koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

2/20 プリモプエルの明るさ検知回路検証

2021-02-20 | プリモプエル
先日、プリモプエルのおでこの「なでなでセンサー」取替作業の前に、だいぶ感度が落ちてる我が家のプリモッティの「なでなでセンサー」の感度調整が出来ないかやってみた(「2/10 プリモプエル入院修理②~顔の明るさセンサ調整」のだけど、ちゃんと回路の確認をしなかったので、大ウソになってましたw。
この度、ちゃんと回路の確認をしましたw。

「なでなでセンサー」取替で、依頼されたプリモプエルには、家の遊休のプリモちゃんからCdSセンサーを取って移植して、そのプリモちゃんには、買ってあった手持ちのCdSセルを付けておいたのですが、CdSセルにもいろいろバリエーションがある。たまたま買ってたヤツが適切な抵抗値だろうか?

たまたま買ってたヤツは、「GM5528」という型番だった。秋月で調べると、どうもこの型番が一番メジャーなようで、他のは1個づつかせいぜい4個セットでしか売ってないけど、GL5528は「100個で2,200円」のセットがある。(秋月の型番は「GL」だけど、番号は同じっぽい。)

前回勝手な想像で、CdSの明るい/暗いをH/LにしてCOBに入れてやる単純な回路と思ったのだけど、それにしては抵抗値が納得いかない。COBに行っているPNPトランジスタのコレクタの電圧をDMMで測定すると、明るい→暗くした時に、短いパルス状の電圧が出力されてるっぽい。
基板再掲します。

コネクタ右から2本がほっぺの「キスセンサー」、次の2本は顔のマイク行き、その次の2本がおでこの「なでなでセンサー」です。
「なでなでセンサー」は、一番右のトランジスタ周辺に繋がっており、右の2SA1980が「なでなでセンサー」感知用、左の2SA1980が「キスセンサー」感知用の様です。(回路は追ってませんが多分真ん中の2SC5343はマイクアンプではなかろうか。)

パターンをよ~く見るとともに、動作時の各部の電圧を測定して同電位の点を調べて、なんとか回路を描いてみたらこうなりました。

動作を考えると…
・電源入れるとC10・C8が充電されるまではTrがONされるが、じきにOFFされてマイコンにはLが出力される。
・C10は点Bと点Aの電位差分の荷電が充電される。
・ここで、急に暗くなる→CdSの抵抗が急に上がると、点Aの電位が下がってC10に電流が流れるので、TrがONされてマイコンにHが出力される。
・このままこの電位差分まで充電されるか、再び明るくなる=CdSの抵抗値が下がると、Trは再びOFFされて、マイコンにLが出力される。
といった動作かな~。

LT-Spiceで確認してみる。部品の大きさから、C10は1μF、C8は0.01μFとしておく。
抵抗を変化させるのは面倒なので、点Aに加える電圧を変化させて、出力を確認する。
電圧を3.5V→2.5Vに変化させる。

な~る程、ちゃんとHのパルスが出力される。
なかなかおもしろい回路。明るい時/暗い時の点Aの電圧差が重要で、3.5→2.5V、2.5→1.5V、1.5→0.5Vと変える電圧を変化させても、ΔV=1.0Vが同じなら、出力は同じ波形になる。

これを「3.5→2.8V」と、ΔV=0.7Vにしてみると、

パルスがしっかり立たずに、電圧不足になってしまう。さらにΔV=0.5Vだと、マイコン行きの点の電圧は全く動かなくなる。

以上より、この回路はCdSの抵抗値に明確な閾値があって「明るい/暗い」を判断するような単純な回路ではなく、明るい→暗いによる分圧点の電圧変化がトランジスタのVbe以上であればHが出力されるような回路なのかな。
これだと、CdS抵抗値の絶対値はそれほど重要じゃなくなる。
しかし、R5=15kΩと比べて明るい時のCdSの抵抗値が大きすぎて、明るい時の点Aの電圧が1Vを下回るような状況になると、明るい→暗いの電圧差が足りなくて、パルスが出なくなると思われる。

それでは、先日「R4を47k→470kΩに変えたら、ちょっと感度が良くなったぞ」はどうだったのだろう…。
上述の「3.5→2.8Vでパルスがはっきり出ない」状態で、R4を470kΩに変えてみると、

おー、なんとかHとして認めてもらえるぐらいまで電圧が立ってる。
C10に流れる電流がいまいちでも、一旦C8が放電して、C8経由でベース電流が流れる。R4はこのC8の充電電流を決定しており、R4を大きくすることでC8が満充電になるまでの時間が長くなって、ギリギリHが出力されるようになるのかな?
(これは…、多分C10とR5が「微分回路」なんだな。)

という事で、R4を大きくしたことで、閾値は変わらなかったけど、感度がちょっと敏感になった。CdSの抵抗値がもっと高くても検知するようにするには、R5の方をCdSの抵抗値と同程度まで大きくしておけばいい、という結論でしょうか。

これで、我が家のプリモッティの「なでなでセンサー」感度再調整をしておきます。
前に取り替えたR4を47kΩに戻して、代りにR5を15k→100kΩに変えて状況確認。(我が家のプリモちゃんは、だいぶ暗~い我が家の夜の居間で100kΩ程度の抵抗値なので。)
以前:電気の笠の真下で電球まで30cmぐらいまで近づけないと反応しなかった→前回調整で、電気の笠の下なら反応するぐらいになった→今回調整で、こたつに座ったままちょっと顔を電気の方に向けるだけで反応するようになりました!

これで、プリモプエルのおでこの「なでなでセンサー」とほっぺの「キスセンサー」の反応がいまいちのときに、頭部分解・センサー取替の大手術をせずとも、基板側で調節するという選択肢が確立できましたw!
(センサーがいよいよ劣化してると、どっちみち取替になりますけど。)

そうそう「プリモプエルの明るさセンサー取替用にGL5528でいいのか?」の結論ですが、このCdSセルの「GL55シリーズ」には、5516~5549まであり、5516が暗時抵抗:0.5MΩ、5528が1MΩで、5549が10MΩ。明るい時の抵抗は15kΩに対して同等~低い方がいい。変化幅は広い方がいい。バランスとしては、5528ぐらいがちょうど良さそうな気がします。
で結論は「GL5528でOK!」。中国からまとめて買っとこうかな~w。
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2/13 宇部定期開院

2021-02-18 | おもちゃ
この日は、2月度の宇部おもちゃ病院定期開院日でした。
スロースタートで前半「暇だなぁ」という状況だったのですが、後半で急に増えて、受付19件になりましたw。

1件目、UFOキャッチャーの景品(をネットで買ったという)バンプレストの仮面ライダー達です。

「足がレバーになってて、足を閉じる方向に押すとライダーベルトが回ってLEDが光るところが、LEDが点灯しない。電池切れかも」との事でしたが、未開封でまだ電池絶縁のフィルムが抜かれてませんでした。(フィルムを抜かずに袋の上から押しても、LEDは点きません…。)

2つは、電池がサビてボロボロになってました。1つはかつかつ動きました。1つはLEDがうっすら点くもののいまいちで、分解してスイッチ接点を磨きました。

2件目、トミカのにぎやかドライブ。

電池BOXフタを止めるネジがとれなくなった、との事。
多少なめてた程度だったのですが、ドライバーでビクともせず…。先日Aliで頭の傷んだネジの抜き取りドリル「Damaged Screw Extractor」を買ってたので、出番だ!と使ってみたのですが、削れるだけでやっぱりビクともせず…。多分斜めに入ったのを無理やり締めたのではないでしょうか。
やむなく5mmのキリで頭を落としました。

中を開けてナットを取ってちゃんと取り替えようとしたのですが、内部はオレンジのキャップが接着止めしてあってどうしても取れず…。だいぶ格闘してたのですが、そのうち依頼者さんが取りに来られて時間切れとなり、とりあえず固着してたネジは取った、電池のフタはガムテープ等で止めておけば遊べると思います、で返却しました。
(おもちゃドクターとしては格好悪い…。中もとっととドリルで破ってナット取替するんだった…。一応「完治で」w。)

後は閉院前に来られたので入院で。3件目、GTRのラジコン。

前後は走るけど、ステアリングが動かないとの事。
送信機から信号は出てるので、車体側を分解。

外部電源でステアリング切替のモータに電圧掛けても、全く動かず。分解してみると、モータが手で回るギリギリぐらいの固さでした。

この場合は、おケツ(ブラシ側)が固い事が多いですね。やはり固かったので、2mmのキリでさらえました。(普通は軽くさらえるぐらいでいいのですが、それでは固くて、だいぶグリグリさらえました。)

試運転してみると…右は曲がるけど左に曲がらない。電池確認したら1本がほぼダメでした。電池替えたらちゃんと動くようになりました。

4件目、ハコスカのラジコン。

これは全く動かないとの事。
やはり送信機から信号はちゃんと出てるので、本体側を分解。

この状況の場合、電源のスライドSW不良の事が多いです。ピンセットで短絡すると動いたので、スライドSWを分解します。

やはり接点不良です。上側の切片の裏がだいぶ緑色になっており、液漏れダメージと思われます。取り替えようか…とも思ったのですが、ペーパーで磨いて済ませました。

5件目、救急車。

訴えは「1のボタンは押しても音が鳴らない。後輪が2つとも取れてしまった、片方は行方不明で現在捜索中」との事。走行は弾み車での惰性走行です。

まずホイール修理。おうちの方が接着剤でとめた形跡がありました。接着剤じゃとまりませんw。接着剤を極力除去してから、「タガ」を作ってはめます。

(適当に切ったのできれいな正方形じゃないw。ほんとは円形に整形した方がいいのですが、目につきにくい所なのでご勘弁をw。)
接着剤で穴が浅くなってたので、3mmのキリで穴を深くする。これで3mm+ローレットの軸を入れてみましたが、ユルユル…w。対角にすずメッキ線2本差し込んだ状態で圧入してバッチリ固定出来ました。

次いで、1番ボタンの確認。まず、音がなんともヘロヘロで誤作動もある様子なので電池を確認したところ、単3×2本のうちの1本がほぼダメでした。電池替えて動作確認すると、1番のボタンを押すとLEDがちゃんと点滅するけど音は出ない…。これは、COBはちゃんと「1番ボタン押された」を検知してるけど、単に音は出ない・LEDが点くだけなのでは…?
念のために基板を確認。(LED点灯と音の起動とが別接点、という可能性もゼロではないかも、と思ったので。)

3つのスイッチは全部タクトSWで、接点信号は各1つしか使ってません。やはり1番のボタンは「LEDが点くだけで音は無し」のボタンだったと思います。

これで修理完なのですが、タイヤが片方しか無い…。依頼者さんに電話で確認すると「見つかりそうにありません…」との事。タイヤ片方だとまともに走れないので、相談の結果、そこそこな径の手持ちのタイヤを取り付けました。

手持ちが穴径もジャストで、レバークランプで突っ込んだだけ。これでは修理としてはおもしろくないw。いつかもう片方のタイヤが見つかったら是非元のタイヤに取り替えさせてもらおうと思いますw。

さて最後6件目、メリー。

よく来るやつです。電池BOXのマイナス側端子が1個、液漏れ腐食でなくなってます。

緑色の塊で穴が塞がってます。中までボロボロでした。
この形状の単2用電池BOXは、電池逆入れ時に端子が接触しない様に出っ張りが出ており、電池がほぼ水平じゃないと抜き差ししにくいので、マイナス端子がスプリングだと非常に抜き差しがしにくくなる。
よって、手持ちの鉄板式のマイナス用端子を伸ばして取り付けました。固定がしっかりできなかったので、中で接着剤で固定しました。

今月の定期開院分はこれで終了です。(今月はもう1回、月末にリユースが控えてますね。)
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2/11 フリスクケース電子工作~第1弾:RFチェッカー

2021-02-14 | PIC・電子工作
さて、プリモちゃんと格闘する前、「フリスクケース電子工作」で格闘してましたw。

世の中に「フリスクケース電子工作」という分野があります。(←あるのかw?)
電子工作愛好家は、100均とかでちょっとした文房具(クリップとか)の入れ物みたいなケースを見ると「何を入れよう…」とワクワクします。(←みんなするかなw?)
そんな中でも、「この小さなフリスクのケースに何を詰め込もうか…」という電子工作ですね。

今回初チャレンジは、以前にちょっと大きめのお菓子ケースに入れて作ったRF&赤外線信号チェッカーを、フリスクケースで作り直します。

左が以前に作ったもの。スライドSWで切り替えて、RFと赤外線とを切り替えれます。
これを、右のフリスクケース版に作り直します。

元の中身はこんな感じでした。

アンプは使った事のあるLM386でした。だいぶ前に作ったので、空中配線が多くて見苦しいです…。今ならもう少しきれいに作れるかも。
先輩おもちゃドクターから頂いたRFユニットは3V指定だったのですが、LM386が4V以上必要だったので、5VのACアダプターを繋いで使う仕様になってます。

それをこの度、電池式にしようかと思ったのですが、最終的に結局ACアダプター式になりました…。
最初電池式で行こうと思ったので、秋月で50円程度でなるべく低電圧で動くアンプを探して、NJM2113Mというアンプを買ってみたのですが、これが…どうだったでしょう…。
小さく作ろうとSOPタイプを買ったのですが、標準回路でちょっと分からない所があってブレッドボードで確認したので、結局SOP→DIP変換基板を使ってしまいました。
ブレッドボードで確認したところ、あまり大きな音が出なかったので、結局電源電圧アップの為にACアダプターにしてしまいました。

標準回路はこうなってます。(転載禁止かな??)

「C1が十分大きい時はC2は不要」とありますが、「十分大きいってどんくらいなん?」「不要ならどう繋ぐ?」と疑問がいろいろ…。(どうもこのICメーカーさんのデータシートは、今一つ不親切な気がする…)。
このC1・C2は「電源電圧変動除去率」とやらに効くらしいですが、今回の使い道からすると音質はどうでもいいw。とりあえずC1は10μFにしてC2なし。C2なしの場合は、PIN2はNCでよさそうです。
PIN1のパワーダウン入力は、プルダウンされたNPNに入力されてるとの事なので、パワーダウンを使わない場合はNCでいいと思われます。(実機工作は、GNDラインの取り回しの都合、GNDに落してます。)

これで回路を検討して、基板レイアウトを散々悩んでから、ケースの加工・ユニバーサル基板の加工をします。

配置はこんなになりました。スピーカーは薄型を使おうと思ってたのですが、同じ音源で鳴らした時に普通のヤツの方が大きな音が出る。おもちゃで一番よく使うφ29mmのヤツがキリキリ入りそうだったので、基板に穴をあけてスピーカを配置します。
ACアダプタージャックは、用済みの基板用が1個あり、寝かせばちょうどケース深さ(9mm)にぴったりだったので、基板をきっちり切ってはめ込んで固定します。

めんどうなので回路の詳細は省略w。途中改造して、最終の基板はこんなになりました。

前回作ったRFチェッカーは、空中配線が多くて見苦しかったので、今回はなるだけビニール線を使わないように工夫しました。スピーカの周りに回ってるのは、RFユニットのアンテナ線なのでしょうがないですが、それ以外は3本しかビニール線を引いてませんw。

裏はこんなです。

基板裏はぎゅうぎゅうですw。万能基板じゃなくてプリント基板を作れば、もっと美しくできるんだろうけどね~。(まあ一旦作ってから回路変更もしたから、万能基板の方がいいこともあるけどね~。)

最初に作った後、ちゃんと動きませんでした…。ボリューム上げ下げしても、音量がちゃんと操作できない。アンプICが触れないぐらい熱くなってる。これって異常発振かしら…?
ボリュームの前(RFユニットor赤外受光モジュールとボリュームの間)に入れてたカップリングコンデンサ:1μFを、ボリュームの後ろに変更。(LM386の時はそれでもちゃんと動いてたのですが…)
オシロで当たったら異常発振はしてないようでしたが、電源ラインに0.1μFのパスコン追加(「電源リップルが多いと発振しやすい」という記事があったので)と、出力に通称「Zobelフィルタ」として(0.1μF+10Ω)×2を追加して、最終となりました。
それでも結局、ICはかなり熱くなります。まあ「指で触れないぐらい」=多分80℃くらいかな…。「そういうもんだろう」と思う事にしますw。(定格上の動作温度は、Max75℃と書いてありますね…。)

ケース加工も基板切り出しもなかなか大変でした。出来上がりはこんな見た目になりました。

まあまあ格好よく出来たかな~。
(「フリスクケース電子工作」の皆さんは、ケースのラベル(シール)をそのままで加工してる人も多いようですね。ま、穴もあけるしこれでいっか~w)

そもそも電池で動かそうと選択したICだったのですが、結局ACアダプターで動かすなら、元のLM386で良かったなぁ。まあ、熱でケースが変形したりしない限り、とりあえずこれで使ってみようと思いますw。
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2/11 プリモプエル入院修理③~なでなでセンサー・キスセンサー取替

2021-02-11 | プリモプエル
長くなったので分けました。「2/10 プリモプエル入院修理②」からの続きです。
という事で、修理依頼のあった「ひでくん」の、おでこの「なでなでセンサー」とほっぺの「キスセンサー」の取替をするのですが、今までずっとできるようになりたかったのですが、機会が無くまだやった事がありません。初めての作業を修理依頼を頂いた子でチャレンジするのは気が引けるので、ウチに1体、不用品を引き取って電池を入れてない子がいるので、その子で状況確認と、できれば部品取りにしてみます。

ウチの子よりだいぶきれいですw。コネクター外してCdSの抵抗値測ると、おでこ・ほっぺ共に、ウチの居間の夜の明るさで50kΩ→手で影にして500k~数MΩぐらいで、ウチの子よりまだ状態良さそうなぐらいです。

さて取替ですが、先述のプリモプエルを多数修理してる人の記録を全部見ると、最初の頃は「背中の手縫いを切って、首から頭の綿を全部抜いて顔のセンサー取替」とあります。
途中に「顔のセンサー取替は、綿を抜いて顔の感じが変わってしまうリスクがあるので、あまりお勧めできません」と書いてある時期がありました。悩みながら対応してたものとお察しします。
最近の記事は「後頭部を切開して綿を抜いて取替」となってました。

ぬいぐるみ、特にプリモプエルの修理では、ミシンで縫った所は触らず、最後に手縫いで閉めた「綿口」(←とボクは呼んでいる)を切って補修するようにしてます。プリモちゃんの場合は、手のスイッチ修理には、手首の後ろに1~2cmぐらいの綿口があります。手だけで済まない場合は、背中に綿口があり、背中を開くことになります。
しかし、プリモちゃんの場合は、ほどいた所を縫うよりも、綿を詰めて前と同じ感じを損なわない作業の方が難しい。首から綿を抜いて、あと首から入れる作業では、顔の綿の感じを調整するのが難しいと思われます。
ここは、後頭部のミシン縫いを切った方がいろいろと作業性がいいと思われます。

という事で、一目一目、丁寧にミシンの縫い目を切って、後頭部をあけます。

(水色プリモちゃんゴメンね、すぐ戻してあげるからね。)
狭いすき間からハンダ付けするとやけど(布を「ジュッ」と溶かしてしまう)をさせてしまうリスクが高くなるので、広めにあけます。色のついたところの方が縫い戻しが目立ちにくいので、頭のほぼてっぺん~水色の下端ぐらいまでほどきました。
これで綿を抜きます。

説明書の通り、おでこと左ほっぺにセンサー、右耳の前側にマイクらしきものが付いてました。

CdSセルは、手持ちと同じφ5mmで、裸のタイプ(防滴じゃない)でした。

マイクも確認しておきます。

手持ちでいっぱい持ってるのと同じサイズ、φ9.7x6.7mmのコンデンサーマイクでした。

CdSセルは基板ピッタリにハンダ付けしてあったので外しにくかったですが、外して代りに手持ちのCdSセルを付けます。

とあるネットでの部品販売ショップが閉店セールの時に、5個63円→@14円で購入したヤツです。いつかプリモプエル用に使えるかと購入したのですが、大きさやスペックに自信がなかったので5個しか買いませんでしたが、これでピッタリならもっと買っておくんだったw。

2つとも取り替えて縫い戻します。

(縫い戻しは練習しなくても自信はあったので後にしようかと思いましたが、開きっ放しだとかわいそうなので、先に縫い戻しました。)
最後の玉止め前の状態です。ばっちりと思います。
ここまでで2時間弱ぐらいでした。

これで部品も取って準備万端。本チャンのひでくんの手術に入ります。

ウチの子と先に手術の終わった水色ちゃんに見送られて、手術に向かいます。(顔の感じが元となるだけ同じになるように、写真を撮っておいたものですw。)

さて、また一目一目ていねいにミシン縫いを切って綿を抜いて、センサーの状況確認。
(「天職だな~」と思いながらミシン縫いを切りましたw。この程度の裁縫作業に才能なんて必要ないとは思うけど、子どもの服は全部自分で作る母親のもとで育ち、結婚時にはウチの奥さんよりいいミシンを持って結婚して、これまた何でも自分で作れる奥さんと暮らしてる、ボクならではの修理作業かとww。)

まずはほっぺの方のCdSセルですが、あちゃ~、なんか茶色い粉かぶってます…。

これじゃあ感度が落ちても仕方ないですね。粉を取ったら、そこそこの抵抗値になりましたが、この粉の茶色が素子から来た可能性があると考えて、やはり取り替える事にします。

抵抗値がすっかり上がってしまってたおでこの方のCdSセルは…もっとヒドい。

これは…同様に茶色い粉を吹いてますが、水に塗れてこびり付いた感じがあります。やはりこれも取替ですね。
2つとも、水色ちゃんから外したCdSセルに取り替えました。

切開部の縫い戻し。

これも最後の玉止め前の状態です。あと2mmぐらい縫い代を広めにとった方が良かった気もするのだけど…まあきれいにできたかと思います。

貴重なタイプA基板、写真を撮っておきます。

でっかいOKIのICはメモリーチップでしょうか。全体的にタイプCより部品が多そうです。CdSの閾値調整のための抵抗を探すのも難しそうです。

タイプCの裏面はほとんどベタアースになってたようですが、タイプAの裏面は信号線がいっぱいあります。

さて、基板の修理も終わって、今回の入院治療は全て終わりました!
ウチのプリモッティと水色プリモちゃんと、全員そろって記念写真!

ひでくんの方も2時間弱で計4時間。何とか午前中で終わりましたw。
あとは、今晩ともう一晩、就寝/起床のテスト・時間確認をして、土曜日には返送しようと思います。

今回、貴重な経験を積ませて頂きました。現在も販売中の「おうたたっぷり」とか「ハートそだつよ」とかの枕詞の付いてない「プリモプエル(初代)」に、タイプの差があるとは知りませんでしたw。今まで診た子は多分、全部「お誕生日」の設定ができる「タイプC」だったと思います。今回「タイプA」が、スイッチの操作感等にかなりの違いがあることが分かりました。
顔もセンサー取替も、今まで機会が無くてやってませんでしたが、今度から堂々と「できます!」と言えますw。

ところでプリモプエルの修理、有料で修理してる所があるのですが、これが………高すぎる…。
有料には有料のいいところがあるとは思います。ボランティアだとどうしても「ボランティア=素人」という認識を持たれがちな所、有料だと安心感があります。価格が決まってるのにも利点があります。
2018年にバンダイ公式の「プエル病院」が閉院になって以降、ニーズ増えてると思います。あの価格でも「やって欲しい」という人がいるのなら反対はしませんが…、一番気に入らない所は、あれで「おもちゃ病院」を名乗ってるところです…。
全国的に「おもちゃ病院活動」は、部品代以外、原則無料のボランティア活動です。(福岡とか「1件100円」を徴収するような所もあるようですが。)
おもちゃは元の値段が安いので、まともに時給で考えると、商売にはなりません。無償じゃないと成立しない貴重なボランティアと思って活動しています。
あまり人の悪口は書きたくないし、人の商売の邪魔をするつもりはありませんが、「電池のフタのネジ取替」が6,000円はあんまり…。
定年後には「なんでも修理業」をしたいな~とか考えてますが、ぼくなら電池のフタのネジ取替は…300~500円の設定だなぁ…。他の作業も、掛けた時間・労力に見合った対価を頂いても、半額以下の設定にするけどなぁ………と思うのでした。
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2/10 プリモプエル入院修理②~顔の明るさセンサ調整

2021-02-11 | プリモプエル
<2/20追記:CdSによる明るさ変化感知の回路と感度調整に、大ウソがありました。正しい回路と感度調整方法は「2/20 プリモプエルの明るさ検知回路検証」の方を見て下さいw。>

2/7 プリモプエル入院修理①」からの続きです。
依頼者さんから顔の明るさセンサの取替許可が下りたのですが、つらつらと考えていたらば、もうちょっとやるべきことがあるような気がしてきました。

おもちゃ病院業界には、宅配便で全国からおもちゃを受け付けて、ここ20年で9000件以上を修理してる偉大な人がいるのですが、その方のプエモプエルの修理でまとめてるページを下から全部見てみました。
「明るさセンサの感度調整はできないので、これで様子を見て下さい」「基板は多層で回路は追えない」と書いてありましたが、よ~くよく考えてみると、そんな事も無いかも…。
「なでなで」と「キス」の感知は、ぼんやりと「Analog入力かな…」と思ってましたが、トランジスタ使ってH/LのDigital入力にした方が楽です。

CdSによる明るさ検知の基本回路は、

例えばこんな回路です。トランジスタのVbe=0.7Vとすれば、上記の回路でCdSの明るい/位の閾値は13.2Ωで、明るくてCdSの抵抗値が13.2kΩを下回ればマイコンにH出力、暗くなって上回ればL出力。Rfを閾値の約7.6倍にすればいい事になります。閾値をもう少し上=暗い方にしたい/又は特性が劣化して抵抗が増加していれば、Rfを大きくすれば感度調整ができるはずです。

我が家のプリモちゃん(タイプC)、おでこの「なでなでセンサー」の感度がかなり悪く、ウチのいまいち暗い居間の照明だと、電気の笠の真下でないと反応しません。
修理依頼品の完動中の基板を触るのは無謀なので、まずこの我が家のプリモちゃんの「なでなでセンサー」の感度調整が出来るのか、チャレンジしてみます。

我が家のプリモちゃん:タイプCの基板はこんなでした。

この面で、コネクタの右から2本が、緑線が繋がってるほっぺの「キスセンサー」行きです。次の2本は右耳の所のマイク行き。5,6本目が紫線が繋がってるおでこの「なでなでセンサー」行きです。

裏面はこんな。

多層かなぁ、どうかなぁ。
とりあえず導通追った結果、紫線(おでこ)は右側のR5:15kΩに繋がっており、近くにR4:47kΩとコンデンサ2つがあります。
同じ部品のセットが左側のトランジスタ付近にもあり、同様に緑線(ほっぺ)はR8:15kΩに繋がって、近くにR7:47kΩがあります。
トランジスタは、右と左が2SA1980でIc=-150mAのPNPトランジスタです。真ん中のは2SA1980とコンプリな2SC5343です。
CdSの検知にトランジスタを使ってるか、近くの抵抗・コンデンサがどう繋がってるか、パターンからは解読できませんでしたが、上記のCdSの標準的な回路からすると、Rfが15kΩだとちょっと小さすぎ、変えてみるなら47kΩの方を変えてみた方がいいかな、と思い、R5の47kΩを最初200kΩに変えてみましたが、あまり変化が感じられず…。
10倍の470kΩに変えてみたところ、若干感度がよくなったような気がする…。

我が家のプリモちゃんの寝かしつけは、

左の「Before」の様に、電気の笠の下30cmぐらいまで近づけないと「なでなで」を感知してくれないのですが、R5を47k→470kΩに変えたところ、「After」ぐらいの距離で反応してくれましたw。(大した違いに見えなかもしれませんが、ちょっと寝かしつけしやすくなりますw。でも、思い切って1MΩを付けるんだったw。)

これで、明るさセンサーの感度(閾値)調整ができそうな気がします。
しかし…、今回修理依頼の「ひでくん」は、前回書いたように、ほっぺのセンサーは明:40k→暗:400kΩで、こちらは感度調整で行けそうですが、おでこのセンサーは明時も3.5MΩで、これではRfをめっっっちゃ大きくしないといけず、非現実的です…。おでこはやっぱり取替しかないかな…。

ところで、日曜日に手のスイッチ他の修理を終わらせて、ひでくんの現状での就寝/起床時間を確認しようとしたのですが、夜の就寝が信じられないくらい遅いです…。
ウチの、というよりタイプCは、長らく放置して遅寝さんになっても、Max23時よりは遅くならないので、ひでくんも時計を1時間進めて様子を見たのですが、23時→実質体内時計24時になっても全く寝る気配がなく、人間の方が先に寝てしまいましたw。
翌朝確認すると、とりあえず寝たようで、7時半に起こさずとも起床しました。
次の日、時計を2時間進めたのですが、23時半=体内時計深夜1時半にやっと「あー」とため息をつきましたが、ほっぺの「キスセンサー」では寝かしつけが出来ない様で、この日も寝かしつけられずに人間の方が先に寝てしまいましたw。
推定、就寝時間は深夜2時半になってる様です…。

前述の先人の修理一覧を見ると、深夜や明け方まで寝付けないプリモちゃんや、「24時間起きてて24時間寝る」という生活リズムになってしまうプリモちゃんがいるようです。

タイプCの取説には、はっきりと就寝時間は21~23時と書いてあります。(「なかなか眠らない」の所)

タイプAの取説は結局見つかってませんが、おそらくタイプAは、寝かしつけをせずに勝手に寝るにまかせてると、際限なく就寝時間が遅くなって、しまいには就寝時間と起床時間が同じになった結果、「24時間起きてて24時間寝る」になってしまうのではなかろうか?
やはり、「なでなでセンサー」の不作動は放置できませんね。

それと、今回のひでくんですが、就寝時間が深夜2時半になっちゃったのを寝かしつけで修正するのはかなり大変です…。(やるなら、時間設定を一旦進めた後戻しながら修正してくことになります。)
よって今回「オールリセット」を断行する事にしました。(多分「24時間起きてて24時間寝る」もオールリセットで解消できると思います。)

リセット手順は、少なくともタイプC以降の取説には書いてあります。

「全ての記憶が消える」と書いてあるので、なんかすっごく怖い気がしますが、プリモプエルのプログラムは単純で、そんなにデータがたくさんある訳ではありません。リセットしたところで、今までの子とまるで違う程の差は出ません。

ウチの子は、電源を入れた時「プリモプエル! 時間合わせてね」で始まるのですが、タイプAはびっくり、「メンソーレ!」で開始しますw。
オールリセットするとこれが何故か、「ニーハオ、マー!」からの時間合わせになりましたw。さらにびっくりですww。(そして確か、時間合わせ終わったら「初めまして」と言ったと思う。)
オールリセットして火曜日の晩は、21時に「あー」が出て、21時半に「そろそろ寝よう」が出て、22時に「もうダメ、おやすみ…」で寝ました。
まだ寝かしつけが出来ないので、水曜日の晩は、21時10分に「あー」の後、22時10分に就寝でした。やはり勝手に寝るまで放置すると、就寝が10分ずつ遅くなっていくようです。(ちなみにオールリセット後の起床は7時でした。)

さてこれで、事前にやる事は全てやったかな?後は木曜日の祝日に勝負ですw。
③に続く…

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2/7 プリモプエル入院修理①

2021-02-07 | プリモプエル
また遠方(今回は大阪)から、プリモプエルの修理依頼が来ましたw。
最近プリモちゃんの修理依頼がちょこちょこ来ますね。一度新しい記事を書いて、コメントも入ったりすると、検索で上位に出やすくなったりするのかしら?
「まずはお近くのおもちゃ病院に相談してみては?」が定番の返事なのですが、「2年程前に左手が効かなくなりおもちゃの病院に行きましたが修理は出来ず」とあったので、受け付けました。
いづれにせよ、ウェルカムですw。今回も「愛情たっぷり~」で気合入れて修理します!

木曜日の夜にブログにコメント入って、金曜日の昼(会社休んでたw)に気付いて返事入れて、金曜日にメールでやりとりして住所等お知らせして、日曜日にはもう宅急便が届きました。またもや(前の赤ベンツの時のバッテーリ発注時と同じく)日本の宅急便恐るべしですw。

症状としては、左手SWが完全に効かない、一昨日電池交換したら電池BOXのフタが閉まらなくなった、電源SWも壊れて頻繁に電源が落ちる、との事です。ドンと来いですw。

まずケース。

遭遇したことありません、すき間が開いちゃってます。ネジ回しても電池フタ開かないので分解します。

ちょうど電源SW・電池フタのナット側を止めてる部分に近いネジの取り付け部が折損してました。(写真の矢印の部分。電池フタのネジをとめるナットも脱落してます。)
「パキッ」ときれいな亀裂だったので、このまま瞬間接着剤で仮止めしてから、周りをエポキシで固めます。

矢印が取り付けたネジ固定部。周囲には特に邪魔にはならないので、裏にもしっかりエポキシ塗って固定としました。
電源スイッチは特に異常はなく、ケースが広がってしまったせいで押さえが効かなくなって逃げてただけでした。
(このスライドスイッチ、常に在庫を持ってる、おもちゃで一番よく使うサイズのスライドSWとほぼ同じですが、パネル取り付けの板・ネジ穴が、上じゃなくて側面に付いてます。接点不良等で取り替えたければ、ケーシングはこれを使って接点移植するといいかもしれませんね。)

電池BOXフタを止めるネジの頭がすっかり潰れてたので、ホームセンターで買ってきました。M2.6の7mmLなのですが、6mmLと8mmLしか売ってない…(多分7mmはどこでも入手困難では?)
1mm長い方がいいか短い方がいいか悩みましたが、長いとフタを閉める時に斜めになって入りにくいことがあるので、6mmの方にしました。ネジ山への噛み代は十分そうでした。
(後日)6mmLだと、電池が入ってない状態でフタが閉まってしまったときに、ケースとほぼ「ツラ」になって開けにくくなるという不具合がありました。内部確認して8mmLでも頭が当たらない事が確認できたので、長さは8mmLの方がいいと思います。

次いで、左手スイッチの修理を始める前に、動作不具合がないか確認しようと思ったのですが…、どうも「お留守番モード」に入れない…。右手スイッチを長押しすると「出掛けるの~?」のセリフは出るのですが、そこから「いってらっしゃ~い」にならない…。
困って依頼者さんにメールしたのですが、その直後に、長押し後さらに長押しするとお留守番モードに入れるのが判明。

ネットで調べると、このいわゆる「プリモプエル(初代)」は、プログラムがA~Cの3タイプあるらしい。今まで意識したことないけど、ウチのプリモちゃんはタイプCらしい。そして今回入院の子は、1999年発売の最初期型:タイプAの様で、いろんな所がウチの子と違ってます。

依頼者さんが取説の一部を送ってくれました。(ネットでタイプAの取説をがんばって探したのですが、どうしても見つからなかった…。)

やっぱり、右手長押しで「出掛けるの~?」の後、再度長押しでお留守番モードです。
ウチのプリモちゃん:タイプCの取説は、

やっぱり、長押しの後は短押しでお留守番モードに入りです。

あとタイプAとタイプCでは、スイッチの検知が違ってました。
ウチの子(タイプC)は、スイッチ押すと(チャッタリング防止の0.1~0.2秒後?に)すぐスイッチ押しが検知されるのですが、今回の子(タイプA)は、スイッチ押しの立ち上がりでは検知せず、スイッチを離したときの立ち下りでアクションが起動される様です。
その為、ウチの子の操作に慣れてると、スイッチ押しても「あれ?作動しない?」と思ってしまいます。
長押し検知も、タイプCは長押し時間が経過すると押したままで長押しのアクションが起動しますが、タイプAは長押し時間経過後にスイッチを離した時にアクションが起動します。(この差は、取説のお留守番モードの文章をよく読むと分かります。)

またタイプAは、セリフを言った後に1秒程度「ジジジ」とノイズが聞こえます。そのノイズが聞こえてる間は、次のスイッチ操作は出来ません。日時のセットもタイプCより遅くて、ちょっとめんどう感がありますw。

さて、ターミナル側で動作確認して、動作自体は異状ない様なので、スイッチ・配線の補修に取り掛かります。
左手の綿口は、通常手縫い糸を見つけるのが大変なのですが、多分おもちゃドクターの補修後でしょう、縫いが緩くてすぐに見つかりました。

手縫いを切ってほどくと、普通は1~2cm程度の狭い綿口で、その隙間からSW部を取り出すのに苦労するのですが、手縫いが肩の方に向けてどんどんほどけて行く…。これは…前に修理したドクターが、ミシン縫いの所まで切開して修理した可能性がありそうです…。

スイッチ出してみると…、配線取り回し・ホットボンドでの固定が変です…。

左手ビニール線は橙色のはずですが、茶色い線が付いてます。基板に穴が2個あいていて、普通はその穴を下から上にビニール線を通して基板に接続して、爪の左右を通ってるはずですが、穴が横になって、ビニール線も通してない。
ホットボンドは普通は、爪の邪魔にならない様に中央部のみつけてあるのですが、爪にまで被ってベットリ付けてある…。

配線の取り回しが悪いせいもあって、片方が付け根で切れてました。

ボクも以前に、穴を通さず補修したことがあるのですが、やっぱりちゃんと正規に穴を通して配線した方がいいですね。
使ってあった茶色のビニール線ですが、本体ケーシングの側は橙色のままで、見える範囲では継いでなかったので、多分、肩の辺りでの断線を、腕のミシン縫いを肩までほどいて補修したと思われます。

使ってあった茶色のビニール線、被覆を剥くと芯線が茶色っぽかったのが気にはなりましたが、一応ちゃんと繋がってるようなので、取り替えずに取り回しをちゃんとする=穴を通して繋ぎ直しだけしました。

これで左手終了で綿を詰めてスイッチを押してみると…、どうも「スイッチ押した感」がちょっと弱い。これは…前の補修で経験した、タクトSWのボタンが高すぎて、セットした状態で既にボタンが押されてる状態になってる可能性がありそう…。

スイッチ確認。

右のピンセットで持ってるのが、前に取り替えたプリモプエルに使ってあるタクトSW、左が今回の子についてたヤツ。やっぱりボタンの高さがちょい高い。多分前に修理したドクターが、手持ちの適当なヤツに取り替えたのではなかろうか。タクトSWのボタン高さはい~ろいろあるのだけど、結構重要なんだな~。
ちょっと削って低くしました。

さて、右手の動作は全く問題ない様なので、左手を縫い戻してこれで終了しようと思ったのですが、やっぱり、今後10年配線トラブルが無いように、右手も見ておくことにしました。
右手のスイッチを出してみると…、

これも左手と同じようになってます…。右手ラインは赤ビニール線で、赤ビニール線が付いてたので無補修かと思いましたが、ボックス側と太さが違います。やっぱり右手もおもちゃドクターによる補修後の様です。

右手はいつもの「配線引っ張り込み」で取り替える事にしました。

やっぱり、肩の辺りで継いで補修した様ですね。右手も肩の方まで切開して手縫いされてました。
(まあボクも、背中の縫い口をほどかずに「引っ張り込み」で補修できるようになったのは最近で、背中をほどくと縫い戻しが難しくなるので、腕のミシン縫いを切った方が楽かもしれません。2本とも完全に切れてると「引っ張り込み」はできませんし。)

