旦ばらさないと復活できそうにありません。
3台目と同じ個所のハトメを一旦ドリルで削ってSW板取り外してサビ取り。折れたマイナス電極は、1mm厚の銅板で製作。SW板とマイナス電極と、M2ボルトナットで止めて終了。

車体のツメが片方折れて、スポスポになってます。まあ遊べるし、気になるならセロテープで止めるぐらいで充分遊べるし…とも思ったのですが、預かったついでに補修することにしました。

「型取りくん」で折れてない方のツメの型取って、「プラリペア」で再生してみました。
おもちゃドクター始めてから、かなり最初の頃に買ってた型取りとプラリペアですが、初めてまともに使ったかもしれません。難しかったです。 
多めに盛ったので、だいぶヤスリで削って整形。まあ、見た目はいまいちですが、ちゃんとハマる様になりました。

さて、一連のプラレール終了ですが、次の6件目もプラレール。トーマスシリーズですが、赤い車体のNo5は…「ジェームス」らしいです。

「接触がわるいかの様に、カクカク動きが止まる」との事。家に帰って試運転すると、一定間隔で引っかかる。ギアの欠けのような気がします。

分解して全ギア確認しましたが、どれも欠けてません。

再度組みなおして、ギアボックスだけで回してみると…、写真右下側、ウォームとウォームの掛かる平歯車との噛み合いが足りず、ガリガリ空回りする現象が見られました。
ギアボックス組んで回すと中が見えないのですが、ウォームも平歯車も、そんなに歯の摩耗は見られないので、軸受摺動部(もしくはギア側)の摩耗で、軸間が少し広くなってるせいと推測されます。
軸受側の穴の下側にアロンアルファ塗って、固まった後、ヤスリで丁寧に削って、ちょうどに調節しました。
各ギア清掃して、新しいグリス塗って、組み戻し。

ところで、機関車~電池車間の連結が切れてしまってます。この件に関しては特に依頼されてないのですが、おもちゃドクターとして、このまま返す訳にはいきませぬ。現状はビニール線だけで引っ張ってる状況。これでは断線するのは時間の問題です。
手持ちのプラスチック端材から切り出して、連結器製作しました。(プラレール用の純正連結器は、オス-メスで繋いだ状態で正規の車両間隔になる長さ。この機関車~電池車間は、メス側連結器だけで両端繋ぐような感じなので、純正の連結器では長さが不足するんですね。)

やっと最後の7件目、くまのぬいぐるみ(しかけあり)です。

「もらいものなので、よく分からない」との事。当日動作確認、電池入れて左手のSW押すと、歩き出しました。しかし、一般的には音楽が鳴るヤツが多いのですが、無言で歩くだけなので、持って帰る事にしました。
ぬいぐるみほどいて分解してみると…

おやまあ、ケーシングはSP取り付けに対応できるようになってる様ですが、中身はスカスカ、どうやら電子オルゴールの回路はついておらず、SW押されたら一定時間モーターが回るだけの作りだった様です…。
せっかく分解しましたが、組み戻して縫い戻して終了としました。

この日は、ドクター8名で受付17件。
1月は少なかったですが、2月・3月と結構来院が多いです。ちょっと知名度上がってきたでしょうか?
(このブログも、宇部おもちゃ病院知名度アップに一役買ってる気がします。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2/14 おもちゃ修理(1件)

2016-03-10 | おもちゃ
おもちゃのレジ修理です。(写真は修理後)

バーコードリーダーの線が切れてしまって使えない、との事。
分解すると、GNDとSWとLED点灯のための線で、計3本でした。
秋葉原で長めに買っといた白のシールド線だと、線数が足りないので、以前別の修理で買って使った、100円ショップのLANケーブルの残りを使いました。8線?もありますが、1本1本は細いので、断線予防で2本ずつ使いました。

