koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

4/8 宇部定期開院②

2023-05-13 | おもちゃ
1ヶ月以上難航してた4月度の宇部おもちゃ病院定期開院の入院品、1件諦め含めてやっと終了しました。
GWは他にやらないといけない事があって忙しかった。おもちゃ修理に関係ない話題だけど、去年の10月に諸事情により25年近く乗ってたカプチーノ(スズキ)をとうとう買い換えて、せっかく車買い換えた勢いで「痛車にするぞ!」という事で、10月から画像をチョイスして拡大や色修正ですっっごい時間かけながら、並行して痛車ステッカー屋さんにデザインを発注。(趣味はいいと思うのだけどw、絵を描くセンスに全く自信がない…)
少しずつ画像修正とデザインを進めてやっと完成して、4月の初めに巨大なステッカーが到着。したけど、4月度の入院品とプリモプエル修理とで貼る時間が取れない…。GWでようやく貼り終わった。
せっかくなのでおもちゃ修理に関係ないけど、写真載せておくw。

(もし興味のある人が居たら、ブログにコメント下さいw。)
いや~、大変だったw。でも「世界に一台」の車になっただ~w。

さて本題、難航してたラジコン3台です。

一番左の戦車は、同じの何回か診てますね。これは単純に電池BOXからのプラス線が基板でポロっと取れてただけで、すぐ直りました。
次に手掛けたのは真ん中の赤いの。2.4GHzラジコンです。「海で遊んだら壊れた」との事です…。
モータが前輪にも後輪にもあって、4WDです。コントローラで全く反応ありません。前輪は手で回せば回るけど、後輪はロックしてます。後輪から分解してみます。

これは…「防水」をうたってるのにモータ錆びて動かくなったラジコンは何度も診てますが、これはヒドい…。ここまで腐食してるのは初めてですね…。

このラジコン、「SPLASH ROVER」で検索すると「ハピネット」という所が発売してるらしいのですが、「防水性能IPX6」と記載されてるのに大ウソじゃ。
「IPX6」の定義は「いかなる方向からの強い直接噴流によっても有害な影響を受けない。3mの距離から全方向に100リットル/ふん・100kPaの噴流水を3分間」との事らしいけど、そもそも軸の完全シールは難しく、回転軸があるならIPX6は無理じゃない?
1回海で遊んだだけで壊れるようじゃ、性能の虚偽記載で訴えたいわ~。

手では回転する前輪も少し高い位置にあるステアリングも、どちらもコントローラで動かせないので、念のため基板側から電圧かけてほんとに回らないか確認してみる。基板写真:

やはり基板から電圧かけても前輪・ステアリングともに動かないので、前輪の方も分解。

こっちもボロボロだ…。ステアリングも分解。

ここもボロボロ…。嘘つきのクソ商品ですな…。

前輪・後輪のモータは、マブチのRE-260と外形寸法が同じと思われる。購入して取替。
おもちゃドクターを始めて初期の頃にRE-260を買ったとき200円だったので、依頼者さんには「500円かかる(RE260×2個とFA-130)」と言ってあったのだけど、近くの模型屋さんで1個400円もした…。
ステアリングのFA-130同型品も取り替えるのだけど…モータ出力軸の所が「摩擦伝動」みたいな作りになってる所、軸がサビて部品が抜けず、無理矢理コネたら折れた~。(よく見たらケーシングに細長穴があいてて、抜かずともモータが外せるようになってるっぽかった。落ち着いて軸のサビを落としたりプーラで抜いたりするんだった…)
仕方ないので割れた部品を手で削りだして作る事にする。

真ん中が元々付いてたモータと割れた部品。左の黒い部分が手作りした部分。スカスカになりすぎないように時々はめて確認しては注意深く削りながら微調整。なんとなく出来たw。

これでモータ3つ全部取替でリフレッシュ。いざコントローラで動かしてみると…前進・後進ちゃんと走るけど、走りながらステアリング操作もすると、動かなくなる…。ちょこ、ちょこぐらいしか動かなくなって、一旦電源切ってしばらくしないと復活しない。どうも過電流で保護回路が働いてるっぽい。
前の基板の写真参照、前後進のモータ駆動はディスクリートのFET(もしくはパワートランジスタ)っぽくて、回路に過電流や温度上昇保護はないと思う。残るはスイッチに直接ハンダ付けしてあるポリスイッチだけなので、しっかり動かなくなる原因はポリスイッチの作動と思われる。通常ポリスイッチは結構余裕があるはずなので、ポリスイッチ作動で動かなくなるのはかなりの過電流だなぁ…。
ステアリングを操作すると動かなくなるので、ステアリングの「摩擦駆動」は、ステアリングがMAX左or右まで切れたら空回りする微妙なバランスじゃないとモータに電流取られ過ぎるのかしら…と、手作りした部品を慎重に削って微調整したけど、どうしても前後進とステアリングが同時操作出来ない…。

