koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

11/19 サンパーク出張開院2

2023-11-29 | おもちゃ
隣の市のショッピングモールでの出張開院、残り2件の入院品、修理終わりました。
通算11件目、クリスマスツリーです。

これは…しばらく前に1回診ましたね、12VAC出力の非常に特殊なACアダプターを使って、12V・AC駆動のシンクロナスモータでレール部分を回転させてるおもちゃです。
前回は12VDC出力のアダプターを繋いで「音はするけど回転しない」という訴えでしたが、今回はちゃんとAC出力のアダプターを使ってました。

コストコって書いてありますねw。

「音が大きくなったり小さくなったりする」という訴えで、会場で確認して「電源電圧変動かなぁ…、とりあえず分解してみるか」と思ったのですが、底板がしっかり接着してあって分解困難で、入院としました。

家に帰って動作確認すると、音楽再生の速度や音程が変わったりはせず、単に音がくぐもったように小さくなる症状。これは…ボリュームの接触不良じゃないかしら?
ボリューム触っても特に「ガリ」は出ない。音が小さくなってからボリュームを触ると良くなる気もするし関係なく良くなってる気もするし、はっきりしない…。しばらく動かしっぱなしにしてたら良くなってきた気がする。ボリュームの内部接点の酸化被膜等による導通不良が、音を流してるうちに徐々に改善したんじゃないかしら?
良くなった気がするので、無修理だけどこれで返却にしようw。

さて最後12件目、今回一番難航した、チョコボールのキョロちゃんの目覚まし時計です。

とりあえず電池BOX端子がメタメタで、他のドクターに頼んだのですが、あけたらあちこち線が切れて手に負えない…と、ボクの入院になりました。
受付で「足が無いのでここまでバスで来てる。すぐ返して欲しい」みたいな事を言ってだいぶ粘ってましたが、液漏れで基板までボロボロ。すぐ直せる訳ないじゃん、まったく…。
(右足が割れてて安定が悪いけど、これは言われてないので無修理としよう…)

悪い所を一つ一つ潰していくしかない…。とりあえず分解の状態。

2本ぐらい中で線が切れてどこに繋がってたかも分からない。電池BOXへの接続も全く不明…。とりあえず時計側を分解。

基板が相当汚れてる。裏側も確認。

液漏れで真っ黒になってパターンもよく分からない…。
「パターンもダメかも」と思ったのですが、液漏れでやられたのはレジストだけだったようで、レジストかりかり削ったら、下のパターンはどれも健全でした。しかし、プラマイと思われる所に電池(1.5V)繋いでみても動く気配がない…。

先に音声再生基板の方を確認しよう。(時計はどうにもならなければ100均で買った時計から基板移植で何とかなるけど、音声再生が復活出来ないと時計だけ復活させても意味がないので。)

出入りはしっかりプリントがされてるので、悩む必要がないですねw。
裏にはCOBがありますが、表には8PINのIC:JRCの「2073AD」が乗ってます。プリントには「TDA2822でもいい」みたいな事が書いてあります。2ch入りのオーディオアンプのBTL接続でしょう。
目覚ましのSWがどうなってるかよく分かりませんが、電源(3V)を繋いでみると、かつかつ音がする。不明瞭だけど「クエックエックエ」とチョコボールの歌が流れるっぽい。
目覚ましの入り切りは頭のオルタネートSWで、これは問題なさそうな感じ。「MONITOR」のSWと音量調整のボリュームが付いてる基板は、これも液漏れで真っ黒状態。ボリュームも青い結晶まみれで大変怪しい…。テスターで測って全く働いてないっぽいので、取り外して手持ちの半固定ボリュームを繋げて見たら、音楽がちゃんと鳴る様になった。

