6/28 鵜の島バザー・出張開院

この日は、鵜の島婦人会主催のバザーに呼ばれて、出張開院です。

去年に続いて2回目なのですが、実は去年は、実質来院０件だったんです…。（開催場所のふれあいセンターの館長さんが持って来られた1個だけだったので…。）
今年も、地元ドクターを中心に4名参加で、何とか6件修理がありました。

対応1件目は、ディズニ・カーズの「プレーンズ」。

後日ネットで調べると、「フライト・ダスティ」という名称のおもちゃらしい。
上面にくるくる回って景色が進んでるように見えるベルトコンベアがあって、飛行機を操縦してるような感じで遊ぶおもちゃですが、買ってすぐ「ガガガガ」と言って回らなくなってしまった、との事。

分解して確認しますが、中々大変でした。
ウラネジ、かなり多い上に、1本1本が長くて…。アンド、ウラネジ全部解いても、分離できません…。ベルトコンベア部右側に、前後に揺動するオレンジ色の部分があり、そこにビス2本。さらに、操作部の「Hi-Low」切り替えのレバーの頭も取らないと分解できず、シールの下のネジを、シールに穴開けて解いたら、やっと、ボディ上側がすっぽり外れました。

それから、ベルトコンベア部を全部取り外し。その状態で回してみると、何かオレンジ色の部品の所で引っかかってます。

ギアボックスを一旦外して回してみると、どうやら「バタバタ～」という音を出して、プロペラ機が飛んでる感じを出すための機構の様ですが、ちょっと位置を変えてやったら、引っかからずに回るようになりました。

電池端子みたいな形の金物と、白いダイヤ型の部品がカチカチ引っかかりながら、下のオレンジ色の太鼓みたいなところを叩く事で「バタバタ」音を出してるのですが、軸端の白い部品の位置が下過ぎると、どうやら引っかかってしまうみたいだけど、ギアボックスの位置決めに特に遊びも無く、ちゃんと固定すると、悪い状態が再現できない…。つまり、どうして引っかかったのか、原因がはっきりしないのですが、とりあえずちゃんと回って音も出るようになったので、全部仕戻しして、修理完としました。

2件目は、トイストーリーの「バズ」。（今日はDisneyDayかな？）

どう故障なのか良く分かりませんが、とりあえず分解。
左側の３つのSWを押すとしゃべる部分は、問題ないようです。
モーターが入ってて、宇宙服の頭部分が回る作りの様ですが、多分左側の「Lightyear」と書いてあるＳＷ押したら回るのでしょうが、押しても回りません…。
ＳＷ短絡するとちゃんと回ったので、タクトSWの不良。他のドクターの手持ちの中古品に取り替えて、SW押したらちゃんと、光って回るようになりました。


他の修理案件は、トーマスのプラレールが2個、透明の球形プラスチックに入った立体迷路の上をビー玉転がすゲーム（説明悪くてすみません）、水槽用のエアポンプ（ブクブク、但し、釣りに持ってって使う用で、電池駆動）、といった物で、計6件。のんびり修理でした。

去年よりはマシでしたが、6件のうち2件は、会場の係りの人の持ち込みだったので、実質来院は2名という事。元々鵜の島小は全学年1or2クラスしかないので、例え知名度上がっても、結局は来院者あまり増えないのかもしれない…。
と思いつつも、継続することに意味がある！と思うことにしよう！

6/20 まちなかエコ・出張開院

この日は、宇部市の主管？で、「青空」が主催する、まちなかエコ・子ども用品リユースでの出張開院です。
宇部おもちゃ病院の院長と２人で参加でしたが、一杯来院あり、大変でした。

1件目は、TOMYの変形する飛行機です。
（ネットで調べてもいまひとつ分かりませんでした。ハイパーブルーポリスかしら？）

タイヤの所がくるっと回転して、ホイールの面とバーニアみたいな面に切り替わるのですが、留めがバカになって、パチッと固定できない、という物。
出っ張りが磨耗して、引っ掛かりが減ってるのでしょう。最初エポキシでホイール側を盛ってみましたが、カチカチになるまでかなり時間が掛かり、動かしてみたら取れてしまったので、瞬間接着剤で盛ってみて、ぼちぼち良さそうなので、返却しました。

2件目、「クルクルハンバーガーゲーム」です。

これは、リユースで持ち込まれた物の中で、そのままでは動かず、おもちゃ病院に修理依頼として来たものです。朝ちょっと暇だったので、これをやることにしました。
かなり年季の入った箱です。昭和50年代の香りがします。でも、大切にしてた雰囲気がにじみ出ています。
回転部分分解。モーター渋りで直接電圧掛けて復旧と、ＳＷ接点磨きで終了。

