koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

5/5 新川市まつり臨時開院

2018-05-16 | おもちゃ
毎年恒例、狐の嫁入りの「新川市まつり」での出張開院です。
忙しかった~。ドクター3人で24件受付。入院を8個も持ち帰りました。

毎月第2土曜日の定期開院に持ってきてくれた方が助かるのだけど、祭りに持ってこられた方に聞くと、どうも定期開院やってる事はご存じない人が多いみたい。
祭りの宣伝力が高いのか、「祭りの時はいつもおもちゃ病院やってるよね」と定着してきたのか。うれしい悲鳴です…ww

とりあえず、現地にて対応の物から。
1件目、仮面ライダービルドの「ドリルクラッシャー」です。

以前にもやった事があります。ドリルがいまいち回らないという物。「ガキガキ」とクラッチが効いてしまう様なので、またクラッチの締め込みとします。

写真は締め込み後。一応、ころ軸受部にグリスを足して組み戻し。そこそこ回るようになったので、終了としました。

2件目、ピカチューのオルゴール

(下の方には名前が付けてあったので、上の方だけの写真です。)
落として香箱に衝撃がかかったようです。香箱のカシメの、調速風車側のカシメが1ヶ所乗り越えて、調速風車が脱落してました。カシメ部は、無理やり押し込んだらまだいけそうだったので、第4ギアと調速風車をセットして、乗り越えたカシメ部を押し込んで仮補修で終了としました。

3件目、プラレール(石炭車)。

電池端子のサビ取りだけでOK。

4件目、回転ずしの回転台。

以前にも診た事があるのですが、ナースさんの解説によると、リカちゃんの回転ずしらしいです。(真ん中にリカちゃん立ってもらうらしいのですが、前回も今回も、回転台のみで持ってこられるのでww)
メインのスライドSWの不良で、分解して接点磨いて補修。

5件目、ミッキーの車です。(外観写真撮り忘れた。)

モーターの回転音はするけど走らない状態。
モーターピニオンは割れてませんでしたが、写真一番上側の10Tピニオンの割れでした。取り替えて終了。

6件目、新幹線。

モーターが固い。分解して確認の結果、ブラシ側の軸が固い。ブラシ側のプラスチック部をφ2mmのドリル刃でさらえて、グリス給脂で終了。

7件目、この辺りから入院で対応。トーマスの機関車。(写真撮り忘れて、類似品の写真を転用です。この度来たのは、よく似てるけど一回り小さいヤツでした。)

ボディは左右に分割できるようなのですが、どうしても分解できない。煙突とその後ろの水色の筒が嵌め殺しで接着してる様です…。どうこねても外れないので、家に帰ってから結局のこぎりで切断しました。
しかし、まだボディが分割できない。中のギアボックス部を取り出さないと修理できないのですが、頭のトーマスの顔の部分でとまってるみたい。どうしても外れないので、後ろ側を無理やり広げて、ギアボックス部を引っこ抜いて補修しました。
モーター線のハンダ付け外れの様でした。

8件目、アンパンマンの50音ボード。

や行とら行が全く効かない、との事。
分解して基板とマトリックスシートの接続部を掃除してみるも状態変わらないので、入院で対応。
マトリックスシート確認すると、や行とら行の線の途中、変色が見られます。ここで断線になってると思われます。

(その1本上、ま行の線も怪しい。今後進行するかも…。)
スイッチになる部分以外は、緑のレジスト掛けてあって導通がありません。変色の前後でレジスト剥がして銅箔テープで補修しようと思ったのですが、カッターナイフの背でレジスト削ったら、導電塗料も削れてしまって、補修できず…。
露出してるのはスイッチになる部分と基板接続部だけなので、細めのビニール線を剥いて、スイッチ部の導電塗料パターンの上にセロテープで貼り付け。基板との接続部は、ビニール線の芯線を2本だけ残して後は切って、マトリックスシートと基板で挟み込んで、なんとか導通を復活させました。
何とか復旧で、や行もら行も効くようになりました。

9件目、バンダイの「スクラッシュドライバー」。

これも、仮面ライダービルドのアイテムの様です。(ベルト通しがありました。変身ベルトですね。)
「一応動作するが、必殺技が起動できない」との事。
ゼリーをセットする所に、バンダイヒーロー物のいつもの「ディテクタスイッチ」が3個付いてます。他のドクターが対応してて、「3個のうち1個しか、押しても音が出ない」と言ってましたが、ぼくの見立ては「1個は、ゼリーをセットしたときの感知用ですが、あとの2個は、ゼリーの種類を判別するためのSWでしょうよ。押しても音が出るとは限りませんよ」
ゼリーの後ろに、突起が3列。一番左は最初の1回のみ。残りの2列は、突起が何個か縦に並んでて、多分、突っ込んだ時のパルス(2個のSWをどのタイミングで何回蹴ったか)で、ゼリーパックの種類を判別する作りと思われます。
持ち帰って修理です。