パネル取付の適当なボリュームがあったら取り替えたかったのだけど、手持ちを探してもいいのがなかったので、とりあえず整備できないか分解してみる。

掃除後だけど、う~ん…。両端の抵抗を測るも∞~不安定で、どうも抵抗体部分がやられてるっぽくて、整備は断念。回すのにドライバーが必要になるけど、基板に足の穴をあけて、写真上に写ってる半固定抵抗を無理矢理取付。
時計からのONは、測定・確認した所、基板側プルアップでの「ONでGND」でした。「MONITOR」のスイッチも見た目に反して一応OKで、音声再生側の確認・復旧は終了。時計側に取り掛かりましょう。

とりあえず、水晶を手持ちの中古品に取り替えてみたら…動いた!やっぱり水晶でしょう。
しかし、組んでみたらまた動かない…。水晶をもうちょっと見栄えのいい中古に取り替えてみて、動いた!やっぱり水晶かw。
しかし、組んでみたらまた動かない…。とうとう水晶を新品に取り替えてみたけど、やっぱり組んだら動かなくなる…。どうも熱を掛けたら発振動き出す、不安定な状態っぽい。これはやっぱり、100均時計の基板に取り替えよう。
きっちりケースに収まる様に線を引き出したり組み戻したりするのにいろいろと苦労した…。時計もアラームもちゃんと動くことを確認したので、線を全部繋いで電池BOXも補修して、全部仕戻した状態。

さて後は、針の仕戻し。目覚まし時計は、目覚ましのセット位置と時針・分針をきっちり合わせないといけないので、かなり面倒…。かなりの時間を浪費して、やっとバッチリに合わせられた。アラームを3~4回確認してぴったりに出来てたので、これでキャノピーをはめ戻そう。

これで返却とするけど、そもそも、時計はおもちゃじゃない…。カルテには「おもちゃの時計」と書いてあるけど、そんな事で誤魔化されはしないw。
例えば時計の読み方を勉強するために、手でくるくる回すだけの様な時計なら「おもちゃの時計」と言えるだろうけど、時計としての機能がちゃんとしてるなら、それは「おもちゃの時計」ではない。
しかし…時計の修理依頼は結構多い。ここ10年で…10個ぐらいはあったかなぁ。すっかり時計に詳しくなってしまったw。
時計側がダメな場合は100均で買った時計の基板で換装してるけど、この方法だとゴミがいっぱい出る。「壊れても捨てずに修理して使う」環境にやさしい仕事をしてるつもりなのに、新品を1個潰して修理するのは本末転倒で心が痛む…。ソレノイド駆動の基板だけが入手できればいいけど、Aliでも見つけられない…。誰か100円以内で基板だけ入手できるところ教えて~w。
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11/19 サンパーク出張開院1

2023-11-25 | おもちゃ
去年の12月に開催しました、隣の市のショッピングモールでの出張開院の2回目です。
前回はめっっっちゃ人が来て、いくら受け付けても終わらず、「もう持って帰れません…」と時間前に打ち切りにさせてもらって、結局108個受付。ウチ46個を担当してエライめにあったのですが、今回は前回の反省から「完全予約制20件限定」としました。
ボクは「個数制限は『常識的な個数で』ぐらいで、特にしない」というつもりだったのですが、社内会議で「混乱を避けるため1組1個限定」となったので、最大20個の予定。

前回はなかなか強烈な集客効果があったと思われますが、今回は事前の告知も控えめにして、2週間前にまだ半分も埋まってない、2週間前からモールの子供向け会員制のクラブメンバーにライン流して、前日にバタバタ最後の2組が埋まるぐらいだったし、ショッピングモールとしてのイベントメッリトはどうだったでしょう?

20組20個限定でしたが、2組来なかったのと「2個あるんですけど…」「まあいいでしょ」のプラマイで21個受付。みんなもがんばって(というか、簡単なのも多くて?)12件修理・9件入院でした。
ボクとしては時間内に4個修理・8個持ち帰り。まだ終わってないの2個を残して、終わった分を先に記事アップします。

1件目、ライダーベルト。

電池BOX端子が液漏れでボロボロ。写真は取替後ですが、マイナススプリング端子を3個とも取り替えました。

「ライドウォッチ」をセットして必殺技が起動すると思うのですが、持って来られてなかったので、とりあえず電源は入る様になったので良しとしました。

2個目、「BRIO」と書いてある、赤外リモコンで操作する列車。

(スウェーデン製の木製おもちゃらしい。この列車はプラですが、レールは木らしい。)
チェッカーで確認して、コントローラから赤外線で信号は出てる様子。分解と仕戻しにちょっと苦労しましたが、電源スイッチの接触不良の様で、接点復活剤吹いてパチパチで誤魔化しました。(電源スイッチが、チャンネルのA・Bの切り替えも兼ねてる2回路スライドスイッチで外しにくかったので。)

3個目、SLのプラレール。

モータは入ってなくて、音がするだけのSLらしい。φ27mmスピーカ不良で取り替えて終了。

4個目、ベネッセの音楽おもちゃ。

「ディスクを変えても同じ曲しかならない」との事。これは以前に診た事がある、楽勝ですw。「速攻で終わらせます」と作業開始。
ディスク置くところに3個?程導電ゴムスイッチがついてて、ディスク側の出っ張りの位置でディスクを判断するんですね。分解して導電ゴムスイッチの清掃してばっちり復旧。(今回はアルミ箔貼りはせずに、様子を見てもらう事にしました。)

ここから入院で、5個目。プラレールですが…。

バラバラ分解状態で持ち込まれ。

「分解したら元に戻せなくなった」との事だけど、基板が入ってるけど電池BOXが無い…。基板から配線が切れたような形跡が無くてちょっと疑問だったんだけど、「部品が足りん!これじゃ直せん!」とナースさんに連絡して来てもらったら、「これ、電池要らないんです。手で前後にころころ押したら充電出来て走るんです」との事。見た事も聞いたことも無いわ~w。

家に帰って調べたら2021年10月発売の「テコロでチャージ」というシリーズらしい。まあ、よ~~~く考えて直すしかないわな~w。

歯車の数は大したことないので、まあそんなに悩まず組み戻せた。
ピニオンの付いたアームをどう組むかが少し難しかった。「前後に走らせて充電」との事なので、整流して充電するのかと思ったのだけど、その「ピニオンの付いたアーム」が前後で切り替わって、前に押しても後ろに押しても、モータは同じ方向にしか回らない構造になってます。良く考えられてますね。(トミーには、こういう機構のおもちゃ多いですが。)
(但し、部品が1個足りない…。謎の小さい丸い部品が。これはスイッチを「動きにくく」するために、スイッチバーにバネかまして取り付けられてたと思われるのだが、バネが無い…。これがないと、スイッチがゆるゆるになってしまう。手持ちのバネを追加。)

なかなかちゃんと走ります。トミーのサイトによると「30~1分間コロコロして、30秒走る」との事です。
プラレールの修理で一番多いのは電池の液漏れなので、液漏れが絶対に発生しないならなかなかいいと思うのですが、モータが一般的じゃない特殊な小型モータなので、ブラシ不良等への対応が難しくなりますね…。2021年発売なので、普通ならまだ修理依頼に来ないと思いますが、モータ不良だと悩ましいかもしれませんね。

6個目、メリー。

音楽を流しながらレール上を左右に動くのですが「音が鳴らなくなっただけ」との事。スピーカ不良でしょう。

φ27mmスピーカ取り替えて終了。(基板接続の配線が全部コネクタで、しっかりした感じのおもちゃでした。)

7個目。トーマスのプラレール。あ、写真撮り忘れてる…。
2個(トーマスとパーシー)持って来られて、どちらも他のドクターが対応。パーシーの方は電池端子サビで取り替えて直った。トーマスの方は、途中で担当のドクターが「一応動くようになったのだけど、スイッチを入れて3秒後ぐらいにモータが回りだすんだけど、これでいいんでしょうか…」と聞きに来た。
基板が付いてたので、まあ電子が間に入ってたらそんな制御もあるかと思ったのだけど、パーシーの方もほぼ同じ作りで、スイッチを入れると「ぼくパーシー。出発進行~」みたいなセリフが出て、セリフが終わってから走り始める作り。トーマスの方はスピーカ不良でセリフが鳴らないので、何故か分からないけど3秒ぐらい動かない、みたいになってただけ。