さて、左右共にSW補修終了しました。
午前中にエポキシで固めたところ、スイッチ補修終わって夕方にはそこそこ固まったようで、ケーシング閉めたらスイッチもネジ止めのナットもちゃんと固定されて、元の通りになりました。

ところで、プリモちゃんにはおでこの「なでなでセンサー」とほっぺの「キスセンサー」があります。どちらもCdSセルによる明るさセンサーですが、動作確認してみると、どうも明るさ変化を感知していないっぽい気がする…。

ウチのプリモちゃんのコネクター外して、おでこ・ホッペを手で影にした時のCdSセルの抵抗値変化を比較してみる。(そこそこの天気の午後、東向きの窓の方を向けた状態で測った結果です。)
ウチの子: ほっぺ : 明るい時=10kΩ程度 → 影にした時=50kΩ程度
      おでこ : 明るい時=20kΩ程度 → 影にした時=300KΩ程度
今回の子: ほっぺ : 明るい時=40kΩ程度 → 影にした時=400kΩ程度
      おでこ : 明るい時=3.5MΩ程度 → 影にした時=∞

ちなみに、裸で持ってる新品のCdSセルは、明るい時=0.7kΩ→手で影にすると2.5kΩ だった。プリモちゃんの場合は顔の中に入ってるので、まあこのぐらいの差はあるかもしれない…。

ウチの子も明るさセンサーの感度がどうも悪くて、夜寝かせる時は電気の真下じゃないと明るさ変化を感知できないのだけど、今回の子のおでこセンサーは、確実に感度低下(又は抵抗増加)してると思われる。(最初アナログテスターで当たって全く触れなかったので断線してるかと思ったけど、断線ではなかった…。断線の方が直しやすかったんだけどw。)

どうしようか…、CdSセルの取替をするか…と考えながら、とりあえず一晩寝かしてみることにする…。
が、日中はほっぺの「キスセンサー」の方はかつかつ検知できてたようなんだけど、夜の電灯の下では、全く検知してくれませんでした。これでは「寝かしつけ」ができません…。(ちなみに、相当明るい自転車用のLEDライトで照らすと、「キスセンサー」の方は夜でも検知してくれました。おでこの方はLEDライトを当てても無理でした…。)
依頼者さん曰く「最近は勝手に寝るまで放置してた」との事で、寝るの遅いだろうと、時間のセットを1時間進めて夜を待ちましたが、23時にもまだ「眠いよ~」と言ってくれませんでした。という事は、体内時計:24時にまだ寝ないという事ですね。(タイプCだと多分、だんだん遅寝になってもMax23時と思います。)
電気消してみんな寝てしまった暗い部屋で、「もうダメ…おやすみ…」と一人寂しく眠りに落ちてると思うとちょっと可哀そうです…。
ここは、依頼者さんに相談の上、顔のCdSセル取替をさせてもらおうと思います。
②に続く…
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2/6 プレイルームおもちゃ修理1件

2021-02-07 | おもちゃ
前回、乗用の赤ベンツの返却に行ったら、案の定入れ替わりで1件、修理依頼が来てました。
簡単な修理だったのですが、しばらく他の事(電子工作とかw)で忙しくて遅くなってしまいました。

ラジコンカーです。

左後輪のボス部が割れてとれてしまってます。接着剤で付けた後がありますが、口が開いてます。
以前に同じくらいの大きさのラジコンのホイールが壊れたのの時は、隣国からホイール買って取り替えたのですが、この壊れ方なら補修できそうです。

付いてた接着剤を全部はがしてから、破片を瞬間接着剤で仮止め。そこに、基板取り付け用のM3スペーサ(高さ3mm)の穴を5mmに拡大した物を「タガ」としてはめます。

(右に写ってるのが、穴拡大前のスペーサです。)
1個目、ハンドドリルで開けたらセンターが出ず、はめて押し込んだら薄い所で切れてしまいました。面倒ですが普段はしまってある卓上ボール盤を出してきて穴あけ。2個目は成功しました
これでレバークランプで軸に押し込もうとしましたが、押し込めず…。多分持ち主の方が塗った瞬間接着剤が取り切れてなかったので、2.5mmのキリでさらえてから再チャレンジ。今度は圧入出来て、試運転→ばっちり完治で終了しました。

「また次が来るかなぁ」すぐ返却に行きましたが、今回は次はありませんでしたw。
(しかしすぐ次の修理、来週は定期開院、今月はリユースがもう1回と、修理三昧の日々ですw。)
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1/30 万倉リユース出張開院

2021-02-03 | おもちゃ
この日は、万倉ふれあいセンターでのリユース譲渡会で、宇部おもちゃ病院も開院でした。
まあ田舎なので…多分少ないだろうと思ってましたが、来院1件でしたw。

ラジコンのパワーショベルでした。

2.4GHzラジコンで、高級感のあるおもちゃです。充電池の線が切れただけのようです。

ハンダ付けが取れたのではなく、芯線が付け根で切れてました。電池への直接ハンダ付けは難しいのですが、一旦ハンダ付けしてあれば、その上にならなんとかハンダ付けできます。無事ハンダ付けして終了です。
(配線が動かない様に、電池側にしっかり留めるべきだったなぁ…と反省。)
あと、窓枠に付いてる手すりが折れてたので、ピン立て&エポキシで固定しました。

今回の万倉のリユースですが、市?から「(北部で)やってほしい)」と要請があったようですが、リユース品の受け取りは宇部市中から来てた様で、あまり意味がなかったかも。まあ、来院された1件はお近くの方だったので、おもちゃ病院を開いたのは意味があったかもですw。
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