koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

4/9 宇部定期開院(他)

2022-04-30 | おもちゃ
宇部おもちゃ病院の4月度の定期開院でしたが、プリモプエル修理が忙しすぎたりでブログ遅れてます…。この日は、広島から「ユメル」が来る予定だったので、忙しいの確定でしたw。
1件目、そのユメル君です。(写真撮り忘れた、前回の使いまわしで)

事前の連絡で「電池が1週間しか持たない。ボタン電池と乾電池を同時に交換しています」と来たので、「ボタン電池は替える必要はない」と返信したのですが、「ボタン電池を替えないと動かないので替えました」と戻ってきた…。
当日到着して、ワープロで打ってきた状況説明を読むと、「動かなくなった→電池を替えたら動いた→電池が悪かったんだ!」という短絡思考の様。これは単に、「何か動作不具合で固まった→一旦電池を抜いてリセットしたら→また動くようになった」だけと思われる。家電なんかでもよくある。(ネルル・ユメルは電源スイッチが無いので、電池を抜かないと電源が切れない)

この日の修理は、とにかく「電池が1週間しか持たない」を真に受けて、モーターの電流測定をして、異常に電気食ってないかを調べる事にしてました…。
しかし、動作中に電流測っても、まぶたを動かしてるのは短時間なので、DMMでは電流値がはっきりしない…。やっぱり頭部まで分解してモーター単体で直接駆動しないと、モーターの健全性が判断できない。これが、頭部分解してモーターまで辿り着くまでは大仕事なのよね…。

という事で、会場で全分解してやっとモーターまで辿り着いて、電池2本繋いで電流測定。予想はしてたけど、特殊な低電流・低回転のモーターの様で、非常に静音で3Vで20mAぐらいしか食わない。モーター全く正常です。

状況説明によると、「話し声がザワザワザーザー音で聞き取れない」とか「目を開けたままで無反応」とか、いろいろと書いてあって、その他の動作不具合が発生してる可能性があり、長期間動作確認がしたかったし、しょっぱなに結束バンドを外そうとして精密ドライバーが指にグサっと刺さって貫通・流血してやる気がシオシオだったりしたので、分解したまま入院としました…。

家で半分解状態で動作確認したけど、特に不具合ない…。ただ、時々まぶたの位置検出が不安定なのか、「ガキガキ(クラッチ作動)」と音がすることがあったので、前回(1月)に1個だけ取り替えたまぶたの位置検出リミットスイッチの、残り3つも取り替えておくことにしました。

前回は接点折れで「4番」だけ取り替えたんですね。残りの3つも取り替えました。(このスイッチについては、1月の記事の方に詳しく書いてあります。)
これで仕戻し・縫い戻して、これ以上引っ張っても意味なさそうなので、翌週には退院としました。

夢の子ネルル・ユメルは補修性が非常に悪い。(特に旧型。新型は少し補修性が改善されてる)
正直、もう修理は受けたくない…。しかし「広島のおもちゃ病院に持って行ったけど、『やった事無いので』と断られた」との事。「あん?『やった事無い』で断るなら、おもちゃドクター自体できないでしょ?!」と言いたいけど、分解も仕戻しも複雑なので、「やった事無いから」と言い訳するような人には任せたくないですね…。近隣(近県)分はウチ=ボクが引き受けるしかありませんね…。

さて、ユメルを途中で諦めて入院にしたので、もう少し時間があって引き受けました。2件目、「はじめてのずかん900」です。(これも写真撮り忘れた、使いまわしで。)

スイッチ入れても起動音が鳴らない。スピーカーは悪くない。
分解した状態で電池繋いで動かすと、ちゃんと動く。でも、組み戻すとまた動かなくなる…。会場でこれを何回もやって徒労w。イメージセンサーのコネクター部が怪しいのだけど、見ても不具合見つからない…。入院となりました。

まず電源関係を疑い。このタイプのおもちゃは、電池2本で3.3Vデバイスを動かすために、昇圧コンバータが使われてます。(昇圧回路にはコイルが必要なので、電源付近にコイルが付いてるかどうかが、昇圧してるかの目安になるかな)

まあ結論としては、昇圧回路に問題はありませんでした。
次に電源スイッチも疑い。単純な電源の入り/切りだけなのですが、足が6本あるので外すのは困難…。電動ハンダ吸い取り機使って何とか外して接点確認。

なんか、移動切片の方が焦げたみたいになってるけど、接点特に問題なさそうですね…。

で、やっぱりイメージセンサーのコネクター部が怪しいですね…。拡大鏡で一所懸命のぞいたんだけど、足の折損等は確認できず…。でもやっぱり、コネクタ部をちょっと動かしたら起動したりしなかったりと変化があるので、コネクタ部の不具合でしょう。コネクタ撤去してビニール線で直結にします。

コネクタ撤去の過程で、どうやら非常に見えにくい「4番端子」の足が折損してたっぽいです。前回記事にて「5,7,8ピンは未使用(NC)」との事なので、残りの5本だけ繋ぎます。
ケースに収めるとこんな感じ。

これで、組み戻してもバッチリ動くようになりました。(前回は、まだ電動ハンダ吸い取り機を買う前だったので、だいぶ苦労しましたが、今回はもっとキレイにできました。)

さて、閉院時間も近くなってきた頃に3件目、ドローンです。

「ローターが1カ所回らない」との事だったのですが、来院して「あっ!バッテリー充電中で、持ってくるの忘れた…。また来月きます…」と帰ろうとしたので、「いやいや、ちゃんと真っすぐ飛ぶかの確認はできないけど、ローターが回らないの確認はバッテリーが無くてもできます」と預かりました。(バッテリーの接続は、2PのPHコネクターだったので、家にありますw。)

「正面のLEDが点かない」という不具合もあったので、とりあえず分解。

基板はシンプルですね。4方にモータ駆動のFETが配置されてます。まず断線してたLEDの配線を苦労して再接続。電源繋いでコントローラから起動しようとするけど…ローターが回り始めてくれない…。
電源入れてコントローラの「上・下」で、本体側のLEDが点滅→点灯になってペアリングは出来てる様なのですが、ローター回ってくれないんです…。バッテリーはなくても動作確認はできるけど、取説が無いと…。

とりあえず各所確認すると、モーターがどれも数mmぐらい抜けかけてます。そのうち1個は5mmぐらい浮いてた。多分、プロペラを交換しようとして、治具をちゃんと使わず力任せにひっこぬいて、モーターが少し抜けたんでしょう。保護枠の中心部分が摩耗して、あちこち枠が切れてます。モーターが回らない原因は、モーターが抜けかけて枠に当たってるせいだけかも。

で、翌週センターに取説(ついでにバッテリーも)預けてもらって、やっと動作確認。(結局ペアリング後、左側スティックの下のボタンが「動作開始」のボタンで、それを押せばローター回り始めるだけでした…。あちこち押してみたら動いたかもw。)
やっぱり、ローター1個が回りませんね。
以前に駆動回路のFET不良で取り替えて直ったことがあったので、それを期待したのですが、モーターに直接電圧かけても回らず。モーター抜いて確認したけど、見た目に断線は見当たらず。モーターは、外に端子が出てなくてケースから配線が直接出てるので、途中の断線の診断ができない。もうどうせダメなので、モーターの近くで線ぶった切って、なるだけモーターの近くから電圧直接かけたけど、やっぱりモーター回らず、「モーター不良」の判断となりました。

いわゆる「コアレスモーター」で、寸法はφ6×15mm。ネット(密林とか)で探したのですが、同じモーターは売ってなさそう…。密林では「左右回転2個セット」とかで売ってる物がある。直流のブラシモータは、回転方向は指定なしだと思うのだけど、例えば回転子コイルと整流子の角度が微調整してあったりして、回転方向を変えると性能が落ちたりするのかしら…。
(ミニミニなモーターで、カシメも小さくて硬くて、分解しようとしたけど諦めました…。ローターが枠に当たって負荷食ったせいでの巻き線の焼損ではないかと推定します。)

という事で、本体メーカー・型番(たしか、Holyton社の「HT-20」)で調べて、それ用のモーターじゃないと、取り替えてもまともに飛ぶかどうか保証できない…。
修理実績で「×」になるのは悔しいですが、「モーター不良、同じモーターが売ってそうにない。メーカーに問い合わせて下さい」で、返却としました…。

(後日)それから一週間、ウジウジと考えた。中国(Ali)なら、少なくとも寸法が同じモーターが手に入る。性能がアンバランスな場合を考慮して、最悪4個セットで買って全部取り替えれば、ちゃんと飛ぶようにできるのじゃないかしら…。だいぶ時間がかかってしまうけど、元々定価6,000円もする高機能なおもちゃ。メーカーに言っても修理してくれないか、高くつくか。それが数百円で直れば御の字。
一旦返却してしまったのだけど、「やっぱり中国にモーター発注して、再チャレンジさせて下さい」と、もう一度持ってきてもらう事にしました。今日センターに受け取りに行く予定で、再度詳細寸法・軸径等測定して、とりあえず発注予定です。

さて、ついでにウチの奥さんが預かった個人的修理を1件。「キッズミニピアノ」です。

電源入れてもLEDも点かないし音も鳴らない。分解して確認、電源スイッチも怪しいけど、短絡しても鳴らないので、他に不具合がありそう。

COBの乗った小さな基盤が、メイン基板に垂直に刺してあるタイプです。ここのハンダ付けが怪しいので、ハンダ足しながら全点再ハンダ付けします。

これで確認すると、電源スイッチを短絡したら動くようになったので、電源スイッチ分解整備して、無事終了です。
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4/25 プリモメンテ192件目:プリモチョコル

2022-04-25 | プリモプエル
プリモチョコルの「琥珀くん」の修理のみでの入院です。

(だいぶ汚れてますね…。目の白丸が跡形もなく消えてますね。)
依頼は、両手不作動と寝てばっかりの修理依頼です。まず、「座っている状態」を検知するためのチルトスイッチを取り替えます。(これが、「寝っ転がってる状態」を検知するスイッチなら、例え不良でも「寝てばっかりで全く操作出来ない」じゃなくて「なかなか寝ない」だけで済むんですけどね…。)
取替後の写真:

このチルトスイッチは元々が不確実なスイッチなので、ピースのフリフリ取替で外した中古品を整備して、2個「OR」で繋いで使ってます。
(なぜ中古を使うのかというと、ピースのフリフリは非常に不確実な「点接触」の接点を使ってるのに対して、この配置・使い方だともっと有利な「線接触」の接点を使うので、ピースで不作動でもまだまだ使えると考えています。)

続いて、不作動な両手のスイッチ補修。後ろ首の手縫いを開いて、腕の綿を抜いてひっくり返して補修します。

左右いっぺんに行きます。今回は、状態良かったし配線にダメージもなさそうだったので、基板パターン・鉄片をアルコール付けた綿棒でゴシゴシ&仕上げに接点復活剤を塗って、整備のみ・配線はそのままとしました。
「コテン」は…、右に倒したときの寝はばっちりでしたが、左の寝がちょっと悪いですね…。しかし、「コテン病」の治療は、寝やすさより寝にくい方が生活しやすいでしょうから、これで良しとしますw。(チルトスイッチがだんだん悪くなって、しばらくすると丁度良くなるかもしれないw。)
これで一晩動作確認して、今日退院していきました。

いや~、修理依頼がじゃんじゃん来て、あいかわらず自転車操業・火の車…。何とかやりくりしてますが、ちょっと油断するとダンボールが山に積みあがります…。2週連続で土日を、激烈に働きました…。「まあ、GWに突入したら一気にはかどるけどね」と思ってたのですが、とりあえずのウェーブを何とか連休前に片づけましたw。まだ、他におもちゃの入院も抱えてますが、何とかちょっとのんびりしたGWを過ごせるかもしれませんw。
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4/25 プリモメンテ190,191件目:プリモピース2体

2022-04-25 | プリモプエル
プリモピース「ピースちゃん」と「ピピーちゃん」(くんかな?ちゃんかな?)の修理のみでの入院です。

「2体ともエラー03で充電できない」で「充電池の取替依頼」でしたが、エラー03だと動作確認も全くできないと思うので、両手のフリフリも悪ければ取り替える予定をお伝えして入院です。

元の電池と今回取り替えに使う電池。

前回の取替まで、ニッケル水素電池を買ったはずなのに「Ni-Cd 3000mAh」と書いてある、疑義のある電池でしたが、5個買ったのを使い切って、次の電池になりました。今度はちゃんと「Ni-MH」と書いてあります。

その充電池ですが、黒の子の方は、充電器繋いだら普通に充電出来て、一旦ゲージも一杯になって普通に動きました。これは…交換の必要ないんじゃなかろうか…。
ピンクの子の方も、充電器繋いだら普通に充電できて、「まんた~ん」と言うまで2時間ぐらいかかったのですが、充電器外すと「時間合わせて」を切れ切れに繰り返しながら液晶も点いたり消えたり、明らかな電圧不足。充電後も2Vちょいぐらいしか電圧が出てませんでした。これは、エラー03が出ておかしくない状態ですね。
分解したら、液漏れで電池セル表面とか配線とかがじっとり濡れてました…。コネクタまで青緑になってました。

これは、コンタクトから取り替えた方がいいですね。皮むきしましたが、赤・黒の電池線の方は芯線が全長全て真っ黒でした。サーミスタ行きの青線は、スズメッキ銅線のメッキがほぼ無事だったので、コンタクト切って付け直すだけで済みました。
まあ「バンダイに充電池取替を出したら、状態の判断はせずに取り替えるよね」と思い、2体とも充電池取替しました。

2体とも動くようになって動作確認しましたが、2体とも両手のフリフリが、ほとんど効きません…。このままではお返しできないので、2体とも両手フリフリのチルトスイッチ取り替えます。まず黒の子の方から。

背中の手縫いを開いて綿を抜いてひっくり返します。両手いっぺんに行きます。ピンクの子の方も同様。

(こちらは、ベースからスイッチ取付基板を外したところ。)
これで、チルトスイッチを秋月から買った新品に取り替えます。配線は、ベースの穴を通して癖がついてるところまでを切り縮めて、そのまま使います。(穴の部分でストレス掛かって、ここで断線してたこともあるので。)
白い布袋を閉め戻して、腕ひっくり返し・綿詰め戻しして、背中も縫い戻しすれば終了です。

手のフリフリ終わってから一晩動作確認して、今日退院していきました。
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4/24 プリモメンテ189件目:おうたたっぷり

2022-04-24 | プリモプエル
おうたたっぷり「プリモちゃん」の修理のみでの入院です。

これは…相当色黒さんになってますが、今回は左手の修理のみの依頼です。その左手の状態。

これは…改悪基板ですね。基盤が悪い、又は配線の取り付けが悪いせいで、いつもの固定の悪い方の配線が基板付け根で断線してました。今回は最小限修理で、先端切り縮めで接続し、配線の確認・取り替えはしませんでした。

右手や尻尾も「改悪基板」だと、断線は時間の問題と思われますが…、今回は500円の図書カード同封で、同封手紙で「左手SW部分のみ修理して頂きたく」と念押しされたので、現在不具合の左手だけの修理で、退院としました。
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4/24 プリモメンテ188件目:ハートたっぷり

2022-04-24 | プリモプエル
ハートたっぷり「カール君」の全身洗濯フルメンテでの入院です。

(分解前の写真撮り忘れて、腕の綿を抜いた後のため、少ししょぼんとしてます…)
これは…だいぶ汚れてる子ではありますが、あちこち布のダメージが高いです…。
左手の平が破れる寸前で、網みたいになってます。頭の寝ぐせ(?)に何か巻いてたのか、布が切れて綿が見えてる。顔も汚れてるだけじゃなくて、局所的に布が傷んで凸凹してる…。洗濯してどうなるでしょうか…。

とりあえず分解、まず両手。

(多分)左手の方、補修跡ありです。2回継いであるので、2回補修かもしれません。バンダイのプエル病院は継いだ所をビニールテープで巻いてますが、これは熱収縮チューブが掛けてあるので、多分おもちゃ病院でしょう。次、しっぽ。

これは…基盤が「改悪基板」に替えられてます。そのせいで、いつもの固定の悪い方の線が基板付け根で断線してます。1回目、バンダイのプエル病院で修理、2回目おもちゃびょういんで修理、といった所でしょうか。続いて頭のセンサー類。

だいぶボロボロでした。おでこ「なでなでセンサー」(橙線)が途中で2本とも切れてます。めったに見ませんね。マイクの線も切れてました(ギリギリもってて、分解時に切れたのかも。)
やはり、頭部にかなりのストレスが掛かってたのじゃないかしら。

まあ、中もだいぶボロボロでしたが、修理は普通。マイク線は先端切り縮めでそのまま使いましたが、他の線は全部取り替えました。
目は、白丸が手書きされてて、最初から「塗り直し希望」だったので、マスキングせずに洗濯して塗り直しました。
洗濯は…そこそこキレイにはなったのですが、特に顔の布の傷みが激しく、なんとも言えずボコボコになってしまいました。特に左のほっぺ、明るさセンサーが付いてる所が、センサーベースの丸の形に布が削れてデコボコになって、取付位置をがんばって調整したのですが、如何ともしがたい…。元の傷みが激しいので、これが限界かな…。

いつもの様にウチのプリモッティと退院時記念撮影です。

今回、目は、総合:90点は行ったのじゃないでしょうか?
ウチの奥さんに頼んで、左手の平は当て布・頭の寝ぐせは切れた所で一周縫い縮めてもらいました。BOX単体も含めて動作確認もしっかりやって、今日退院としました。
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4/23 プリモメンテ187件目:タイプA

2022-04-23 | プリモプエル
タイプA「プリ夫くん」の修理のみでの入院です。

タイプAは1999年~発売ですが、キレイな子ですね~。しかし、故障は「謎の故障」です…。

「電池ボックスの黒いスイッチが溶けてしまった」との事…。ライターで炙ったりでもしない限り、スイッチのツマミ部分が溶けるとは思えない。「いや、そんな事はしてません」と写真が送られてきたけど、お尻の布に染みがついて、溶剤か何かでプラスチックが溶けた様な感じ…。(熱で溶けたなら、溶けたプラスチックが周りにべっちょり付くはず。)
到着して確認。

やはり溶けてツマミが無くなったような感じ…。分解して確認すると、液漏れがあったような様子。

電池端子は、基板に繋がるマイナス端子のスプリングの先がサビていた。プラスの方は若干サビ気味ぐらいで、それほどでもなかった。ヒドい液漏れを食らうと、電池端子がもっとボロボロになるんだけど、局所的にスイッチのところだけボロボロになってる…。(ちなみにスイッチ行きの線は取り替えたけど、芯線は黒くなってる程度でそんなにボロボロでもなかったし…。)

スイッチ周辺、なんか匂う…。どこがで嗅いだ事がある気がする、クサい匂いがする…。「プラスチック分解菌」みたいなヤツにやられたかしら…?
ネットで検索したら、PET分解菌の記事がヒットした。それによると「PETをテレフタル酸とエチレングリコールとに加水分解する」と書いてあった…。そっかこの匂い、自動車の不凍液の匂いだ!マジでプラスチック分解菌に分解されたのかしら???

ツマミがすっかりなくなってるスライドスイッチを分解した(裏のベークライト板を外した)ら、中から3×6mmぐらいの、炭化してボロボロな「枠」みたいなものが出てきた…。それがスイッチツマミの成れの果て?
これはもしかしたら、未発見のプラスチック分解菌か???と思ったのだけど、どこに出したら調べてもらえるだろう…とか考えてたら、修理が進まないw。
世紀の大発見はどこかの学者さんに任せて、ボクはボクにできる事をするまでw。

ということで、液漏れ跡のサビはあらかた取って、スイッチ・配線は新品に取り替え。基板に繋がる電池端子2個:プラス&マイナスを取り替え。配線にも液漏れが染みてる可能性があるので取替。これでちゃんと喋るようになったので、動作確認。
右手スイッチは、抵抗値がだいぶ不安定。右手としっぽは概ね〇。どうしよっか…忙しいから×じゃないならこのままにしたいなぁ…でもやっといた方がいいはいいなぁ…と、問い合わせたら、やっぱりやってほしいとの事。しょうがない、やる気を振り絞ってやりましょう。

いつも通りまず左手から。

これは…バンダイのプエル病院の仕事ですね。スイッチ基板がタイプAオリジナルから、タイプB以降に使われる両面基板に取り替えられてます。
配線は、プエル病院いつもの「青線」で、いつも通り、基板の穴を通してない。ベースへの基板のはめ込みが90度ズレてたせいで、線もよじれてる。あいかわらずイマイチな補修だなぁ…。次、左手。

これもプエル病院。やはり基板がいい基板に替えられてます。続いてしっぽ。

しっぽは補修跡無し。基板もタイプAオリジナルの改良前の基板で、線もAWG28ぐらいの細い線ですね。

これで、両手・しっぽ:3か所、スイッチ・配線全部新品に取り替えて、仕戻し・縫い戻しして終了。動作確認も数日間やって問題なし、今日退院としました。
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4/23 プリモメンテ186件目:ハートたっぷり

2022-04-23 | プリモプエル
ハートたっぷり「ひろくん」の修理のみでの入院です。

これは…見たこともない程キレイな子です!と思ったら、

はは~ん、これは、ウチでは「ぼったくり病院」と呼んでる、某おもちゃ病院を自称する所に出しましたね。BOXに直接(汚い字で)マジックでメモを残してるので、すぐ分かります。しかも「スーパー美白エステ」と書いてありますね。28,000円以上確定ですね。
それにしてもキレイです。これは、元々の傷みが少なかったから、と思いたい…w。

修理依頼内容は、「しゃべらない。スイッチ入れてたまにしゃべる事があるけど、すぐにしゃべらなくなる。おもちゃ病院に持って行ったけど、とりあえずしゃべるので『壊れてない』と診てもらえなかった」との事。困りましたね…。
「少しの間はしゃべる」というのは数時間程度?と尋ねたところ、「数秒です」との返事。それだったら、おもちゃ病院もさすがに異常と判断すると思うのだけど…。

到着して動作確認したけど、心配していた通り普通にしゃべる…。このままだと「どこも悪くない」と無修理で返すことになってしまう…。
しかし、3日目にやっとしゃべらなくなりましたw。これでやっと原因究明ができます。

最初に電源入り切りした時に、起動時のセリフの最初が切れて途中からしか聞こえなかったり、途中でちょっと声が途切れたりしたので、スピーカーラインが怪しい。
とりあえずBOX分解したのだけど…基板が抜けない!

本来、BOX左側の出っ張り2つの間に基板を挟んで固定されるのだけど、その「上の隙間」に無理やり基板が突っ込んであって、だいぶ力入れたけど基板が抜けない…。誰だ、こんな所に基板突っ込んだ奴は!!!

まあ、とりあえずスピーカ行きの線を取り替えたいけど、この状態でも取り替えられるので、今回は仕方ないので無理には抜かないことにする…。
線は取り替えたものの、結局線は悪くなかったようだけど、スピーカ端子へのビニール線のハンダ付けが…、微妙に悪かったようで、微妙に導通が取れづらい状態だったみたい。線替えて、ハンダ付けもやり直して、良くなったっぽい。

あと、分解してたら、電源のスライドスイッチを取り付けてある黒いプラ板がべっちょり濡れてた。これは多分、ぶしゅっと接点復活剤を吹いたりしましたね?
BOXの落書きには「電源関係修理」と書いてあるけど、まさか某ぼったくり病院では、スライドスイッチに接点復活剤を吹く程度の作業を「修理」と呼ぶんですかね?
接点復活剤を吹いたという事は、多分取り替えはしてないんだろう。(新品に接点復活剤は吹かないだろうから。)
「ハートたっぷり」は2004年発売で年数が経ってるので、前回取り替えてないなら新品に取り替えておきましょう。

分解してみると、やっぱり接点だいぶ黒くなってました。これはやっぱり取り替えた方がいいでしょうね。

これでさらに数日動作確認、多分大丈夫でしょう。ちゃんと直せた事を祈って、今日退院としました。
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4/17 プリモメンテ185件目:ハートそだつよ

2022-04-17 | プリモプエル
ハートそだつよ「ももちゃん」の修理のみでの入院です。

これも…すっきりしない修理です…。「落としたら、全くしゃべらなくなってしまった」との事だったのですが、到着して一旦電池外して電圧確認して、各電池1.25Vぐらいでだいぶいまいちでしたが、その電池のままで電源入れたら普通にしゃべりました。
(時々「おや?入らない?」という事があったようにも思いますが、電池のせいと思います。ウチの電池だと「おや?」という事は起きなかったと思います。)

落としたぐらいじゃ壊れやしないよね…(まあ、落とすのは良くは無いけど、「落としてどこが壊れるか?」というと、ケースが割れるぐらいが関の山かな…)
一応中は開けて確認しましたが、怪しい所は特にありませんでした。

両手スイッチが、一応効きはしましたがクリック感がほとんどなくなってて、相談の上取り換える事にしました。
背中の手縫いをほどいて腕・手の綿を抜いて、ひっくり返して補修します。両手いっぺんに行きます。

「あみあみ」の布袋の口をほどいて、タクトスイッチ取替します。配線は先端のみ切り縮めでそのまま使いました。

あと、電池取替が硬い(多分「引き出し部分」を引っ込めるのが硬い?)との事だったので、ちょっと手を加えておきました。
この「引き出し部分」は、電池が取り替えやすいように引っ張り出したらそこで爪でロックされるのですが、引き出し側の爪が引っかかる「段差」をすこ~し削って調整しました。
今までは、掌底で「ガツン!」とどつくぐらいしないと引っ込まなかったのが、前後にちょっとコネながら軽く押せば引っ込むぐらいになりました。
これで、動作確認もほぼ一週間した、どこも異常がないのにこれ以上引っ張っても仕方ないので、今日退院としました。
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4/17 プリモメンテ184件目:プリモピース

2022-04-17 | プリモプエル
プリモピース「太郎くん」の全身洗濯フルメンテでの入院です。

この子も…事前のメールのやり取りで状況がよく分からない子でしたが…、到着したら概ね理解できました。
「両手のフリフリが効かないので、出かけるときは音量ゼロにして出かける」「2,3日前から声のスイッチを入れる、『時間を合わせてね』を繰り返し言います。その都度充電しております。」「スイッチのオンオフで動かしているがいけないのかもしれません。」などなど…。

電池は「下記のサイトで電池を交換しております。前回は4月です。」
https://batt.co.jp/products/detail/59872575
との事でした。
このサイトは、プリモメンテ初期にプリモピースの充電池取替をどうするか探していた時に見ました。販売ではなく「リセル=セル交換」だ、と称して、プリモピース用の電池が掲載してあります。2200mAhで4,023円、同じ2200mAhの「balanced」で4,698円。ウチでここを使うには高すぎるのでスルーしましたが、この「balanced」は疑問だなぁ…。サイトには「Balanced仕様は作業直前に単セル群の負荷バランスを校正」と書いてあるけど、電池セルを「校正」なんてできるはずがない…。せいぜい、充放電特性を測定して、多数の電池の中から特性の近いものを選別するぐらいしかやりようがないのではないかしら…。(どっちにせよ買ってみようとは思えませんけどね…。)

到着時には、充電池は外して同封してありました。これをコネクタに刺して設定→ONにすると、設定は出来たのですが、ONにしたとたんに「時間合わせてね」を繰り返しました。
これは、電圧不足によるデバイス誤動作ですね。
プリモピースは、充電池の電圧が下がってくると「充電して!」と要求しますが、何らかの理由でそれを上回って放電したのでしょう。充電したら普通に動くようになりました。
「何らかの理由」ですが、おそらく「音量ゼロ」にしてる間に充電が必要なレベルまで下がって、しかし「音量ゼロ」なので「充電して!」も言わず、そのうちに「充電して!」も言えない誤動作レベルまで放電してしまったのでしょう。動作に関しては特に異常は無く、通常通り、両手ふりふりセンサーの修理のみとします。

とりあえず、洗濯のために分解していきます。左右同じなので右手の写真。

両手とも補修跡はなさそうです。頭部の明るさセンサーとマイクは、ピースは布が薄いのでひっくり返して分解します。

やはり補修跡は無しですね。普通に分解して普通に洗濯します。

充電池はなんとなく怪しかったし取替依頼もあったので、取り替えました。
分解前の写真を撮ったつもりだったのですが、撮り損なったようです…。元のピースに近い緑色のフィルムでキレイにパックされてました。中もキレイですね、さすが4,000円も取る業者ですw。

取替品も撮り損なった…。パックを一部切開して、サーミスタを移植して、コネクタを付け替えます。
今までは、コネクタコンタクトを付け直してたのですが、PHコンタクトには配線が太くて被覆がちゃんと圧着できてませんでした。コンタクト付け根で芯線がむき出しになるとショートが心配なので、今回から途中で継いで熱収縮チューブでしっかり絶縁しました。

洗濯終わって乾燥も終わって、仕戻し・綿入れ戻し・縫い戻しして終了。いつもの退院時記念撮影。

数日は動作確認しましたが、特に問題なし。これで今日退院としました。
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4/16 プリモメンテ183件目:タイプC

2022-04-16 | プリモプエル
タイプC「タロウくん」の修理のみでの入院です。

今回も、「依頼者さんの言う事は全くあてにならない」の例です…。
事前のメールで「電池ボックスのネジ穴の所が焼けて溶けていてガムテープでとめていましたが外し電池を入れましたが動きませんでした(原文ママ)」とありました…。今まで、電池フタネジの頭が潰れて回せなくなり、バキっと破壊されてたのが1件、ノコで切られてたのが1件ありましたが、ライターなどで炙ったのでしょうか…。だとしたら、焦げた所を削ってパテかプラリペアで整形して…と思ってたのですが…

接着剤が塗りたくってあるだけじゃん?これがどうして「焼けて溶けて」に見えるのか…。
完全にカチカチになってない所もありました。GPクリアに非常に似てると思います。接着剤のせいで殻割りに苦労はしましたが、これならパテ等で盛り足す必要はないでしょう。事前に無駄に悩みました…。

ところで事前のやり取りで、「焼けて溶けて」に「それは『壊れた』ではなく『壊した』でしょう?」と腹が立って、「それなりにはしますが、料金は未定です」と脅したせいか、送付直前のメールで「本当にスミマセンがなるべく低予算でプリモプエルのタロウくんがお喋りできる程度で修理お願い致します。」と書かれてた。また、同封の手紙にも「本当に失礼な事をいいますが、なるべく低予算で」と念押しされた。本当に失礼な…。ウチは料金は頂いてるものの、安すぎて商売(生計)としては成り立たないし、「時給」で考えても労力に見合わない低料金設定なのに、その上「低予算」って、いくらぐらいの事なの???
そんな要求だと、やる気も失せるよね…。と言いながら、修理はちゃんとやりますw。

両手は修理依頼の様です。右手は完全に×、左手は押し方で抵抗値不安定だけど一応〇ぐらいでした。しっぽは左手よりも悪く、押し方・押す位置で×の事がありました。「なるべく低予算」が気になりますが、両手・しっぽ全部取り替えます。まず一応〇だった左手から。

タイプCのデフォルトです。断線もありませんね。次、右手。

これもタイプCのデフォルト。線が片方断線でした。続いてしっぽ。

これもダイプCのデフォルトのままで、断線もなしですね。これで、両手・しっぽ:スイッチ3か所、タクトスイッチ・配線を新品に取り替えです。

電池BOXフタネジ部分は、まあ必要最小限程度に接着剤やガムテープの糊跡を取りました。ナット側は、ナットに折れた木ネジの先が残ってて、プラ部の一部は切られてましたが、ナットの固定に問題は無かったので、ナットは取替、無くなってたネジは止め輪をつけて補充だけとしました。

「電池を入れても動かない」は、電源スイッチの不良で取り替えです。外したスイッチの接点はこんな。

まあ、タイプCだと年数経っており、いつもこんなもんですね。
これで必要な補修は全部やったでしょう。両手・しっぽで1,300円、スライドSW取替100円、ネジ取替(補充)100円で、合計:1,500円。概ね、サイトの「メンテメニュー料金」の表のとおりですが、これで「なるべく低予算で」に叶ってるでしょうかね…?
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