φ29mmスピーカ不良で取り替えて貰ったのだけど、駆動輪のピニオンが割れててちゃんと走らないっぽい。ギアを渡して取り替えて貰おうと思ったのだけど、車輪を外すのも車軸を外すのもギアを取り替えるのも、全部任せられない…。ギアを定位置に突っ込むのに苦労してあせってハンマーで叩いたら、車輪が割れてしまって入院に…。
裏側は盛れるので、エポキシで補修。分解からやってないので、組み戻しに苦労した…。

8個目、オラフの人形。

お腹に「PUSH」と書いてあるけど、押しても何の感触もない…。ところが、後ろのマジックテープをあけてみると、配線の先にプラ~ンとスイッチが…。電池入れてこのスイッチ押したら普通に歌が流れて踊りも動いた。結局、お腹のスイッチが外れてるだけ、という状態。
お腹の所にスイッチを縫い付ければ済むことなのだけど、足を外さないとお腹までめくれなかった。めくってみると、スイッチを固定してた縫いは、切れたとか抜けたとかじゃなくて、誰かが切ったように見えるんだけど…。とりあえず固定してちゃんと動くようになったので、これで返却。

9個目、ファミコン型のゲーム機。正式名称は「ファミコンクラシックミニ」らしい。

これは、つい一週間前、11/11の宇部定期開院に持って来られて、アルミ箔貼り付けで修理したばかり。「やはり十字キーの動きが悪い」との事で入院。ドンキーコングとかパックマンとか、上下左右全部使うゲームで動作確認したけど、悪いとは思えないんだけどなぁ…。無修理で返却とした。(あけたらゴム板の向きが正しくなかったので、そこだけ修正した。)

10個目、英語の歌を歌う犬のおもちゃ。

よく来るFisherPriceと思ったのだけど、そうとも書いてない、メーカー不明。「音がすごく小さい」との事。別のドクターが対応してて、「スピーカ不良じゃないの」と、元のスピーカはφ40mm16Ωだったのだけど、φ36mmしか手持ちが無かったので、φ36mmの8Ωと16Ωを渡して「大きな音が出る方に取り替えて」と言ってあったのだけど…。
「大きさ合わないけど、ホットボンドぐらいで止めれば」と言ってあったのに、元のφ40mmのボディを「枠」にしてピッタリ嵌めたいとかで延々時間を使って、結局終わり頃に「スピーカ替えてもまだ音が小さい」と言われて結局ボクの入院に…。

家ならφ40mmのスピーカがあるので、φ40mm8Ωのスピーカに取り替えてみたら、まあぼちぼちの音量。だけど、元々「やかましいぐらいの音が鳴る」と聞いてたのに対して、静かな我が家でまあ「うるさくはない」程度の音量。BTLでしょうけど、片チャン不良とかかしら…。基板を確認。

基板中央やや右寄りの「緑」と書いてある2カ所が、スピーカへの配線接続部。やはりCOBからのBTL出力と思われる。音量切り替えの為、「小」だと470Ω経由、「大」だとこれに120Ωを並列にして95Ω経由で繋がる様になってるっぽい。
DMMで測定して抵抗値もマーキング通りだし、スイッチも抵抗ゼロで問題ない。オシロ繋いで測定してみる。

まずスピーカを外してBTL両端の波形を確認。

問題ない…。電圧もピークで4Vあり、電圧的には弱くない。BTLで反対波形がちゃんと出てると思う。(時間軸変えて確認したけど、PWMではないっぽい。)
ところが、スピーカを繋ぐとやっぱり小さい音しか出ないので、スピーカ繋いでスピーカ両端電圧を測定すると、プラマイ200mVぐらいの波形にしかならない…。
このスピーカを繋いだ状態で、対GNDでのスピーカ両端電圧を測ると、