学童のおもちゃとの事で、同じものを2台持ってきていて、もう1台は別のドクターが対応したのですが、そちらも同じ線で取り替えたので、使い切っちゃいました。また100円ショップで入手しとかなくては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2/13 宇部定期開院

2016-03-10 | おもちゃ
この日は、いつもの宇部おもちゃ病院定期開院でした。
めんどうなぬいぐるみを3つも持って帰ったので、ブログのアップが遅くなってしまいました。
寒いと来院者少ないことが多いのですが、この日は何故か大盛況。ドクター9人で22件、忙しく過ごしました。

1件目はゴーバスターズの「へんしんドライバー」と聞きました。
(が、ネットで検索すると、どうも違うみたい…。どちらにせよ、スーパー戦隊か仮面ライダー等のヒーロー物と思われます。)

電源SWが入らないとの事。ちょっと面倒でしたが分解してみると、メインのスライドSWがボロボロに錆びて固着してました。

「これは整備しても無理」と判断して、手持ちのスライドSWに取り替えました。ちょい面倒でした。組み戻しも結構面倒でした。

2件目は、みんな嫌がるアンパンマンのクレーンです。

一応動くのだが、クレーンのバケットがちゃんと閉まらない、との事。
動かしてみると、ピンと来ました。ギアBOXの不具合ではなく、バケット付近の不具合の気がします。
よく見ると、2本の鎖のうちの1本の先のわっかが、どこにも引っかかって無いようです。

裏面が開くかと思ったのですが、どうも開かなかったので、上蓋(赤い屋根部)をばらして、バケットを降ろして鎖が一番長くなった状態でブチ切りして、その状態でバケットを見たところ、やはりバケットのフックからわっかが外れてるだけの様だったので、フックに引っ掛けなおしたところ、ちゃんとつかめる様になりました。
ギアBOX分解すると結構面倒なことになるのですが、最小限の手間で、適切な修理ができて満足です。

3件目は、写真撮りそこないました。「はじめてのえいごおしゃべり絵本」。
修理不能で諦めました…。

ボタンがあって押すと英語が流れるのですが、10ページぐらいあって、ページをめくると、そのページの絵に合わせた英語に切り替わる、というものですが、ちゃんと切り替わらず、へんなページの英語が流れてしまう、という状態。背表紙の所を踏んでしまって、バリっと剥げたせいでしょうか?との事でした。

背表紙の部分に、そんな複雑なページ認識が組んであるとは思えなかったのですが、背表紙の紙を剥がして見てみると、厚紙のページをめくると、折れるところで下のページの端子と上のページの端子が短絡されて、ページを認識する仕組みの様です。(言葉で書くと分かりにくくてすみません…。)
ボタン・基板の方から、カーボンプリントのFFCで繋がってるのですが、端子の側でFFCがとれてぐちゃぐちゃになってました。
FFCを1本ずつ伸ばして、適当に端子のところにセロテープで貼り付けてみたのですが、ちゃんと復活せず。諦めてしまいました…。
後で考えると、ビニール線で引き直したらなんとかなった気がして、ちょっと後悔です…。

4件目以降は、入院で対応。
4件目は、セガトーイズの「夢ねこセレブ」です。

電源が入らないとの事。まず分解しないといけない…。とりあえず、お腹のとこから首の手前まで、手縫いで閉じてあったところをほどいてみるも、それだけでは全然ぬがせられません。手足が別縫製の様で、手足を外さないといけない様子。

ネットで検索すると、浜松でおもちゃ病院をされてる方の修理記録がみつかりました。それによると、手足それぞれ、2本のネジで留めてあって、ネジの上あたりに手縫いで塞いだ穴があって、それを計8ヶ所見つけてほどく、との事ですが、毛足が長くて全然みつかりません…。
しかたなく、後ろ足は人間で言うところの「裏もも」の所のミシン縫いの部分をほどきました。
前足は、本体との接続部分で、裏布と毛足の長い表布とを縫い付けてあるミシン縫いをほどきました。

ミシン縫いをほどいて裏側から確認すると、やっとネジの真上あたりの穴が見つけられましたが、表から探し出すのはやはり無理だった感じです。しかも、後ろ足の穴は1こづつしかなかった様です。

足を外すと、布の押さえで、プラスチックの円盤がついています。これがまたどうにも外れない…。参考にしたブログには「後ろ足の部品は反時計回りに回せば外れますが、前足の部品はツメを無理に外して取るしかない」とあったのですが、どうも間違いの様で、後ろ足の方は回しても取れず、結局ブチっともいでしまいました。前足の片側は、記事の通り反時計回りに回せば外れたのですが、これも記事が正確じゃなく、反対側は反対回しで、時計回りに回せば外れたようなのですが、分からずに結局ブチっともいでしまいました…。

何とか手足を外して、結構苦労してシッポを抜いて、下半身のカバーのみ外した状態。

電池BOXにつながる赤ビニール線が断線してました。しっぽには、白ビニール線が適当に巻き付けてありました。この白線も1ヶ所切れてたので、一応繋いでおきました。
つないだら、電源入る様になって、「ニャー→首を動かしたり目をパチクリしたり→フギャッ」と鳴って、起動するようにはなったのですが、その後はどこを触っても反応なし。頭・頬・背中・お腹にセンサーがあって、触るといろいろ反応するらしいのですが…。

「センサー」は、見た事ない状況です。ビニール線1本の先に、台所の水・ガス台周りに貼る様なアルミのシールがついてるだけです。これでセンサーなのでしょうか…。
どうやら、タッチセンサーの「タッチパッド」の様です。静電容量の差を拾うのではないかと推測されます。
ウンともスンとも言わないので、しかたなく上半身も分解して、基盤を確認してみます。

かなりの密度の表面実装・両面基板です…。回路を起こすのは、ぼくの経験と根性では厳しそうです…。

日本おもちゃ病院の相談掲示板に質問出してみたものの、修理経験ある人からのばっちりなコメントも来ず、悩みました。
メーカーサイトから、取説が検索できません。しかし、これと思われるQ&Aをみつけました。それによると、
Q1 最初の動作はするが、その後全く動きません。さわっても反応がありません。頭を撫でても駄目です。
「電源スイッチONにするとストレッチをしてから眠りに入ります。ねこを起こすには頭センサーを撫でて起こしますが、このセンサーは光センサーで、光の明るい・暗い(ちらつき)を認識しています。
同じ場所で撫でている場合、明るい・暗いの違いをセンサーが認識できない場合があります。よって、少し手を大きく動かして撫でてみてください。また、頭のセンサーは耳と耳の間位の位置にあります。」
との事。
という事は、センサーが働かないのは「眠りモード」入ってただけで、明るさセンサーの不良or断線で、起きないだけだったのかも?

という事で、頭を分解して、明るさセンサーの確認をしてみる事にしました。頭部分は、目・耳・口が動くつくりのため、かなり複雑そうなので、できれば触りたくなかったのですが、なんとか頭がい骨後ろ半分だけ外して、センサーの確認ができそう。

センサー外そうとしたのですが、ちょっと無理っぽかったので、コネクタ側からテスタで確認。CdSと思われます。昼間の部屋の明るさで20~30kΩ、手で頭を隠して暗くすると40kΩ。断線もなく、一応働いてる感じ。ちょっと変化幅が小さすぎる気がしたので、通電・起動状態で、5kΩや10kΩで短絡して抵抗を下げてみたのですが、やはり無反応…。

表面実装部品の全点再ハンダ付けはしたほうがいいのでしょうが、かなり大変そう…。明るさセンサに繋がってると思われるリードタイプの電解コンデンサだけは、外して容量とリークの確認をしましたが、スルーホール基板からの部品の取り外しは、結構大変で、基板破損の危険が高そうで、あまりやりたくない…。
深追いすると、被害を広げそうな予感がします。何かまだ条件があるのかもしれない。とりあえず電源は入るようになったので、これで仕戻しして、一旦依頼者に返却&相談してみる事にしました…。

