koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

11/10 小羽山ふるさとまつり出張開院のつづき

2020-01-18 | おもちゃ
さて新年明けて、もう新年の修理が始まってますが、ブログはまだ去年のつづき…w。
11/10の小羽山ふるさとまつりで預かった3DSとPSVitaの修理報告です。

まず3DSの方。「確か…充電ができない」との事でしたが、修理して充電できるようにして電源入れてみたところ、下画面の右側2/3ぐらいが真っ黒。これは…液晶取替しかないでしょうね…。

「充電ができない」の件は、外から見ると電源コネクタ部、回りのアース金属部分はサビサビだし、端子も若干怪しかったのですが、開けてみると、端子の足のハンダ付けが薄くて怪しい。半田盛り足したら充電できるようになりました。(写真は盛り足し後)

液晶は、依頼者さんが「3DS家にもう一台あったかも。その液晶使えますか?」との事で、「ニコイチ取替なら、持ってきてもらったらその場でできます」とお伝えして保留してたのですが、「みつからなかった。やっぱり新品に取り替えて」となったので、対応遅くなりました。
密林で検索すると、最安1,080円。リーズナブルだったので、隣国の検索はせずに密林に発注しました。

さて、分解はまあ簡単ではあったのですが、一応ネットで手順確認しながら分解。

右においてあるのが、新品の液晶。(保護シートが貼ってあるので、気泡が入ってる…。これが後程のミスに…w)
タッチパネルをはがす手順が良く分かりませんでしたが、細い両面テープで回りを張り付けてるだけなので、できれば両面テープが切れないようにマイナスドライバを隙間に入れながらはがします。

さて全部組み戻して電源を入れてみると…、ばっちり液晶復活!なんだけど、画面がいまいちくすんでて、気泡がある…。!!!保護シート剥がしわすれたまま装着しちゃってる~!
という事で、再度全部分解して、タッチパネルもまた剥がして、再作業…。
再度全部組み戻して動作確認…。ちょっと電源SWの入りが悪い…?

手持ちのソフトで動作確認して完動を確認。
返却当日の午前中も動作確認しておもちゃ病院に持って行ったのだけど、いざ「返却」で動作確認してもらおうと電源入れてみると…、電源が入らない?!
「ちゃんと動作確認はしてるんです…。家に帰って再度充電して確認してみて下さい…」と返却したのですが、ちょっと心配です…。電源SWの入りが悪いのかもしれない、お椀型接点の清掃をしたほうがよかったかもなぁ…。

さてつづいてPSVita。

「たしか…どこか効かないボタンがある。アナログスティックもダメだったかも…」との事ですが、すっっっっっごくきたない…。ちょっと持ちたくないぐらい汚い…。ケーシングの隙間とかが全部茶色い。けど、あけるとさらにビックリ…。

ケーシング周りの全ての隙間に、爪の垢のような汚れがびっしり…。どうしたら中がこんなに汚れるのやら…。この「爪の垢」は、アルコールでも取れない…。精密のマイナスでこさいであらかたきれいにする。少なくとも、外から見て隙間が茶色くない程度には掃除する。

充電して動作確認すると、どうも×ボタンが効かないっぽい。左アナログスティックが効いてないか、上に効きっぱなしっぽい。右アナログスティックはあまり使わないので、確認できない…。(家にVitaあるんだけど、ウチの子はダウンロードソフトしか使ってないとの事で、ゲームを起動しての動作確認ができなかった…。)

とりあえず、×ボタンが効かないとゲームは全くできないので、この復活にトライ。
「分解は簡単だよ」というネットの情報でしたが、裏ブタをはぐるのが結構困難でした。
「勢いあまって、裏ブタのFFCを引きちぎらないように気を付けて」との事でしたが、やっぱり勢いあまってFFCまで一緒に抜けてしまいました。(切れはしなかったけど。)

まず、「お椀型接点」の汚れを疑って、接点を張り付けてるシールに切れ目を入れて接点をめくってみる。

まあ、特に汚れてもないけど、一応アルコールで拭いてみる→仮組して確認するも復活せず…。

SW自体はとりあえずON-OFFする。仕方ないので基板を確認していく。表→裏と確認していくと、表(SW側)ではON-OFFするが、裏ではON-OFFしない。

ちょうど×ボタンの裏あたりに、多分何かこぼした様な腐食がある。貫通ビアが切れてると思われる…。
そうこうゴソゴソしてるうちに、SMDの抵抗が取れてなくなった~!

他のSWラインを確認すると、SW直列に200Ωが入れてあるみたい。(抵抗付けるランドが2セットあるけど、多分片方は元々ついてなかったと思われる。)
手持ちの0603抵抗は150と330しかなかったので、安全サイドで330Ωの方を使用。ビアのとこにキリで貫通穴をあけて、SWの端子に直接リード線をハンダ付けして裏まで引っ張り、リード線に抵抗を直付け。
FFCのコネクタに行くパターンのレジストを剥がして繋ごうとしたのだけど、パターンが細すぎて、カッターの背でレジストを剥がすとパターンも剥げてしまう…。仕方ないので、FFCのコネクタまで直結させる。

これがコマい作業だったわ~。ちょい太めの多線ビニール線の芯線を1本抜いて使ったのだけど、相手がめっちゃ細い。
普段使ってるHAKKOのコテ先「C2」を手持ちの「I型」に替えて、0.6mmのハンダでつけるのだけど、こんな状態。

なんとかつけたw。でも信頼性(耐久性)がちょっと心配。今回の作業には間に合わないけど、今後の為にあわてて、もっと細いコテ先と0.3mmの糸ハンダを発注しました。(後程注文のアナログスティックと同時発注で送料抑えた。)

これで×ボタンはバッチリ復活。基板を買うと密林で2,300円とあったので、復活出来てラッキー!
続いてアナログスティック。

やっぱりめっちゃ汚いw。
「どっちかに効きっぱなし」は首周りを掃除すると良くなる、という記事がたくさん出てるんだけど、とりあえず外側からできるかぎり掃除したけど、よくならない。結論としては、予備品発注して取替しかないと思われるけど、どうせダメ元なので分解してみるw。

樹脂を溶かして穴を止めてる押さえ板、樹脂を切って外してしまう。左右・上下の検知の為に、FFCに抵抗体が塗ってあって、可変抵抗を形成してる。
さらに分解すると、中身はこんな。

抵抗体部分等をアルコールで清掃し、押さえ板はテープで止めて組み戻して動作確認してみる。「上効きっぱなし」は解消されて、左右の動作まで復活したけど、上下が動かない…。
押さえの板をテープで止めたのの押さえが弱いか?と思って、ケーシングとの間に詰め物して押さえてみたら、右効きっぱなしになってしまった…。

予備品買っても、2個で700円程度。チープな作りなのに繊細。ちゃんと抵抗が出て可変されてるかどうか、テスターで当たって確認しようと四苦八苦したけど、パターンもコネクタもめっちゃ小さくて調査も困難…。これは修理は無理だな…と諦めて、密林に発注。
新品到着して取り替えたら、あっという間にサクサク動作に復活~。

最後に、まだまだあまりにも汚い裏ブタをハブラシでシャカシャカしてから組み戻し。
バッテリーがへたってるようで気になります。普通は、使わずに置いとくだけなら、一週間たってもまだ電源入るはずですが、こいつは三日もすると起動もしないぐらいバッテリーが減っちゃいます。アダプター抜いた状態でどのぐらいゲームができるか怪しい…。
「バッテリーは1,800円ぐらいで買えます。全然遊べないようだったら連絡して下さい。発注しておいてお持ち頂いたら取り替えます。」とお伝えして返却しました。

さて、発注もあったので時間かかりましたが、3DS&PSVita修理、やっと終わりました。(ちょっと心配も残ってるけど。)
「ゲーム専用機はお断り」というおもちゃ病院がよくあります。
理由はいろいろ考えられます。精密過ぎて手におえないとか、素人が手を付けると、その後のメーカー修理を断られるとか。
ボクとしては、おもちゃドクターは「他では誰も修理してくれないもの」を修理する仕事と思っています。その観点では、NINTENDOもSONYも有料なら修理してもらえる。「メーカーに頼んだら5,000円かかるところ、おもちゃ病院で1,000円で直してもらった、ラッキー!」っていうのは、やっぱりちょっと納得いかないかな…。
でも、だいぶ古い3DSの液晶取替も、多分3,000円は掛かる。SONYは修理費高いので、基板&アナログスティック取替で、多分8,000円は掛かる。
「そんなにかかるならもう直さずに捨てます」の状態を救済して、直して大事に使って貰いたい、というおもちゃ病院の趣旨の一つからすると、やっぱり直さないといけないかも。
まあ、DSもPSも、最悪はマザー交換してでも直るので(そこまでするかどうかはありますが)、できるかぎりやってくしかないね~w。
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10/19 リユース出張開院②~難航品①、とうとう諦め…

2020-01-04 | おもちゃ
直りそうにないけどまだ粘ってた、10/19のリユースで預かったディズニーのドリームトイパッド、とうとう諦めます…

なぜ今まで粘ってたかというと、電源(DC-DCコンバータ)回りの回路が納得いかなかったので、もうちょっとピア追って、回路を起こしたかったんです。
一応基板を再掲しておきます。
表:

裏:


ビアは、レジストが掛かって穴が貫通しておらず、表の穴が裏のどこなのか非常に分かりにくいため、表・裏ともA4にほぼ同じ大きさに印刷して張り合わせて、まち針でグサっと刺して位置の特定をし、パターンを色鉛筆で塗って追っかけました。(このデジタルな時代に、なんてアナログなww。もっと今どきでスマートな方法はないものだろうかw。)

追っかけた結果、回路はこうなりました。

まだしっくり来ませんが、前回よりはだいぶマシになったと思います。
やはりラインAは、GPLが電源SW押されたことを知るためのラインですね。
ラインBは、GPLがDC-DCコンバータを落とすためのラインと思われます。
ラインBをLにすると…、D4の上側の電圧が分圧されて、Q2の閾値を下回ったらQ2がoffされて、enableが維持される。Hにすると、Q2がonされてenableが切れる、といった動作になるかしら?

Q1が、電源SWを押したときにDC-DCコンバータをonにする為の回路と思うのだけど、この回路でそうなるだろうか…自信がない…。
電源SWの両端電圧は、3V程度しかなく、なんか不安定…。R10にQ1のIceが流れて電圧降下してるのかな?(R10は、外さずに測定したところ、1MΩだった。)
電源SWを押すと…、Q1のVcが下がってIceが下がって…、ベースの電圧が……Iceに左右されるかしら…?

とりあえず、電池入れるとDC-DCコンバータからは3.3Vが出る。テスタでQ1周りをつついてると、enableが切れてDC-DCコンバータがofになる事がある。その時は、電源SWを押すと、再度DC-DCコンバータはonされる。
この動きから、電源周りの回路に異常はないと判断。

取扱説明書を見ると「電池を入れ替えたらリセットSWを押して」とあるので、リセットラインの不良も確認。リセットSWは3.3Vラインから直接プルアップされてて、GPLまでライン追ってプルアップ電圧とSW押して0Vになるのを確認。リセットSWのラインにも異常はない。
これらの結果をもって、とうとう諦めることにしました…。
今回の反省は…、
・各部の電圧確認はDMMでする事。アナログテスタじゃインピーダンスが低すぎてちゃんと測れない、プルアップに勝っちゃって、信号に変化が起きてしまう。
・1.27mmより狭いピッチの箇所(GPLやSSOP)のハンダ付けは、最後まで触らない!(ふと見ると、SSOP-10のU7の足が短絡してた。覚えてないけど触ったかしら…。SSOPの足が短絡しちゃうと復旧できない…。)
・あちこちつつき回す前に、各部の電圧確認をちゃんとしておく。
といった事で、また研鑽を積んでリベンジの機会をうかがいます…。

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