BTLで反対波形が出てるはずなのに、同じ波形になってしまってる。片チャンネルの電流供給能力がめっきり弱いのか、片チャンネルのシンク能力がめっきり弱いのか…。

まあ、静かな我が家で「うるさくはない」ぐらいの音が出てるので、抵抗を調整してもう少し大きな音が出るようにしてみよう。
「470+120」を「120+62」に変更。これでまあまあの音量になったと思う。これじゃまだ足りないなら、BTLアンプ追加を検討する事にして、とりあえず終了にしよう。
(抵抗もっと下げてこれ以上無理してBTLのソースが死ぬと面倒なので、このぐらいにしておく…)

今回の記事はここまで、残りあと2個。終わったら記事アップします。


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11/11 宇部定期開院

2023-11-15 | おもちゃ
11月度の宇部おもちゃ病院定期開院日でした。
ドクター5人で来院7件。このぐらいの受付数だとのんびりできますw。

1件目、ずかんペン、の様です。

何か分からなかったのですが、とりあえず「電源が入らなくなった」との事。電池BOX端子がサビてたので磨きましたが、まだ電源入らず。分解してみると…

アンパンマンことばずかんでいつもみる、イメージセンサーが直角についてます。イメージセンスで何百語も言葉が出るペンですね。
まず、鉄片スイッチの作動を疑って、アルコールで拭いてみたりピンセットで短絡してみたりしたけど、全く起動せず…。「これは入院にさせて貰おう」と思ったのだけど、ちょい待てw。

基板裏側、電池からの赤線のすぐ近くにヒューズがある(プリント:F1)。どうも導通ないっぽい。これを短絡して電源SW押したら起動した!
ヒューズがなぜ切れたか、ヒューズは保護の為にはあるべきなのだけど、スペースも厳しいので、すずメッキ線で短絡とした。
本は持って来られてなかったので、とりあえず起動音が鳴ればOKとして終了。

2件目、ドローンの充電コード。(写真は修理後)

以前に、ドローン側に刺すコネクタ側が断線したのを繋いで修理したのだけど、今度はUSB側が断線したとの事。マイナスドライバ突っ込んで何とかケーブル側が開いたので、隙間からなんとか再ハンダ付けして終了。(記事も写真もおもしろくない…w)

3件目、ファミコン型のゲーム機。

これは…以前に診ましたね。聞いたら、去年の11月の近隣ショッピングモールでの出張開院で108件も受け付けてエライ目にあった時でした。その時の記録によると「DS用の十字パッドに取り替えた」との事。
分解したら、片方はサイズがいまいちな、たしかにDS用の十字パッドが付いてました。もう片方は無補修でしたが、パッドが1個切れてました。
DS用の十字パッドは普段持ち歩いてないので、今回はコントローラ2つ両方とも、基板側アルコール吹きと導電ゴム側にアルミ箔貼り付けとしました。
これで、会場のモニターに繋いで動作確認して、良くなった様だったので終了です。

4件目、話だけ聞いて入院で対応。名探偵コナンのタブレット型ゲームとキーボード。

キーボードは別売りで、タブレットにキーボードを追加して、キーボード買ったらついてくる専用ソフトのSDカードを刺して、タイピング練習が出来る、という物らしいですが、SDカード刺してタイピングを選んでも「SDカードが認識できません」というエラーが出て使えない、との事。

専用ソフト(SDカード)の異常じゃないの?とは思うのですが、本体側のSDカードスロット側の異常だと、専用ソフトを買い直したりしても改善できないので、持って帰って確認してみる事にしましたが…。

家の手持ちのSDカードを刺して、本体で写真を撮ってSDカードに保存、保存した写真を表示、そのSDカードをパソコンに刺してパソコン側で表示、等、全く問題なし。やはり専用ソフト(SDカード)の不良と思われます。

キーボード側の取扱説明書に「専用ソフトが人で聞出来ない場合は?」という項目がある。

わざわざこんな事を取説に1項目書くぐらいなんで、きっと不良で認識できないことが多いに違いない。
不良SDカードなんて、修理できる人は世界中に誰もいないに違いない。「お客様相談センターに相談して!」と、このまま返却となりました。
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10/14 宇部定期開院3

2023-11-12 | おもちゃ
難航で遅くなってた10月度の宇部おもちゃ病院定期開院での入院品、やっと終わって、ぎりぎり11月の定期開院日に返却出来ました。
すみっコぐらしのノートパソコン型おもちゃです。

「電源を入れると操作音等はするけど、画面が全く出ない」という状況。
液晶不良だと、中国から4.3インチTFT液晶を買って取替になりますが、バックライト電源故障だと、液晶を取り替えても直らない。まずはバックライト電源を確認せねば。

とりあえず分解、必要なかったけど液晶まで取外し。

外観として特に異常は感じられない。液晶を繋ぎ戻した状態でバックライトへの電圧を測定すると4.7V。液晶を外しても同じ。これは、昇圧レギュレータが全く仕事をしてない状態ですね…。
バックライト電源部分はこんな。

インダクタ・ダイオードが直列に繋がってバックライトLEDへと繋がってる、典型的な昇圧回路と思われます。昇圧レギュレータICを確認してみると、

マーキングは「IN6MC(又は1N6MC)」だけど、検索しても型番調べられない…。よく見ると、チップ中央部が少し膨らんでるように見える。きっとレギュレータチップのパンクと思われる。
おっかなびっくりでバックライトに外部から電源繋いでみると、接続部を間違えて大きな電流制限抵抗が入った状態で掛けてしまったのでだいぶ暗かったけど、液晶が見えるのは確認できた。
この辺で行き詰って、いつも相談する先輩に相談してみたが、かんばしい返事が貰えない…。そうだよね、情報が少なすぎるよねw。

がんばって「きっとこうだ!」という回路起こしてみる。

なるほど、FB=200mVで、シャント抵抗10Ω=20mAの定電流制御と思われます。回路はこれで間違いないでしょう。メインチップからの明るさ設定(Vset)で設定電流を調整できる回路の様です。

回路としては昇圧のみのスイッチングレギュレータの典型回路。パッケージ:SOT23-5で検索すると、同じピン配置のチップが何個も見つかりますが、だいたいFB=1.2~1.25Vぐらいの物がほとんど。
ところが、「LED Driver」で探すと、「シャント抵抗10Ω=20mA」ぐらいを想定したFB=200~300mVぐらいのチップが見つかりました。
候補は何個かあったけど、無理の効く「マルツオンライン」で100円以下を目指して、AP3032というチップを選択。ピン配置と応用回路は下記。

外部から明るさを調整する応用回路も記載されてました。

間違いないでしょう。いけそうなのでこのチップでマルツオンラインに発注。

発注後にひらめいた!
元のチップはSOT23-5、AP3032はOver Voltage検出端子が付いててSOT23-6(他のピン配置は同じ)。
SOT23はピンピッチが0.95mmで、ハーフピッチ(1.27mm)のSOPよりハンダ付けが厳しいけど、5PINと6PINで違うので、別基板に取り付けてビニール線で引っ張り出して何とか繋ぐかな…と思っていたのだけど、OV端子は何も繋げなくてもいいのでは…
OV検出をせずに出力が解放されると、出力電圧は多分、インダクタの容量によって決まる電圧まで上がってしまうけど、バックライト行きの断線等で出力が解放された時に何V出ようと関係ないでしょう。(出力コンデンサの耐圧以上に上がるとちょっとイヤですがw。)
OV端子に何も繋げなければ、元のSOT23-5の位置にそのまま付けたらちゃんと動くはず!

リワークステーションで炙ってキレイに外して、そのままリワークステーションで新しいチップを再取り付け。

(ちょっと…曲がったかしらw)
これで液晶繋ぎ戻したら、バッチリ点灯!

(念のため事前に、負荷:1kΩを繋いで電圧電流を確認してみたのだけど、4.5V4mAぐらいし掛からなかった…。直列に入れたDMMの内部抵抗が高すぎたのかもしれない。まあ、バックライトが壊れる程の高電圧は出ないのは確認できた、として、液晶繋いで電源入れてみましたw。)

バックライトに掛かる電圧と10Ω上の対GND電位を測定。
 明るさ4:20.4V 143mV
 明るさ3:19.7V 99.8mV
 明るさ2:19.1V 56.7mV
典型的な4.3インチTFT液晶のデータシートによると、標準的電流は20mA(シャント抵抗で200mV)らしいので、もう少し流してもいい気がするのだけど、明るさ:3で実際の画面は昼間でも十分使えるぐらいの明るさになったので、これで良しとしよう。
(FB=300mVのチップの方が良かったか、もしくは4にしても明るさ不足を感じるなら、シャントの10Ωに抵抗を並列に追加して8Ω等に下げれば、明るさ調整できますね。)

さて、液晶はバッチリに直ったけど、事前の「暗いけど点くのは確認した」状態で、マウスが全く動いてないのが分かってた。この修理をせんば。
マウス側、誰か触った跡がある…。導通調べると、黒線と赤線がダメっぽい。
どうせマウス側の出口あたりでの断線だろう、切り縮めで何とか出来ないかと被覆を剥いで確認するけど、3cmぐらいまで行ってもまだ断線箇所が出てこないので、取替とする。
「LANケーブルでいける」と、手持ちのLANケーブルで取り替え作業始めたら…数え間違えてた!
LANケーブルは8芯だけど、このマウスは9本必要だった…。使ったLANケーブルは外鞘に少し余裕があったので、AWG30細線1本を突っ込めないかとやってみたけど、さすがにガイド無しで30cmも通すのは無理だった…。見た目が悪いけど、外に1本追加して、テープで留めてごまかした…。
(後になって考えたのだけど、なんでこの程度のマウスに9本も線が要るのか?
マウス基板に3個、導電ゴムSWが付いてて、マウスカバーのキャラクターを付け替えると、2進数3桁でキャラクターを識別するっぽい。しかし、「マウスカバーを変えるとそれに合わせて表示も変わる」機能は、さほど必要性を感じない…。これに線3本使ってるはずなので、それを調べて死んでる線と入替すれば楽だった。)

発注してたレギュレータが金曜の晩に到着。土曜の朝、レギュレータチップ取替から引き続きマウス線の取替で、11時半にやっと終了、なんとか昼からの11月度宇部おもちゃ病院定期開院に持って行くのに間に合いました。(疲労困憊…w)

それにつけても、有意義な調査・修理だったんじゃない?
おもちゃの液晶、バックライト電源修理等で検索しても、回路がピシっと出てこない。おもちゃ病院界でもあまり修理出来てないのじゃないかしら。回路もきっちり調査出来て、チップ不良の場合にはそのまま取替だけで、100円以内で修理できるなら、上等でしょう!
他のドクターにも有益な情報になったのじゃないでしょうか。
(SOT23-5のチップ取替が出来るトクターは…そんなに多くないかもしれませんが。)
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10/14 宇部定期開院2

2023-11-04 | おもちゃ
10/14の宇部おもちゃ病院定期開院での入院品、「この部品を替えたら直る!」という物の部品到着待ちでまだの物があるのですが、終わった物を先にアップしておきます。

4件目、人形の靴…らしいです。(どちらも修理後)

ブーツの方は、紐がほどけて「元の様に結びたいけど同じようにならない」との事。片方の紐の一番上が抜けてて、「通すの大変かなぁ」とウチの奥さんに相談したら、あっという間に通してついでにあっという間に結んでもらって終了w。
靴の方は、甲部分の接着が外れただけ。GPクリアで接着しておきました。
(「これぐらい自分でやればいいのに…」と思うのだけど、まあ接着は、どの接着剤がベストかは、おもちゃドクターとしての経験も必要でしょう。今回は、ゼリー状瞬間接着剤も手持ちがあって、GPクリアとどちらにするか迷いましたが、GPクリアは皮革にも強いでしょうから、今回はGPクリアで行きました。)

5件目、アンパンマンのハンドルです。

とりあえず、電池BOX端子がかなりサビてるので、リューターで磨き。

しかし、まだ動かない…。分解して中から確認すると…

これは…電池BOXからのプラス線とマイナス線が、どっちも電源のスライドSWに繋がってる…。これじゃあ滅茶苦茶…。ヘタするとプラスとマイナスが短絡してしまう…。(まあ、短絡はしない接続でしたが。)
誰の仕業だ…。

基板映すの忘れましたが、基板から電池マイナスに繋がるGND線がどこ行ったか、反対側がハンドル部の方に入り込んでてちょっと分かりにくかった。けどちゃんと繋ぎ直し。まだ動かない、電源のスライドスイッチの接点がボロボロ、分解して整備。傷んで芯線が真っ黒になってた赤線も取り替えたりして、ちゃんと動くようになりました。

6件目、ドローン。

「プロペラが1個動かなくなった」との事ですが、動かなくなったプロペラ、他のと比べて回転が固い。プロペラ抜いてみると、

軸が曲がってるっぽい…。そのせいで、軸受け摺動部の回転が渋いんだろう。
回転子抜いて修正できるかなぁ…と思ったのだけど、ミニミニのコアレスモータ、カシメが厳しくて無事に分解できそうにない…。
手持ちがあったなぁ…と部屋中探しまわってやっと見つけたw。

赤・黒の線が短くなってる1個は、多分ブラシがダメで分解して復活させようとして断念したダメな奴だな。残りの3個は…その時外した中古だろう。(その修理の時、多分4個買って全部新品を使って、外したのをとっといたんだろうw。)
回転を確認したけど、順方向と逆方向で回転数が違う気がする。順方向で最高の性能が出るように、整流子の角度等が調整してあるのかもしれない。
今回の修理では、赤黒のモータの回転方向が合致するので、赤黒線のモータを1個使って取替。

他も見ると、黒プロペラのモータも1個、派手に軸が曲がってる…。

回転は軽い。これで動作確認してみたけど、この軸の曲がったモータの方に逃げる気がする…。軸が曲がった状態で回転するせいで、プロペラの効率が落ちてる可能性がある…。
今回入院で、充電コードを持って来られてなかったので、あまり試運転できない…。
トリミングで調整可能かなぁ…と思いつつ、とりあえずこれで修理終了にしよう。

と思ったけど、何とかラジペンで力掛けて、軸の修正を試みてみた。…あまり修正できなかったけど、少しマシになったかも。これで動作確認してみたら、横に流れるのは概ね改善されて、少し前に流れるようになった。トリミング掛けたら、ぼちぼち修正できそうだったけど、どうも充電が減って動きが悪くなった様だったので、この辺で諦めて返却としました。

7件目、トイデジカメですが、写真撮り忘れた…。
電源入れると、液晶のバックライトが点くけど真っ白のまま、という状態。
会場で確認して動いてる感じがしなくて、「デバイス不作動、とりあえずまず液晶の発振確認かなぁ…」と思いつつ持って帰ったのだけど、騒がしい会場では分からなかった、家で電源入れてあちこちスイッチ押してみると、小さいながら操作音が鳴ってる。どうも液晶不良で画面が映ってないだけで、動いてるっぽい。分解してみよう。

フレキはめ直してみたりしたけど改善しない。もっと分解。

特に異常はないねぇ…。これは液晶不良で取り替えるしかなさそう…。

液晶は多分、2.0インチ22PINで購入すれば良さそう。しかし、AliExpressで苦労して探してみたけど、円安とAliの最近の送料アップで1,200円ぐらいかかりそう…。

依頼者さんに相談した所、「それなら直さなくていいです」との事…。ネットで調べると、元の価格は3~4千円ぐらいっぽい。1、200円掛かると微妙かもね…。
「1,200円掛けたら多分直せる、このままだとゴミ」と思うんだけど、致し方ない。このまま直さずに返却としました。

あと1件残ってる。ちょっと調達困難な部品で、来週の土曜日の11月度の定期開院日までに届くかな…。修理終わったらまた記事アップします。
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