さて5件目、コミュニケーション人形、とでも言いましょうか、「たっくん」です。

この「たっくん」は、実家にありました。というか、祖母が老人ホームに入ってる間に使ってたのですが、時計が怪しくて、夜中に突然しゃべったりして迷惑との事で、実家に引き取られてました。
ところが、実家のたっくんと違って「音声認識たっくん」との事。時間の設定等は、すべて声でするらしいのですが、時間の設定ができない、との事。マイクの不良or断線でしょうか…。

家に持って帰って、上の夢ねこが一段落してから、やっとたっくんの動作確認。
電源を入れると、時間を設定するように言われるのですが、すぐ寝てしまって設定できない。起こしても、どうも会話が成立しない…。やっぱりマイクが不良なのかしら…?

ところが、説明書をよく読んでみると、お尻の所に明るさセンサがついていて、それが明るい時と暗い時で、反応が違うらしい。センサに手がかからない様に持ち上げた状態で時間設定してみたら、ちゃんとできました。なんか会話が噛み合いづらいけど、「歌って!」とかも、一応反応するようです。結構きかん坊の様で、会話が噛み合いづらいのは仕様のような気もします。

一応動くようなので、分解はせずに、依頼者にこの状態で問題ないかどうか、確認することにします。

6件目、クマのサンタさんです。(写真は修理後)

両足とも折れてしまって、立てなくなった。電池入れたら動くらしいが、それはどうでもいいけど、骨折を直してほしい、との事。

まず、電池ボックスの上の部分が手縫いの様なので、頭の途中ぐらいまでほどきました。足が抜けず悩んで、かかと部分に手縫いの個所があるように思ったのでほどいてみたところ、ミシン縫いでした…。結局、足のつま先~甲の部分の綿を抜けば、足は抜けました。

足は、何と言いましょうか…、多節の関節でした。

胴体から外さないとやりにくそうだったので、胴体ケースをばらして、腰骨部分を外した状態です。
球形の関節を、受け側に圧入してあるのですが、かなり力が掛かるのと、プラスチックの劣化のせいでしょうか、3か所ほど割れて欠けてました。それ以外も、ほとんどの関節部に亀裂が入ってます。
この足の構造だと、曲げてバランスの微調整ができる程度で、座らせたりはできないのですが、子どもが無理やり座らせようとして、過大な力が掛かった可能性も考えられます…。

欠けたところは、接着剤でつけるぐらいじゃもたないでしょう。欠けたところは瞬間接着剤で仮止め、欠けたところも亀裂が入ったところも、全部三角の精密やすりで外周に溝を掘って、SUS番線でしばりつけて補強しました。

これでなんとかもつといいのですが…。

さて、足も全部繋いで組み戻してみて、電池入れて試運転。左手の先にSWがあって、押すとクリスマスソングが流れて、踊り出すのですが…、どっかで引っかかって、踊りが止まってしまいました。
分解して確認すると、左腕の支点が折損してました…。(ぬいぐるみを脱がす際に、腕を抜くのがけっこう大変だったので、その時に無理が掛かって折れたのかもしれません。)

ローレット加工で圧入してありました。抜いて、腕の側に接着。スペースに余裕があったので、瞬間接着剤で仮止め後、エポキシしっかり盛って固定しました。
ローレット圧入を仕戻しするのが、ちょっと大変でした。腕にはクラッチ機構が組んであるのですが、プラハンマーでちょっと叩いたぐらいじゃ、全然入らないので、クラッチ部分解してから、バイスで締めこみました。
試運転してみると、何か引っ掛かって動かない→分解、どうもない→もう1回組んで試運転、等したのですが、よく分からず。とりあえず、何度か分解したり組み戻したりして、動くようになったので、仕戻しして終了としました。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする