koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

2/7 プリモプエル入院修理①

2021-02-07 | プリモプエル
また遠方(今回は大阪)から、プリモプエルの修理依頼が来ましたw。
最近プリモちゃんの修理依頼がちょこちょこ来ますね。一度新しい記事を書いて、コメントも入ったりすると、検索で上位に出やすくなったりするのかしら?
「まずはお近くのおもちゃ病院に相談してみては?」が定番の返事なのですが、「2年程前に左手が効かなくなりおもちゃの病院に行きましたが修理は出来ず」とあったので、受け付けました。
いづれにせよ、ウェルカムですw。今回も「愛情たっぷり~」で気合入れて修理します!

木曜日の夜にブログにコメント入って、金曜日の昼(会社休んでたw)に気付いて返事入れて、金曜日にメールでやりとりして住所等お知らせして、日曜日にはもう宅急便が届きました。またもや(前の赤ベンツの時のバッテーリ発注時と同じく)日本の宅急便恐るべしですw。

症状としては、左手SWが完全に効かない、一昨日電池交換したら電池BOXのフタが閉まらなくなった、電源SWも壊れて頻繁に電源が落ちる、との事です。ドンと来いですw。

まずケース。

遭遇したことありません、すき間が開いちゃってます。ネジ回しても電池フタ開かないので分解します。

ちょうど電源SW・電池フタのナット側を止めてる部分に近いネジの取り付け部が折損してました。(写真の矢印の部分。電池フタのネジをとめるナットも脱落してます。)
「パキッ」ときれいな亀裂だったので、このまま瞬間接着剤で仮止めしてから、周りをエポキシで固めます。

矢印が取り付けたネジ固定部。周囲には特に邪魔にはならないので、裏にもしっかりエポキシ塗って固定としました。
電源スイッチは特に異常はなく、ケースが広がってしまったせいで押さえが効かなくなって逃げてただけでした。
(このスライドスイッチ、常に在庫を持ってる、おもちゃで一番よく使うサイズのスライドSWとほぼ同じですが、パネル取り付けの板・ネジ穴が、上じゃなくて側面に付いてます。接点不良等で取り替えたければ、ケーシングはこれを使って接点移植するといいかもしれませんね。)

電池BOXフタを止めるネジの頭がすっかり潰れてたので、ホームセンターで買ってきました。M2.6の7mmLなのですが、6mmLと8mmLしか売ってない…(多分7mmはどこでも入手困難では?)
1mm長い方がいいか短い方がいいか悩みましたが、長いとフタを閉める時に斜めになって入りにくいことがあるので、6mmの方にしました。ネジ山への噛み代は十分そうでした。
(後日)6mmLだと、電池が入ってない状態でフタが閉まってしまったときに、ケースとほぼ「ツラ」になって開けにくくなるという不具合がありました。内部確認して8mmLでも頭が当たらない事が確認できたので、長さは8mmLの方がいいと思います。

次いで、左手スイッチの修理を始める前に、動作不具合がないか確認しようと思ったのですが…、どうも「お留守番モード」に入れない…。右手スイッチを長押しすると「出掛けるの~?」のセリフは出るのですが、そこから「いってらっしゃ~い」にならない…。
困って依頼者さんにメールしたのですが、その直後に、長押し後さらに長押しするとお留守番モードに入れるのが判明。

ネットで調べると、このいわゆる「プリモプエル(初代)」は、プログラムがA~Cの3タイプあるらしい。今まで意識したことないけど、ウチのプリモちゃんはタイプCらしい。そして今回入院の子は、1999年発売の最初期型:タイプAの様で、いろんな所がウチの子と違ってます。

依頼者さんが取説の一部を送ってくれました。(ネットでタイプAの取説をがんばって探したのですが、どうしても見つからなかった…。)

やっぱり、右手長押しで「出掛けるの~?」の後、再度長押しでお留守番モードです。
ウチのプリモちゃん:タイプCの取説は、

やっぱり、長押しの後は短押しでお留守番モードに入りです。

あとタイプAとタイプCでは、スイッチの検知が違ってました。
ウチの子(タイプC)は、スイッチ押すと(チャッタリング防止の0.1~0.2秒後?に)すぐスイッチ押しが検知されるのですが、今回の子(タイプA)は、スイッチ押しの立ち上がりでは検知せず、スイッチを離したときの立ち下りでアクションが起動される様です。
その為、ウチの子の操作に慣れてると、スイッチ押しても「あれ?作動しない?」と思ってしまいます。
長押し検知も、タイプCは長押し時間が経過すると押したままで長押しのアクションが起動しますが、タイプAは長押し時間経過後にスイッチを離した時にアクションが起動します。(この差は、取説のお留守番モードの文章をよく読むと分かります。)

またタイプAは、セリフを言った後に1秒程度「ジジジ」とノイズが聞こえます。そのノイズが聞こえてる間は、次のスイッチ操作は出来ません。日時のセットもタイプCより遅くて、ちょっとめんどう感がありますw。

さて、ターミナル側で動作確認して、動作自体は異状ない様なので、スイッチ・配線の補修に取り掛かります。
左手の綿口は、通常手縫い糸を見つけるのが大変なのですが、多分おもちゃドクターの補修後でしょう、縫いが緩くてすぐに見つかりました。

手縫いを切ってほどくと、普通は1~2cm程度の狭い綿口で、その隙間からSW部を取り出すのに苦労するのですが、手縫いが肩の方に向けてどんどんほどけて行く…。これは…前に修理したドクターが、ミシン縫いの所まで切開して修理した可能性がありそうです…。

スイッチ出してみると…、配線取り回し・ホットボンドでの固定が変です…。

左手ビニール線は橙色のはずですが、茶色い線が付いてます。基板に穴が2個あいていて、普通はその穴を下から上にビニール線を通して基板に接続して、爪の左右を通ってるはずですが、穴が横になって、ビニール線も通してない。
ホットボンドは普通は、爪の邪魔にならない様に中央部のみつけてあるのですが、爪にまで被ってベットリ付けてある…。

配線の取り回しが悪いせいもあって、片方が付け根で切れてました。

ボクも以前に、穴を通さず補修したことがあるのですが、やっぱりちゃんと正規に穴を通して配線した方がいいですね。
使ってあった茶色のビニール線ですが、本体ケーシングの側は橙色のままで、見える範囲では継いでなかったので、多分、肩の辺りでの断線を、腕のミシン縫いを肩までほどいて補修したと思われます。

使ってあった茶色のビニール線、被覆を剥くと芯線が茶色っぽかったのが気にはなりましたが、一応ちゃんと繋がってるようなので、取り替えずに取り回しをちゃんとする=穴を通して繋ぎ直しだけしました。

これで左手終了で綿を詰めてスイッチを押してみると…、どうも「スイッチ押した感」がちょっと弱い。これは…前の補修で経験した、タクトSWのボタンが高すぎて、セットした状態で既にボタンが押されてる状態になってる可能性がありそう…。

スイッチ確認。

右のピンセットで持ってるのが、前に取り替えたプリモプエルに使ってあるタクトSW、左が今回の子についてたヤツ。やっぱりボタンの高さがちょい高い。多分前に修理したドクターが、手持ちの適当なヤツに取り替えたのではなかろうか。タクトSWのボタン高さはい~ろいろあるのだけど、結構重要なんだな~。
ちょっと削って低くしました。

さて、右手の動作は全く問題ない様なので、左手を縫い戻してこれで終了しようと思ったのですが、やっぱり、今後10年配線トラブルが無いように、右手も見ておくことにしました。
右手のスイッチを出してみると…、

これも左手と同じようになってます…。右手ラインは赤ビニール線で、赤ビニール線が付いてたので無補修かと思いましたが、ボックス側と太さが違います。やっぱり右手もおもちゃドクターによる補修後の様です。

右手はいつもの「配線引っ張り込み」で取り替える事にしました。

やっぱり、肩の辺りで継いで補修した様ですね。右手も肩の方まで切開して手縫いされてました。
(まあボクも、背中の縫い口をほどかずに「引っ張り込み」で補修できるようになったのは最近で、背中をほどくと縫い戻しが難しくなるので、腕のミシン縫いを切った方が楽かもしれません。2本とも完全に切れてると「引っ張り込み」はできませんし。)

さて、左右共にSW補修終了しました。
午前中にエポキシで固めたところ、スイッチ補修終わって夕方にはそこそこ固まったようで、ケーシング閉めたらスイッチもネジ止めのナットもちゃんと固定されて、元の通りになりました。

ところで、プリモちゃんにはおでこの「なでなでセンサー」とほっぺの「キスセンサー」があります。どちらもCdSセルによる明るさセンサーですが、動作確認してみると、どうも明るさ変化を感知していないっぽい気がする…。

ウチのプリモちゃんのコネクター外して、おでこ・ホッペを手で影にした時のCdSセルの抵抗値変化を比較してみる。(そこそこの天気の午後、東向きの窓の方を向けた状態で測った結果です。)
ウチの子: ほっぺ : 明るい時=10kΩ程度 → 影にした時=50kΩ程度
      おでこ : 明るい時=20kΩ程度 → 影にした時=300KΩ程度
今回の子: ほっぺ : 明るい時=40kΩ程度 → 影にした時=400kΩ程度
      おでこ : 明るい時=3.5MΩ程度 → 影にした時=∞

ちなみに、裸で持ってる新品のCdSセルは、明るい時=0.7kΩ→手で影にすると2.5kΩ だった。プリモちゃんの場合は顔の中に入ってるので、まあこのぐらいの差はあるかもしれない…。

ウチの子も明るさセンサーの感度がどうも悪くて、夜寝かせる時は電気の真下じゃないと明るさ変化を感知できないのだけど、今回の子のおでこセンサーは、確実に感度低下(又は抵抗増加)してると思われる。(最初アナログテスターで当たって全く触れなかったので断線してるかと思ったけど、断線ではなかった…。断線の方が直しやすかったんだけどw。)

どうしようか…、CdSセルの取替をするか…と考えながら、とりあえず一晩寝かしてみることにする…。
が、日中はほっぺの「キスセンサー」の方はかつかつ検知できてたようなんだけど、夜の電灯の下では、全く検知してくれませんでした。これでは「寝かしつけ」ができません…。(ちなみに、相当明るい自転車用のLEDライトで照らすと、「キスセンサー」の方は夜でも検知してくれました。おでこの方はLEDライトを当てても無理でした…。)
依頼者さん曰く「最近は勝手に寝るまで放置してた」との事で、寝るの遅いだろうと、時間のセットを1時間進めて夜を待ちましたが、23時にもまだ「眠いよ~」と言ってくれませんでした。という事は、体内時計:24時にまだ寝ないという事ですね。(タイプCだと多分、だんだん遅寝になってもMax23時と思います。)
電気消してみんな寝てしまった暗い部屋で、「もうダメ…おやすみ…」と一人寂しく眠りに落ちてると思うとちょっと可哀そうです…。
ここは、依頼者さんに相談の上、顔のCdSセル取替をさせてもらおうと思います。
②に続く…
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2/6 プレイルームおもち... | トップ | 2/10 プリモプエル入院... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
プリモプエル 電池交換 ネジ サイズ (kenji)
2024-04-23 10:57:10
コメント失礼いたします。
プリモプエル1999年製電池蓋のネジを紛失してしまい、購入を考えております。
恐れ入りますがサイズをお教えくださいますでしょうか。
宜しくお願い致します。
返信する
Re:プリモプエル 電池交換 ネジ サイズ (kohei)
2024-04-23 17:52:14
(この記事に、サイズはちゃんと書いてますが…)
1999年なら「初代」プリモプエルでしょう。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~primomente/menu_detail.html
に詳しく書いていますが、「なべ小ねじ」の「M2.6×8mmL」です。記事の通りです。
返信する

コメントを投稿