分解するとこんな感じ。複雑ですが、それ程大変でもないです。さらに分解して、ディテクタスイッチ部を確認していきます。
テスタで当たると、端っこの1個が、押しても導通されません。ミニミニなSWなのですが、分解して確認します。

5mmぐらいの突起・操作部に、1mm無い×3mmLぐらいの接点がついてる構造です。
以前に、「突起部から折れちゃって、接点もなくなってる」状態を、プラリペアで再生して苦労した件(2016/5/5 新川まつり臨時開院)と、「腐食で本体側の接点が溶けてなくなっちゃって、本体側を破ってなんとか接点を復活させた」件(2017/7/8 宇部定期開院)とがありました。
今回は、操作部側の接点の先がちょっと変色してたので、ペーパーで磨いたところ、導通復活ました。
ちゃんとゼリーの種類認識して、必殺技が起動する様になりました。

10件目、なまえずかん。

ペンのケツのオルタネートSWの不良の様です。押しっぱなしにしたら使える、との事。
分解して確認すると、持ってる手持ちのオルタネートSW:2種類よりも一回り小さいタイプで、そのままきれいに取替できない。「通販で買うか、手持ちのを無理やりつけるか、家で考えます」と言って、入院としました。

どうしようか悩みましたが、手持ちのヤツを何とか押し込めそうだったので、手持ち品で代用しました。
写真は補修後。写真右側に転がってるのが、基板に付いた元のSW。そこそこギチギチではまってるのですが、念のためホットボンドで固めておきました。

11件目、小さなSL。

「音はするけど走らない」との事。
当日分解してみましたが、モーターは単体でちゃんと回る。モーターに電圧は来てない。制御基板の不良だろうか…と、持ち帰って検討としました。

だいぶ悩んで、上側を分解しようかとネジを探してみると、煙突の中にネジがあります。そのネジを外すと、なんと!頭の黒い所が外れて、単4電池を1本入れるようになってました。その単4電池の電池切れでした。
「電池は入ってる。音は出る」との事でしたが、モーター動かすのにLR44×2個じゃ、すぐ切れちゃうよね…、と思った通り、モーターの駆動は別の電池だったんですね。
依頼者さんにはその旨説明して、分かる様に頭を外した状態で返却しました。

12件目、アンパンマンの「ことばずかんDX」。

「絵を認識しない」との事。他のドクターが対応してたのですが、どうしても先端のセンサー部のキャップが外れなくて分解できない…。
持ち帰ってやろうと思ったのですが、翌週の第2土曜日の定期開院までにやる暇がなく、定期開院に持って行って再チャレンジしました。

「絵を認識しない」との事でしたが、電源入れてみると、起動音も鳴らない。これだと、スピーカーが怪しい。スピーカーだけなら、キャップが取れなくても補修できます。
確認の結果、スピーカーはOKだけど、配線が怪しい。2本とも引き換えたら、起動音が鳴る様になりました。
しかし、絵は認識しない…。見てみると、センサー(カメラ)のコネクタが抜けちゃってます。(これは、キャップを取ろうとグニグニした時に外れた疑いがあります。元々「絵を認識しない」との事でしたが、不具合はスピーカーのみだったのかも)

先端のキャップは、結局ツメが固くて外れないだけでした。ドライバー突っ込んでだいぶがんばって抜けました。コネクタ差し直して確認してくと、ちゃんと絵も認識する様になりました。

13件目、歩いて鳴く犬のぬいぐるみ。

写真は補修後。両前足の骨折で、置くと「へたっ」と崩れてしまう状態。
この「歩いて鳴く犬のぬいぐるみ」の修理では、いつも「動かなくても、ぬいぐるみとしてかわいがってあげれば、それでいいんじゃないだろうか。動くようにしても、何時間ぐらいSW入れるだろうか。」と疑問を感じながら直すのですが、これは直してあげないと可哀想な状態です。がんばって直しましょう!

さて、分解苦労しました。以前にもやった記憶があったので、後で自分のブログ検索してみたところ、その時もやっぱり苦労したと書いてありました。「増田屋」製なんですね。(以前「サウンド新幹線」で、あんまりな作りだった事が…。ムニャムニャ…。)
足の先端が糸で留めてあり、つま先の縫い目を切り開いて留めてある糸を切らないと足が抜けません。前足は折れてるので抜けますが、後ろ足は縫い目を切って抜きました。

前足はストレートじゃなく、途中でカクカクっと曲がっており、その曲がり部で折損です。これは…当て板が必要ですなぁ。
手持ちの1mmTの銅板を、5mm×20mmぐらいに切って、足の曲がりに合わせて曲げて、当て板を製作。ナフコでM2×6mmLのビスを買ってきて、ビス止めします。

片側は、比較的きれいに折れてて、ちょっと楽でした。反対側はもちょっと複雑骨折の状態。

瞬間接着剤で仮固定して、当て板当てて位置決めして、ドリルで穴あけして、当て板固定。

なんとかきれいに仕戻しできそうです。当て板固定後、割れた欠片も含めてエポキシで固めて終了。

電池マイナス線が切れてたので補修。ビニール線もかなり傷んで芯線が真っ黒。モーター側は取り替えましたが、「半電子式」で、鳴き声の基板に行く側は、分解するのがかなり面倒そうだったので、ペーパーで磨いて何とかハンダ付けしました。

組み戻しは、せっかく補修した足に力が掛かるのがいやだったので、結局足4本とも先を大きく切り開いて、足先部分のネジを解いて外してしまって、ぬいぐるみを着せてから足先を取り付けて、最後全部外から縫い戻しとしました。

いや~、大変でした…。全部で5~6時間も掛かりました。何が大変って、銅板を切るのが大変でした。たかだか5mm×20mmを2枚切っただけなのに!
単に鋸刃がボロなだけで、鋸刃を替えたらもっと楽だったのかしら…。なんか「チュイーン」とあっという間に切れる工具がないかしら~?

さて、やっと最後、14件目。次はいつものIWAYAの犬です。
今度のはもっと簡単だといいなぁ…(と思ったのですが、甘かった…。)

「全く動かない」と聞いていましたが、SW入れてみたら、動くじゃないか。
しかし…、「歩く→立ち止まってシッポを振る→伏せしながら鳴く(「いざり」と呼んでます)」のシーケンスですが、シッポを振らない。足の動きもなんとなく怪しい。

分解すると、いつもの「後ろ足の支点」の折損。

まあこれは、分解時の足に無理が掛かる際に折れた可能性もありますが。
それと案の定、シッポ駆動のリンクの折損です。

前にも折れてた物がありましたが、そんなに力掛かる部品じゃないのに、なんでここが折れるのかなぁ…。背中から落ちて外骨格に当たって折れるのかしら…。

「後ろ足の支点」はいつも通り、φ4mmのプラ棒を1cm程度に適当に切って、φ1mmでプラ棒・本体側軸に穴開けて、ゼムクリップの軸差して繋いで補修です。

リンクの折損は、何とかスペースある事祈って、上側に当て板してエポキシで補修。
補修して組み戻して、こんな感じです。

外骨格を組み戻してみると、やっぱりちょっと当たる様だったので、エポキシをちょっと削って調整しました。

外骨格だけ組み戻して動きを確認したりしてると…、どうも前足がフラフラする。何故?とよくみてみると、バネが折れてる~!

「歩行」と「伏せ」で、前足の位置が切り替わるのですが、歩行=前足位置移動の歯車がフリーになる時に、前足位置を「歩行」の位置に引っ張るためのバネ、先端のわっか部分が折損して外れてしまってます~。

…気づいてしまったからにはしょうがない、直さないと…。
ラジペンでこねたけど、曲がりそうにない。ガスレンジでなませるかしら…。
で、ギアボックス全分解して、軸も抜いて、バネ取り外し。ガスレンジで炙って焼きなまし。
やっぱり、焼きなましたら曲がる様になりました。先端のわっか造り直して、再度焼き入れ。
補修途中の写真はこんな感じ。

これで、引っ掛け部分にわっかを掛けようと、ドライバーやらペンチやらでごそごそしたらば、せっかく作ったわっかが「パキッ」と折れちゃった~。
どうやら、焼きの入れ過ぎだったようです…。多分すっかり芯まで酸化鉄にしちゃったのでしょう。反省…。
折れたとこから追加で曲げてったら、ほどよくなましが残ってたようで、何とかわっかを追加できました。

組み戻して動作確認。やっと修理終了しました。
いや~、この子も大変でした。3時間ぐらい掛かったでしょうか。
IWAYAの犬は、ほんとによく来ます。20は行ってないけど、もう15体は直した気がします。(今度数えてみよう。)
もはや「IWAYAから表彰して貰いたい!」ぐらいですww。

という事で、新川市まつり臨時開院、大変でした~。
来院の皆様、是非、定期開院の方に持ってきて頂くと、助かりますね。
まつりの時はドクター3名ぐらいですが、定期開院だとドクター10名ぐらいいて、入院になっても分担できるので、だいぶ気が楽ですので。
コメント
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