koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/14 宇部定期開院

2018-07-29 | おもちゃ
強烈に暑い日が続いていますが、7月度の宇部おもちゃ病院定期開院日、
ぼちぼちの来院がありました。

1件目、メリー。

「カタカタカタ」と音がして動かなくなる。SWの効きも悪くて、動き始めない事もある、との事。

「カタカタカタ」と音がして回転が止まるのは、クラッチのせいだと思われましたが、まあ強くするのも可能なので、ギアボックス分解してみました。
そこでよーくギアを見てみると、途中のウォームギアが偏摩耗してて、平歯車との噛み合いが悪くなってるようでした。
ウォームギア、なかなか入手困難で手持ちがなかったのですが、周りのドクターに聞いた所、レインボープロダクツのウォームギアセットをお持ちの方が居て、長さが短いのですが、使わせて貰いました。

SWの効きが悪いとの事だったので、導電ゴムSW・基板の清掃を行いました。
んで、組み戻して動作確認すると…、動かなくなってる…。
しばらくゴソゴソ悩んだのですが、時間掛かってきたので入院としました。

どうも、メインのスライドSWが怪しい気がします。

「OFF-音のみON-音と回転ON」の3位置で、足が5本も出てるので、テスターで当たってもよくわかりません。とりあえず、分解して接点を磨きました。
電池BOXについていたガラス管式ヒューズが切れてました…。修理開始前はちゃんと回ってたので、多分、SWをテスタで当たる時かSW分解した時に、短絡して切ってしまったと思われます…。
SW触る時は、必ず電池を抜いて作業しましょう…。手持ちの抵抗型ヒューズに取り替えました。

2件目、TAKARAの「ポピラ」というゲーム機です。

TVにつないで遊ぶおもちゃですが、ACアダプタ口は無くて、乾電池での動作のみです。単3:4本ですが、液漏れで端子ボロボロで、3個取り替えました。
電池入れてTVに繋いでみると…、ちゃんと動きました。
なかなかおもしろいゲームでした。pop'n musicに似た、いわゆる「音ゲー」でした。

付属のカセットが起動せず、だいぶ四苦八苦しましたが、どうやら、差し込みが浅かっただけだった様でした。(ちなみに、付属カセットの曲は激ムズで、だいぶ練習しないとクリアできそうにありませんでした。)

3件目、ぼくの修理史上初の「ファービー」来院です。

「起きない、起こしてもすぐ寝てしまう」との事です。「ファービー起きないっていう話、よく聞くんですよね~」と言いつつ預かりました。

さて、ネットで調べると、しばらく放置してるとなかなか起きず「30回連続寝た」とか、「辛抱強く何回も起こさないといけない」とかいろいろ書いてある。
預かって帰って、再々起こしてみるも、どうしても起きない…。
(リセットSWを押すと、一旦起きて「ねむ~い」とか言いつつ、またすぐ寝てしまって、何の操作もできない状態。)

おもちゃ修理界の大ベテラン、ファービーだけでも多分100体以上修理してきた長さんという方の修理日誌をがんばって調べてくと、傾きセンサの金属球を磨けば改善するようでもあるし、「寝ちゃって起きないのは、ハードの問題ではなくソフトの問題」というコメントもあって、預かったファービーが起きないのはハード的な不具合があるのかないのか判断付かず、しばらく放置してました…。

しかしやっぱり、どうしても起きないので、重い腰を上げて分解することにしました。
分解に当たり、東京都稲城市でおもちゃドクターをされてる方の「ラジオペンチ」というブログ参考にさせて頂きました。

まず、底部の結束バンド口の糸を切って、結束バンドを外します。(今回は切らずに外して、仕戻しもできました。)
ぬいぐるみをめくると、顔を留めてるネジがあります。左右両方とも外します。

耳の付け根・頭周辺は、ホットボンドで結構頑丈に付けてあるので、はがしていきます。
耳は、耳の棒に縫い付けてあるので、手縫いの糸を切って外します。

これで、本体とぬいぐるみが分離できます。(ファービー元々ちょっと怖いけど、もっと怖い…ww)

さて、ケーシングのネジを外して分解、中身を確認。

写真の矢印の白い物が、傾きを検知するSWらしいです。(「ラジオペンチ」のブログを確認してなかったら、分からなかった…。ありがとうございます。)
ラジオペンチさんは、外して分解してたようですが、どうも外すのは結構困難そうだったので、なんとか外さずに分解。
頭のフタが、ハンダコテの様な物で溶かして付けてあるので、できる範囲でカッターで切れ目を入れ、邪魔なホットボンドを除去してコネたら、なんとか蓋が外れました。

中にパチンコ玉よりも二回りほど小さな金色の玉が入っています。
電極も金属球も、どうという事はない、ごくごくきれいなのですが、丁寧にアルコールで拭いて、さらに接点復活剤でも拭いて、素手で触らないように組み戻し。

よく不具合があるとの情報で、サブ基板が直角に刺さってる所の再ハンダ付けを実施しておきました。(バラバラにせずとも、隙間からなんとかできそうだったので。)

全部組み戻し前に動作確認してみると…、あら不思議。今までどうゆすっても起きなかったのに、ちょっと傾けただけですぐ起きる!3回ぐらい起こしたら、ちゃんと起きて会話できるようになりました~!

電極も金属球も、見た目にはピカピカだったのですが、清掃が効いたんだろうねぇ…。やっとちゃんと起きてくれるようになった様です。
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6/23 リユース出張開院

2018-07-08 | おもちゃ
毎度、子ども用品リユースでの出張開院です。
じゃんじゃん行きましょう~。

1件目、アンパンマンの自動販売機です。

電池端子のサビのみで、リューターで磨いて終了。

2件目、ボイスレコーダーの犬のぬいぐるみです。

「トイレに落とした」……との事。
下の結束バンドを切れば、中身がスッポリ出てきます。
開けてみると、スピーカーのマグネットが取れてました。まだ使えそうだったので、接着剤で付けました。スピーカー復旧したら、モーターも動くようになりました。マグネットが引っかかってたのでしょう。
(1回洗った方がいいかな?と思ったので、結束バンドを仕戻しせずに、ユニット抜いた状態でお返ししました。)

3件目、Disney(の何か)のLEDで光る剣です。

持ってる状態で転んだりしたかな?バキバキに割れちゃってます。
「とりあえず形になれば」との事だったので、分解して、瞬間接着剤で仮止め後、裏からはんだゴテで溶かして付けました。まあ、ボチボチかと…。

4件目、プラレールのSL。

「何で、前後両方電池が入っててSW付いてるのだろう?」と思いましたが、後ろは音のみ、動力車は前でした。
ギアボックス分解してモーター単体で回してみましたが、いまいち…。モーター分解してみたところ、ブラシがかなりチビてました。「一番のお気に入り」との事で、相当遊んだのでしょう。
手持ちの中古モーターからブラシ片方取って移植しました。

5件目、アンパンマンのショベルカーです。

貰いものだけど、全く動かないとの事。
分解してみると、電池BOXからのマイナス線が、基板の側で断線してました。
状態悪かったので取替し、基板の「多分ココ」という所にハンダ付けして終了。
(返却の時に、「時々後ろに動かない」という症状が出たのですが、遠方からの来院という事で、この状態で返却となりました。)

6件目、ここから入院での対応。ミッキーの水鉄砲です。

水鉄砲の機能はOKだが、SWを入れたらファンが回る所が、回らないという状態。
暇な別イベント中に、別のドクターと一緒に修理しました。

分解ちょっと苦労しました。

スライドSWが不通の様です。分解してペーパー掛けて復旧させました。

7件目、ラジコンです。

時間終わりかけだったので、確認せずに預かり。「電池あるけどどうしましょうか?」と聞かれて、10個ぐらい預かったのですが、ほとんどが切れてました。新品電池を入れたらちゃんと動きました。(やっぱり、使ってた電池は、一緒に預かって確認した方がいいですね。)

8件目、カウンタックのラジコンです。

「ステアリングは動くけど、走行しない」という状態。
分解ちょっと大変でした。後輪のタイヤハウス内にネジがあり、後輪が邪魔で外せない…。後輪抜こうかと思ったけど、大変そう…。結局、ホイールからタイヤゴムを外して、隙間から細めのドライバ突っ込んで、何とか外せました。

モーター単体を確認しようかと思って見てみたらば、ノイズ除去のセラコンの足がモーター端子に当たって短絡してました。短絡外したらちゃんと回りました。(駆動回路が壊れてなくて良かった。)
付け直しはせずに、ビニールテープで絶縁確保としました。
(ヘッドライト点灯の線が1本外れてましたが、分解してる間に外れたのかも。基板側の「多分ココ」という所にハンダ付けして復旧。)

9件目、パワーショベルです。

単2電池4本が無かったので、可変電源繋いでみたら、一応動きました。しかし、音符の形のボタンがあって、本体下部にSPのありそうな穴もあるので、音が出るはずなのに無音…。だもんで、分解しかけたら、本体下部に「音あり/なし」のSWがあり、SW入れたらちゃんと音が鳴りました。

油圧ホースの一番上側が、付け根が折れて外れてたので、通しのビスで留めて復旧して、これで返却にしようかと思いましたが、アームの動きがいまいちなので、分解・確認することにしました。
分解大変でした。各部の軸がきっちりはまってて、軸を抜いてかないとケーシングが分解できない構造。バケット前後のユニットは諦めました…。
本体側に入ってるアーム前後動のギアボックスは、あけてビックリ。何故こんなにカスだらけなの?

とりあえず全ギア、きれいに掃除してグリスアップ。
このカスは、多分クラッチ部分がゴムの摩耗伝動タイプで、そのゴムが削れた物と考えられたので、クラッチ部分解しようと試みましたが、バイス掛けて押しても引いても、ほとんど動かず…。
あまり無茶してギアが割れちゃうと直せなくなるので、分解諦めました。
全部組み戻してみたら、バケット前後動もアーム前後動も、前より良くなった気がする。
「オーバーホールが効いた」という事にして、終了とします。

さて最後、10件目。小さなぜんまいのアンパンマン号です。

今回、これが一番の苦労でした。
ぜんまい巻く軸が抜けちゃいました。外から差しただけじゃ巻ける様になりません…。ミニミニなぜんまいユニットですが、仕方なく分解。

結論は、ぜんまいを巻くラチェット構造部分のボス部の亀裂で、軸が空回りでした。
押さえてはんだゴテで溶かしてみましたが、そんなもんでもつはずがなく…。
諦めようかと思いましたが、日本おもちゃ病院協会の何個か前の会報に、ミニミニぜんまいユニットの修理紹介が出てたの思い出しました。
なんか分かりにくかったのですが、要は「ちょうどいい径のタガを作って、それで締めてやる」という事で、そのワッシャーの様なちょうどいいタガの作り方が長々書いてあるのでした。
ボス部の径を測ると約4.4mm。タガを作るのに、M4のビスに取り付けてドリルで回して作ろうかと思っていたらば、4.4mmならM4用のワッシャーがちょうどそのぐらいじゃない?

という事で、写真中央が、M4ワッシャーをタガにした、ラチェット構造部です。
その上の隔壁は、ワッシャーが当たって邪魔になるので、穴をφ10mm程度に広げました。
組み立ても大変でした。
香箱(って言うかしら?)からぜんまいを外さずになんとかしたかったのですが、軸がちゃんと嵌められないので、ぜんまいは一旦外してしまって、オルゴール修理と同様に、香箱の隙間から巻き込んでく事にしましたが、全部の部品をはめ込んでくのが大変でした…。

恐る恐る巻いてみると…、なんとか滑らず巻けて走りました。でも、怖くて1巻ぐらいしかしたくありません…。1巻でも50cmぐらい走るので、「巻きすぎないように」お願いして返却しました。
(あと、チーズがぴょこぴょこ上がったり下がったりする動きがいまいちでした。最初から?という疑問はありましたが、いまいちだったので、当て板してストローク調整して、ちゃんと上下する様にしました。)
コメント (5)
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