koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

8/24 KENWOOD「DPX-55MD」とリモコンキー修理

2017-08-27 | 家電
(※宇部おもちゃ病院では、おもちゃ以外:家電等の修理は、基本的には受け付けておりません。)
久々におもちゃ以外の修理です。
妻の車ですが、諸々の事情で、2000年式のKei-sportsを廃車にして、2000年式のパジェロミニを譲り受けることになりました。
買って17年にもなると、色々と不具合が…。

まず、オーディオ取替です。
「CD/MDのオーディオが付いてる」との事前情報でしたが、念のため、廃車にする方のKeiから2DINのCD/MDレシーバーを外しておきました。
パジェロミニの方、受け取って乗ってみると、オーディオ全然動きません…。このオーディオ、見た事ある。Keiを買ったときに純正でついてたのと同じやつです。ウチのKeiの方は、とっくの昔に不具合で取り替えてます。17年で11万km走って、カーオーディオが健全なはずがありません。

こっちを動くように復活させるより、すでに若干不具合発生ながら、ウチのKeiに付けてたオーディオを整備する方がきっと近道です。
KENWOODのMD/CDレシーバー「DPX-55MD」です。

これも多分、10年程経ってるかと思います。発生している不具合は、
①しばらく走ってると、パネルの表示が固まったり崩れたりする。操作が何もできなくなったり、音量調節だけはできたり、それもできなかったり…。
②MDはまだ生きてるが、CDが認識されない。(ディスク入れても、しばらくして吐き出されてしまう。)
状態と経験とから、パネルの不具合は、本体側とパネル部とのコネクタの不具合。CDは、ピックアップの固着の可能性大と考えます。

とりあえず、上蓋取り。

何もできない…。次にCD部取り外し。

まだまだ基板には到達できない…。

自分の車の1DINのオーディオは、裏ブタが簡単に外せて、メイン基板の再ハンダ付けがすぐできるのですが、この度のヤツは、上から全部外していかないと、メイン基板の裏側は触れそうにない。
パネル側の不具合は、本体側のコネクタ付け根の再ハンダ付けがしかたったのですが、パネル側のコネクタ部の再ハンダ付けと、コネクタの清掃だけにしました。(パネル側の写真は撮り忘れた~)

CD部は、さらにバラそうとしましたが、裏面の基板が外れず、分解困難…。やむなく、ガイドにシリコングリスをちょっと足して、隙間から唯一見えているウォームの付いたモータを、ドライバでつついて手回ししました。一応、レンズは綿棒でこちょこちょと拭いてみました。

手持ちの可変電源を無理やり繋いで試運転。ちゃんとCDロードしてくれました。
パネルはどうかな?30分位走ってみないと判断できませんが、この度はとりあえずこれで様子を見ます。

続いて、パジェロミニのリモートキー(鍵)の修理です。
全く開きません。電池切れだろうと思ったけど、電池は十分。確認すると、「閉」の方はときどき作動するようですが、「開」の方は、きっとだんだん効きが悪くなってったのでしょう、ゴム部に穴が明いてしまって、作動も全くしません。
自分の車(ちなみにカプチーノ)は、どうせキーレスエントリーじゃないし、鍵で開ければいいじゃん、とも思ったのですが、今まで出来てたものが出来なくなると、なんともいえず不便。できれば復活させたいなぁ。

基板見てみると、SW周辺、かなり傷んだ感があります。1回接点復活剤を吹いてみましたが、改善せず…。
一旦「これはダメでしょう」と思いましたが、最近、ミニミニなSWを補修する機会が結構あり(DSとかBANDAIのヒーロー物とか)、「組み立てて作られた物、分解して整備ができるはず」と、整備を試みることにしました。

表面実装からの部品取り、最近苦労してるので、この度は真面目にルーペ台に固定して作業。
SW取り外して、裏面の折り曲げて押さえてる金属部を、カッターの歯先で起こして分解。
さらに内部の電極板を、千枚通しの先でつついて取り外し。

SWは、お椀型の電極板が「ペコッ」とつぶれてクリック感が出る構造のヤツでした。
電極板も本体側電極も、アルコールと接点復活剤で清掃。ボタンの側もだいぶ汚れてたので、なんとなく清掃。組み戻してテスタで動作確認し、基板に再取付。
「閉」の方のSWの作動も怪しかったので、同様に取り外して整備。

表ゴムの穴あきは、ほっとこうかと思ったのですが、水浸入防止とSW押さえるのの確実性upの為、たまたま持ってた「靴底補修用のゴム接着剤」で補修しました。(手持ちが茶色だったので、見た目は悪いけど…。黒だったら、けっこうきれいに補修できそうです。)
これで組み戻して動作確認、開閉共に作動OKそうです。

(後日)リモコンキーはばっちりでしたが、カーオーディオはダメでした…。
時計合わせるのに一回電源offにしないといけないのですが、電源offしたら、二度とつかなくなってなってしまいました。
ケーブルの接続不良かと思いましたが、どうもやっぱり、フロントパネルの作動不良の様です。
やっぱり、本体側のコネクタ周辺の再ハンダ付けが必要そうです。しかたない、全部バラします…。

前回に続いて、下段のMDドライブも外した状態です。

さて、ここからどうしましょう…。
よーく観察してみると、側面・底面が箱状になっていて、すっぽり取れそうです。裏面:ヒートシンクががっつり付いてる所と、右側面:ヒートシンクの部分は、側面・底面と分離してそうです。
左側のラジオユニットの取付ネジを外して、左面のヒートシンクの固定ネジを外す。
底面は、真ん中らへんにネジが1個と、あとは折り曲げツメで固定。爪をまっすぐにして抜きます。真ん中後方のツメに気付かず、だいぶ悩みました。

底面ケーシングを外した所。

これで、今回はちゃんと、本体側のコネクタ部も再ハンダ付け。コネクタの接続部も、オス・メス両方アルコールと接点復活剤で洗浄。
フロントパネル側も、今回は基板を外してちゃんと再ハンダ付け。なんとなくコネクタ周辺の表面実装品も再ハンダ付け。

これで、下から順に全部組み戻して、車に組付け。
ちゃんと時間の設定もできて、フロントパネルも良好になったようです。
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8/22 おもちゃ修理(1件)

2017-08-27 | おもちゃ
妻の職場(学童保育)のプラレールの修理依頼です。

モータ音はするけど、全く走りません。モータピニオンの割れの可能性大です。

上面部が接着されてるタイプで、ここの分解はだいぶ要領を得て来ました。カッターナイフを差し込んではがしていきます。
しかし、電極とモータの端子がはんだ付けしてあって、外さないとバラバラにできず、手を食いました。
10Tピニオン取替と、各歯車、付着した汚れを清掃して、グリス注油。組み戻して終了です。
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8/12 宇部定期開院

2017-08-20 | おもちゃ
8月度の宇部おもちゃ病院定期開院日です。
お盆休み真っただ中だったので、来院者少ないのでは…と思っていましたが、結構来られました。
4件担当しましたが、全部入院での対応になりました。

1件目、キュウレンジャーの「セイザブラスター」です。

「BANDAIのスーパー戦隊物はボクにまかせて!」と、はりきって始めたのですが…。

右下の地球儀みたいなアイテム「キュータマ」を、ブラスターの中央部にセットするのですが、「カチッ」っと固定できなくなってしまった、との事。
分解前に確認しても、状況がよく分からない…。キュータマを押し付けると、左右のツメが挟み込む方向に動くのだが、内部にロック機構の様な物があって、割れて壊れたりしてるのだろうか…。

ネジ多くて大変でしたが、しかたなくバラバラに分解。途中、配線が短くてやりにくかったですが、配線傷めずに何とかツメの部分まで分解できました。
分解してみたものの、どこも割れたりしてないし、ロックするような機構もない。キュータマ押し付けながら悩んでみたものの、どこが悪いのか分からない…。
チビちゃんがそろそろ飽きてきたようだったので、「原因が分かりません…。入院での対応とさせて下さい。」と、依頼者さんにはお帰り頂いて、まだしばし悩む…。ツメの付け根が曲がって開いてしまって、ロックできないようになってる気がするけど、元の状態が分からないので自信がない…。「ツメ部の変形」が確信出来たら、熱掛けて修正するんだけど…。

ところが、開院時間終了間際に、同じおもちゃがもう1件来た!
「ツメが片方折れて、キュータマがセットできなくなった」という物。これで、正常品との比較ができる!
という事で、家に帰って、もう1つの方も分解して、ツメの部分を比較しました。

右が正常品、左がセットできなくなってる方。右は、上面がほぼ水平(縦棒に対して直角)なのに対して、左の修理対象の方は、明らかに頭の部分が外(右側)に寝ています。

「ツメが外側に開く方向に変形したせい」と確信できたので、熱を掛けて元の形に戻します。最初、お湯を沸かして温めてみましたが、曲がりそうにない。で、ハンダこてで加熱して、ちょっとずつ根気よく変形させました。
左右2本とも元の形ぐらいに変形させて、仮組して、まあぼちぼちセットできる感じで、全部組み戻し。
「ぼちぼち」というのが、キュータマは、元々は押し付けただけでツメがカチッとはまってセットされる様なのですが、ちょこっとツメがきつすぎて、指で押してやらないとツメがはまってくれない。
依頼者さんに「キュータマ押し付けながら、親指と中指を使ってツメをはめて使って下さい。」と注意書きをつけて、返却としました。
(後から写真見て気付いたのですが、「棒に対して上面が直角」を目途に変形させましたが、直角までやると、ちょっと行き過ぎだったかも…。)

で、2件目がその、「ツメが片方折れて、キュータマがセットできなくなった」セイザブラスターです。

折れたツメの部分は、こんな感じ。

預かった時には「ピン立ててエポキシで固定で行けるでしょ」と思ってたのですが、細いし薄いしで、穴開けてピン立てれるような物じゃない…。
やむなく、瞬間接着剤で仮固定後、エポキシのみで固定としました。
エポキシのみでちゃんと強度が出るか不安でしたが、使ってみた感じ、まあ行けそうです。
「今までより丁寧に扱って下さい」と注意書き付けて、返却としました。

3件目、歌って踊る牛のぬいぐるみです。

実はこれは、6/25にあった別のイベントの時に来院されて、別のドクターが対応した物なのですが、今回は「落としたら動かなくなった」との事で、再来院です。

そのイベントの時は、「曲が流れて、口をパクパクしながら腰を振り振り踊る。口はしばらく前から動かなくなってたが、この度、全く作動しなくなった」という状態で、対応したドクターは「電池容量不足です」という判断でした。口は動かなくても、曲と踊りだけでもいいです、で終了しました。

「口も元通り動くようになったらいいのになぁ」と思いながらお任せしてましたが、この度は全く動かないとの事なので、分解していきます。
分解は、接着で付けてある布を剥がすだけで、縫製はほどかずに済みました。
胴体BOX部分の中はこんな感じ。

超適当な作りです。基板の固定がネジ止めとかじゃなく、基板表のコンデンサやトランジスタの頭と電池BOX側とをホットボンドで付けてあります。
口を動かすモータに電池直結して確認してると、何度かやってたら、口が動きました。モータ渋りだったかな?
しかし、何度も確認すると、時々動かない事がある。なんでだろう…。
元々入ってた電池は、すっかり消耗していました。電池替えたら、ちゃんと曲が鳴って踊りました。「何だ、電池じゃん?!2週間前に電池替えたばかりなのに、どんな使い方なんだ?」

…ところが、電池BOXに電池入れて、正規回路で何度か確認していたらば、ふと見ると、トランジスタの頭を電池BOX側に固定してるホットボンドが、熱で溶けてる!!!
なんてこった!過電流だわ。何アンペア流れてるんだ?
普段あまり使わないDMM引っ張り出してきて電流確認すると、モータ回転時、0.6~1.2Aぐらい流れる。相当電流高い…。しかし、何度もやってみてると、モータ回らない事があり、その時は4Aも流れてる!これは、短絡状態ですね。
はは~んこれは、「こうなる」らしいと聞いてはいたものの、今まで遭遇したことのない、「使い過ぎでブラシが摩耗して短くなって、中で短絡する」という状態でしょう。口を動かす部分も分解して、モータを確認せねば。

口を動かすモータ部は、こんな感じ。

1回配線外さないとギアBOXが分解できず面倒ですが、配線外して分解してモータも分解して確認すると、やはりブラシがちびてました。何度も止めまわししてると、場所が悪いと片側の整流子に両方のブラシが当たってしまって、短絡状態になるのでしょう。

寸法測ると、モータはマブチのRE-260と同寸法。整流子もだいぶ削れてたので、近所の模型屋さんでRE-260買ってきてみましたが、悩んだ結果、手作りブラシに取り替えることにしました。
ブラシ取替して試運転して、新品のRE-260と比べてみましたが、回転数がRE-260の方が倍ぐらい早い。外形寸法は同じなのですが、巻き線仕様が違うのかもしれません。

モータ駆動のトランジスタはきっとダメ…。当然の予想通り、S8050の様ですが、かなり負荷電流高そうなので、手持ちのSS8050で取り替えました。(S8050は公称最大Ic=0.7Aですが、SS8050なら1.5Aなんです。)
手製のトランジスタチェッカで確認したところ、C-E間短絡状態で壊れていた様です。これでは、電池はあっという間に切れちゃいますね。S8050恐るべしです。2A以上も流れたら、切れて壊れてくれた方がありがたいなぁ。

結局、モータブラシ取替、駆動用トランジスタ取替で、組み戻して動作確認→OK。
動かしてみると、曲は「ペ~サメ~~~、ペ・サ・メム~~~~チョ~~~」と、セクシーとはいいがたい太い女性の声で、曲のビブラートに合わせて口が「アウアウアウ」と動く、ちゃんと曲連動で口の動きデータも入れてある、凝った動きのおもちゃでした。
全体の不具合は結局、「口が動かなくなった」を直すことで解決しました。「全部の機能をちゃんと直す」必要があったんですね。

さて4件目、今回1番大変そうな、ヒーリングパートナー「ダッキー」です。

他のおもちゃ病院・ドクターのブログ等で結構登場してる修理定番なおもちゃの様ですが、ウチに来るのは初めてです。
「瞼が動かなくなった。」との事。この記事もよく見ます。プーリーベルトの外れと思われます。

ネットで調べると「背中に手縫いの綿口がある」との事ですが、かなり年季の入ったダッキーちゃんで、毛が絡まってフェルト状になってて、縫い目を探すのにだいぶ苦労しました。(妻に探してもらっちゃいました。)
背中の手縫い部ほどくと、こんな感じ。

顔・頭も分解していきます。お腹のチャックをあけて、本体BOXを外に半分引っ張り出すと、頭部の分解楽になります。

頭部取り出すと、こんな感じ。

案の定、プーリーベルトが外れてました。ベルト外れだけなら、ギアBOX分解せずともかけ直せたので、この状態で試運転→OKそうな感じ。
途中でも何回か試運転しながら、縫い戻しまでして終了。さて、と確認してみると…、また動かなくなってる~。

しかたなく、再度縫い目をほどいて再確認。またプーリーベルトが外れてます。やっぱり取り替えなきゃダメか…。
ここからが長丁場でした。

プーリーの被駆動側は、軸が貫通で両持ちされてるので、ギアBOX分解しないとベルトの取替えが出来ません。まぶたの全開・全閉のリミットの位置調整が心配だったので、できれば分解したくなかったのですが、バラバラに分解します。

いつも悩む、プーリーベルトの取替えですが、今回は、手芸屋さんで入手しておいたφ1.5mmぐらいのビーズ用ナイロンコードを使う事にしました。
元のベルト参照でナイロンコードを適当な長さに切って、ハンダこてで加熱して熱融着して、わっかを作って装着。電池2本=3Vで直結して動作確認→OKそうで、頭部組み戻し。
しかし、頭部組み戻して、正規回路側で動作確認すると、回らない…。
電池3V直結よりも正規駆動回路の方が力が弱い様で、ベルトの張りがきつくて回せないみたいです。

ちょい長めにしてもう1本作って試運転→まだダメ。
熱融着で繋ぐのですが、折れ目も段差もなく繋ぐのは中々難しい。溶けた状態で押し付けるので、どうしても段差ができるのですが、その段差が抵抗になって引っかかるみたいです。
段差をゼロにするのは中々大変。カッターでもハサミでもうまくいかず、ヤスリも効かない。ニッパーでちぎり取りながら、何とか段差を削っていきます。
それでも、電池直結で試運転ならOKそうでも、正規回路では回らない、が続く…。もう挫けそうです…。
しかたなく、今度はちゃんと長さを測って、75mmでわっかを作ってセット→今度はゆるくて滑ってしまう…。最終的に70~72mmぐらいが一番いいようです。
これで段差を削ってなんとか滑らかにしようと努力するのですが、ど~~~しても、モータ側プーリの所に継ぎ目が来た状態で1回止まると、トルクが足らず次が回り始められない…。

結局、モータ空回ししながら、モータ側プーリーにかる~~く丸ヤスリを当てて、ほんの少しプーリーを削りました。これで何とかOKになった模様です。

右前足のSWの反応がいまいちっぽかったので、取り替えました。秋葉原で入手した格安タクトSWの手持ちがあったので。(今度行ったら買い足しとこ~)
全部組み戻して、背中の縫い戻しもして、やっと終了です。


これでやっと、入院4件修理完了。お盆休みが丸々おもちゃ修理でつぶれましたww。
それにつけても、BANDAIのセイザブラスターですが、キュウレンジャーの放映開始は春からでしょうか?発売からまだ数ヶ月で、同じ日に同じ部分の不具合で2件来院があるようじゃ、構造的に問題があるんじゃないでしょうか?
8月には、全く同じ形で色が違うだけの「ダークセイザブラスター」が発売になるとの事。子ども(及びマニア)なら、かなり欲しいアイテムです。同じツメの故障で、まだまだ来院があるのではないかしら…。
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