商品のレビューを見ると「スピードが遅すぎてつまんない、すぐ飽きる」というレビューがあったけど、結構スピードが出るようだったので、元々のモータがマブチRE-260よりも低電流型なのかもしれない…。モータバラして巻き線確認して、できれば元のモータの回転子を使ってみよう。

右側の赤線コイルのが新品RE-260の回転子。右の2つがボロボロに錆びたモータから外した回転子。
どうかなぁ…巻き線は目で見てはっきり分かるほど太さに差はない。元々のモータの方がすこ~し細い気もするかな?といった程度。
これでとりあえず元の回転子を転用してモータを復旧。(といっても大変だった…。ケースかおケツか回転子か、少し寸法が違うようで、新しいケースとおケツに古い回転子で組むと、詰まって回らなくなる…。元のモータはカーボンブラシの様ですね。サビだらけの元のモータのおケツを何とか整備して、結局ケースだけ新しいモータとして復旧。)
これでスピードは若干落ちたかな?前後進は今までよりも止まりにくくなったけど、やっぱり結局ステアリングも操作すると電流過剰で動かなくなる…。

ステアリングの方も低電流型のモータなのか?これも元のモータの回転子に替えるか…と悩みながら試運転してたのだけど、途中で操作が効かなくなる事が頻発。
元々最初、ペアリングが中々成功せずに何度も電源入れ直して時々しかペアリング成功しない状態だった。レビューにも「買ってから何度試してもペアリングが成功しない」という記載があった。
これにも時間をだいぶ取られて、ケーシングバラして電源入れたらペアリング成功する、組んだら成功しない、を何度も繰り返して、結局基板を押さえてるケースの支柱を切ったらだいぶマシになった気がしたので、これで解決と思ってたのだけど、再度ペアリングがなかなか成功しないし途中で通信できなくなるしが再発…。
この辺でもう挫けた…。すでに多分20時間?30時間?ぐらい戦ってるのだけど、まともに遊べるレベルまで復旧できるビジョンが見えない…。「元々がクソおもちゃだ!!!」と、とうとうサジを投げました…。

気を取り直して3台目のCCPのジープ。
これは「コントローラを海に落としたら動かなくなった」との事…。このCCPも「水陸両用」をうたってるのだけど、コントローラは防水じゃないよね…。分解して確認。(導通不良だった電源スイッチは、導通の有った2回路目の方を生かすため、2回路短絡した後。)

だいぶ腐食してます…。ICの足が…

PIN7は確実に足がなくなってます…。PIN3も怪しいです。PIN7はモゲた足の付け根にちょっと電極の名残が出てる様だったので、基板から細線でなんとかハンダ付けしてみたけど、復活しない…。これは…PIC換装案件だな。
どうせ換装するので、ホットガンで炙ってIC外してみる。

やはりPIN3,7は付け根からモゲてますね…。基板のダメージも高そうで、どっちにせよ無理でしょう。諦めて送受信機共にPIC換装にします。

…めんどくさい…。一応出来るだけの知識と技術は習得したつもりなのだけど、めったにやらないので億劫だしだいぶ忘れてる…。めんどうだし時間もないけど、GWにやれないならもう出来ないだろう…。痛車のステッカー貼りもあるけど、なんとかGWにやらなくては…。

いつもお世話になってるつつじが丘おもちゃ病院の大泉さんのプロジェクトを使わせてもらう。
再々更新されるのでどれを使えばいいのかよく分からない…。ブログのトップに「これを使いんさい」というページをまとめてくれてるので、
2.4GHzラジコン換装用ファームウェア(nRF24L01またはSE8R01を使用)」のプロジェクトをそのまま使用させて貰います。

以前に「評価用ボード」を作った時とポートが変わってるので作り替えが必要。しばらく前だけどパソコン更新したのでMPLABもインストールし直し。
「HEXファイル書き込むだけで使えますよね?」とは確認してたのだけど、PICへの書き込みは大泉さん製作→勝手に改変して作ったプログラマーで書き込むよりPICKit3で書き込んだ方が簡単と思ったけど、PICKitでの書込みだとMPLABからの方が楽で、結局MPLABインストールして書込みしたのだけど、罠もあっていろいろ苦労した…。
(ビルドがいつまでたっても終わらず、プロジェクトプロパティが書き換えられないとか。調べたら、フォルダ・ファイル名に全角文字が使われてるとなるらしい。ビルドできないとかエラーが出るならさておき、「ビルド成功」とメッセージが出るのに「ビルド進行中」が終わらないという罠w。)