3件目、アンパンマン号です。

持って来られたお母さんの顔を見て「？」。「以前直してもらって、2回目です」との事。
前回は、クラッチ機構の部分のピニオン割れでしたが、今回は、モーターピニオンがゆるゆるになって、中で取れてカラカラ鳴ってました。
8Tピニオン取替えで完。

4件目、アンパンマンのお風呂シャワー。

（写真取り忘れたので、以前にやった全く同じ物の写真ですが。）
シャワーが出ない、との事ですが、電池入れて洗面所に水張って試運転してみると、ちゃんと出ます…。
分解して各所確認しましたが、特にどこも悪くない…。確認頂いて返却しました。

5件目、トミカのやまみちドライブ。

ですが、電池切れのみで、説明してお返ししました。

6件目、アクアのプルバックカー。

（写真は修理後）
ボディ開けると、白いぜんまいギアボックスを押さえてる部分が、割れてもげてました。
「床板からボルトで通せば直せるな～。」と、院長にネジ無いか聞いたら、何とかM2.5で12mmぐらいのネジがありました。
穴開けて、2本とも通しで固定して、ちゃんと走るようになりました。

7件目、プラレールの新幹線。

全く動かないので、ギアボックス分解します。

モーターに直接電圧掛けると回りました。SWの接触不良のようです。ギアばらばらに全部分解して、SW確認。接点は特に傷んでおらず、SW端子をちょっと起こしたら、ちゃんと通電するようになりました。

8件目、音の鳴るパトカー。

（写真取り忘れたので、以前にやった全く同じ物の写真ですが。）
ボタンの「４」が鳴らない、との事ですが、屋根のパトライトがもげて、配線もちぎれてます。また、当然前と同じ様に、パトランプの上下機構が折れてます。

ボタンの「４」は、いつもの導電ゴムＳＷですが、基板を直接短絡しても、「４」だけは鳴りません…。ボタンＩＣのモールド内での断線と思われ、ここは修理不能と判断…。
パトライトは、プラス線が共通で、ＩＣでシンクで駆動と思われます。プラス線は分かったので繋いで、残りの3本は、適当に基板側と同じ順番で接続。そこそこ光るようになったので、良しとしよう。
正規の位置にパトランプ固定し、前回と同様に、上下機構は殺して、ホットボンドでパトランプ部を屋根に固定してしまって、終了。（修理実績上は「△」になってしまいます…。）

9件目、ミッキーの目覚まし時計。（ここからは、入院で修理）

時計の部分は問題ないけど、鼻を押すとしゃべるのが、しゃべらなくなった、との事
「時計はやだな～」と文句を言いながらも分解。
しゃべる部分と時計は完全に別かと思いましたが、時計ユニット側に押しボタンがあって、そこから線が出て、しゃべる基板に繋がってる。
てっきり、鼻の真下に導電ゴムＳＷが入ってるのかと思いましたが、鼻のとこからプラスチックの部品で下に延ばして、時計ユニットのボタンを押す構造。押す部分が磨耗して押しが弱くなるようなものではありませんが、鼻ＳＷのガイドが磨耗して遊びが増えた結果、押しが弱くなってるのかもしれませんね。
原因はともかく、時計ユニットのボタンを押す部分に、エポキシを1mm程度盛って当たりを強くしました。
カチカチになるまでかなり掛かったので、家に持って帰って完全に固まってから組み戻し。ちゃんと鳴るようになりました。

さて、最後10件目、ラジコンヘリです。

赤外線なので、正確にはリモコンですね。
Silverlit社製の「Guard-Copter」という製品のようです。
写真は補修後ですが、テールローターがもげてしまって、回らなくなっている、という状態。
配線は骨の中を通してありますが、断線している様子です。

分解して引きなおすことにしました。

分解、苦労しました。見えてるネジ全部外しても、テールと中央部が外れません…。長らく悩んだ後、テールのシールの下に隠しネジ発見。「じゃあ」と中央部もシールを剥がすと、隠しネジみつかりました。

分解状態の写真も修理後ですが、骨の中を通しなおすのはとても無理そうだったので、手持ちのできるだけ細いビニール線で間を繋いで、外を這わせて、何とか修理しました。

家の中で試運転してみると、操縦大変難しい…。補修に伴う変化でちょっと横スラストがかかってる？と、疑問もあるのですが、いままでほとんど扱った事が無いので、多分、元々操縦が難しいものだろう、と、これで返却としました。


長くなりました、以上です。
宇部おもちゃ病院の定期開院は、なかなか来院者が増えずに悩んでますが、この「まちなかエコ」での出張開院は、回を追う毎に知名度が上がってるのか、来院者が増えてってます。行政がバックについてると、宣伝力が違いますね～。
今回は、途中からナースさんが応援に来て受付をしてくれたので、だいぶ助かりましたが、ドクターも2名じゃ足りなくなって来ましたね…。

6/17 関数電卓の修理

（※宇部おもちゃ病院では、おもちゃ以外：家電等の修理は、基本的には受け付けておりません。）
会社の後輩から頼まれて、Casioの関数電卓の修理をしました。

相当使い込んでます。キーの字が半分ぐらい消えてます。
「０」の効きが悪くなって、押してもスカが多い、との事。
いつもの導電ゴムSWにアルミ箔貼り付けで直るはずで、「余裕！10分で直る！」と豪語して持って帰ったのですが、苦労しました…。

基板側清掃・ゴム側アルミ箔貼り付けして組み戻したものの、あいかわらず動作いまいち…。
基板見ると、表面（反キー側）は当然プリント基板なのですが、キー側はどうやら銅箔ではなく、導電性塗料でＳＷマトリックスを書いてる様子で、「０」のところのパターンが、酷使で半分ぐらい消えてます。
消えた上にアルミ箔乗せて貼り付けてみたりしたのですが、やはりいまいち…。
「こりゃ～、直らん」と、一旦諦めようかと思ったのですが、次の日、後輩休みで、もう1日猶予があったので、「いや、直せんはずがない！」と、よくよく考えて、作戦変更。

マトリックスが、表側のどこに繋がってるか確認して、表側からビニール線を2本出してキー側に回して、ちょうど「０」キーの位置に、両面テープでアルミ箔を貼り付けて、ＳＷを再生。（表基板パターンには、テスト用？のランドがマトリックスの各接点にあったので、そこにハンダ付けして、線を出しました。）
これで、ちゃんと確実に「０」キーも動作するようになりました。

元値1,500円程度？との話なので、これだけ手間をかける価値があるか微妙ですが、「直せばまだ使える」という気持ちは大事。まだまだ大事に使って欲しいと思います。

6/14 おもちゃ修理（3件）

この日は「トミカＤａｙ」？
1件目は、「たのしい自動車工場」です。

「ベルトコンベアが動かない（他は動く）」との事。裏ブタはぐって、内部確認します。

ベルトコンベアを駆動するための、10Tピニオンギア（「モータ→冠ギア→ピニオン」の、ピニオンがついてる軸の、2番目についてて、次の平歯車を駆動しているピニオン）の割れで、空回りでした。
抜くのも組むのもちょっと苦労しましたが、取り替えて、無事直りました。

2件目は、「にぎやかドライブ」。（一人の人が1件として持っていらしたのですが、見てみたら、にぎやかドライブのコンベアと、やまみちドライブのコンベアと、2台でした。）

分解すると、モーター8Tピニオンの割れで、取り替えました。

で、3件目の「やまみちドライブ」。

これは定番の故障で、緑の部分に入ってるギアボックス出口の、10T、m=0.6のギア、２つとも割れてて、取り替えました。

軸にピニオン刺すの、結構苦労しました。プラスチックハンマーで叩き込もうとしたのですが、相当きつく、これ以上叩くとまずそう…。手持ちのCクランプでは幅が足りず、無理…。他のドクター聞いても、いい道具がなかったのですが、おもちゃ病院備品のボール盤についてたクランプで、ちょこっと押したら、すぐにはまりました。
やっぱり、道具って大事…。

6/13 宇部定期開院

6月度、宇部おもちゃ病院の定期開院です。

1件目、ブタのぬいぐるみです。

左手のSWを押すと、ブーブー鳴きながら転がるはずなのだが、もらってすぐ落としてしまって、鳴かなくなった、との事です。

機械ボックスを留めている結束バンドを、ちょっと苦労して外して、中身確認すると、いつものΦ29mmのおもちゃ用スピーカーのプラスチック部分がパッキリ割れて、ばらけてました。
取り替えたら、ちゃんと鳴るようになりました。

「くすぐりエルモ」系の豪快なおもちゃでした。構造は、しっぽがくるくる回るのですが、平らなところに置いて起動すると、しっぽが床に引っかかって、胴体がぐるぐる回って、床の上を転がりまわるんですね。
鳴き音は、ブーブーではなく、ゲラゲラ笑いながら、床の上を転がりまわる、というおもちゃでした。

2件目、プラレールです。

いつもの、駆動輪のピニオン割れで、取り替えました。