宇部おもちゃ病院の4月度の定期開院でしたが、プリモプエル修理が忙しすぎたりでブログ遅れてます…。この日は、広島から「ユメル」が来る予定だったので、忙しいの確定でしたw。
1件目、そのユメル君です。(写真撮り忘れた、前回の使いまわしで)
事前の連絡で「電池が1週間しか持たない。ボタン電池と乾電池を同時に交換しています」と来たので、「ボタン電池は替える必要はない」と返信したのですが、「ボタン電池を替えないと動かないので替えました」と戻ってきた…。
当日到着して、ワープロで打ってきた状況説明を読むと、「動かなくなった→電池を替えたら動いた→電池が悪かったんだ!」という短絡思考の様。これは単に、「何か動作不具合で固まった→一旦電池を抜いてリセットしたら→また動くようになった」だけと思われる。家電なんかでもよくある。(ネルル・ユメルは電源スイッチが無いので、電池を抜かないと電源が切れない)
この日の修理は、とにかく「電池が1週間しか持たない」を真に受けて、モーターの電流測定をして、異常に電気食ってないかを調べる事にしてました…。
しかし、動作中に電流測っても、まぶたを動かしてるのは短時間なので、DMMでは電流値がはっきりしない…。やっぱり頭部まで分解してモーター単体で直接駆動しないと、モーターの健全性が判断できない。これが、頭部分解してモーターまで辿り着くまでは大仕事なのよね…。
という事で、会場で全分解してやっとモーターまで辿り着いて、電池2本繋いで電流測定。予想はしてたけど、特殊な低電流・低回転のモーターの様で、非常に静音で3Vで20mAぐらいしか食わない。モーター全く正常です。
状況説明によると、「話し声がザワザワザーザー音で聞き取れない」とか「目を開けたままで無反応」とか、いろいろと書いてあって、その他の動作不具合が発生してる可能性があり、長期間動作確認がしたかったし、しょっぱなに結束バンドを外そうとして精密ドライバーが指にグサっと刺さって貫通・流血してやる気がシオシオだったりしたので、分解したまま入院としました…。
家で半分解状態で動作確認したけど、特に不具合ない…。ただ、時々まぶたの位置検出が不安定なのか、「ガキガキ(クラッチ作動)」と音がすることがあったので、前回(1月)に1個だけ取り替えたまぶたの位置検出リミットスイッチの、残り3つも取り替えておくことにしました。
前回は接点折れで「4番」だけ取り替えたんですね。残りの3つも取り替えました。(このスイッチについては、1月の記事の方に詳しく書いてあります。)
これで仕戻し・縫い戻して、これ以上引っ張っても意味なさそうなので、翌週には退院としました。
夢の子ネルル・ユメルは補修性が非常に悪い。(特に旧型。新型は少し補修性が改善されてる)
正直、もう修理は受けたくない…。しかし「広島のおもちゃ病院に持って行ったけど、『やった事無いので』と断られた」との事。「あん?『やった事無い』で断るなら、おもちゃドクター自体できないでしょ?!」と言いたいけど、分解も仕戻しも複雑なので、「やった事無いから」と言い訳するような人には任せたくないですね…。近隣(近県)分はウチ=ボクが引き受けるしかありませんね…。
さて、ユメルを途中で諦めて入院にしたので、もう少し時間があって引き受けました。2件目、「はじめてのずかん900」です。(これも写真撮り忘れた、使いまわしで。)
スイッチ入れても起動音が鳴らない。スピーカーは悪くない。
分解した状態で電池繋いで動かすと、ちゃんと動く。でも、組み戻すとまた動かなくなる…。会場でこれを何回もやって徒労w。イメージセンサーのコネクター部が怪しいのだけど、見ても不具合見つからない…。入院となりました。
まず電源関係を疑い。このタイプのおもちゃは、電池2本で3.3Vデバイスを動かすために、昇圧コンバータが使われてます。(昇圧回路にはコイルが必要なので、電源付近にコイルが付いてるかどうかが、昇圧してるかの目安になるかな)
まあ結論としては、昇圧回路に問題はありませんでした。
次に電源スイッチも疑い。単純な電源の入り/切りだけなのですが、足が6本あるので外すのは困難…。電動ハンダ吸い取り機使って何とか外して接点確認。
なんか、移動切片の方が焦げたみたいになってるけど、接点特に問題なさそうですね…。
で、やっぱりイメージセンサーのコネクター部が怪しいですね…。拡大鏡で一所懸命のぞいたんだけど、足の折損等は確認できず…。でもやっぱり、コネクタ部をちょっと動かしたら起動したりしなかったりと変化があるので、コネクタ部の不具合でしょう。コネクタ撤去してビニール線で直結にします。