ポート振り分けを変更、今回は前後進操作がVRなのでタクトスイッチは繋げずVR繋げて評価基板改造。

一発で成功しました。大泉さんありがとうございます。
ボリュームが…プラマイ10度ぐらいしか動かないので、「ほんとにこれで上下限になるのだろうか…と、オシロ繋いでモータ信号を確認してみましたが、VR上端・下端でちゃんと前進・後進共PWMの100%出力になってました。(大泉さんの修理記録でも、全く同じCCPの「水陸両用」と書いてあるジープがあったので、きっと大丈夫とは思ってましたが、念のため確認しましたw。)

これで本番基板作成。コントローラ側:スペース厳しそうだったので、基板はPICの上にトランシーバ重ねて「2階建て」みたいな状態で作成。電源スイッチ・ステアリングスイッチは既存基板のを使用して、PIC基板に接続して、左下のスペースに詰め込み。

コントローラ側は一発で成功!

次は本体:受信機側。基板はこんな。

本体側もスペース厳しそうだったので、やっぱり2階建てで作成。まず基板裏側:

トランシーバ~PIC間の接続は、AWG30細ビニール線で接続。PICには念のためパスコン設置。基板表側:

PICの上にトランシーバ重ねてるので、もはやPICは見えないw。PIC出力→既存基板への信号出力は、全部表側から出し。既存基板のICは撤去して、製作基板を繋ぎこみ。

電源は三端子レギュレータなので、とりあえず「多分これがVDDとGND」と思うICの足に接続。(三端子レギュレータ出力は、多分3.0V)
こちらもたしかほぼ一発で完成!(と思ったのだけど…あとあと苦労…)

事前の動作確認で、ステアリングが動かなかった。ラジコンが直ってから手を付けようと後回しにしてたので、ラジコン復活でステアリングの確認・修理をする。

モータ出力軸からの伝動は、先のSPLASH ROVERと同じく「摩擦伝動」ですね。2番目の軸が…1つの軸に2枚が刺さってて本来ここは「フリーギア」で軸と空回りのはずだけど、サビて固着してます…。
モータ出力の部分が抜けんと2軸目が抜けんぞ!と思ったのだけど、またもやモータ出力部の部品が抜けない…。固着した軸をペンチでくわえてなんとか苦労して引っこ抜いて、軸整備して復旧。

これで動作確認してくのだけど、ステアリングを操作すると、つられて何故か後輪がバック側に逆転する…。「ちょこ」っと動くだけの時と、結構回り続ける時とある。ステアリング操作したのに後輪が回ってしまう時は、ステアリングの方もしっかり切れずに変な動きをする…。ここから難航した…。

最初は基板側でのリークを疑ったのだけど、いろいろ調べてどうもそうじゃない…。電源の取り位置を変えてみたり、せっかく既存基板と繋げた配線を一度と言わず何度も外したりつけたり、評価基板の方で確認してみたりしたけど、全部組んでみるとやはりステアリングを操作すると駆動輪が誤作動する事がある…。(信号確認して、やはりPICから「後進出力」が出てるっぽい。)

送信機側製作まではGW中に何とか終わってた。でもこれでは第2週の宇部おもちゃ病院定期開院時に返却出来ないので、ちょっと厳しかったけど有給取って、午前中いっぱいで受信機製作・繋ぎ込みして、午後からはたっぷり貯まってるプリモプエルの修理を進めたかったのだけど、午後中かかっても誤作動が解決しなかった…。
(製作基板の信号線同士が近すぎるのかと配線取り回しを替えてみたりとか。あと、電源変動が原因なら電源を乾電池から取ってみたら?と仮設で電池繋いで確認してみようとしてたら繋ぎ間違えて、基板から煙が出た!!!ステアリング駆動のHブリッジのS8550が1個やけて取り替えたとか…。午後中苦心惨憺…。)

公園に持って出て動作確認したら、まあほとんど違和感なく操作できたので、誤作動解決しないのだけどこれで終了する事にした…。
例えばステアリングモータのノイズ除去が悪くて(コンデンサが付いてないとか不良とか)モータノイズによる誤作動かなぁ、分解して確認するか基板側でもいいからコンデンサ追加するとか…と思ったのだけど、もう根性も尽きました…。

という事で、いまいちスッキリしないけどやる気にも時間にも限界がある…。今日の5月度定期開院に持って行って返却しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする