ハートたっぷり「恵ちゃん」の修理のみでの入院です。
顔がかなり汚れてますが…、だいぶ平たくなってる気がします。(元々ハートたっぷりは、初代プリモよりのっぺりしてますが。)
依頼内容は、両手・しっぽと、「おはなしセンサー(右耳のマイク)」もダメとの事。顔があまりつぶれてると、中の配線にダメージが掛かってるかもしれません。
もう一つ修理依頼で、「電池4本中の2本の消耗が激しく、残りの2本は減りが少ない(バッテーリーチェッカーで確認している)。電池の寿命は2か月程度」とのメールでしたが…。
「4本の内2本だけが先に減るのは、理論上あり得ない。4本が直列なので、開始時の電池の状態・性能が同じなら、4本均一に減っていく」と書いて、いつもの電池に関するコメントを書いたのですが、ハートたっぷりは電池BOXが「引き出し」タイプで、引き出しの裏側でプラス~マイナスで渡り線が繋がってるので、端子や配線で短絡があって、4本中の2本が並列になってたりしたら…と、到着前に考えてみた。
この図で、赤×のところで渡り線が切れて、プラス端子とマイナス端子の両方が短絡したら、4本中の2本が並列になるけど…、誰かが故意にこう繋ぐのでなければ、偶発的短絡でたまたまこうはならないだろうなぁ…。
で、到着してまずここを確認。
以前の「引き出し部」の修理時の写真から究明して、「引き出し部」の中の配線はこうなっている。
到着した電池BOXをテスターで当たると、この通りの配線になってると思われる。電池を入れて電圧を測ると、外端子にちゃんと6V出ている(新品と思われるEVOLTAが入ってて、実際は6.4V)。分解跡は特に見られない。
B1、B2…と電圧を当たっていくと、ちゃんと1.6V、3.2V、4.8V、6.4Vとなっており、4本ちゃんと直列に繋がって、意図しない短絡もない…。
「消耗が早い所は一定で、ちゃんとメモしている」との事で、上図のB1とB2の減りが早いとの事だが、回路に不具合は無いし、回路通りであれば起こりえない…。
これだと分解してもきっと何もないのだけど、例えば端子短絡でプラマイが時々ショートして、電池が時々急激に消耗する、なんてことは考えられないだろうか…と、分解して確認しておく事にした。しかし…
やっぱりどうもないですね…。端子の裏側は、配線取付の凸部でっぱりがセンターに無く、故意にズラしてあるようで、端子同士が接触する可能性はなさそう。(ボクが取り換えるときは、センターに配線取付が出てる端子を使うので、短絡対策は取らないといけませんね…。)
配線にも、被覆が痛んで短絡するような損傷は見られません…。
この「引き出し部」にトラブル無し、これだとやはり「4本中の2本だけ消耗が激しい」なんて事は、「理論的には起こりえません」という結論になりますね…。
「電池寿命が2か月」というのも少し短い気もするので、とりあえず寿命に効くかと、電源スイッチは取り換えてみた。その後、電流を測っておいた。しゃべってない時が3.2mAでした。どうなんでしょう…ちょっと高い気がする…。これだともって2か月程度な感じがする…。
お出かけモードにしたら省電力と思ってたのですが、やはり3.2mAのままでした。これもどうなんでしょう…。
とりあえず、どこも悪いところが見つからないものは、これ以上直しようがない…。他のスイッチ類の修理に移ります。
事前のコネクタからの測定では、両手・しっぽ全部×に加え、おでこセンサーが切れてるっぽい。やはり頭部内の配線にダメージがあるかしら…。マイクは導通があるっぽい。まず左手から。
ハートたっぷり標準の改悪された片面基板で、補修跡は特になし。
後期おうたたっぷり等で使われてる「半透明基材の片面基板」を、以前「最悪」と呼んでいましたが、このハートたっぷり基板のほうがタチが悪い気がしてきました…。
配線固定に、(あまり役に立たないのに)おもちゃでよく使われてる茶色い接着剤が塗ってあって、基盤が汚い…。電動ハンダ吸い取り機に接着剤を吸い込むのがイヤなので、スッポンで吸い取る。
左右のパターンの間が狭く、以前絶縁不良でスイッチがちゃんと作動しなかった疑いがある事があった…。
配線を通す様か穴があけてあるけど、位置が悪いから全く使えない…。
袋に入れられてるので、ほどいたり縫い戻したりも手間がかかる…。まあ仕方ない、やってくしかないw。次、右手。
これも同じ基板で、補修跡もなし。続いてしっぽ。
しっぽは明らかに断線してました。
続いて頭部の明るさセンサー2つ。
おでこ(橙線の方)、見た目には切れてなかったのですが、被覆内で断線してる様です。ほっぺ(灰色線の方)の配線は大丈夫っぽかったですが、ハートたっぷりは配線も細い(AWG28相当のペア線)ので、両方取り換える事にしました。
さて、問題の右耳のマイクですが…、結論は「シールド線の信号線とシールドのショート」でした…。まさかそんな事があるとは思いもよらず、苦労しました…。
ハートたっぷりの「マイク基板」はこんな状態です。
テスターで当たって断線はしてない様なのですが、音は拾えてないっぽい。コネクタ部に手持ちのマイクを繋げたらちゃんと音声認識してくれたので、やはりマイクが悪いと考えてマイクを取り替えてみたけど、良くならない…。
コネクタ側から導通測ると、ほぼゼロオーム。これはもしや、ダイオードがショートモードで壊れてる?と思って外して確認したけど、悪くなさそう…。
で、基板側も配線外して、コネクタ側から両端子の抵抗を当たったら…なんと、先に何も繋げてないのに抵抗ゼロ!これは…信号線とシールドが短絡してる?!配線取り換えるしかないですね。
使われてるシールド線は外径約1.8mm、そんな細いシールド線は持ってないので、φ5mmぐらいの手持ちのシールド線で取り替えました。
取り換えたシールド線をむいてみると、外被覆を剥ぐと信号線もちぎれて、信号線被覆がどこかで破れてるかどうか分かりませんでしたが、マイク近く側が怪しかったです。
これで、電池不均一消耗以外の故障はすべて直しましたが、ふとぬいぐるみを見ると、右肩に変な糸が出てました。そして、右肩が固定されてるようで、腕が上がりません…。
見た目も悪いので、ここの変な手縫いは全部切って、いったん腕を外してちゃんと縫い戻して、腕が動くように修正しておきました。
(右手を触るのに、手首の辺で切らずに腕の付け根の手縫いを切って、肩に縫い付けて仕戻しした様です。誰がなんでこんな補修するかねぇ…。)
大変でした…。「全身洗濯フルメンテ」の「洗濯無しバージョン」で、全身洗濯フルメンテと同じ手間がかかりました…。6時間ぐらいかかったなぁ…。
おでこ・ほっぺの明るさセンサーは、袋から出して顔に直付けしました。これで、洗濯せずともかなり感度が良くなったっぽいです。
電池の減りの件は解決しませんでしたが、これで退院とします。
顔がかなり汚れてますが…、だいぶ平たくなってる気がします。(元々ハートたっぷりは、初代プリモよりのっぺりしてますが。)
依頼内容は、両手・しっぽと、「おはなしセンサー(右耳のマイク)」もダメとの事。顔があまりつぶれてると、中の配線にダメージが掛かってるかもしれません。
もう一つ修理依頼で、「電池4本中の2本の消耗が激しく、残りの2本は減りが少ない(バッテーリーチェッカーで確認している)。電池の寿命は2か月程度」とのメールでしたが…。
「4本の内2本だけが先に減るのは、理論上あり得ない。4本が直列なので、開始時の電池の状態・性能が同じなら、4本均一に減っていく」と書いて、いつもの電池に関するコメントを書いたのですが、ハートたっぷりは電池BOXが「引き出し」タイプで、引き出しの裏側でプラス~マイナスで渡り線が繋がってるので、端子や配線で短絡があって、4本中の2本が並列になってたりしたら…と、到着前に考えてみた。
この図で、赤×のところで渡り線が切れて、プラス端子とマイナス端子の両方が短絡したら、4本中の2本が並列になるけど…、誰かが故意にこう繋ぐのでなければ、偶発的短絡でたまたまこうはならないだろうなぁ…。
で、到着してまずここを確認。
以前の「引き出し部」の修理時の写真から究明して、「引き出し部」の中の配線はこうなっている。
到着した電池BOXをテスターで当たると、この通りの配線になってると思われる。電池を入れて電圧を測ると、外端子にちゃんと6V出ている(新品と思われるEVOLTAが入ってて、実際は6.4V)。分解跡は特に見られない。
B1、B2…と電圧を当たっていくと、ちゃんと1.6V、3.2V、4.8V、6.4Vとなっており、4本ちゃんと直列に繋がって、意図しない短絡もない…。
「消耗が早い所は一定で、ちゃんとメモしている」との事で、上図のB1とB2の減りが早いとの事だが、回路に不具合は無いし、回路通りであれば起こりえない…。
これだと分解してもきっと何もないのだけど、例えば端子短絡でプラマイが時々ショートして、電池が時々急激に消耗する、なんてことは考えられないだろうか…と、分解して確認しておく事にした。しかし…
やっぱりどうもないですね…。端子の裏側は、配線取付の凸部でっぱりがセンターに無く、故意にズラしてあるようで、端子同士が接触する可能性はなさそう。(ボクが取り換えるときは、センターに配線取付が出てる端子を使うので、短絡対策は取らないといけませんね…。)
配線にも、被覆が痛んで短絡するような損傷は見られません…。
この「引き出し部」にトラブル無し、これだとやはり「4本中の2本だけ消耗が激しい」なんて事は、「理論的には起こりえません」という結論になりますね…。
「電池寿命が2か月」というのも少し短い気もするので、とりあえず寿命に効くかと、電源スイッチは取り換えてみた。その後、電流を測っておいた。しゃべってない時が3.2mAでした。どうなんでしょう…ちょっと高い気がする…。これだともって2か月程度な感じがする…。
お出かけモードにしたら省電力と思ってたのですが、やはり3.2mAのままでした。これもどうなんでしょう…。
とりあえず、どこも悪いところが見つからないものは、これ以上直しようがない…。他のスイッチ類の修理に移ります。
事前のコネクタからの測定では、両手・しっぽ全部×に加え、おでこセンサーが切れてるっぽい。やはり頭部内の配線にダメージがあるかしら…。マイクは導通があるっぽい。まず左手から。
ハートたっぷり標準の改悪された片面基板で、補修跡は特になし。
後期おうたたっぷり等で使われてる「半透明基材の片面基板」を、以前「最悪」と呼んでいましたが、このハートたっぷり基板のほうがタチが悪い気がしてきました…。
配線固定に、(あまり役に立たないのに)おもちゃでよく使われてる茶色い接着剤が塗ってあって、基盤が汚い…。電動ハンダ吸い取り機に接着剤を吸い込むのがイヤなので、スッポンで吸い取る。
左右のパターンの間が狭く、以前絶縁不良でスイッチがちゃんと作動しなかった疑いがある事があった…。
配線を通す様か穴があけてあるけど、位置が悪いから全く使えない…。
袋に入れられてるので、ほどいたり縫い戻したりも手間がかかる…。まあ仕方ない、やってくしかないw。次、右手。
これも同じ基板で、補修跡もなし。続いてしっぽ。
しっぽは明らかに断線してました。
続いて頭部の明るさセンサー2つ。
おでこ(橙線の方)、見た目には切れてなかったのですが、被覆内で断線してる様です。ほっぺ(灰色線の方)の配線は大丈夫っぽかったですが、ハートたっぷりは配線も細い(AWG28相当のペア線)ので、両方取り換える事にしました。
さて、問題の右耳のマイクですが…、結論は「シールド線の信号線とシールドのショート」でした…。まさかそんな事があるとは思いもよらず、苦労しました…。
ハートたっぷりの「マイク基板」はこんな状態です。
テスターで当たって断線はしてない様なのですが、音は拾えてないっぽい。コネクタ部に手持ちのマイクを繋げたらちゃんと音声認識してくれたので、やはりマイクが悪いと考えてマイクを取り替えてみたけど、良くならない…。
コネクタ側から導通測ると、ほぼゼロオーム。これはもしや、ダイオードがショートモードで壊れてる?と思って外して確認したけど、悪くなさそう…。
で、基板側も配線外して、コネクタ側から両端子の抵抗を当たったら…なんと、先に何も繋げてないのに抵抗ゼロ!これは…信号線とシールドが短絡してる?!配線取り換えるしかないですね。
使われてるシールド線は外径約1.8mm、そんな細いシールド線は持ってないので、φ5mmぐらいの手持ちのシールド線で取り替えました。
取り換えたシールド線をむいてみると、外被覆を剥ぐと信号線もちぎれて、信号線被覆がどこかで破れてるかどうか分かりませんでしたが、マイク近く側が怪しかったです。
これで、電池不均一消耗以外の故障はすべて直しましたが、ふとぬいぐるみを見ると、右肩に変な糸が出てました。そして、右肩が固定されてるようで、腕が上がりません…。
見た目も悪いので、ここの変な手縫いは全部切って、いったん腕を外してちゃんと縫い戻して、腕が動くように修正しておきました。
(右手を触るのに、手首の辺で切らずに腕の付け根の手縫いを切って、肩に縫い付けて仕戻しした様です。誰がなんでこんな補修するかねぇ…。)
大変でした…。「全身洗濯フルメンテ」の「洗濯無しバージョン」で、全身洗濯フルメンテと同じ手間がかかりました…。6時間ぐらいかかったなぁ…。
おでこ・ほっぺの明るさセンサーは、袋から出して顔に直付けしました。これで、洗濯せずともかなり感度が良くなったっぽいです。
電池の減りの件は解決しませんでしたが、これで退院とします。