コネクタ撤去の過程で、どうやら非常に見えにくい「4番端子」の足が折損してたっぽいです。前回記事にて「5,7,8ピンは未使用(NC)」との事なので、残りの5本だけ繋ぎます。
ケースに収めるとこんな感じ。
これで、組み戻してもバッチリ動くようになりました。(前回は、まだ電動ハンダ吸い取り機を買う前だったので、だいぶ苦労しましたが、今回はもっとキレイにできました。)
さて、閉院時間も近くなってきた頃に3件目、ドローンです。
「ローターが1カ所回らない」との事だったのですが、来院して「あっ!バッテリー充電中で、持ってくるの忘れた…。また来月きます…」と帰ろうとしたので、「いやいや、ちゃんと真っすぐ飛ぶかの確認はできないけど、ローターが回らないの確認はバッテリーが無くてもできます」と預かりました。(バッテリーの接続は、2PのPHコネクターだったので、家にありますw。)
「正面のLEDが点かない」という不具合もあったので、とりあえず分解。
基板はシンプルですね。4方にモータ駆動のFETが配置されてます。まず断線してたLEDの配線を苦労して再接続。電源繋いでコントローラから起動しようとするけど…ローターが回り始めてくれない…。
電源入れてコントローラの「上・下」で、本体側のLEDが点滅→点灯になってペアリングは出来てる様なのですが、ローター回ってくれないんです…。バッテリーはなくても動作確認はできるけど、取説が無いと…。
とりあえず各所確認すると、モーターがどれも数mmぐらい抜けかけてます。そのうち1個は5mmぐらい浮いてた。多分、プロペラを交換しようとして、治具をちゃんと使わず力任せにひっこぬいて、モーターが少し抜けたんでしょう。保護枠の中心部分が摩耗して、あちこち枠が切れてます。モーターが回らない原因は、モーターが抜けかけて枠に当たってるせいだけかも。
で、翌週センターに取説(ついでにバッテリーも)預けてもらって、やっと動作確認。(結局ペアリング後、左側スティックの下のボタンが「動作開始」のボタンで、それを押せばローター回り始めるだけでした…。あちこち押してみたら動いたかもw。)
やっぱり、ローター1個が回りませんね。
以前に駆動回路のFET不良で取り替えて直ったことがあったので、それを期待したのですが、モーターに直接電圧かけても回らず。モーター抜いて確認したけど、見た目に断線は見当たらず。モーターは、外に端子が出てなくてケースから配線が直接出てるので、途中の断線の診断ができない。もうどうせダメなので、モーターの近くで線ぶった切って、なるだけモーターの近くから電圧直接かけたけど、やっぱりモーター回らず、「モーター不良」の判断となりました。
いわゆる「コアレスモーター」で、寸法はφ6×15mm。ネット(密林とか)で探したのですが、同じモーターは売ってなさそう…。密林では「左右回転2個セット」とかで売ってる物がある。直流のブラシモータは、回転方向は指定なしだと思うのだけど、例えば回転子コイルと整流子の角度が微調整してあったりして、回転方向を変えると性能が落ちたりするのかしら…。
(ミニミニなモーターで、カシメも小さくて硬くて、分解しようとしたけど諦めました…。ローターが枠に当たって負荷食ったせいでの巻き線の焼損ではないかと推定します。)
という事で、本体メーカー・型番(たしか、Holyton社の「HT-20」)で調べて、それ用のモーターじゃないと、取り替えてもまともに飛ぶかどうか保証できない…。
修理実績で「×」になるのは悔しいですが、「モーター不良、同じモーターが売ってそうにない。メーカーに問い合わせて下さい」で、返却としました…。
(後日)それから一週間、ウジウジと考えた。中国(Ali)なら、少なくとも寸法が同じモーターが手に入る。性能がアンバランスな場合を考慮して、最悪4個セットで買って全部取り替えれば、ちゃんと飛ぶようにできるのじゃないかしら…。だいぶ時間がかかってしまうけど、元々定価6,000円もする高機能なおもちゃ。メーカーに言っても修理してくれないか、高くつくか。それが数百円で直れば御の字。
一旦返却してしまったのだけど、「やっぱり中国にモーター発注して、再チャレンジさせて下さい」と、もう一度持ってきてもらう事にしました。今日センターに受け取りに行く予定で、再度詳細寸法・軸径等測定して、とりあえず発注予定です。
さて、ついでにウチの奥さんが預かった個人的修理を1件。「キッズミニピアノ」です。
電源入れてもLEDも点かないし音も鳴らない。分解して確認、電源スイッチも怪しいけど、短絡しても鳴らないので、他に不具合がありそう。
COBの乗った小さな基盤が、メイン基板に垂直に刺してあるタイプです。ここのハンダ付けが怪しいので、ハンダ足しながら全点再ハンダ付けします。
これで確認すると、電源スイッチを短絡したら動くようになったので、電源スイッチ分解整備して、無事終了です。
1件目、そのユメル君です。(写真撮り忘れた、前回の使いまわしで)
事前の連絡で「電池が1週間しか持たない。ボタン電池と乾電池を同時に交換しています」と来たので、「ボタン電池は替える必要はない」と返信したのですが、「ボタン電池を替えないと動かないので替えました」と戻ってきた…。
当日到着して、ワープロで打ってきた状況説明を読むと、「動かなくなった→電池を替えたら動いた→電池が悪かったんだ!」という短絡思考の様。これは単に、「何か動作不具合で固まった→一旦電池を抜いてリセットしたら→また動くようになった」だけと思われる。家電なんかでもよくある。(ネルル・ユメルは電源スイッチが無いので、電池を抜かないと電源が切れない)
この日の修理は、とにかく「電池が1週間しか持たない」を真に受けて、モーターの電流測定をして、異常に電気食ってないかを調べる事にしてました…。
しかし、動作中に電流測っても、まぶたを動かしてるのは短時間なので、DMMでは電流値がはっきりしない…。やっぱり頭部まで分解してモーター単体で直接駆動しないと、モーターの健全性が判断できない。これが、頭部分解してモーターまで辿り着くまでは大仕事なのよね…。
という事で、会場で全分解してやっとモーターまで辿り着いて、電池2本繋いで電流測定。予想はしてたけど、特殊な低電流・低回転のモーターの様で、非常に静音で3Vで20mAぐらいしか食わない。モーター全く正常です。
状況説明によると、「話し声がザワザワザーザー音で聞き取れない」とか「目を開けたままで無反応」とか、いろいろと書いてあって、その他の動作不具合が発生してる可能性があり、長期間動作確認がしたかったし、しょっぱなに結束バンドを外そうとして精密ドライバーが指にグサっと刺さって貫通・流血してやる気がシオシオだったりしたので、分解したまま入院としました…。
家で半分解状態で動作確認したけど、特に不具合ない…。ただ、時々まぶたの位置検出が不安定なのか、「ガキガキ(クラッチ作動)」と音がすることがあったので、前回(1月)に1個だけ取り替えたまぶたの位置検出リミットスイッチの、残り3つも取り替えておくことにしました。
前回は接点折れで「4番」だけ取り替えたんですね。残りの3つも取り替えました。(このスイッチについては、1月の記事の方に詳しく書いてあります。)
これで仕戻し・縫い戻して、これ以上引っ張っても意味なさそうなので、翌週には退院としました。
夢の子ネルル・ユメルは補修性が非常に悪い。(特に旧型。新型は少し補修性が改善されてる)
正直、もう修理は受けたくない…。しかし「広島のおもちゃ病院に持って行ったけど、『やった事無いので』と断られた」との事。「あん?『やった事無い』で断るなら、おもちゃドクター自体できないでしょ?!」と言いたいけど、分解も仕戻しも複雑なので、「やった事無いから」と言い訳するような人には任せたくないですね…。近隣(近県)分はウチ=ボクが引き受けるしかありませんね…。
さて、ユメルを途中で諦めて入院にしたので、もう少し時間があって引き受けました。2件目、「はじめてのずかん900」です。(これも写真撮り忘れた、使いまわしで。)
スイッチ入れても起動音が鳴らない。スピーカーは悪くない。
分解した状態で電池繋いで動かすと、ちゃんと動く。でも、組み戻すとまた動かなくなる…。会場でこれを何回もやって徒労w。イメージセンサーのコネクター部が怪しいのだけど、見ても不具合見つからない…。入院となりました。
まず電源関係を疑い。このタイプのおもちゃは、電池2本で3.3Vデバイスを動かすために、昇圧コンバータが使われてます。(昇圧回路にはコイルが必要なので、電源付近にコイルが付いてるかどうかが、昇圧してるかの目安になるかな)
まあ結論としては、昇圧回路に問題はありませんでした。
次に電源スイッチも疑い。単純な電源の入り/切りだけなのですが、足が6本あるので外すのは困難…。電動ハンダ吸い取り機使って何とか外して接点確認。
なんか、移動切片の方が焦げたみたいになってるけど、接点特に問題なさそうですね…。
で、やっぱりイメージセンサーのコネクター部が怪しいですね…。拡大鏡で一所懸命のぞいたんだけど、足の折損等は確認できず…。でもやっぱり、コネクタ部をちょっと動かしたら起動したりしなかったりと変化があるので、コネクタ部の不具合でしょう。コネクタ撤去してビニール線で直結にします。
コネクタ撤去の過程で、どうやら非常に見えにくい「4番端子」の足が折損してたっぽいです。前回記事にて「5,7,8ピンは未使用(NC)」との事なので、残りの5本だけ繋ぎます。
ケースに収めるとこんな感じ。
これで、組み戻してもバッチリ動くようになりました。(前回は、まだ電動ハンダ吸い取り機を買う前だったので、だいぶ苦労しましたが、今回はもっとキレイにできました。)
さて、閉院時間も近くなってきた頃に3件目、ドローンです。
「ローターが1カ所回らない」との事だったのですが、来院して「あっ!バッテリー充電中で、持ってくるの忘れた…。また来月きます…」と帰ろうとしたので、「いやいや、ちゃんと真っすぐ飛ぶかの確認はできないけど、ローターが回らないの確認はバッテリーが無くてもできます」と預かりました。(バッテリーの接続は、2PのPHコネクターだったので、家にありますw。)
「正面のLEDが点かない」という不具合もあったので、とりあえず分解。
基板はシンプルですね。4方にモータ駆動のFETが配置されてます。まず断線してたLEDの配線を苦労して再接続。電源繋いでコントローラから起動しようとするけど…ローターが回り始めてくれない…。
電源入れてコントローラの「上・下」で、本体側のLEDが点滅→点灯になってペアリングは出来てる様なのですが、ローター回ってくれないんです…。バッテリーはなくても動作確認はできるけど、取説が無いと…。
とりあえず各所確認すると、モーターがどれも数mmぐらい抜けかけてます。そのうち1個は5mmぐらい浮いてた。多分、プロペラを交換しようとして、治具をちゃんと使わず力任せにひっこぬいて、モーターが少し抜けたんでしょう。保護枠の中心部分が摩耗して、あちこち枠が切れてます。モーターが回らない原因は、モーターが抜けかけて枠に当たってるせいだけかも。
で、翌週センターに取説(ついでにバッテリーも)預けてもらって、やっと動作確認。(結局ペアリング後、左側スティックの下のボタンが「動作開始」のボタンで、それを押せばローター回り始めるだけでした…。あちこち押してみたら動いたかもw。)
やっぱり、ローター1個が回りませんね。
以前に駆動回路のFET不良で取り替えて直ったことがあったので、それを期待したのですが、モーターに直接電圧かけても回らず。モーター抜いて確認したけど、見た目に断線は見当たらず。モーターは、外に端子が出てなくてケースから配線が直接出てるので、途中の断線の診断ができない。もうどうせダメなので、モーターの近くで線ぶった切って、なるだけモーターの近くから電圧直接かけたけど、やっぱりモーター回らず、「モーター不良」の判断となりました。
いわゆる「コアレスモーター」で、寸法はφ6×15mm。ネット(密林とか)で探したのですが、同じモーターは売ってなさそう…。密林では「左右回転2個セット」とかで売ってる物がある。直流のブラシモータは、回転方向は指定なしだと思うのだけど、例えば回転子コイルと整流子の角度が微調整してあったりして、回転方向を変えると性能が落ちたりするのかしら…。
(ミニミニなモーターで、カシメも小さくて硬くて、分解しようとしたけど諦めました…。ローターが枠に当たって負荷食ったせいでの巻き線の焼損ではないかと推定します。)
という事で、本体メーカー・型番(たしか、Holyton社の「HT-20」)で調べて、それ用のモーターじゃないと、取り替えてもまともに飛ぶかどうか保証できない…。
修理実績で「×」になるのは悔しいですが、「モーター不良、同じモーターが売ってそうにない。メーカーに問い合わせて下さい」で、返却としました…。
(後日)それから一週間、ウジウジと考えた。中国(Ali)なら、少なくとも寸法が同じモーターが手に入る。性能がアンバランスな場合を考慮して、最悪4個セットで買って全部取り替えれば、ちゃんと飛ぶようにできるのじゃないかしら…。だいぶ時間がかかってしまうけど、元々定価6,000円もする高機能なおもちゃ。メーカーに言っても修理してくれないか、高くつくか。それが数百円で直れば御の字。
一旦返却してしまったのだけど、「やっぱり中国にモーター発注して、再チャレンジさせて下さい」と、もう一度持ってきてもらう事にしました。今日センターに受け取りに行く予定で、再度詳細寸法・軸径等測定して、とりあえず発注予定です。
さて、ついでにウチの奥さんが預かった個人的修理を1件。「キッズミニピアノ」です。
電源入れてもLEDも点かないし音も鳴らない。分解して確認、電源スイッチも怪しいけど、短絡しても鳴らないので、他に不具合がありそう。
COBの乗った小さな基盤が、メイン基板に垂直に刺してあるタイプです。ここのハンダ付けが怪しいので、ハンダ足しながら全点再ハンダ付けします。
これで確認すると、電源スイッチを短絡したら動くようになったので、電源スイッチ分解整備して、無事終了です。